高遠山     1316.8m       宮入山     1530.5m                
          
   

 2010.10.30(土)   


   雨(台風接近)      単独     林道宮ノ入線峠より      行動時間:1H43M


@林道宮ノ入線峠6:23→(35M)→A高遠山6:58〜7:04→(45M)→B宮ノ入線峠7:49→(11M)→C宮入山8:00〜02→(4M)→D峠8:06


  
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林道宮ノ入線途中。鹿避けのフェンスがある。中央にチェーンが縛られている。 @林道宮ノ入線峠(林道高遠線基点) 尾根に切られた山道の様子。 最初に林道に出た場所。
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2回目に出た場所。 尾根の屈曲する場所。緩やかに下って行く。 鉄塔脇を通過し、三度林道に乗る。 2本目の送電線鉄塔。
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高遠山南側の林道脇広見。 A高遠山(南から北)  A高遠山(北から南)  A三等三角点
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A東から西。 A高度計も絶好調。 林道へ向け山頂から下って行く。  林道の様子。 
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紅葉の様子  B峠再び  宮入山に向けて掘れた道形を伝ってゆく。  C宮入山(南から北) 
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C宮入山三等点  C絶縁テープに標高と山名が記入されてあった。  C宮入山から鉢伏山側。  D峠に戻る。 


  

 台風14号の到来。太平洋岸側の通過のようであり、週末は完全に影響を受ける形となった。雨雲の予想進路を見ながら、安近短(安全・現地まで近く・歩行距離が短い)な場所を探す。当然のように「行くの止めておきなよ」なんて周囲の声もある。でも過去の台風では、何度も静かに通過して行った台風もある。そんな場合酷く悔しい思いがある。危機管理が「甘い」とも言えるのだが、こんな中でも出て行くのであった。あと、なにかあれば笑いものであるので、場所選び、装備、経路等々は、いつも以上に神経を使う。

 
 そんな中で行き先に決めたのは、松本市の鉢伏山(高ボッチ高原の方が判り易いか)の北側にある宮入山と高遠山。林道が使え、その林道は舗装林道なので豪雨でも崩れる心配は少ないはず。そして2座ある山も、その時の状況により臨機応変に切り上げられる。と言って切り上げたことは無いのだが・・・。天気は完全に雨。長靴で歩きたいが、このあいだの黒鼻山山行で、穴を開けてしまい代用が無い。しょうがないので登山靴を準備する。雨具も撥水性の高い、くたびれていない物を用意した。サッと登って、サッと降りて、風呂にでも浸かって早々に帰ってこよう。そんな計画であった。

 
 1:20家を出る。松本に行く場合、走り易さから、ほとんどの場合で三才山(みさやま)トンネル(500円)を利用しているのだが、今日は珍しく和田峠に駆け上がり諏訪側に降りて行くことにした。現地では、有料道路(新和田トンネル:600円)にしようか、旧道にしようかと迷ったが、今日は急ぐ事も無くのんびり行動、旧道にハンドルを切る。しかし、酷いガス。フォグランプを点けてやっとやっと進むような状態。トンネルに潜っていれば・・・後悔先に立たず。そして諏訪に下りて、高ボッチ高原の南側を巻き込むように進んで行く。R20号とR19号と伝い、篠ノ井線の広丘駅南側から東に入り、角前工業団地の中を抜けて東進して行く。途中で長野道の下を潜り、その先1キロで県道63号の松本塩尻線に乗った格好になる。ここから3.2キロで、左側に「寿台養護学校」が見えてくる。その先で牛伏川を渡り、緩やかな左カーブ。このカーブを曲がりきったすぐ右側に、全く目立たない道があり、ここを入って行く。道標も何も無いので、ここは地形図を見ながらのルートファインディング。そして大久保山を左にして細い道をしばらく進むと、途中に「林道宮ノ入線」の表示が出てくる。この宮ノ入線が目指していた道。牛伏寺側からアプローチした方が判り易いかも知れないが、私の今伝った方が、直線的で間違いが無いような・・・。

 暗い中に舗装林道を伝って行くと、大きな角を持った鹿が現れる。地面から角の先までは2mほどはありそうな立派な鹿だった。スクンと立ってこちらを見た後、物凄い瞬発力を見せつけて山の中に消えて行った。そしてその先に「通行止」の看板が見える。無視して突っ込んでゆくと、さらに先には柵のようなゲートが閉じられていた。フロントガラス越しに見えるそれには、チェーンが巻かれていた。南京錠か、ダイヤル鍵か・・・ここで万事休すと思ったのだが、車を降りて近づいて行くと施錠はされておらず、チェーンは扉が開かないようにしてあるものであった。そこにある文言からすると、鹿避けのフェンスのよう。大きな扉を片方だけ開き、中に入って行く。するとさらに一つ「通行止」の看板が・・・。もしこの先で本当にダメなら、ここまでの経路を引き返そうと思った。まだ暗いし、通行止の看板を出している建設屋も動き出すまでにはしばらく時間がある。今の侵入を咎められる事は無いだろう。しばらく行くと、進路をコーンが塞ぎ、そこにバーが渡され通せんぼをしていた。ここも一端退かして先に進む。工事現場が在る事はもう既に判り、後はそこが通れるのか否かの問題だけとなっていた。しかし、完全に拍子抜け、これまでの重々しい注意書きやコーンの敷設があったが、工事箇所は本当に些細な場所で、何も問題なく通過できた。ここを過ぎると、登って行く峠側に向いた「通行止」看板も見えて、ここで問題箇所は回避できたと思えた。そして「林道高遠線」の基点になっている峠に到着。ここにも塩尻側に向けての通行止看板があり、工事箇所を抜けてきた今、咎められる要素は全く無くなったと確認した。

