黒豆ヶ原四等点        1580.5m                                                                                                                                                                                                     
  2024.2.4(日)


  晴れ    単独             行動時間:2H20M


@旧北軽井沢観光案内所11:40→(25M)→A六里ヶ原12:05→(43M)→B黒豆ヶ原三角点12:48〜51→(32M)→C六里ヶ原帰り13:23→(19M)→D旧案内所13:42  
                                                                                                                                           


 
@旧北軽井沢観光案内所から。ここの雪はだいぶ融けてしまっていた。 ここで片蓋川を渡渉。 A六里ヶ原。当初はここまでの予定であったが・・・。 道向こうにスキートレールが見え追ってみる。
       
開けた心地いい緩斜面。 途中でスキートレールを追うのは止め、黒豆ヶ原三角点を目標にする。 まだここも道形の上。廃林道(作業道)のよう。 右に見える高みが三角点設置点。
   
途中に見える円筒状のもの 最後はアイゼンが欲しい斜面が待っていた。 なんとか誤魔化しながら長靴でキックステップ。 乗り上げると広く平で、三角点を探すのにかなり難儀する。
     
振り返る。 B黒豆ヶ原三角点。古い木の杭と、プラスチックの杭が並ぶ。 B四等点。四辺を守られているのとは違う石の配置。 B三角点から見る浅間山
       
B噴煙の多い日であった。 B中央が六里ヶ原。向こうは浅間牧場。 B小浅間山 B北側は谷川岳などの上信国境
       
谷の中にコンクリート構造の施設あり。 円筒状の場所から麓に、赤ペンキのマーキングが降りていた。 途中で振り返る 道形が在るのが判るだろう。
       
C六里ヶ原帰り D旧観光案内所に戻る。


 この日は、いつものお散歩に片蓋川に出向いた。前週に比べ驚くほどに融雪が進んでいるのが見え、かなり期待外れに思えた。それでもルートを伝って六里ヶ原まで進む。ここまでのルートは、内緒にしてほしい愛犬家も居るようであり、一応伏せておきます。今やここは愛犬家の雪遊び場になっている。都内からわざわざ来られている方も居る。樹林帯の中には無数に道があり、散策路のように歩くことができる。道の多さから、最初は迷うが何度も踏査していくうちに繋がりが見えてくる。そんな場所だった。

 六里ヶ原も駐車場のアスファルトが見えるほどに融雪が進んでいた。有料道路側に足を進めると、道向かいの西側の雪面にスキーの跡が見えた。馬返し経由のスキーはよく聞くが、ここでのスキールートは知らなかった。かなり気になり伝ってみることにした。ツボ足になる場所もあるが、概ねクラストした雪面でバリバリと音を立てながら歩いてゆくことができた。伝いだして気づいたことは、ここに道形がある事。雪面が決められた幅で白く続いているのでそれが判る。しばらくすると、スキートレールは南西側に進みだした。ここで進路を考える。

 国土地理院の基準点成果等閲覧サービスで浅間の北側の点を見ていた時に、珍名の点が複数あるので記憶に残っていた。”今日そこまで行けるんじゃないか”ととっさに思えた。こんな時のスマホで、すぐにサイトを開くと、さすがにここから珍名の場所までは遠くて行けないが、一番近い「黒豆ヶ原」点までは行けそうに思えた。次に、気象庁のサイトに入り、浅間山の噴火警戒レベル2の範囲を確認する。火口から2キロ圏外に目標地点はあった。点の場所は気象庁のサイトからも標高が入っているので判読できた。お散歩予定の空荷なので、水も食料もないことが気になったが、ここまで来たら行ってみようと進路を定める。

 向かう先に噴煙をあげる浅間山がある。どんどん近づく格好で、どんどん噴火時のリスクが強くなるようで、”今日は噴火しないで”とお願いしつつ歩いていた。反面、この雪山の状態でもし噴火したら、ここからなら綺麗な絵が撮れるのだろうと思ってしまう。スキートレールは道形を逸れたが、こちらはそのまま道形を伝う格好で進んでゆく。段々と溶岩流でのヒダが緩斜面のあちこちに現れだす。

 スマホの地形図を見ながら、目指す高みに向かってゆくのだが、その途中に人工物が現れた。なんだろうと寄って行くと、直径400mm程の筒状の構造物で、上側は蓋形状で開けられないよう南京錠がされていた。噴火に関わる装置であろう。ここはちょっと小高く展望がいい。ここに限らず展望はいいのだが・・・。今日は風が弱く幸いしていた。隠れる場所が無いので、風があったら歩くのが辛い場所でもある。展望のいい場所は、得てして風が強い場所になる。向かう先が溶岩が鎧のようになり待ち構えている。斜度もあり、どう攻略しようかと考えつつ歩いていた。幸いこの時季は雪が有るので利用すればいい。

 少し南西に膨らむようコース取りしながら雪に繋がり急斜面を這い上がって行く。判っていればそれ相応の装備をしてきたが、今日の今日行動を決めているので仕方がない。ピッケルが欲しいような斜度の場所を、長靴でキックステップをしながら帰りのステップを確保しながら登って行く。乗り上げると、高みかと思った場所は広大な緩斜面だった。こんな場所に三角点が埋設してあるのか・・・。樹林が無いからいいものの、斜面にある三角点は探すのが難しい。金沢の医王山北に黒瀑山があるが、その北の二俣三角点はが斜面に打たれた点で、見つけるまで3回の登行を強いられた。そこに比べると樹林が無いからいいものの、ここは広くのっぺりとしている。歩き回るしかない。

 歩き回っていると、三角点の場所によく見る木製とプラスチックの角柱が2本見えた。これが無かったらもっと探すのに時間がかかったと思う。黒豆ヶ原四等点到着。等級は閲覧サービス内で判っているので見るまでもない。少し黄色がかった御影石の標石であった。通常は四辺を守るように石が配置してあるが、ここの点は置かれたのとは違う石配置だった。噴石は軽く、周囲は細かな軽石であり、強風や雪で動き易いのだろうと想像できた。雪もあり埋もれていて見つからないかもとも予想したが、結果オーライで拝むことができた。ここから見上げる浅間山は、それこそ初体験の角度からの姿で新鮮だった。噴煙の量の多さからの怖さと、もう一方での美しさがあった。そんな場所なので長居は無用、自分のトレースを拾いながら戻って行く。

 トレースは三角点探しで迷走していた。苦笑いしながら追って行く。急斜面の上に立ち南側の谷を見ると、そこに四角いコンクリート構造の小屋のようなものが見え、その上にソーラーパネルか反射板のようなものが設置してあった。全て火山に関係する観測設備であろう。おそらくは、道形はそれがために存在したものと思えた。往路で付けたステップに足を入れながら滑落しないよう降りてゆく。緩斜面に降り立てば、後は危険個所は無い。

 麓側を見ながらの歩行なので、景色がよくとても心地いい。まだ遠くに六里ヶ原休憩所が見え、その先には広く浅間牧場が見える。その全容が見えるのだが、牧場の敷地はあんなに広いんだと判る。じりじりと焼かれるような陽射しに、迷犬に水をやりたいがなにせ空荷。本当に喉が渇けば雪を食べだすだろう。堅い雪面で疲れたのか後ろを歩きだしていた。

 六里ヶ原に戻り雪面を見たが、今日は誰も旧案内所側から来ていないようだった。刻まれているのは我々のみのトレース。帰路は往路と違う樹林帯の中の道を抜けて車に戻る。敷地内は雪融けでドロドロの地面になっていた。

   



                                                          
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