大江山  1881.5m         高八卦山    1684m                    


  2010.05.8(土)   


  晴れ     単独       大清水から三平峠に上り尾瀬沼へ、2座を踏んで小淵沢を下る。     行動時間8H43M


@大清水第二駐車場4:50→(2M)→A大清水ゲート4:52→(46M)→B三平橋(一ノ瀬休憩所)5:38→(54M)→C三平峠6:32→(10M)→D三平下6:42〜44→(20M)→E長蔵小屋7:04→(42M)→F檜高山北側尾根7:46→(41M)→G大江山8:27〜37→(29M)→H送電線斜面9:06→(33M)→I高八卦山9:41〜48→(88M)→J電発記念碑11:16〜22→(52M)→K林道に乗る12:14→(37M)→L奥鬼怒林道出合12:51→(42M)→M大清水ゲート帰り13:33


daini.jpg  ooshimizuge-to.jpg  manga.jpg  sanpeibashi.jpg 
@大清水第二駐車場 A大清水ゲート Aゲート脇の標識にある見事な漫画。(駐車場標識の画才も素晴しい) B三平橋(一ノ瀬休憩所)までは除雪あり。
kaika-.jpg  sanpeitouge.jpg  sanpeitougekakou.jpg  sanpeishita.jpg 
ハイカーに追いつく。登山道上の雪の様子。 C三平峠。この先から酷いつぼ足に。 三平峠を下りながら。正面は尾瀬沼。 D三平下。尾瀬沼休憩所は、まだ閉ざされている。
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D尾瀬沼と燧ヶ岳 D沼側から見る休憩舎。 尾瀬沼東岸を伝ってゆく。 木道の上は、このように割れていたり・・・。
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E長蔵小屋の様子。 F檜高山の北側、1880高点の南の尾根上。 大江山を目指して緩いトラバース。 G大江山山頂(南から北を見ている)。
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G大江山から燧ヶ岳 G大江山から袴越山側。 G大江山から至仏山。 大江山北端の高み。
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珍しく、ヤキソバパンは完全形で保たれていた。 大江山から南進中。ダケカンバ帯。 最初の湿地。 1794高点付近から。中央に送電線鉄塔が見える。
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1794高点東側の小谷。ここは高度を少し上げて通過した方が楽。 もうすぐ送電線斜面に出る。 H送電線斜面に出て、上側を望む。 H下側の様子。左上は会津駒ヶ岳。
tocyuukaratakabaxtujke.jpg  midorikoi.jpg  nisepeak.jpg  sancyoutemae.jpg 
尾根途中から見る高八卦山。 古い倒木・岩・笹薮などが出てくる。 ニセピーク頂上。 もうすぐ山頂。手前の奇形で目立つ木。
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I高八卦山山頂。 I山頂の大木の根元。かなり綺麗。 I大木の上、1.5〜2mほど登れる。 I唯一あった人の気配。赤ペンキ。
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I山頂西側の様子。 I山頂東側の様子。 鞍部手前の笹薮。西側通過が適当。 最低鞍部から見上げる尾根斜面。
textutousyamen.jpg  syamenkaraooeyama.jpg  hurikaeru.jpg  1912.jpg 
途中で送電線斜面に出て登ってゆく。写真中央上の場所が急峻。 途中から大江山(右)を望む。 途中で振り返る。 1912高点付近から南側。
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J電発記念碑。碑が小さいので、書かれている文字も小さい。 記念碑から暫く檜高山側へ進んで行く。この先はルートファインディング力が試される。 K林道の道形に乗る。 道形に乗った場所から50mほど下ったら、「小淵沢田代入口」と書かれた標柱が倒れていた。
rindoujyou.jpg  deai.jpg  shikayoke1.jpg  hinatadaki.jpg 
林道上の残雪の様子。 N奥鬼怒林道に出る。 出合付近にあるしか避けのフェンスゲート。(上流側を見ている)釣り師が食事中。 日向滝。周囲空気が冷たく、この時期は気持ちがいい。
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二つ目のゲート。(麓側を見ている) 一ノ瀬橋通過。 林道脇は、キクザキイチゲの群落。 O大清水ゲートに到着。


