立場岳  2370m           
         
                                  
                                 
                                                                                                      
  2022.6.4(土)


  晴れ    同行者あり    舟山十字路から      行動時間:4H23M


@舟山十字路6:21→(26M)→A広河原分岐6:47→(10M)→B旭小屋分岐(肩)6:57〜7:00→(82M)→C立場岳8:22〜54→(57M)→D旭小屋分岐9:51〜10:08→(36M)→E舟山十字路10:44    
                                        


 
@舟山十字路から @満車 ゲート 広河原へと林道を進む。
       
広河原橋通過 A広河原分岐 A立派な道標が立つ。20年前は下の道標のみ。 左岸の取付き点。堰堤上。
   
独特の空洞地形。土が流れた感じでもなく不思議。 B肩に乗る。旭小屋下降点分岐。 尾根上は赤ペンキが続く。 現在の旭小屋への下降点
       
20年前も同じ場所に在った。 彼はここを登れなかった。北側から巻けるので、抱き上げる必要なし。 尾根上を直線的に登る。利用者は多くないためだろう、ふかふかの地面。 C立場岳山頂
       
C標識 C2022年度、2000m峰新座1座目。 Cご存知、赤標識。 山頂から1分ほど東に進むと南の展望が得られる。
       
D旭小屋下降点帰り。地形図の破線に従い少し降りてみた。 D広河原への下降点 広河原沢の堰堤上渡渉点は、流れは地下に潜るので、堰堤下で水が得られる。 広河原沢右岸から左岸を見る。
       
新緑が日差しを遮り心地いい林道歩き。 ゲート以東に車が入っていた。  E舟山十字路は、駐車スペースがオーバーフロー状態。   




 今年に入り、まだ迷犬に2000m峰の新座を踏ませていなかった。残雪期から高みに動き出すのがいつもだが、今季は腱膜炎の発症により歩猟が遅延してしまっていた。発症からひと月が経ち、だいぶ癒えてきたので2000m峰の高みに連れ上げる事にした。

 
 立場岳に最初に登ったのは2002年初頭。雪の中の行軍で、周囲が白い中での林班の赤い杭が印象的な場所だった。阿弥陀岳の南陵であり、立場岳まで行くのなら、そのまま進んで阿弥陀岳まで行ってみたい。しかし犬連れではリスクが大きいし、そもそも迷犬にとって阿弥陀岳は未踏座でない。

 
 3時50分に家を出て、白樺湖経由で舟山十字路には6時10分に到着した。この時刻で、既にゲート前スペースは満車で、分岐付近の余地に停める。南陵に入っている人か西陵(御小屋尾根)に入っているか判らぬが、みな阿弥陀岳を目指しているのだろう。一部に西岳って人も居るかもしれない。準備に入ると、到着し豪快に笹斜面に車を突っ込む方も居た。車を降りてすぐにザックを背負って出発して行った。既に登山靴を履いて運転していたようだった。

 
 6:21行動開始。先に到着していた北見ナンバーのジムニーの主が、ゲートを越えて進む。その後を追うように行く。御仁は南陵かと思ったが、分岐を西陵へと折れて行った。新緑の眩い中を進んで行く。外気温は10と涼やか。涼やかと言うか手袋をしたいほどでもあった。向かう側右上に南陵への主尾根が高く見えてくる。

 
 広河原橋を渡ると、二つ目の分岐点に南陵を示す道標が立っている。前回は手前を曲がったが、東側の分岐の方がすんなり広河原川の堰堤上に進むことが出来る。川に流れは無く地下に潜ってしまっているよう。堰堤の下流から流れの音がしていた。その堰堤の左岸に赤ペンキで「
四」と書かれている。小尾根を登って行くと、懐かしい空洞の場所が右に見えてくる。”そうそうこんな場所があった”と思いだした。ここは洞窟のような特異地形で面白い。

