天狗山    1179m       大鐘原ヶ岳  1252m            

 2010.12.30(木)   


  曇り(小雪)     単独       天狗山南面ルートから          行動時間2H55M


@天狗山南面ルート入り口10:25→(18M)→Aお籠屋休憩所10:43→(33M)→B主尾根に乗る(下降点)11:16→(8M)→C天狗山東峰11:24→(5M)→D天狗山西峰11:29→(24M)→E小鐘原ヶ岳11:53〜12:00→(8M)→F大鐘原ヶ岳12:08〜19→(7M)→G小鐘原ヶ岳帰り12:26→(9M)→H山水会分岐12:35→(9M)→I天狗山下降点12:44→(9M)→J南面ルート下降点12:53→(13M)→Kお籠屋休憩所13:06→(2M)→L天狗の泉13:08→(12M)→M入山口13:20


rindoukara.jpg  tozanguchi.jpg  kaidan.jpg  okagoyamae.jpg 
南榛名山林道からの登山道入り口。 @ここまで車が入れるが、駐車スペースは1台。現在は林道工事中。 途中から階段が出だす。 A大きな石碑が現われると、お籠屋休憩所。
okagoya.jpg  noboxtuteyuku.jpg  tiger.jpg  onenonoru.jpg 
Aお籠屋休憩所から、道標に従い進むと水場あり。 登ってゆく斜面の様子。 タイガーロープが長く張られている。 B尾根に乗る。
tocyuukara.jpg  tenguyama.jpg  tenguyamanishimine.jpg  kitaone.jpg 
途中から天狗山。横殴りの雪。 C天狗山 D天狗山西峰 天狗山西峰の北尾根を下る。
annbuhe.jpg  kakoutenouro.jpg  douhyou.jpg  douhyou2.jpg 
鞍部へ向けて途中から東に方向を変える。 登山道の下降点(鏡台山への) 北に登ってゆくと、古い道標が現われる。 黄色い矢印の書かれた道標。
sekihi.jpg  kyodaisekihi.jpg  kohanehara1.jpg  kokanehara.jpg 
小鐘原ヶ岳手前には、石碑群がある。 高さ1.2mほどの大きな石碑が岩の上に立つ。 E小鐘原ヶ岳 E行政の標識が立つ。
g.jpg  nitou.jpg  kokaneharakaraoo.jpg  ookanesaikou.jpg 
EG標も付けられていた。 E二等点。この三角点は天面に黄色いマークあり。 E小鐘原ヶ岳から見る大鐘原ヶ岳。 F大鐘原ヶ岳最高峰に縛られている細引き。
hokutou.jpg harunafuji.jpg  ookanehyoushiki.jpg  ookanekarakita.jpg 
F掃部ヶ岳側 F榛名富士側 F大鐘原ヶ岳の標識は、最高点から30mほど北側にある。 F北側の様子
minami.jpg  gekaigawa.jpg  kokaneharakaeri.jpg  sasanonaka.jpg 
F南側の様子 南東側の様子。 G小鐘原ヶ岳帰り  道形を追って下ってゆく。 
iriguchi.jpg  modoru.jpg  kakoutenkaeri.jpg  noxtukoshi.jpg 
H登山道との出合いの場所には、山水会の道標あり。 H道標から伝ってゆく登山道。 往路に尾根側に進んだ場所(下降点)。  I天狗山西峰と東峰の鞍部 
tenguyamakaraminami.jpg  tenguyamakaranishimine.jpg  tengu.jpg  nanmenkakouten.jpg 
天狗山から南側  天狗山東峰から西峰。  天狗山の祠の中には天狗様が・・・。  J南面ルートへの下降点。 
okagoyakaeri.jpg  tengunoizumi.jpg  cyuusya.jpg   
Kお籠屋休憩所帰り。  L天狗の泉。大半は凍っているが、僅かに流れ有り。  M入山口に戻る。   


 

 さあ正月休みに入った。荒れ予報のこの休み、多くのハイカーはどうしようか悩みつつ足踏みをしているだろう。私の方はいつも臨機応変に動くので、その点の悩みがない。テントを担いで雪中行軍などとも思ったが、前週からの腰痛がそれを許さなかった。あまり距離は歩けないが、そこそこの場所は踏みたい。ここでちょっと訳ありの場所で、榛名山系の南にある大鐘原ヶ岳を目指す事に決めた。地形図にも山名辞典にも載らない場所であるが、足を向けねばならない場所なのだった。

 

 狙うに際しルート選びに迷った。エアリアにも地形図にも破線はない。よって地形図から等高線を読みながら伝えそうなルートを探る。そのエアリアには、山頂を指して「カナバラノ岳」と表記してある。一方、山渓の分県登山ガイドには、天狗山側から破線が入れられ、三角点峰までは道形があることになっている。こうなると、天狗山の南面ルートを伝ってアプローチした方が楽なように思えた。もう一つは榛名神社からのアプローチだが、一度歩いているのであまり興味がない。さらにもう一つ、地蔵峠経由も考えられるが、ゲジゲジマークが有ることから今の時期は避けたいルートとなった。よって南面ルートから攻めることとした。

