乾徳山北峰        2016m      笠盛山        2072m         黒金山        2231.8m                
 
  乾徳山        2031m        
  
   
        
                                  
                                 
                                                                                                      
  2021.10.16(土)


  快晴    単独     徳和駐車場より     行動時間:8H25M


@徳和駐車場3:25→(22M)→A登山口3:47→(73M)→B国師ヶ原分岐5:00→(76M)→C乾徳山北下降点(乾徳山へトライ)6:16〜28→(9M)→D乾徳山北峰6:37〜38→(65M)→E笠盛山7:04〜05→(38M)→F黒金山7:43〜53→(29M)→G笠盛山帰り8:22→(30M)→H下降点帰り8:52 →(24M)→I乾徳山9:04〜22 →(61M)→J高原ヒュッテ10:23〜27 →(59M)→K登山口11:26 →(24M)→L駐車場11:50   
                                                                                            


 
@徳和駐車場をスタート 乾徳神社北西の駐車スペースは封鎖されていた。 A登山口から入山 銀晶水で力水
     
錦晶水も含み味比べ B国師ヶ原分岐 高原ヒュッテ。ここからの進路は、地形が広く夜間は不明瞭。 ガラ場の急登
   
C乾徳山北の下降点分岐 岩場は凍っておりツルツル。アルミはしごの前まで進み、このタイミングでの乾徳山へのアプローチは諦める。 D乾徳山北峰 D標識
       
E笠盛山 E行政の標識 黒金山下分岐 最後の階段路
     
F黒金山は西に出ると大展望。21年ぶりに登頂。 Fヤキソバパンと F南西 F北西
     
F北 F黒金山から富士山 F苔むした三角点 G笠盛山帰り
       
こちらも岩に着いた霜が凍っている。ツルツルでかなり危険。 H下降点再び 乾徳山を北から狙う。 最初のアルミはしごは登れず、ここからまず東側を巻く。
       
なんとか上側に出たが、このはしごも登れない。 さらに東を巻き南に出る。クサリにしがみつき登るハイカー。南斜面には夥しいゴミが残っていた。岩穴には空き缶が大量にある。 I乾徳山山頂はわずか先。左に進むと、その先は鎖場。西側はスラブの岩場。ここまで。 I下のアルミはしごもそうだが、この鎖場も大型犬は無理。抱き上げられない。
       
Iここまでも岩場をよく頑張った。 下降点三度 J高原ヒュッテに戻る シナノゴールドで水分補給。
       
K登山口に降り立つ。 L徳和駐車場に戻る。満車。




 相棒である迷犬の2000m峰登頂数が100座に近くなってきた。今年中に到達か、来年に持ち越しかと微妙なところだが、早くに結果を出すのが私であり、可能な限り挑んで行く。本人はどう思っているのか判らぬが、全くもって飼い主のエゴでしかないような気もしないではない。

 
 和田小屋から苗場山に上がろうかと予定していたが、前週からだいぶ降雪があり紅葉どころか冬の景色になってしまったよう。ライブカメラで志賀高原を見ても同じで、北は避けて雪のない南側で遊ぼうとの思いになる。出来るだけ低めの2000m峰として、乾徳山が目に留まった。岩山ではあるが、犬の登っている記録が読める。大型犬は行けるのか・・・見えるのは中型犬までのサイズで、危険個所はハーネスでつり上げ通過している。扇平からのあの梯子場とクサリ場を、同じように大型犬を連れては無理だろうと思えた。ただ南からのアプローチを避ければ、行けるような気がしていた。

 
 0:45家を出て、久しぶりにR140を伝って旧三富村へ向かう。野辺山経由で行けば、有料道路の740円を回避できるが、30分ほど遅くなる。今日は、時は金なりで時短優先で道選びをした。秩父往還を徳和入口交差点で離れ登山口へ向かう。乾徳公園前駐車場は、5割ほど既に埋まっていた。今日は周回ではなくピストンとしていたために、前宮神社上の駐車場を出発地点に思っていた。集落内の道を進み、その場所に着くと「駐車禁止」とありロープが張られていた。いつからなのだろう。トラブルでもあったのだろうか。来た道を戻り、乾徳公園前の徳和駐車場でエンジンを切る。すぐに準備に入る。