 
 川面から10分ほどで主尾根の肩に乗り上げる。地形図の破線で描かれている下降点で、現在は南側には道形は見えなかった。東に進むと、新道となるのか旭小屋への下降点が標識を伴って在った。尾根上は林班の赤いペンキが続く。一般ルートではない為か、深く掘れていないのでふかふかの落ち葉を踏む格好で膝にも足裏にも優しい。実は、前日豪雨だったこともあり、足元がドロドロにならない場所を選びたかった。ここはシラビソの落ち葉が堆積した登山道なので、雨上がりでもドロドロの場所が皆無であった。

 
 キノコ山のワイヤーが見えだすとすぐに、右に昔のサージテントのようなオレンジ色が見えてくる。20年前は好奇心からテントの中を覗いて見ている。中に在ったのは・・・書き出すとつまらないので秘密にしておこう。当時は今ほどに規制線が張られておらず近づけたように記憶する。これがあるのは、入山禁止エリア側なので踏み入れてはいけないエリアとなる。ブリキ板に書かれた注意書きが頻繁に目に入る。その多さは異常なほどで、ここでの収穫量が見えるような気がした。

 
 進む先が鋭利な露岩の場所となり、先を進む迷犬が足踏みをしつつクンクンと鳴きだした。手助けして欲しい時にこのしぐさになるのだが、北側からの進路を指し示すと、自力でジャンプして抜けて行った。シラビソが甘く香る中を迷犬に引っ張られるように進んで行く。これにより同行者と大きく離れてしまっていた。迷う場所は無い一本尾根なので気にせず進んで行く。

 
 立場岳登頂。懐かしい標識が出迎えてくれる。日が上がってからしばらく経つが、ここでまだ10だった。どこかにキジ場があるのだろう、ハエがぶんぶんと舞っていた。私の汗臭さに寄ってきたのかもしれない。同行者が登頂したところで、東に進んで開けた場所に出る。立場岳のピークも、もう少し展望があれば人気になるのだろう。まあ南陵の本番前のアプローチの場所なので、重きを置かれないのだろう。

 
 日差しは入るものの、それでも手が悴むほどで下山に入る。ふかふかのルートで、とても膝に心地いい。誰か登ってくるかとも思ったが皆無。標高を下げるごとに気温が上がってゆくのを肌で感じる。ヒグラシのカナカナと言う大合唱が、それこそシャワーのように降り注ぐ。視界上は新緑で春めいているが、耳からは夏の様相であった。後続との間隔が開かないように足を揃えつつ降りて行く。

 
 旭小屋の下降点分岐からは南へ降りて行く。道標はあったものの、道形は流れており良く判らなかった。ザレた斜面を降りて行くと、後続から苦情が入った。「こんなところ通ったっけ」と。「小屋側に降りて周回路で帰る」と言うと、「朝の道の方がいい」と苦言。一度主尾根に戻り、次は破線路の場所を南に降りる。騙されるかと思ったが、そう簡単じゃなかった。「ここも違うでしょ」と。破線の場所も道形は無くなっていた。苦情に負け主尾根から広河原へと降りて行く。確かに北側の方が道形はしっかりしている。

 
 広河原川に降り立ち、堰堤下まで降りて迷犬に給水。冷たく美味しいのか、がぶがぶと飲んでいた。この流れのどこかに、滝でもあれば阿弥陀滝となるんだろうけど、広河原って言うくらいなので流れは緩やかで、況してや細い。滝は無いようだった。ゴーロの中を右岸に戻り林道に乗る。ここからの林道歩きは全方向緑で、そこに夏の日差しが差し込むので心地いいこと限りなし。「眩い」と言う言葉がピタリと嵌る通過点であった。

 
 ゲートに戻ると、ゲートの東側に入って停車している車両があった。間違いなく関係者で、ゲートは南京錠でロックしてあったので、そのカギを持つ人となる。駐車スペースが無いのでやむなく以東に停めていたのだろう。停めるにしたって、ゲートの開閉とけっこう大変そうに思えた。分岐の場所にもめいっぱい停まっており、人気の登山口はキャパオーバーの様子だった。着替えていると、賑やかしいマダム4名のパーティーが通過した。ここに停められず林道途中に停めて歩いてきているようだった。



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