   

 先週は奥只見から平ヶ岳に入った。その時に平ヶ岳から水長沢山へ下って行っている人の存在を知り、予てから踏みたいと思っている私にとっては、むず痒い心境になっていた。「行こうか」そう思うのだが、既に柳平は通れないだろうから、至仏側の尾根筋に早めに登りあげて北進して行かねばならない。行きたいと思うものの、簡単にサッと行ける場所ではなかった。それと、またまた好天。深いつぼ足が目に浮かぶようでもあった。「行くのか行かないのか、ハッキリしろ!」と怒鳴っているもう一人の私が居るのだが、そう言われても簡単に判断できずに居た。まだ鳩待峠へのマイカー規制期間には入っておらず、アプローチはしやすいのだが、一つ思う部分は、スキーで入りたいと思ったりもしている。こんなところで色気を出さなくともいいのだが、あの広い斜面は、やはり滑ってみたい。この思考が湧いてきたら、だんだんと先送りにしようという空気が広がりつつあった。

 
 連休後の観光地。「間違いなく空いている」と、我が経験則から言い切れる。よって、日頃人気の多い場所に行くにはうってつけの日となる。当初は上高地や新穂などからアプローチできる山を思ったが、残す未踏座は、先ほどの水長沢山同様にかなりしっかり計画をしないとならない場所ばかりになっている。そんな事をしているうちに21時を回り、22時に近づきつつあった。水長沢山まででは遠いので、手前の赤倉岳でも目指そうかと、再度尾瀬の地図を広げる。でも赤倉岳を見てしまうと、今度は日陰山や矢種山が気になってしまう。“ダメだ、この場から離れよう”と東側に目をずらすと、尾瀬沼側に未踏座を発見。「大江山」と「高八卦山」。県境の尾根筋から下って狙わねばならない場所であり、前から「いやな場所にあるな〜」と思っていた山であった。それでもここなら、今回行くのに適当な場所に思えた。なんと言っても、高八卦山の読みは「たかばっけやま」となり、珍名座の好きな私としても、かなりそそられる場所となった。これで行き先は決定。全体的に緩い斜面が多いので、足許はスノーシューを準備した。

 1:50家を出て関越道を伝ってゆく。やはり連休開けの翌週、車の流れは静か過ぎるぐらいに少ない。人間の行動心理は非常に判りやすい。疲れた翌週は休むのである。沼田インターで降りて、尾瀬の道標に導かれながら進んで行く。ここも、既にスキーがオフシーズンとなり、車通りは非常に少ない。鎌田交差点で120号と別れて401号に入り、温泉街を左右に見ながら山道を詰めて行く。そして大清水到着。第一駐車場はロープで封鎖されており、第二駐車場に降りて行く。奥の方に沼周辺施設の関係者の車が並び、その前にビジターの車があるのだが、僅か5台。到着後間もないのか、室内灯が灯っている車も見える。せめて20台ほどは要るだろうと思っていたが、寂しいほどの入山者(車)であった。空を見上げると綺麗な星が見え、小潮であるが明るい月が出ていた。しばし後に移動し仮眠となる(3:40)。

 
 30分ほど寝たか、目を覚ますと、前に置いてある小熊谷ナンバーの御仁が出発の準備をしていた。かなり気合が入っているようだが、燧ヶ岳狙いか。そして御仁は4時半にスタートして行った。周囲も完全に明るくなり、こちらもゆっくりと支度をする。ここは谷ではあるが、木々が大きく揺れていた。好天では有るが、風が強い日のようだ。雨(防寒)具をきっちりとザックに突っ込む。そしてスノーシューをザックに結わえて、いざ出発。

 ゲート前まで上り、山の神に旅の安全を祈願して林道に踏み入れて行く。そよ風とは言い難い、やや強い風が吹いている。歩き進めるに連れて体が温まるものの、腕捲りすると寒いくらいであった。机上の予定では、中ノ岐沢から小淵沢経由で登ろうと思っていたが、咄嗟の判断で三平峠側に進んだ。ポイントはトレース。全く期待できない小淵沢ルートより、三平峠のメジャールートの方が、伝える可能性は高い。残雪期のトレースの有る無しは、進度に大きく影響を与える。一ノ瀬休憩所が近づくと、周囲に雪も多くなってくる。ホイールローダーで除雪したらしく、その跡が残る。試しに雪の上に乗ってみると、意外と沈まない。昨日の雨は平地では暖かい雨であったが、山はかなり冷え込んだと言う事だろうか。

