大塚山        1620m         小ヤリ        1780m     
         
                                  
                                 
                                                                                                      
  2021.3.27(土)


  晴れ      単独     鳥居峠より     行動時間:3H4M


@鳥居峠5:29→(10M)→Aゲート5:39→(52M)→B大塚山6:31〜33→(29M)→C小ヤリ7:02〜20→(14M)→D大塚山西7:34→(48M)→Eゲート帰り8:22→(11M)→F鳥居峠8:33
                                              


 
@鳥居峠から南へ。峠付近の駐車スペースは全閉で、南の路肩余地に停める。 これは農業車両に対する泥落とし設備か。ここを右折。右折するとカメラが設置してある。 来光前 フェンス沿いを進む。
       
振り返ると四阿山。 Aゲート A南側からだと閂が操作できない。そのために紐で結わえてあった。 Aゲート南の標柱。
   
県境から東に逸れ、林道を進んできた。1500mから下り勾配となり、ここで林道を離れ西の尾根に向かう。 大塚山手前の1610mの広い地形。 B大塚山山頂。標識類は無し。 大塚山の南。腰から胸丈の笹原。
       
若干雪庇風味な尾根になる。古いワカントレースが残る。新雪が20mmほど乗っていた。 途中から浅間山。噴火警戒レベルが上がったが、噴煙は見えず。 C小ヤリ到着。ここも標識無し。 C小ヤリから角間山。
       
C小ヤリから四阿山。 C本日最終座でヤキソバパン。 C小ヤリの南側は、鞍部までササの海。 C北東側の展望。
     
大塚山の西側には林道幅があるような地形。 D自然地形のようだが、この通り。ここを使えばササの海は回避できる。 復路は谷下り。ヒノキのいい香り(ヒノキチオールか)がしていた。 1500mで林道に乗る。
       
降りてきた谷筋を振り返る。木の杭が並んでいた。 経路のカラマツの植林帯は、見事に東西に整列している。見応えあり。 林道にはマンホールが埋設してあった。 雪解けした林道では、刈り払いした痕が見られる。
       
往路に伝わなかったが、県境ラインから林道が逸れた場所から見る、南側の県境上の道形。 造成伐採がされている場所。新道(作業道)は西に15mほどオフセットしている。往路はここで東に。帰路は西に。写真中央付近に三角点。 開けた場所から見る北アルプス。ほぼ水平に秀峰が並ぶ。 Eゲート帰り。北に抜ける場合は閂が使える。設計ミスだろう。
       
カモシカが居た。  監視カメラが設置してある。獣用とあるが、人間の通過も見ているだろうもの。 F鳥居峠に戻る。   




 全国に大塚山はいくつもあるが、湯ノ丸山北の大塚山は、私が山を登りだして一番最初に気になった大塚山であった。1990年代から2010年代は、地形図にも事典にも載らない場所であり登山対象にしていなかったが、最近はそれら落穂を探して登っており、晴れて計画してみる。WEB上の記録では、縦走形態で伝っている記録が半数以上。暖かい残雪期、犬連れでどこまで進めるか判らないが決行してみる。

 その前に、2月に浅間山の警戒レベルが「2」から「1」に下がった。そのことを全く知らず。知ったのが前週だった。0.5km圏内にまで容認されることになり、気になっていた2000m峰をこの土曜日に計画していた。そんな中、草津白根の警戒レベルも「2」から「1」に下げられたニュースがラジオから聞こえ、その中で併せて浅間のレベルがまた「2」に引き上げられた事を伝えていた。また登れなくなったのだった。予定変更となった。

 夜明けが早くなってきたので、考慮して2時45分に家を出る。碓氷バイパスを大型トラックの群れと一緒に駆け上がり浅間サンラインに入って行く。軽井沢はマイナス2℃。真田から鳥居峠に上がると、現地はマイナス4℃だった。峠付近にはちらほらと残雪が見える程度で、雪を伝うには少し入山が遅かったかと思えた。見える余地のほとんどにロープやチェーンが張られ進入できないようになっていた。しょうがないので向かう南側にハンドルを切ると、少し入った場所に1台分の路肩余地があった。そこに寄せ夜明けを待つ(4:39)。

