剣ヶ峰        2281m          
         
                                  
                                 
                                                                                                      
  2021.4.24(土)


  晴れ    単独     浅間山荘より     行動時間:4H10M


@浅間山荘4:36→(19M)→A二里十二丁4:55→(9M)→B二合目5:04→(39M)→C1924高点5:43→(29M)→D2101高点6:12→(21M)→E剣ヶ峰南峰6:43→(1M)→F剣ヶ峰北峰6:44〜52→(41M)→G火山館7:33〜36→(37M)→H不動滝8:13〜14→(32M)→I浅間山荘8:46
                


 
@浅間山荘駐車料金500円。 遭対協の小屋 ヒサシゴーロ尾根の取付き点。今回は、ここからは入山しなかった。 A二里十二丁標柱の場所から入山。
       
Aここから笹原を横切り尾根に上がる。 B尾根に乗った場所は1600mの二合目。 ロープまで施してあった。 二カ所目
   
三カ所目 三合目 1770m付近でササが現れる。 1830m尾根が緩斜面に。
       
1870m付近からゴーロが始まる。 C1924高点から東。 18年前もこれは見ている。 七合目
       
D2101高点から東。 2120m付近から牙山側。 2150m付近。ササの中の道形(踏み跡)を進む。 2230m付近。尾根の南に踏み跡がある。
     
E「剣ヶ峰」と書かれた杭がある南峰。 E南峰のフラッグ。 F剣ヶ峰南峰 F標識
       
F北 F東 F南東 F南西
       
F西 Fヤキソバパンと F北東へと下って行く。急峻。 降りてきた場所を振り返る。
       
道形が判らなくなり適当に雪面を降りてゆく。 2081高点の西側付近。密林でなく歩き易い。 2050m付近でやっと道形を見つける。雪があると判らない感じ。 天狗の露地から剣ヶ峰。
     
天狗の露地から牙山。 2038高点南から西側。 「天狗の露地」の登山道の南にも道形が在った。 道形を伝うと、途中に監視カメラが設置してあった。
       
「立入禁止」札側から出てきた。正規登山道は左側。立入禁止に入ると監視カメラがある。 G火山館到着。煙突から煙が出ており管理者が居ることが見える。中に入るにはマスク必携。持っておらず入れず。 G浅間神社 渡渉。牙山を見上げる位置で、谷間であるが景色がいい場所。
       
カモシカに出合えた。人慣れしているようで全く逃げない。  中央左の笹原の中に居る。 薪を手に持って持ち上げているハイカーも居た。 二の鳥居
       
H不動滝  丸太橋を渡り。  一の鳥居 浅間山荘に戻る。
     
Iここに停まる車は、経路のダート林道のせいで砂埃だらけ。     




 浅間の剣ヶ峰への初登は、18年前のこの時期。牙山と抱き合わせにして、地形図のゲジゲジマークだらけの場所と格闘した。実際に格闘と言えるのは牙山側だが、岩場に対する計画時の緊張度も半端なく、この日は印象に残る山行となっていた。


 25年程の登山歴となるが、恥ずかしながら浅間の火山館に行ったことが無かった。その先に目指す山が無かったからであった。いつか行ってみようと思っていた中で、剣ヶ峰なら迷犬を連れて行けると思えた。牙山は絶対に無理だけど・・・。今回の目的地は、剣ヶ峰と火山館。


 18年前はヒサシゴーロ尾根を登り、剣ヶ峰からは、牙山への岩稜帯の南を巻きながら進み、複数回進路を失敗しながらなんとか牙山への尾根に乗り上げた。そして登頂。上がったはいいが、下りをどうしようかと悩む等高線の密度であったが、水線の入る谷が意外とすんなり歩けたのだった。今回はまたヒサシゴーロ尾根を登り、まだ訪れたことがない火山館に行くべく天狗の露地経由で周回とした。剣ヶ峰の東尾根が犬に通過できるかどうかが心配であったが、ダメなら往路を戻ればいいので危険度は高くはない。


