中小場        2232.4m       茶臼山        2384m        
         
                                  
                                 
                                                                                                      
  2022.5.15(日)


  晴れ    同行者あり    周回      行動時間:3H42M


@麦草峠P6:09→(36M)→A中小場6:45〜46→(37M)→B茶臼山7:23〜36→(49M)→C五辻8:25→(78M)→D麦草ヒュッテ9:43〜48→(3M)→E駐車場9:51      
                                        


 
@駐車場はまばら 麦草峠 A中小場三角点峰 A中小場標柱
       
A中小場から茶臼山 茶臼山への最後の急登。 B茶臼山展望所 B南八ヶ岳
   
B南アルプス側 B北アルプス側 B乗鞍岳 B茶臼山山頂
       
B茶臼山標柱 茶臼山の北麓は鞍部まで残雪が続く。 C五辻 五辻の東屋
       
出逢の辻 国道299号を跨ぐ クールダウンしている 駒鳥の池
       
D麦草ヒュッテ E駐車場に戻る。




 土曜日での行動予定であったが、動きたい午前中に雨予報が続き珍しく家に留まっていた。同行者が居るので悪天を避けたのだった。翌日曜日は好天予報だったこともある。その同行者は週前半に入院手術を受けたばかり、そして私は足底腱膜炎の痛みが取れない。こんな状況下で山に行くのはどうかとも思うが、二人の総意なのだからしょうがない。ボロボロな二人と、健脚な一頭でのパーティー行動となる。

 
 「長く車に乗っていられない」「涼しい場所」これが同行者からの要求事項だった。そこに私の条件として踵に負担の少ない「勾配の緩い場所」が加わる。車で高度を稼ぎ緩い勾配、麦草峠か大河原峠が考えられた。車坂峠は行ったばかりなので、今回は八ヶ岳とし、大河原峠はまだ冬季封鎖中なのでの消去法で最後に残ったのは麦草峠であった。麦草峠からの緩い勾配は南進。こんな時なので、歩いたことのない五辻側の道を絡めてみることにした。

 
 4時5分家を出る。地走りで佐久南まで走り、中央横断道で八千穂高原まで。ここには道の駅が出来るそうで、高架橋の下に既に広大な建設予定地が用意されていた。メルヘン街道を登るが、後ろから突かれることも無く対向車も1台のみだった。賑わっていると思った麦草峠の駐車場には、6台が数えられるのみ。だいぶ混んでいるかと思って来たが、好天予報の日曜日でも利用者は少なかった。まあ連休後の山は、空くのは間違いなく、ここに限ったことではなかったのかもしれない。

 
 6:09駐車場を出発する。木道を進み麦草峠から北進してゆく。概ね泥濘風味でスパッツ必須であった。迷犬もわずかな時間でお腹を泥だらけにしていた。ここのルート、以前はもっと土が乗っていて歩き易かったが、度重なる豪雨や大雨のせいだろう、掘れてごろごろとした大岩ばかりが目立つようになってきた。残雪の残る場所は状態が様々で、凍った場所もあれば踏み抜く場所もあり、まだアイゼンが欲しいような場所も多かった。犬にアイゼンは着けられないので、連れる時は必要になるような場所を避けているのだが、楽だろうと思って来たここは、思いのほかハードルが上がっていた。同行者にだけ軽アイゼンは用意してある。なにせまだ抜糸もされていない状態なので、スリップが原因で傷口がどうにかなれば、何を言われるか判らない。

 
 中木場に登り上げる。少し曇ってはいるが既に大展望。外気温は4で、やや風の強い日であった。茶臼はまだ見上げる位置にある。でももうすぐ。出がけから痺れていた右足は、変わらず痺れたままでもどかしい。今日は前週とは異なる20年選手の重登山靴を履いてみた。痛みが軽減される靴が見つかるかもとの思いからなのだが、長靴より断然痛みが少ない。少し長靴登山を考えねばならない時が来ている。2020年などは、一年を通して2回ほどしか登山靴を履いておらず、ほとんど長靴で行動していた。腱膜炎はそのツケなのかもしれなかった。