 白み始めたので準備をする。この日は前週のような落ち度はなく、ちゃんと登山靴を持ってきている。ザックにスノーシューを結わえるが、これを使うような雪質となると、犬は歩行が厳しくなる。たまには使いたいが、本音は使わずに締った雪面で行動できればと思う。5:29出発。舗装路の上は凍ってツルツルだった。3分ほど舗装路を進むと、ゲート扉の無いゲートのような場所がある。構造を見ると、ここは農業車両のタイヤの泥落とし設備のようであった。跨いだ先で右折する。右折するとすぐにフェンスに電池式のカメラが設置してあった。獣監視用とあるが、同時に人間の出入りも記録しているだろうものだった。まず西進しフェンスに沿って南進に変わる。ここも舗装路で、雪解け水が凍りツルツル路面であった。時折ある残雪を越えて進む。

 耕地の南西端にゲートがある。ここを開閉して南に進むのだが、閂が北側に設置してあるが、南側からそれを操作できない。フェンスに窓をあけるべきだったが加工されていない仕様。それがために荷紐が縛られており、閂は使われずにそれで縛られていた。と言う事は、私以前の利用者は南に抜けた登山者であることが判る。北に抜けていれば閂がされているはずで、してないという事は一方通行で南に進んでいる証拠。その先の林道幅を進むと、南側が開けた場所となり、南西を見ると北アルプスの主峰群が真一文字に横並びに整列しているのが見えた。綺麗で見事、これが見えただけでもここに来て良かった。一帯は造成されているような作業の痕があった。

 林道幅の進路が南東に向かう。足の裏には霜柱が30mmほど確認でき、帰りのここはドロドロになるだろう場所と判る。雪の残る場所の方が少なく。進む先でも広く造成されたような場所が現れる。足場が緩いのだろう、道に切った枝をコロのように並べて沈み込み防止としていた。この場所の南で道形が有耶無耶になり、地形図を見ながら東寄りを探すと、今伝った道より15mほど東側に古い林道幅があり、以降はこれを辿る。この林道は刈り払いがされている場所もあった。こんな場所をお金をかけてしっかり管理しているとは・・・。そんなことを思っていると、途中にはマンホールも見られた。別荘地にしようとしているのか・・・。

 1480m付近で、林道は県境上を離れ東に進みだす。地形図にこの林道は描かれていないが、昭文社はどんなベースデータなのか判らないが、しっかりとその道が描かれている。多くのハイカーはここから林道を離れるようだが、県境上は雪が少なくなっておりササが目立つ。谷側の方が雪が詰まっているだろうと、そのまま林道を伝ってゆく。進んで行くと1500m付近から下り勾配になり、ここで林道を離れ西側へと緩く登って行く。主尾根に乗り北を見ると、この辺りもササが多かった。東側の林道を進んだことで少し省力出来ただろう。私一人ならササ漕ぎでもいいが、迷犬が居るので極力避けたいと思っている。

 雪が続きだすと、古いトレースがあるのが見えてきた。二人ないし三人でのパーティーがワカンで進んでいる跡のようだった。前週の平地の雨は、ここでは雪だったようでトレースを20mmほど新雪が覆っていた。トレースの固さを階段のように利用させてもらい登ってゆくと広い雪原が現れる。大塚山はこんな山頂なのかと地形図を見ると、南東に高みがあるようで近づいてゆく。

 大塚山登頂。まだ色の判るピンクのマーキングがあるのみで、探し回ったが山名板らしきものは無かった。鳥居峠から1時間で到達。さてこの先はどこまで進めるか。と言うのも、大塚山から見える南の尾根は笹原だった。同じルートを戻らねばならない事を考えると普通に負荷と思える。それでもここだけで帰るのはつまらない。胸丈のササを分けながら進んで行く。迷犬は低い位置で分けて進めねばならず、人間のように進む先が見えていないので、あらぬ方向に進む様子もあった。ササの海の距離は25mほどで、その先の残雪に繋がった。ここからは西風を受けた残雪で、東側の堆積の上を伝ってゆく。ここはその東側が開けたパノラマコースで、伝って気持ちがいい場所であった。角間山と鍋蓋山に挟まれた格好で浅間山がちょこんと見えていた。トレースを逸れると踏み抜く場所が多い。有難く使わせてもらう。

