横岳 2480m 三ッ岳 2360m 雨池山 2325m
2010.8.15(日)
ガスの中 同行者あり ピラタスを利用し時計回り 行動時間:4H43M
@ピラタス麓駅9:04〜25→(10M)→A山頂駅9:35→(47M)→B北横岳ヒュッテ10:22→(13M)→C横岳南峰10:35→(4M)→D横岳北峰10:39〜40→(14M)→E北横岳ヒュッテ帰り10:54〜11:28→(33M)→F三ッ岳12:01→(56M)→G雨池山12:57→(14M)→H雨池峠13:11→(19M)→I頂上駅帰り13:30〜35→(12M)→@麓駅下山13:47
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@ピラタスロープウェー麓駅 | ゴンドラに乗って | A山頂駅ではこんな視界。 | 横岳神社にお参りをし。 |
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木道には観光客が・・・。 | 坪庭庭園 | 坪庭散策路からの分岐 | 三ッ岳への分岐 |
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B北横岳ヒュッテ | C横岳南峰 | C横岳三角点 | D横岳北峰。 |
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E北横岳ヒュッテに戻る。 | E大休止。ビールにいちご煮を持ち上げ楽しむ。 | 三ッ岳への分岐帰り。 | 旧道の岩峰。 |
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旧道の道標。 | 岩の多いルート | もうすぐ三ッ岳。 | 三ッ岳直下。 |
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F三ッ岳 | F山頂からの様子 | 大岩を乗り越えながら・・・。 | 鎖場を降り・・・。 |
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G雨池山。標柱は朽ちてきている。 | H雨池峠 | 縞枯山荘 | 山荘前の発電機は動きが悪い。尾翼の角度がおかしいような。 |
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軌道のような木道を行く。 | 坪庭散策路と合流。 | I山頂駅に戻る。 |
南アでの長駆の疲れも冷めやらぬうちに、またまた山に出かける。この日は13日の予定より先に決まっており、外せる予定ではなかった。13日のワンデイも、少しこの日を気にした行動でもあった。当初は黒菱から八方尾根を伝う予定であったが、日本海側寄りは天気がいまいち。同行者を連れての行動なので、天気の推移は気になる。何処へ行っても晴れは見込めないが、それでもと降られそうも無い太平洋岸側でそこそこ高いところを探す。目的は避暑を兼ねたお気軽ハイキング。この点を踏まえて、「ロープウェーで行く山歩き」とし、北八ヶ岳の北横岳周辺を散策する事とした。
ピラタスのロープウェー始動は午前8時。ネット上には1割引きのクーポン券があり、当然のようにプリントアウトして持って行く。今日の平地は36度まで気温が上がると発表があり、その暑さから逃げるように山間部へ入って行く。出掛けに28度あった気温は、女神湖付近で21度。もう十分涼しく、窓を開けて自然のクーラーを浴びる。周囲ではアブラゼミがこれでもかと鳴いているのだが、その声による暑さはほとんど感じない。
だんだんと蓼科山が迫ってくると、状況が一目瞭然。上の方は濃いガスであった。「今日は展望はダメか・・・」と判断する。ピラタスの麓駅に着くと、ハイカーや観光客がちらほらと居る。サッと準備をして、チケットを購入して駅舎2階に上がる。ここの運行形態は20分間隔。不規則でなく、毎正時から追えるので判りやすい。9:20、同乗の客は20名ほど。観光客が動くにはまだ早い時間で、ハイカーの姿の方が多い。動き出すと、小さな男の子が「これ、天国に行くの」、とガスの中突き進むロープウェーに対し見事な表現をしていた。周囲からはどっと笑いがこぼれる。
