丸山 1911m
2010.06.12(土)
雨 単独 池の茶屋より 行動時間1H33M
@池の茶屋5:20→(7M)→A展望場5:27→(10M)→B林道に出る5:37→(18M)→C鞍部で道形が横切る5:55→(16M)→D丸山6:11〜20→(28M)→E林道に降り立つ6:39→(13M)→Fゲート6:52→(1M)→・池の茶屋6:53
丸山林道は途中工事中。丸山支線側に進む。 | @池の茶屋の案内図。ここでの丸山の標高は「1911m」になっている。 | @奈良田側はゲートで塞がれている。 | @分岐道標の右手から登る。 |
@しっかりとした階段が切られた散策路。 | A展望場から見る源氏山。 | 展望場の下から散策路を離れ尾根上を行く。 | 登って来た尾根。薄っすらと踏み痕がある。 |
最初のピーク。 | 林道に沿うように尾根がある。 | B林道に降り立ち、吹きつけの尾根を登りだす。 | 道形を離れ、尾根斜面を適当に進む。 |
C鞍部の所で薄い道形が横切っていた。 | 丸山へはピンクのリボンが導く。 | 山頂大地に乗った所。 | かなりシダ類が繁茂している。 |
D丸山山頂。三角点は少し低い位置に設置してある。 | D三等三角点。 | D少し日差しが出てきた。 | 山頂大地からの下降点。山頂大地は、北側に行過ぎぬよう注意。 |
鞍部の様子。 | 斜面には、土留めがされていた。 | E林道に降り立つ。 | D降り立った場所から見上げる。 |
源氏山への足慣峠線分岐。 | Fゲート帰り | 「池の茶屋」の池 |
まだ不調が続く。季節の変わり目だからだろうか、右の肺も痛くなってきている。もうこの際だから、山小屋の管理人でもやって、常に低圧環境下で過ごす事にしようか・・・。
完全に入梅。予報も週末の雨を示していた。でもじっとしている私ではない。少し豪雨情報もあるので、あまり頑張らずに登れる場所をいくつかプロットする。そう、今回はロングコースでなく、単発の山を複数座用意。急な豪雨に、いつでも切り上げられるようにした構成だった。行き先は南アルプスの前衛峰。林道状況はどうかと山梨県のサイトに入ると、かなりの場所で通行止がみられる。櫛形山の奥の高山(1801m)を思っていたのだが、林道を入れる所まで入って、臨機応変な予定とした。
1:20出発。梅雨らしい暖かい雨が降っている。久しぶりに野辺山を越えて韮崎に下る。そして旧白根町や櫛形町を通るのだが、何年経っても周囲の景色は変わらない。これらを見るとホッとするのは、農耕民族系な見方なのだろうか。増穂町役場前を通り、413号経由で櫛形山へ入って行く。林道に入る手前の九十九折の所では、夜明け前でありながら煌々と明かりが点いていた。ここには美術家のお宅があり、周囲の匂いからすると、焼き窯に作品が入っており、火の管理を夜通ししているようであった。ラジオからは、神奈川方面に大雨警報が発令されていた。林道に入るに際し、嫌な感じであった。
氷室神社の分岐を左に入り、丸山林道を進んで行く。途中、山梨県が記していた場所で通行止になり、丸山支線の方へ入って行く。ダート林道だが、よく踏まれていて走りやすい。丸山支線が池ノ茶屋林道にぶつかると、右手の櫛形山登山口に向かうその道は、バリケードで塞がれていた。櫛形山に登るには、現在は1.6キロほどアルバイトせねばならないようだ。この分岐を左に折れ南進して行くと、先の通行止の延長の丸山林道に合流する。この合流した場所が池の茶屋と呼ばれる場所で、大きな池が南側に見下ろせる。おそらくその昔には茶屋があったのだろう。まだ林道を進めるものと思って奈良田側に進むが、ここにある黄色いゲートは作動中で、南京錠で固定具がロックされていた。これは予定外。山梨県のサイトでは、まだこの先、5キロくらい進んだ先で通行止が図示されている。そこからなら3キロほどのアルバイトで直下の沢に取付けると予定していたが、ここで止められては高山を狙うのに一日がかりになってしまう。踏みたい欲求はあるが、高山を狙うのは諦める事にした。