 一ノ瀬休憩所のトイレは、板を張って閉ざされていた。三平橋を渡り、登山道に踏み入れてゆく。この登りもあまり沈まずに雪に伝って行ける。そこに真新しい8本爪の跡が残る。先を行く御仁のものだろう。そして連休の踏み跡なのか、周囲に散見できる。木の階段もかなり顔を出しており、ここを思うとアイゼンでは痛んでしまって申し訳なく思うが、さすがに凍っていてツルツルで履きたい場面であった。水場の手前で、先行者を追い抜き前に出る。そしてルートを示すリボンが増えてくると、三平峠も近い。

 三平峠からの沼までの下りは、これまでと一変し、深いつぼ足となって難儀する。樹林帯であり日が入らず、あまり硬くならないのだろう。ズボズボと踏み抜きながら高度を下げてゆく。尾瀬沼もまだ一面の雪。それでもシャーベット状になりつつあり、薄いブルーが独特で美しく目に映る。そして尾瀬沼休憩所に到着するが、まだ雪避けの板が外されておらず、開業前の風景であった。湖岸を半時計周りに進んで行く。時折、沼の上を歩いたり、ちょっと遊び心を加えながらルートを選んで進む。それでも沼からは雪融けのミシミシという音が止まる事無く聞こえている。流石に逃げるように岸に急いだ。

 
 休憩所がまだならビジターセンターもまだなのか、と近づいて行くと、中から人の声がしていた。その後すぐに単眼鏡を持った方が出てきた。そして御仁は徐に燧ケ岳を見だす。毎日の定点観測か。自然保護の観点から何かを見ているのだったのかも。早朝の挨拶を交わし、除雪された歩道をキャンプ場側に上がって行く。そのキャンプ場だが、冬季にもここで幕を張る人が居るのか、キャンプ指定用地としての杭が雪の上に打たれていた。杭を抜いてみると雪にしか刺さっていないので、冬季に設置したものであった。山手に入るとバンガローのような建物が立ち並び、ひとつはポンプ小屋のようで、大きな唸り音を上げていた。この辺りで踏み抜きが酷くなり、スノーシューを装着。夏道の場所などはまったく判らず、適当に斜面を這い上がって行く。

 
 最初に乗り上げた所は、1880高点側の高み。ここから大江山を最短で結ぶと、間にある谷が邪魔をするので、標高をあまり下げないよう意識しながら、少しだけ小淵沢田代側に進んでから北側に進路を変える。谷に降りる途中、シラビソに赤ペンキが付いていた。こんな所になぜにと思って地図を見ると、小淵沢田代と沼上峠を結ぶショートカット道があるのだった。谷からは長い長いトラバース。その緩斜面が終わると、前後左右、何処も同じに見える。コンパスを当てながら進むが、この大江山南側の鞍部付近は、なかなか難しい地形だった。樹林間隔はあり、視界が悪いわけではないのだが、広さゆえの難しさと言えようか。東寄りに歩いた方が、東からの急峻を見ながら歩けるので、現在地を把握しやすかったかもしれない。

 大江山到着。これまで樹林の中だったので、山頂部も同じかと思ったら、予想以上に開けている。何とか燧ヶ岳も見えるし、木々の間から周囲の山々も見渡せる。標識類は皆無。北側に足を進めると、ほぼ起伏が無いまま進んで行け、南北に70mほどの細長い山頂部となっていた。暑いほどの日差しを受けながら、ヤキソバパンで朝食。ここに限っては獣の足跡が全く無い場所だった。餌になるものが少ないのだろう。トランシーバーのスイッチを入れるが、どの周波数も全く入感がなかった。