頂上駅に着くと視界は50mほど。周囲では身を屈めている観光客の姿がある。外気温計は15度を示す。風が無ければちょうどいい気温だが、ガスを吹き付ける冷たい風があり、体感温度は下がる。横岳神社に挨拶をして坪庭ルートに入って行く。帽子を風に飛ばされた観光客が、ロープの外に出ていいか否かを迷っている。帽子がお花畑の中にあるのも見栄えが悪く、サッと取ればいいものを、迷っている姿を律儀に感じた。そして途中の分岐から坪庭の周回コースを離れ、横岳の方へ向かって行く。軽くぬかるむ道に、やや滑りながら登って行く。ゆっくりゆっくり、今日の気分はピクニック。既に踏んでいる場所であり、のんびりを決め込む。この時間にして既に降りてくる方も居り、横岳へのアプローチの近さを感じる。
三ッ岳への分岐道標を見て、その先は緩やかな尾根道と変わる。そしてガスの中から北横岳ヒュッテが現れる。小さな子供が木のブランコで遊んでいたり、関西からのハイカーが裏側のベンチを占めていた。そこはやたらと賑やか、「なぜ関西の人は声が大きいのだろう」と同行者に声をかけると、「DNAと文化だよ」と・・・。フムフム。「でも節操のある人も居るぜ?」、「じゃーDNAだ!」。話は終わった。最後の急峻を駆け上がるのだが、高度を上げてゆくと西からの吹きつけの風が強くなり、横岳南峰ではそれをもろに受け、逃げるように北峰へ。その北峰への尾根道はヌタヌタで、足許をドロドロにしながら通過して行く。ただしここは樹林が風を遮ってくれて、居心地がいい場所。そして北峰に着くと、まだ吹きさらし。大岳側に10mほど進むと低いベンチがあり、そこで上着を着込み、幾分か温かさを感じホッとする。小学生低学年だろうか、お父さんに連れられた小さなハイカーが居た。楽しそうにポケモンの話をしている。子供にとってはここが山でなくとも、お父さんと長い時間話せることが嬉しいのだろう。一生懸命話す様子に聞き入ってしまった。ここで視界は30m無い。子供はお父さんと居るので、全く不安が無いのだろう。往路を下る。
北横岳ヒュッテに戻り、ベンチのところで大休止。今日はビールを1リッター持ってきて、さらにはいちご煮も持ち上げてきた。今までになく豪勢な食事。そのいちご煮を温めると、周囲に磯の香りが広がる。そしてその美味しさたるや・・・アワビとウニからのエキスが美味しい汁に仕上げていた。そうこうしていると、先ほどの子供が降りてきた。ラーメンを作り出した私に興味津々で見入っている。目をこちらに釘付けのまま、お父さんに何かを言っている。よほど食べたかったのだろう。何せ、ウニアワビ入りラーメンなのだから・・・。
ビールが胃袋に消えたところで動き出す。この先は三ッ岳に向けて周回して行く。大岩の連続であり、それがガスに濡れて滑りやすい。同行者に配慮してゆっくりと足を運んでゆく。途中緑のロープで遮られた旧道に入る。岩峰の下には、今では誰の目にも触れないであろう昔の道標も残っていた。たしか前回はここを通ったような・・・。三ッ岳の西側直下は鎖場で、同行者に足場を示すようにゆっくりと這い上がる。
三ッ岳山頂。通過道標のように見えるが、東側からそれを見ると「三ッ岳」の表記がある。そのまま通過して行く。久しぶりにこのルートを伝うが、緊張を伴う登山路でピクニック気分は封印ししばし真剣勝負。岩と岩との穴に落ちれば、3mとか4mとか深い場所もあり、常に同行者を気遣う。長い長い大岩の連続と途中からの急下降に、手は木々を掴みヤニが着き、岩場を掴みドロドロに・・・。そして雨池山手前鞍部でやっとそれらから開放され、歩き易い山道に変わる。とは言っても泥濘地も多く、その中に先行者の足跡が刻まれていた。
雨池山の道標は、朽ちてやっと文字が読み取れるほどであった。そして緩やかな勾配をしばし下ると雨池峠。沢沿いの木道に足を乗せて降りて行く。先に木のコゲた匂いがし、小屋の存在を知る。気にしているとガスの中から縞枯山荘が大きな姿を現し、煙突からはモクモクと白い煙がたなびいていた。高原ミルクやコーヒー等、そそられるものも有ったが横目で通過し、賑やかな山頂駅に戻る。
夏の暑い日、こんな手軽に避暑ハイクが出来る場所はありがたい。麦草峠や大河原峠に車で上がっても同じように楽しめるが、ピラタスの秒速7mの速さは気分をスッキリさせ、上空に移動してくれる。乗り物の面白さと言おうか。視界こそなかったが、涼しさを満喫出来た日であった。