 
 3:25駐車場を出発する。徳和渓谷側へと林道を進み、20分ほどで登山口に到着する。ここからの登路はなだらかもなだらかで、平地を伝っているかのように足を前に出せる。林道を跨ぎつつ進むと水音がしだし銀晶水が現れる。迷犬はペロッと一口飲んだが、それだけだった。不味いと言う事ではなく、欲しなかっただけだろう。少し勾配も増してきて負荷となるが、一級路のまま推移していた。利用者が多い割には地面が掘れていない印象だった。

 
 錦晶水では、ゴクゴクと迷犬は飲んでいた。こっちの水は美味いのかもしれない(笑)。そしてすぐ先が国師ヶ原の分岐点で、乾徳山の南側を避けるべく、ヒュッテ側の下山路を登って行く。ヒュッテの先は広い平坦地で、夜間だとかなり判り辛い。ピンクのリボンが道の場所を示しているのだが、踏み跡がハッキリ見えず判り辛いのがここだった。そしてこの先で道が明瞭になると、山腹のひだを緩くアップダウンしながら直線的に伝って行く。長い横ズレに飽きが出た頃にガラ場となり、ここも踏み跡が不明瞭で、みな適当に伝っているよう。ロープや鎖があってもいいようにも思うが、おそらくだが設置すると、それにより斜面が削られてしまうのを避けた判断が現状なのだろう。急登を上がると、乾徳山北側の下降点分岐に着く。

 
 混みあう前に登ってしまおうと、まず乾徳山を目指す。しかし岩場を伝うルートでドキッとした。岩に付着した霜が凍っていた。私もそうだが、迷犬も歩き難そうにしている。なんとかアルミ梯子の前まで進んだが、この凍てついた状態で狙うには危険すぎると思えた。もうすこし溶けてからと、帰りに再度チャレンジすることにして、北に向かってゆく。凍っているようには見えない石が凍っていたりするので、ツルッとして初めて気づき、以降歩幅はかなり狭くなった。下降点まで戻る途中、東側にピンクのリボンが続いているのを見た。

 
 主稜線を下り、ひと登りすると乾徳山北峰で、私設標識が下がっていた。地理院のデジタル地形図には、こちらにも乾徳山とフラれている。たしか以前は以北のルートは破線路扱いだったはず。今の山と高原地図を持たないので判らないが、ルートは相変わらず破線路風味の道であった。小川山へ向かう八丁平からの道と雰囲気が良く似ている。静かで気持ちがいい尾根筋だった。

 
 笠盛山は、行政の標識が無ければ意識せず通過してしまいそうな場所で、そう思うのは展望が無い為だろう。山頂に着いた感じが薄いのは登山道幅しかない山頂部だからかもしれない。この先の岩場もけっこう凍っていた。アイゼンをしたら歩き辛いし、ラバーソールのままでは危険だし・・・雪が積もってしまえば道具を使い分けられるが、季節の変わり目は歩きずらい時がある。途中開けた場所があり、振り返ると、乾徳山の向こうにシンメトリーな富士山が見えた。富士を見に来たわけではないが、富士が見えるとなんで嬉しいのだろう。

 
 21年前もこの時期に入山した。この時は黒金山までが辛かった記憶がある。この日はさして辛さはない。なんで当時辛かったのだろうと思えた。もっと寒くて筋肉が強張っていたのか、そうか肺が病んでいたからだろうと判った。黒金山下の分岐点に着くと、人影が上から降りてきた。時計は8時前、トレランのようでも無いが荷の小さなソロの方だった。朽ちた階段を這い上がって行く。

 
 黒金山登頂。以前は行政の標識に「達筆標識」が見られたが、また取られてしまったようで今は見られない。一度無くなったものが復活した場所、二度目があるのかどうか。西に出て大展望を楽しむ。ここは広く、北八ッの茶臼山展望台のよう。シラビソの向こうに富士も見える。ここから見る国師ヶ岳は、両翼を伸ばしドシンとした大きな山体に見える。南に国師ヶ原があるように、国師ヶ岳は三富村の人によって名付けられたのだろう。大展望を楽しみつつ居るが、残す1座の乾徳山をどうアプローチしようかと考えていた。大型犬は無理なのか、どこかに伝えるルートが見いだせ踏めるのか・・・。本日最高所でヤキソバパンを食べたら、踵を返し往路を戻る。