 さて次は高八卦山を目指す。大江山と高八卦山との間には黒溶沢があり、これまた直線的には進めない。県境側に戻るようにして高八卦山側の尾根に乗るのが適当なコース取りとなる。地図を見ると、大江山の南鞍部から東に進むと、二つ湿地が確認できる。その付近を掠めてゆくルートとした。現地は複雑な地形で、微細なアップダウンを繰り返す。途中の1794高点から東を見ると、そこに送電線鉄塔が見えたので、その人工物にホッとしながら足を寄せてゆく。この高点から鉄塔までに深い谷が有るので、少し高度を上げ気味に通過したほうがいい。この小谷は、高度を下げてゆくほどに谷が深くなっていた。


 送電線の下は綺麗に刈り払いされており、スキー場ほどの広さがある。北側には雪を纏った会津駒ヶ岳も見える。スキーを持って来て、上から何本か滑りたくなるような、そんな気持ちよい場所だった。そこを横切るように東側に進み、高八卦山への尾根に乗る。注意せねばならないのは、下ってきた方向が1700mで北に進路を変える。ここを気持ちよく直線的に降りてしまい、少々ルート修正となった。目指す先に高みが見えないので、オヤッと思い、周囲を見回し気づいたのだった。視界不良の時は要注意となる。そしてその1700mから下が急になり、スノーシューでは滑ってしまい、後ろを向きつつ下って行った。


 最低鞍部からは、地図上では50mほどの登り上げとなるのだが、手前に顕著なニセピークがあって騙される。そのピークからは一旦下って、今度は本当の山頂に向かっての登り上げ。かなり前に大風があったのか、周囲の木が根こそぎ倒れているものが多い。そして原始のままの姿と言うか、自然木で尚且つ大木が多い。大岩もゴロゴロと目立つようになり、雪が消え土の上を伝う場面もあった。なにか獣でも出てきそうな、そんな雰囲気のある場所で、尾根東側斜面には太いネマガリタケが生えていた。独特も独特、こんなに不思議な山頂部も久しぶり、直下に来て山頂を見上げると、そこ全体に巨木が生え異様な雰囲気。表現が適当ではないが、大きな盆栽を見ているような感じ。最後の最後で、恐る恐る踏み入れてゆく感じであった。

高八卦山登頂。その中心となる場所には、木の根元が巣穴のようになっており、恐々覗き込む。何も居なかったが、今度はその覗き込んだ穴を見て驚いた。そこには、高価なオブジェとして使えそうな、古(枯)木が見える。白くてなにかとても神秘的に目に映った。不思議な事に、この木の上1.5mほどの場所まで腐葉土が乗り、土に繋がりながら這い上がれる。公式には認められないのだろうが、標高は1685.5mと言ってもいいような、そんな安定したスペースが出来ていた。いやはや全てが不思議、言えるのはあまり居心地が良くない。存在感がありすぎて、押しつぶされそうな空気感がある。そして登頂時には判らなかったが、山頂部の東側の木には赤ペンキも見られた。訪れている人も居るようだ。何となく山師のマーキングのようにも見えたが・・・。これで今日の予定の目標座は終了。尾根を県境まで登り返し、下りは小淵沢に沿って下って行く予定。

高八卦山からの南西への下降は、西寄りにルートをとったほうが歩きやすい感じであった。鞍部付近に太い笹薮があり、これが避けられるのが西側であった。下ってきた尾根を、日差しの照り返す雪面を見ながらゆっくりと登って行く。そして1800m付近から送電線側の切り開き斜面に入り、スキー場のような斜面を気持ちよく登ってゆく。しかし、1880m付近が急峻になり、スノーシューではまず上がれない。ここは西側の樹林帯に入り、急峻地帯を巻いて再び送電線の下に戻る。送電線からは「ブーン」と言う唸り音がしている。それにより間違いなく通電している事が判る。ひとつ思ったのは、このまま送電線を上にして、そのまま奥鬼怒林道まで降りてしまう方法も思いついた。ただ全く地形に沿っていないので、なかなか難しい下りになるだろう。ここはやはり小淵沢ルートを・・・。

