大根場        1084.8m        
         
                                  
                                 
                                                                                                      
  2021.3.13(土)


  雨(みぞれ)      単独     文殊堂尾根より     行動時間:2H1M


@診療所6:08→(3M)→A尾根末端6:11→(11M)→B文殊堂6:22→(20M)→C林道終点6:42→(33M)→D大根場7:15〜18→(41M)→E文殊堂帰り7:57→(12M)→F診療所8:09
                                              


 
@筑北村国民健康保険診療所からスタート。西側にはトイレ付公園あり。 A尾根の末端に階段路がある。尾根に乗る道は、東側と西側の2ルートある。 階段路を登りきると、山の神がある。 尾根上に石祠。尾根に対し斜に向いている。杉崎地区の方が設置したのだろう。
       
少し進むと鈑金構造の社が現れる。 きのこ加工所側から道形が上がってきており、分岐点に石仏が立っている。 文殊堂の灯篭。防火帯のような道幅。 700mm付近の分岐路。ここにも石祠あり。
   
文殊堂を見上げる。 B文殊堂。 B文殊堂の先で林道に乗る。途中尾根には乗らずに林道を進む。 C林道終点。Uターンスペースはない。
       
C終点地は890m付近。 終点地からの最初は右岸に踏み跡があり、これは炭焼き窯跡まで。 本谷は倒木で伝えず。 南の沢を登って行く。流れあり。沢の中も両岸も足場が緩く登り辛い。
       
1010m付近。南の沢から本谷に戻る。 ここが谷の源頭部。 尾根に乗る。 D大根場登頂
     
D角の割られた三等点。 D標識。 D立入禁止表示。期限は2021年11月15日まで。 D北尾根にもマーキングが続いていた。
       
Dヤキソバパンと D立入禁止の南側 1070m峰 1051高点北側峰から西側。ここから西に降りても良さそう。
       
1051高点北から、1051高点を見る。 有刺鉄線が尾根に流されている。雨具を破られ、在ることに気付いた。 林道に降り立つ。 E文殊堂帰り
       
尾根末端  F診療所に戻る。     




 筑北村の大根場が未踏になっていた。同じ村内の二見台を登り珍名座を既登したつもりになっており、大根場が踏んだつもりになってしまっていた。西上州からこのエリアの2座を見ると、ほぼ同角度位置にあり、それもあって混同してしまっていたとも思える。歳をとると、既に登っている山にそうとは知らずに再登するらしい。まだそこまでにはなっていないが、落穂が落穂に見えないのは避けたい。

 

 土曜日は一日雨の日となった。上州は何処に向いても雨または強雨予報であった。どうせ濡れるなら雪の方がいいと考えるが、湿気の多い雪を迷犬が纏うと、凍り鎧のようになり見ている方が辛い。つらつらと予報を探る中で、筑北村が「みぞれ」と出ていた。標高も高くないエリアであり、大根場往復なら濡れても知れた程度だろうと考えた。

 

 地形図記載の場所であるが、あまり記録が見られない。大半は藪山派のものばかりで、登山対象の場所ではないのが判る。顕著な尾根が北西にあり、ここを往復している記録が多い。天気を思うと、同じように伝い往復すれば一番楽に思えたが、天邪鬼なので少し変化をつけたい。無積雪期なら、間違いなく水無川を中心にした両岸の尾根で周回したが、今はまだ残雪が残るだろう時季、雪の詰まった水無川を往路か復路で伝ってみたかった。

 

 4:15家を出る。高速で坂城までと思った出発時間であったが、国道が意外と流れ、碓氷バイパスから浅間サンラインと繋いで上田に入る。そして上山田から「大町麻績インター千曲線」で峠越えしてゆく。ここは以前の道の付け方なら通らないが、だいぶ走りやすく改修され便利になった。四十八曲峠経由が、坂上トンネルで抜けられるようになったのが大きい。そして旧坂井村役場前に到達。入山口を探しつつ、併せて駐車余地を見定めていた。古墳の場所は道標から判ったが、暗くてスペースが見えず断念。北に戻り、安心して置けるのは、坂井保育園と筑北国民健康保険診療所が併設してある場所で、ここの西側には公園がありトイレもあった(新型コロナの関係でこの時は封鎖)。出発地点とするには適地だった。

 

 6:08行動開始。外気温は3。雨は降り続いていた。北に進み、農協の角を右折して進むと尾根末端がある。農協の所に公共トイレが在ったので、ここに停めてもいいのかもしれない。尾根の末端には赤い消防栓があり、その陰に隠れるよう石塔が立っていた。古風な不揃いな石組みの階段路を上がると石祠が並んでいる。新しい紙垂が下がり山の神だろうものだった。ここは東側に灯篭が立ち、本来の登路は東側にあるようだった。

 

 尾根上の防火帯のような道形を進んで行く。途中には杉崎側を向いた石祠が立っている。ここから1分ほど進むと、鈑金構造の社も見られる。信心の場所なのか、石塔が並ぶ場所は多いがここまで社や祠が連続する場所も珍しい。690m付近で東にキノコ加工所が見える場所となると、その方角から山道が登って来ていた。その分岐点には弁天様のような石塔が立っている。西を見るとうっすらと道形がある。峠のようになっているようだった。一本尾根を行くと、門兵のように灯篭が立っている。まだここからは見えないが、文殊堂に対するものだろう。700m付近にも東側に枝道があり、ここの分岐にも複数石祠が見られ真新しい紙垂が雨に濡れていた。