この池の茶屋の分岐箇所には、散策路を示した大きな案内図があり、そこにはルートこそ書かれていないが、丸山が示されている。ここで引っかかることがあった。出かける前に山名事典を見ると、丸山の標高が1911mになっている。しかし地形図での標高は1910.3mとなっており、四捨五入しても1911mにはならない。どうしたものかと不思議に思っていたのだが、答えはここにあった。見えている案内看板は山梨県の設置。そこにはちゃんと1911mとあった。要するに山梨県(増穂町)からの回答が1911mだったのだろう。しかし、この謎は違う形で後から判る事になる。その丸山が書かれた看板を見ると、意外にも山腹に散策路が入っている。丸山を狙うに際し、当初は南側の尾根を思っていたが散策路経由で東側から狙う事にした。
池の茶屋には駐車スペースは十分。10台ほどは楽に置ける。丸山までの直線距離は1.1キロほど。朝飯前の散歩気分で出発となる。青い分岐道標の右手から階段状の散策路が切られ、九十九折をしながら高度を上げてゆく。すぐに展望所のような高みがあり、そこから源氏山が良く見える。この展望場からの散策路はそのまま林道に下って行く。しかし付近に「からまつのみち」と記されたルートが現地に見えない。しょうがないので、ここから地形図を見ながら尾根通しに進む事にした。この尾根の上には薄っすらと道がある。もしかしてこれが「からまつのみち」なのか。でも進んで行くと、地形図通りに林道脇に行き着く。不甲斐ない結果だが林道に出たと言うことは、ここまでは林道を伝った方が早いことになる。
さてここから仕切りなおし、コンクリートのよう壁を左に見ながら尾根に取付く。すると山中に踏み跡があり、尾根を巻き込み、次の北側の尾根の方へ水平移動していた。杣道なのかとも思ったが、周囲に林業作業されている感じもなし。良く判らない道であった。途中でその道形を離れ尾根に取付く。鹿道なのか好事家なのか、斜面には僅かに踏まれた跡が残る。そして1810mの小さな高みを乗り越えると、そこが居心地の良い鞍部になっていて、何となく道形がある。どうやらこれが「からまつのみち」のようだ。となるとどこで間違えたのか。展望台に登る、あの辺りを良く注意していれば、分岐箇所があったのかもしれない。ただし、廃道に近いような状態であり、伝うのなら秋頃が良いだろう。
鞍部から山頂に向けての斜面には、ピンクのリボンが点在している。それを拾うように進むと、辛うじて残る道形らしき跡がある。シダ類の沢山繁茂する中を登ってゆくと、山頂大地に上がる。そこで見える景色は、一面のシダ類の絨毯。歩き難いことは別として、すばらしい緑の景色。これが濡れた木々の美しさである。足で分けながら進んで行くと、西の外れに山頂ポイントがあった。
丸山到着。標高の謎は一目瞭然であった。よくよくKUMO氏が、「三角点の標高が最高点標高では無い」と言われている事を思い出した。ここは正しくそうで、地形図からは、三角点の場所があたかも最高点のように読み取れ、疑いもしなかった。しかし目の前の三角点は、山頂より僅かに下がった場所に設置されていた。これは現地に行かないと判らない部分であった。まあこれほどに気にして登る人も居ないかも知れないが、「700mmの怪」の謎は現場百遍ではないが、現地入りして解けたのだった。小雨の中、時折日差しが入り、周囲が荘厳な雰囲気になる。全てはシダ類が醸し出している風景であった。
下山は往路を戻り、鞍部の場所からは林道側に急斜面を下りてみることにした。下の方には吹きつけのよう壁があり、場所を選ばないと降りられないことになるが、よう壁マークの切れている場所を狙って降りて行く。斜面の途中には、土留め用のコンクリート壁が4段設置してあり、その脇にある古い踏み跡を頼りに下って行く。車道への最後は1mほどの段差なので、危なげなく着地。舗装林道を伝って池の茶屋へ戻って行く。途中には、源氏山への足慣峠線の分岐もあり、それらの塞がれたゲートを右に見て先を急ぐ。山手側のよう壁には、いくつもの太いロープが下がり、その周囲には重機が置かれていた。朝見た黄色いゲートを越えて池の茶屋に戻る。
折角なので池を見ようと降りて行く。各所からカエルの声が聞こえる。池の上には花が咲いたように白い物が見える。カエルはモリアオガエルで、白いのは樹木に産み付けられた卵であった。