 
 さあ夜明けまでの時間つぶし、今日はとある理由でセカンドシートが外してあり、後で寝ることが出来ない。その代り、セカンドシートが無いことで、運転席が180度倒す事ができた。横になりながら室内灯で読書開始。既にボンネットや屋根を大きな雨粒が叩いていた。覚悟の上だけにどうも思わないが、台風に伴う雨にしては風がほとんど無いような不思議な状況であった。いつ本体の影響が来るのか、それだけを心配しつつ夜明けを待っていた。

 
 6:00テレビを点けて、再度台風情報確認。各テレビ局は賑々しく台風情報を流しているが、各地の様子は台風にしては静かな感じ。“問題なしか〜”と心の中でつぶやく。雨具を着込み準備完了。外気温は7度ほど。風が無い分、さほど寒く感じない。林道高遠線が尾根の東側にあるのだが、その一つ西側に山道が走っている。これが地形図に記されている破線ルート。最初の下りが滑りやすく、注意しながら足を下ろしてゆく。すぐに快適な水平動となり、落ち葉を踏みしめながら歩く感じがとてもいい。雨音がしているだけの林の中、静かに北進が始まる。

 
 しかし、気持ちよく歩き出したと思ったら、すぐに林道に出てしまった。これなら最初から林道を歩いてきた方が・・・。でも往路は忠実に尾根道を伝う事にして、林道は帰りに伝ってみようと思った。林道に出てすぐにまた左(西)側の山道に入る。今度は車道幅がある道で軽トラなら通れそうな場所であった。1417高点を通過して行くこの道は、時折東側の林道が見え隠れしている。しばらく伝ってゆくと、地形図とおりに大きく西側に屈曲して行く。下り勾配のここは、なんとも気持ちいい感じ。落ち葉の堆積した尾根道が、まるでジェットコースターのコースのようにさえ見えるのだった。降りて行くと、最初の送電線鉄塔があり、その先で三度車道に乗る。ここからしばらく車道を進み、二つ目の送電線鉄塔が見えたら、その先にかなり広い広見が左に見えてくる。ここから尾根筋に太い道が登っている。林道を離れ登って行く。ダラッとした緩やかな登りで、全く負担が無い。唯一の負担と言えば、雨具の中での発汗が、30分以上の歩行を経て冷たく感じられていた。

 
 宮入山到着。車道のような道形の脇(西側)に三角点があり、立木には無記名のテープが付けられていた。展望は無いが、この天気にして明るい場所であった。少し北側に進むも、同じような広い道形が続いていた。周囲風景を確認後すぐに引き返す。帰りは林道を伝う。雨は降り止むことは無く、林道上には20センチ幅の流れの筋が出来ていた。周囲の木々は、紅葉初めなのか、終わりなのか、ガスに覆われ全体の様子が見えないので判らなかった。単調な林道歩きに、復路は往路より長く感じていた。その理由はもう一つ、往路は全体として下り勾配、復路は登りになるからであった。

 
 峠に戻り、今度は南側にある宮入山を目指す。入り口はリボンが縛られ、落ち葉に覆われた掘れたような跡があるので、伝ってゆけばよい。こちらは一見滑りやすいような斜面だが、濡れた中でもさほど滑る事は無く、坦々と歩いて行ける。ただし坦々とを続けていると、宮入山を通り越してしまう。踏み跡は山頂を通らず、東側直下を掠めて鉢伏山の方へ進んでいるのであった。ご他聞に洩れず気づかずに行き過ぎ、戻って山頂を踏む。

 
 宮入山山頂。こちらも三角点が鎮座し、展望こそ無いが山頂を踏んだ感が得られる。ただし尾根の肩的場所で、通過点であり、登る対象には成り得ないような場所に思えた。これで2座終了。早々と予定完了であった。登らずに家に居るより、こんな短時間でも自然に触れられる事の方が有意義。やはり来て良かった。来た道を戻るのだが、今の今伝って来た道が、見えてこない。落ち葉と雑木林の風景が、何処を見ても同じなのであった。掘れた跡を探しながら下って行く。

 
 峠で待っている我が愛車が見え、本日の山行は終了。林道を東に下って扉温泉で冷えた体を温めてから、松本市内に出て腹を満たす。再び和田峠を越えて戻って行く。その途中にある、熱湯(あつゆ)で有名な六峰温泉が廃業していたのは残念であった。街道沿いにあり、寄り易い場所であったのだが、これも時代の流れか・・・。

 家に戻り、台風をやり過ごす。雨こそあったが、全く台風を感じさせない程度で通り過ぎ、日曜日になると既に消滅していた。ただしひき連れて来た低気圧が、大量の雨をもたらしている。台風通過後の降雨量は相当量。これで各地の地盤が緩むだろうから、文化の日のお出かけにはちょっと注意かも。

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