 2時15分に家を出る。チェリーパークラインに入る前にパンとコーヒーを仕入れるつもりでいたが、うっかりしており買いそびれ、小諸インター側のセブンまで行って戻るようにチェリーパークラインへと登って行く。久しぶりに天狗山荘までのダートを進む。天狗山荘に着くと車は砂だらけとなっていた。昔は舗装路が少なく砂を被った車をよく見たが、最近は奇麗な車しか見なくなった。砂かぶりを見て昔を思い出した。駐車場にはスタッフのだろう車のみ。夜明けまでしばし待つ。


 4:35出発。いちおう天狗の露地通過を想定してワカンをザックに結わえた。鳥居を潜り林道を進む。2回橋を渡ったら、その先の分岐を左に。ここは道標が無かったらまっすぐ進んでしまう場所だろう。山道を登って行くと、ヒサシゴーロ尾根の取付き点となる場所には赤いリボンが垂れていた。天邪鬼なので、他にルートは見出せないかとさらに登山道を進む。しかし右に見える尾根は勾配を増すばかりで適当な場所は無く、たまたまそこにあった「二里十二丁」の標柱の場所から南に入る。全く道が無さそうな場所ではあったが、ゼロではなくシカ道が在った。


 標高1600m二合目の所で尾根に乗った。前回はこの合目の標識類は見ていない。なにかこの尾根が登山対象の場所となったのかと印象を持った。そしてやや急峻の場所には、タイガーロープまで流してあった。合目標識もあり、お助けロープもあり、バリエーションコースではなく正しく登山対象の場所のようであった。ロープの場所は三ヵ所あり、道形と言うか踏み跡は薄く続く。そして下草が無く非常に歩き易い。以前はもっとササの中を漕いだ記憶があるのだった。当時はもう少し南寄りを登っていたのかもしれない。


 三合目標識を見ると、その先からササが現れる。ここのような笹の植生がづっと続いていたような記憶がある。1800m付近まで上がると緩斜面に変り、広葉樹の中にカヤが生えている場所となる。この付近は広い緩斜面なので道形が薄い。こんな場所にはマーキングが続いていた。そして1870mからゴーロが現れだす。


 1924高点峰は最高所は露岩が鎮座する。ここまで来ると剣ヶ峰から牙山に続く鋸歯のような岩峰が楽しく眺められる。そして18年前に伝った草付きの斜面を目で辿ったりした。四合・五合・六合と標識は見ず、七合目の標識は露岩下のくぼみにひっそりと置かれていた。晴れていて周囲展望はいいが、南からの吹き上げの風が冷たく、この時の外気温は6であった。


 2101高点からはゴーロよりザレの場所が増す。尾根の北側を伝って進み、この辺りは南風が避けられ幸いした。2140mからササの中の踏み跡を辿る。2200m付近まで上がると残雪に出合う。試しに踏んでみる。しっかりと硬い。これなら天狗の露地の歩行は楽かもと思えた。


 剣ヶ峰南峰に到着。境界標柱の脇に「剣ヶ峰」と書かれた木の杭が打たれていた。同じものかどうか不明だが、18年前もこのような杭が在ったと記憶する。あと「MIYOTA」と書かれた三角旗が縛られていた。御代田町のMIYOTAだろうか。山頂部を北に進み北峰に着く。真正面に浅間山の雄姿がある。前週に登ったなら、もっと山肌の雪の筋が奇麗だっただろう。前回はここの登頂の後に牙山が控えていたので、緊張が解けないまま短時間でここを辞した。今日はゆっくりと大展望を楽しんだ。


 さてこの後が今日の核心部。犬が伝えるのかどうか。降りて行くと確かに急峻。さらには残雪が嫌な感じで残っており足を置きにくい。犬には負担だろう。そんな飼い主の気遣いを知らぬかのようにすいすいと迷犬は降りてきていた。雪面で滑落すると気遣ったが、楽しむかのように爪を立ててグリセードーをしているほどだった。


 東側の2000m付近までは山頂から道形が見られたが、以降では草付きの中に道が見えてこなかった。適当に東へ降りて行く。途中、尾根の北側に雪がべったり着いているのが判ったので、右に尾根を見ながら北東へと雪面を降りて行く。ここもやもすると滑落する斜面だったが、時折滑りながらも上手に降りてきていた。