 

 国道406号を軽井沢方面に進んで行き、室田の変則四差路から榛名神社の道標に導かれ県道211号に入って行く。そして中室田の交差点の先から北に折れ、ベリエアカントリークラブに向かって行く。このゴルフ場の西を通る林道を伝って行くのだが、あからさまにゴルフ場内の道な感じで通って良いものか迷うような状況であった。それでも道の入り口には「天狗山登山口」と書かれた標識があったので、それを後ろ盾にして進むのだが、林道を通過して行くと棒を振り回している方々が不思議そうにこちらを見ている。こちらも違和感があるが、向こうも同じらしい。先に林道が在って、後からゴルフ場が出来たのでこの辺はしょうがないのだろう。細い林道で、舗装こそしてあるが左右から草が茂り、かなりボディーを擽る。車愛の強い神経質な方は通らない方が良いだろう。そして伝っている林道が南榛名山林道にぶつかると、そのすぐ西側に天狗山南面ルートの登山口があった。現在のここは治山工事中で、奥に続く林道も整地され、この後舗装されるように見えた。お正月で工事も休み。有難く車を上げて行く。距離にして400mほど進めたか、第二の登山口と言えよう場所に到着。大きな石碑があるのだが、そこに文字はなく、トタン板に書かれた道案内と、「天狗山頂」と書かれた道標が立っていた。ここまで来たのは良かったのだが、Uターンスペースが狭く4回ほど切り返してフロントを麓側に向ける。そしてこの林道の再奥までバックで突っ込み停車。ちょっと強引だったか・・・。

 

 長靴を履いてスタートする。するといきなり強烈に肺が痛み出した。やや呼吸がし辛い。何だろう、運転しているときは大丈夫だったのに、急に・・・。一歩踏み出す毎に肺が振動し痛みが走る。「止めようか、今日は」。まさかここに来て急にこうなるとは思っていなかった。立ち止まり作戦を練る。百戦錬磨とは言うものの、これだけ急激に痛みが出たのは珍しく、ややショック。でも負けない。どうにかして歩く方法を探る。振動が痛みに繋がるのですり足で歩くことにした。ソロリソロリと進むのだが、ゴツゴツとした登山道で、なかなか振動を殺すのは難しかった。それでも気にして上下動を抑えると少しはいい。あとは呼吸をどうするかであるが、いつもは8割だが、さらに2割程度絞って呼吸する。よって呼吸ピッチが速くなるのだが、それで痛みが治まるのだからやるしかない。なぜにここまでして・・・ほとんど馬鹿の世界。

 

 気持ちを肺に集中させながら歩いて行く。よってあまり周囲の事が記憶から飛んでいる。谷形状の中を昔道みたいな道形を伝って行く。その道が途中から階段状になると、そのすぐ先で石塔群が仰ぎ見れる。そこに到着すると、10畳ほどの広さがある「お籠屋休憩所」と言われる場所であった。そこから逸れるように道があり、伝うと「天狗の泉」(水場)に行ける様子。これは帰りに調査と、今は最短でなりふり構わずピークを踏んでくるしか頭になかった。落ち葉の斜面についたやや不明瞭な道形を追って登ってゆく。かなりのつづら折りの繰り返し。上に方に行くと益々斜度を増し、ルートも大きなつづら折りに変わっていった。補助用のタイガーロープも長く流されている。このロープは線形が太くて握りやすかった。この登りでは土が凍っていてグリップするが、いったん溶け出すと、滑り台のような登山道にも思えた。ゆっくり、ゆっくりと足を上げて行き、尾根に乗り上げる。

 

 尾根に乗り上げた場所は、立派な道標が立てられ、今歩いてきたルートを指すように下降点表示がされていた。尾根の上には雪が乗り、サクサクと踏みしめながら進んで行く。西から小雪が吹き付けるような天気になり、横に流れる雪の先に、ゴツゴツとした天狗山の東峰が見えている。ガツガツ歩いていないので、なかなかエンジンがかからない体。寒く、鼻水がタラーッと垂れる。尾根の東側ルートは雪深く、その下が岩となっているので慎重に足場を定めながら東峰に向かっていった

 

 天狗山東峰到着。何年ぶりに来ただろうか、そのゴツゴツした山頂部と祠に懐かしさを覚える。そして鳥居が横たわった鞍部まで降りる。ここから下降点表示に従い下れば榛名神社に降りられる。本日か前日か、真新しい単独のトレースがそこに着いていた。尾根を忠実に拾うこととし、西峰にいったん登りあげる。いちおうここが天狗山としての最高所。エアリアには三角点があるように書いてあるが、現地には無い。さあここから北に向かって尾根を降りて行く。雪のべったりとついた尾根を、兎の足跡を追って行く。途中から北東に方向を変え鞍部に降りる。そこには先程の主のトレースが続いていた。