電発記念碑の小さな石碑の前で、僅かに休憩。地形的に切り開いてある南に進みたくなるが、ここからは西側に地形に沿って下って行く。あまり高度を下げ過ぎると沢の中に入ってしまい、沢とは適当な距離間を置きながら下って行く。それでも何度か小さな沢を跨ぐ。スノーブリッジの足の下では、春を急ぐ流れが感じられ、そそくさと渡る。1765高点が一つの大きなポイントとなるが、ダラダラと適当に下れたのもここまで。この先は西に寄り過ぎてしまうと、手強いササのある急峻地形に入ってしまう。周囲をよくよく見渡しながら、ルートファインディングしてゆく。この先のポイントは、沢を渡る橋に降り立つ事。その前に林道の道形に出合う事なのだが、雪の上に乗って降りて行くが、夏道の在り処と思しき標柱もマーキングも、一切見えない斜面であった。適当に見当をつけて降りて行くと、小沢の流れの左側に林道の道形が見え、ホッとする。


 かなり崩落の進んだ林道を下って行く。この付近は日当たりがいいようで、雪が無い場所が多い。流石にスノーシューを着けていられなくなり、ここで外す。そして小さな橋で小淵沢を渡り、右岸側に行く。さらに一つ小さな橋を渡り、その先は安定した道形を追ってゆく。すると途中から二人分のトレースが見え出した。ソールパターンが無い。と言う事はウレタン地のウエダーなどを履いている釣り師だと判る。この小淵沢でも釣れるのか、雪融けした流れの速い沢の中を見ていると、まず釣れそうにはないように見えてしまうのだが・・・。それでもこのトレースのおかげで、雪質が把握しやすくなり、降りて行くに際しありがたかった。残雪の脇ではフキノトウがおいしそうな若芽を覗かせているのだが、「尾瀬で山菜を採った」などと言ったら「不謹慎」と言われそうであり、横目に通過。


 奥鬼怒林道との出合まで降りると、2台の折りたたみ自転車がデポしてあった。周囲に釣り師が居ないかと探すと、林道脇で昼食の準備をしている所だった。気さくな方で、軽く挨拶をして背を向ける。この出合の下流側で、尾瀬に入ろうとする鹿対策のネットが張られ、その一部が林道を横切っている。このフェンスは造りが簡易的で、腕力で扉を寄せねばならなく、なかなか不都合。でもこの簡単な造りがいいのかも・・・。日向タキ沢の太い流れの場所は、なかなか見栄えがする。滝により周囲温度が低く、気持ちよい場所となっていた。この先10分ほどで、再びシカ避けの門扉があり、ここも同じ仕組み。しっかりと閉じて大清水に向かって行く。


 一ノ瀬橋を過ぎると、ちょっとしたお出迎え。林道脇で可憐なキグザキイチゲが咲き誇っていた。ちょうど撮影時に日が翳り、発色が微妙であったが、綺麗な姿で目を和ませてくれていた。そして左下に駐車場が見えてきた。相変わらずの閑散とした様子。オヤッと思ったのは、小熊谷ナンバーの車がない。という事は、あの御仁は燧ヶ岳には行っていないようだ。尾瀬沼を見て、すぐに戻ったようであった。ゲートに到着すると、その先には水芭蕉観賞に来られた観光客の姿がある。ゲートを挟んで、向こうとこっちで棲み分けが出来ているのが面白い。観光客の遊び場はゲートから下流側。登山者は上流側となる。ゲートを越えると、駐車料金の徴収員が寄ってきた。「判ってます」とばかりに目で合図したら、戻って行った。駐車している人が少ないので、管理側は全てを把握出来ている様だった。


 駐車場に戻り、今日の山行を終える。もう少し時間がかかるかと思っていたが、思いのほか早くに行って来られた。これからは雪が緩むので、もっと時間がかかるだろう。大江山は周辺の雪穴から覗くと、そのほとんどでササが見られた。雪が無いと厳しい場所のようであった。一方高八卦山の方は、雪の切れた場所では、ササなどは見られなかった。こちらは無積雪期でも狙えるかもしれない。でも大江山の方に三角点があり、どちらかと言えば自然条件が逆だったら良かったかも。いづれにせよ、適期は今であろう。

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