 2081高点付近まで降り、もうここで天狗の露地の東端となる。雪面は沈まず歩き易い。樹林間隔も適当で、手で分けずに体のみで避け進める場所だった。ただし視界は70mくらいで、どの方角を向いても同じような植生だった。当然、切られている昔道を探しながら進むのだが、それらしい道幅に出合えぬままの時間が続く。そして2050m付近でやっと道形に出合えた。加えてトレースも見られた。もう安心とばかりに伝うも、狭い道形で、トレースも薄いので2038高点の南で再び判らなくなってしまった。


 道形を失ったが、この場所からの展望は最高だった。剣ヶ峰を見ても牙山を見てもいい。黒斑山側などは北アの秀峰を見ているかのようだった。この辺りは迷いやすいのかマーキングが散見できた。南西側にマーキングがあったので拾って進むと、南寄りの谷部地形に近い場所を伝い、進んで行くと防火帯のような林道幅のような場所が現れだした。途中から少し北西に進むと、真新しい伐採跡が現れ、ここで火山館の薪を切り出しているようだった。国立公園であり、ちょっと見てはいけないものを見てしまったような気になった。なぜかここにはカメラが設置してあり、火山館側からの侵入を監視していた。


 出た場所は「立入禁止」と書かれたロープのしてある側であった。東に塞いでいない道が在り、これが正規の道のようだった。となると、2038高点付近で迷った時、北寄りに進んだ方が良かったのかもしれない。向かう先に火山館が見えてくる。煙突からは白い煙が上がり中に人がいることが判る。入ってみようと思ったが、入り口にマスクをして入室の旨が書かれていた。登山するにもマスクを持たねばならない時代になった様だ。火山館内部は諦め、浅間神社を参詣する。日本各地の浅間神社(浅間信仰)は、ここからの分家みたいなものと思っているのだが、違うのだろうか。


 火山館から見る牙山は、そそり立っていて凛々しい。硫化水素の匂いにまみれながら降りて行く。沢から少し離れだすと、なにか視線を感じる。西側の笹原からカモシカがこちらを見ていた。進んで行っても微動だにしない。入山者の多い場所に暮らしているので、人慣れしているのだろう。降りてゆくと、この付近にカモシカが出没する場所と看板が出ていた。看板に間違いなし!!


 中開霊神の碑を右に見て長坂を下って行くと、この日最初のすれ違い者が登ってきた。両手には薪を持っていた。私は天狗の露地での薪を見てしまっている。複雑な気持ちになるが、まあ持ち上げる薪だけでは足らないのだろう。二の鳥居からは不動滝側へと選ぶ。ここは牙山からの帰路に一度歩いており懐かしい周囲景色だった。こちらのルートを伝う人は多く、続けざまに4パーティーとすれ違う。どれほど入山してくるのか、さすが人気の場所と思ったこの時だったが、すれ違ったのはここまでだった。


 丸太橋を渡り一の鳥居を潜る。往路に登山道を離れた、二里十二丁の標柱を左に見て周回してきたことを確認する。火山館からずっとすれ違い者を探すように前方に注意を払う。このルートは登山道幅が広く、犬を脚側させ歩くのに都合がいい。そしてすれ違い幅も十分あるので楽な場所だった。ただしすれ違って行った方々が全て犬好きとは限らない。ここほどに広い登山道の場所でも、犬とすれ違うのは嫌だと思う人はいるだろう。気をつけねばならない。ブタを連れていたらどうなのだろう。もっと嫌なのか、ブタならいいと言う人もいるだろう。好みは様々。


 浅間山荘の駐車場に戻る。出発時から5台増えていた。すれ違いパーティー数と合致する。停まっている車はみな埃まみれ。ワイパーに挟んだのでは風で飛んで行ってしまうのか、ドアノブにセロハンテープで駐車料金の請求の紙が貼られていた。これが綺麗に剥がれないので参った。テープの種類をメンディングテープなどに替えてくれると助かる(笑)。






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