 
 山梨百名山の標柱の裏に、なぜにいたずら書きをしたのだろうと、実行者の心理を考えながら降りて行く。写真を撮るにも絵にならない側で、無意味な作業でしかないはず。もしや・・・夕方の為かと思えた。午後になると西に太陽がある。逆光回避には東を向きたい。その為か・・・などと。急な階段路を横向きになって降り、分岐の場所で靴紐を縛り直してから戻って行く。いつもはゆるゆるにして登山靴を履くのが好きなのだが、凍った場所が多く気を引き締めた意味もある。富士が見えるのが判っているので、途中の展望地を楽しみに足を進めていた。少し西側にガスが巻いていたが、展望地からは流麗な富士が望め満足。手前の乾徳山と奥の富士の角度が、オフセットしたかのように合っている事に気づいた。

 
 笠盛山を過ぎると、ソロの男性がすれ違う。玄人ハイカーに見え、乾徳山に関し質問する。「梯子を使わずに登れるルートは無いですか?」と聞くと、「東西に巻き道はあるが山頂へは梯子を通らないとない」とのことであった。北峰に戻り、この先の下降点から先の攻略方法を考える。東斜面にピンクのリボンがあった。まずはここから偵察する。

 
 下降点から踏み跡が東に降りている。その先は深く落ちて行っているが、山腹にも踏んだ跡が見える。踏み跡は冬季の通過者なのかと思えた。それには、東側山腹の特に岩穴の中などには、空き缶がこれでもかと見られ、斜面には割れた瓶やごみが散乱していた。山頂から投げたわけではないはず。山小屋のゴミ捨て場のような様相だった。割れたガラス瓶に注意しながら迷犬と進んで行く。途中上に出られそうな場所があり、這い上がると梯子場だった。見るからに犬は登れない。そのまま南進すると、扇岩の下に出た。ちょうどハイカーが登りだしたところで、足を使わず鎖を握っての腕力だけで登っている様子に、見ている方が怖くてすぐにその場を離れ戻って行く。

 東面では何処も大型犬は無理。戻り一番下のアルミ梯子の場所から、今度は西に巻いて登る。岩が動きそうで怖いが、もう踏査してないのはここくらいしかないので行くしかないと思えた。狭い岩溝の通過を、嫌がる迷犬を抱き上げ上部に出る。その先は東巻きで進むルートだと、その先は次の梯子場と鎖場の場所で、結局進め無くなるのが見えた。反対側の西が巻けそうだが、犬には厳しいスラブでリスク大。ここまで判ったら、乾徳山はこの場所でいいと思えた。山頂からこちらを見る目が4つあった。迷犬のカウベルが、岩と格闘しているのでやたらと鳴っていたからだろう。犬用のハーネスを着けていれば梯子場を吊り上げられるが、そう出来るとしても一人と一匹ではキケンは多い。大型犬が山頂を踏むには厳しい山と判った。

 
 迷犬にとっての乾徳山は、山頂は踏めなかったけど十分頑張った。高見石の時のような感じであるが、一応乾徳山に登ったと言っていいだろう。人間の場合はこれじゃまずいけど・・・。下降点まで戻りザレ場を降りて行く。下山路なので私のような登り利用は居ないと思っていたが、ちらりほらりと伝う人がすれ違った。長い斜行路の途中にはキジ場があり、目敏くと言うか鼻敏く迷犬が見つけていた。利用者が多ければ、自ずとこれらも多くなる。出物腫物ところ選ばずだが、選んで欲しい。

 
 高原ヒュッテに戻りリンゴで水分補給。ここまで来ると、扇平側へと進む人の姿も見え途端に人の気配が多くなる。国師ヶ原下では、50名ほどとすれ違っただろう。さすが200名山の場所である。車でアプローチしやすい場所って事も背景にあるだろう。そして好展望の場所でもある。下りも上下2か所の水場で迷犬に水を飲ませる。錦晶水はがぶがぶ飲んでいたが、下の銀晶水は僅かしか飲まなかった。本当に味の差があるのかもしれない。もっとも、水量の差があり、飲みやすい飲み難いも関係しているだろう。11時を回ってはいるが、まだ登ってくる人がいる。季節が夏ではないからか。それでもこの日は秋にしては陽射しが熱かった。登山口に降り立ち林道を戻って行く。

 
 徳和駐車場に戻る。当然満車だった。何処にあの人数分の駐車場があるのかと思ったら、スポーツ広場が臨時駐車場になっていた。以前やっていたお土産屋はもうやっていなかった。登山客は減らずに推移しても、経営側が老齢になったのかもしれない。この日は、安全靴を買った時におまけについてきた靴下を使った。マメなどしばらく出来ていなかったが、久しぶりに両足にマメができた。素材が悪いのか、織り方が悪いのか。中国製だった。



 
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