 

 進む先の見上げる位置に文殊堂が見えてくる。近くなるとガラス戸になっているのが見える。外の景色が写り込み中が見えないので、微妙に怖さを抱く。見えないものに対する恐怖心。どんな祀られ方なのか見えずに拝礼してから先に進む。文殊堂のすぐ上に地形図に読める林道が上がってきていた。カーブの先から尾根に取り付くのが順当コースのようであるが、水無川を見下ろすとちらほらと残雪が見え、少し期待して谷登りをするべく、そのまま林道を伝って進む。

 

 途中若干の押し出しがあり、車が通るのは困難な林道であった。地形図からは840m地点で終点地となっているが、実際はさらに奥まで続ぎ、890m地点で終わっていた。この先を作道しようにも、ここより先は無理だろう地形となっていた。少し流れのある本流を登るのだが、薄く右岸に道形が見えられた。伝って行くと道形は炭焼き窯跡までで、その先の本流は倒木が折り重なっていて進め無くなっていた。高巻きを思うが、適当な地形が見えてこず、南に派生する枝沢に入って行く。ここも涸れ沢ではなく流れのある沢で、最初はナメ床だったが、次第に土混ざりのガレ沢となり、逃げようと左右を登りだしたが、何処も地形が緩く、1uくらいがごっそりと崩落する場所だった。そのまま我慢して沢を詰める。迷犬も登り辛そうにしているが、登れない場所でなく見定めながら斥候に進んで行く。

 

 それはそうと沢に雪が全くない。雪を当てにするにはもう少し早くないとダメだったようだ。1000m付近まで上がったら、本流に戻るべく東側にズレて行く。この頃から雨はみぞれに変っていた。予報通りな天気に感心する。1010m付近で本流に戻ると、まだ若干の倒木が見られるが行く手を阻むほどではなかった。それでも見定めながら進まないと、進路を塞いでいる場所もあり選びながら除けながら進んで行く。もうこの辺りでは流れは見られなかった。

 

 1050m付近で沢の源頭地形があり、そこからの直登は急で、西にズレ九十九を切りながら登って尾根に出た。そして尾根を東に進んで行く。尾根を歩いてきた場合と、林道経由で沢を伝ってきた場合、どっちが速かったのだろう。沢の中で風が防がれていたが、尾根に乗るとやや強い風を感じるようになった。汗した体がスーッと冷えて行く。

 

 大根場登頂。山名標識と並ぶようにして、土地所有者もしくは借り受け者の注意書きが掲げられていた。ここまでは行動でき、ここから以南が「入山禁止」対象のようだった。文面からは本気度が伺える。マツタケで生業にしているなら当然だろう。三角点は角が割られていた。悪趣味と思うが、持って帰ってどうするのだろう。山名もしくは点名を書いて管理しているのだろうか。北の尾根にもマーキングが見られ、伝っている人が居るようだった。北尾根側にも行ってみたいが、1051高点のある尾根もまだ伝っていない。ヤキソバパンを朝食として西へと戻って行く。

 

 1070m峰には、分岐峰らしくマーキングが縛られていた。草津温泉からのルートもあるよう。ここから北に進む。1051高点南から、西側山腹に道形が存在した。巻き道かと思ったが、どうも獣道のようであった。進んだ先で有耶無耶になり尾根に戻る。一本尾根なので、伝う人が居れば道形ができやすい場所と思うが、それほどにはっきりした道形は見られなかった。下の方へ行くと尾根幅が絞られる場所も現れ露岩も多くなる。

 

 ビリッと雨具が割けた。何かと思ったら尾根上に有刺鉄線が流されていた。往路に見ていれば気にしたが、錆て地面の色に同化していて進路上にあるのが見えなかった。先を行く迷犬は幸い引っかかれることは無かった。長く流してあったが、何の目的だったのだろうか。獣除けとするならば、守りたいのは西側東側のどっちだったのだろう。

 

 カーブの場所で林道に降り立ち、その先すぐ下が文殊堂で朝と同じ雰囲気だった。再度拝礼して降りて行く。西への下降路があったら降りようかと見つつ居たが、明瞭な道形が判らないまま山の神の場所まで戻り、東側の登路も確信してから西の階段路を降りて行く。雨は一度も止む時間がなく降り続いていた。

 

 駐車地点に戻ると、この時間にして既に診療所は開業しておりスタッフが作業をされていた。雨の中に迷犬をタオルで拭いていると、室内にいるスタッフと目が合った。「こんな雨の中にモノ好きが・・・」と思っていたかもしれない。犬の対応が終わったら人間様の番。濡れた衣服のまま帰るのは気持ち悪く、視線を無視して素っ裸になり着替える。もっとも下の方は脱がなかったが・・・。途中出勤してきた看護士に横目で見られた。公園(西)側の駐車場に停めた方が良かったかもしれない。






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