 
 茶臼山の東側ルートは、ベッタリと雪が残っていた。ここはやや勾配が強く、滑らないよう騙し騙し登って行く。アイゼンもさる事ながらストックも必要な状況に、一本しか持ってこなかったので同行者に渡す。車には2本積んできたのに、山を嘗めてはいけないって事である。前を行く迷犬が、急に北側の藪の中に進んだ。見ると踏み跡が出来ており、オロクでも見つけたのかと緊張しつつ後を追ってゆく。登山道から10mほど離れたそこは、キジ場になっていた。山頂直下の適当な場所だったよう。匂いに敏感な犬には食い物に感じられたのだろう。

 
 茶臼山登頂。展望が無いのでそのまま展望所へと進んで行く。西側の視界が開けると同時に、西風をもろに受ける格好になり冷やされ寒かった。それでも展望を得るには風の当たる場所に居ないとならないので、展望を優先させしばし我慢だった。北アルプスはちょうど陽が射しており金色に輝いていた。乗鞍も山容の全てが見え奇麗。甲斐駒や鋸は、ここから見ると3山を構成しているように見えていた。計画当初から周回予定でいるのでいいが、今伝って来た道を下ることはしたくない雪の状態であった。

 
 茶臼山山頂に戻り北に降りて行く。ここも残雪がリスキーで、同行者にアイゼンを装着する。もう少し遅い時間だったら、雪が緩み楽だったかもしれない。まだ凍てついた雪面であった。鞍部まで降りたら、道標に従い五辻側へと西進してゆく。西面の方が雪が残っていると思ったが、伝って来た経路からは、北面>東面>西面>南面な感じであった。西側のルートは融雪からか沢のような場所が続き、皆濡れるのを避けたいためだろう、流れの両側に踏み跡が広がっていた。途中でアイゼンは外す。

 
 五辻に降り立つ。五辻と言うからには5つの道の合流点なのだろう。南に進んで行くと、八ヶ岳に似つかわしくないモノが待っていた。東屋があり、八ヶ岳のルート上で東屋を見たのはここが初めてであった。ロープウェーがあるので、観光寄りのルートなのだろうと思えた。そこに前方からソロの男性が現れ東屋で休憩となった。本日初めて会う方であった。ここからの南進も泥濘地形が続く。雪解け水が覆う場所も多く、右に左に流れを避けながら進んで行く。

 
 出逢の辻の先、木橋を渡って進むと、その先は残雪が透明に凍った場所が多く、かなり慎重に足を運んでゆく。こんな場所がある一方で、ずぶずぶとツボ足になる場所も多かった。自ずと同行者は遅れ気味で、何度も立ち止まっては足を揃えねばならなかった。ごろごろした岩が無くなり歩き易くなると国道も近い。

 
 国道を跨いで南に入る。サカサ川と言うらしいが、ここの流れは有名景勝地のような雰囲気があった。木道が整備され周囲の苔を愛でながら進んで行く。左に国道のアスファルトが見え隠れするのが味気ないが、人工物が見えているのは現代人にとっては安心材料になるのかもしれない。途中から国道から離れだすが、ここから登り勾配となり、植生に対する名札が散見できる。

 
 斧断ちの森は、名前そのもので昔に斧で伐採していた場所だろう。苔が繁茂していることもあり、その刃痕がある木自体が探せなくなっていた。木曽の山中などはそれがまだ判るが、全ては苔の有無で、湿気のせいで腐るのも早いのだろう。駒鳥の池を右に見たら、進行方向左に出発地点の駐車所が見える。少し大周りをするようだが、麦草峠経由で東に進んでから西に戻らねばならない。
 

 麦草ヒュッテに着くと、中から二人の女性がにこやかに出てきた。おそらく私だけだったらこうはならず、迷犬を連れていたからで間違いない。そして歓迎してもらう。白駒池側は敵対視されるのに、近接したここでは歓迎される。白駒池の実情は、苔に対する犬の尿害を避けているとのことだった。それならそうと表示するなりアナウンスしたら理解しやすいと思うし、躾けされていない犬の飼い主は憚るだろう。何事も理由が判れば理解しやすいし、判らないと「なんで」ってなるのだろう。ここで理由が聞けて良かった。木道を戻って行く。

 駐車場はまだ余裕があり、これから出発してゆく方も見られた。



  
                                                   戻る