 1780高点の小ヤリ登頂。退色したリボンとピンクのマーキングのみで、ここも山名板は無し。さてその先と、大ヤリ側の尾根を見て少し構える。鞍部までの距離400mくらいでササが出ていた。一方通行なら下りでの利用でもあり突っ込んで行けばいいが、また帰りに分けながら登り返してこなければならない。新雪を纏った笹原をしばし眺めながら進退を考える。ここまで来たのだから大ヤリは目の前の人参。行けばいいし、行っての満足も得られるが、迷犬には濃い笹藪は負荷でしかないだろう。本音を聞いたことが無いが、あらぬ方向に行っている様子から歩き辛いと判断できる。ここまでにしよう。もう少し時季を早くするか、尾根雪がこれなら谷登りでもいい。今日はここで終点と決めると、周囲景色がより輝いて見えた。

 気持ちいいのか暑いのか、迷犬は雪面でゴロゴロしだした。よく芝生の上でやる所作であるが楽しそう。何事も楽しいのが何より、雪を全身で楽しんでいるのだから・・・。このピークからは北東に谷筋があり、その角度で至極展望がいい。ヤキソバパンを分かち合ったらトレースを辿って戻って行く。しかし1720mで見事に北尾根に誘われ、無垢の雪にミスを気づかされ東側にズレてゆく。大塚山を目の前にしての鞍部からは、ササ漕ぎは避けられないと覚悟していたが、見ると西側斜面に林道幅がある。その場所に雪が乗り道のように見える。雪が消えないと実際を判らないが、尾根にササが待っている中では使わない手はない。雪に繋がってトラバースしてゆくと、全く労せず大塚山の北側に出た。往路に判っていれば使ったが、使う場合は大塚山山頂を端折る形になる。もしくはピークを踏んで1610mの平原側に戻って西を巻く形になる。全ては雪の有無によるだろう。

 1550mからは東側の谷に入って行く。往路はもう少し北側斜面を伝ったが、帰路は谷のど真ん中を降りてみる。やや緩い雪の場所もあったが、それよりも鼻を心地いい香りがくすぐった。ヒノキの香りであった。植林されたにしてはまばらに生えたヒノキが多く、枝打ちもほとんどされていない。それがいいのか悪いのか、ヒノキチオールをたくさん吐き出しているようで、歩いていて香りがいい。途中で谷の中に流れが出だし、林道と出合った場所には土留めのような杭が並んでいた。緩く登り、往路に林道を離れた場所に戻る。

 往路に予想していた通り、ここからの北進は霜柱が融けてマッドな地形の場所が多い。団子までにはならないが、それでも通過が昼近くになればそうなるだろう場所だった。出来るだけ残雪に乗り、無い場所は固そうな場所を選びながら戻って行く。1441三角点の南では、林道幅を進んで居たら笹藪に突入。”そうだった”と南に戻ってから西に15mほどズレて新道側に乗る。進んで行き屈曲する場所で再び北アルプスの眺めを楽しむ。ここに温泉付き施設でもあり、露天風呂からこの眺めが見られたら最高だろう。遮るものが何もないのだった。ゲートに戻り閂を入れて北に戻って行く。往路に凍っていた路面は融け乾きつつあった。

 フェンスの西側にオスのカモシカが現れた。距離12mくらい。ジッとこちらを見ている。私の横で迷犬がしっぽを振っている。敵対視しているのではなく仲間だと思っているよう。2週続けてカモシカが現れた。となると次週もと期待をしてしまう。鳥居峠に戻る。

 振り返る。毎年の降雪量が一番のキモだが、今年はもう少し早くに入山した方が楽だったよう。強い笹藪ではないが、そこそこ高さがあるので普通に負荷となる。伝ってみて、縦走形態で歩いている人が多いのが頷けた。分け入って、分けて帰るのは・・・。大ヤリまで進んで小池川の右俣を下っても面白かったかもしれない。現地ではその発想が出てこなかった。
 






    
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