 たばこの赤い灰皿がある場所から登山道は北西に下って行くが、ここでルートから離れて北東側に笹の斜面を登ってゆく。よく見ると、そこに単独行者のトレースが見られた。往復でなく片道のトレース。どうやら地蔵峠の方から抜けてきたようだ。となると冬期でもゲジゲジマークの場所は問題なく通過できると言うことになる。そうは思えたが、今日の体調はもうそれどころではなかった。トレースの踵につま先を乗せるように拾って進んで行く。すると、途中途中に丸太を楕円形に輪切りにした木片が下がっていた。状態の良いものには黄色い矢印も見え、道標であることは一目瞭然。ここには昔からルートがあったようだ。それで分県登山ガイドには破線になっているようだ。進んで行くと、石碑群が現われ、その中の親玉のような碑は、高さ1.2mほど有ろうかというもので「國常立命」と深く刻まれていた。そこから僅かに登ると、最初の三角点峰ピークとなる。

 

 1224.9三角点峰。二等点が眠っていた。行政の標識もちゃんとあり、もしや最近の地図にはルートがあることになっているのか・・・。それにしては道形が無いので、標識だけが先行しているのか。その行政の標識には私的な標識が結ばれていた。裏を見ると、上州の労山の方の作品。こういうのはちょっと悲しかったり・・・。その行政の標識には、「小鐘原ヶ岳」と表記してあり、下に結ばれている標識には「鐘原ヶ岳」と表記してある。その後にはGさんの標識が上がっており、そこにも同じ表記がされていた。あと分県登山ガイドでは、「旗矢岳」となっている。さあ現地現称の観点だとなんになるのか、ここらへんの入り乱れようが山名の宿命とも言えるか。北を見ると円錐形の高みが見える。次の中間峰か。快適な尾根道で歩いていても至極気持ちがいい。榛名側もよく見え、さながら展望尾根と言った感じ。

 

 中間峰に登り上げ、その先は岩場となるのでルートは西側に巻いている。強引に尾根通しでもいけるが、少々岩場のテクニックが必要な場所であった。巻き込んで再び尾根の乗り上げ、15センチほど積もった雪の上をザクザクと進む。登りあげたピークには古い細引きが縛られているのだが、この場所が目指していた大鐘原ヶ岳の山頂であった。先ほどの三角点峰に標識が有ったのに、ここに無いのはおかしい。さらに北に進むと、しっかりとそこにあった。休憩するにはこちらの方が広くて便利。その為にここに標識を建てたのか。高低差で言えば、先ほどの細引きのピークが最高所となる。ここにも私的な標識が掛かる。そして間違いなく踏み跡は地蔵峠の方から続いてきていた。ふと立木を見ると、ピンクのテープに五円玉が通され縛られていた。これはまさしく秩父の爺さんのもの(憶測)。こんな場所まで来ているのか・・・と少し嬉しくなった。天気は下り坂の様子。周囲がどんどん暗くなり物悲しい感じ。長居は無用、往路を戻る。

 

 中間峰を経て小鐘原ヶ岳に戻り、ここからは細い道形を忠実に追ってみることにした。何処から道形が入ってきているのか・・・。往路のトレースを左の方に見やりながら西に降りて行く。降りて行き登山道に乗った場所は、赤い灰皿があった場所の50mほど北側であった。そこには山水会の標識があり、三角点峰は「鐘原ヶ岳」とあった。それはいいとして、中間峰を指して「山水岳」とあった。これには少し顔がほころぶ。緩やかに登り上げ、灰皿のある下降点に戻り自分のトレースに乗る。そして登山道の道形に乗って天狗山の西峰と東峰とのコルへ登って行く。

 

 天狗山東峰で少し展望を楽しんでから南面ルートへ下って行く。南面ルートの下降点から下は、ズルズルのヌチャヌチャ状態。タイガーロープが無かったら、何度滑って転がったことか。履いている長靴もいけないのだが、霜が完全に溶けている場所もあり、2度大きくスリップ。尻にドロッとした土をべっとりと付けてしまう不覚を・・・。タイガーロープの場所が終わり、落ち葉の斜面になると、もう少しでお籠屋休憩所。水場があることから耳を澄ますのだが、周囲からは聞こえず。そのお籠屋休憩所に着き、そのまま水場に進む。少し心許ない感じのルートだが、伝って行くと小さな沢に行き着いた。そこには塩ビの配管が設置され、水が出るようになっているのだが、しっかりと長い氷柱になっていた。沢の中は僅かに流れがあり、先程転んで汚した部分を拭い落とす。一応冬期でも水が得られる場所となっていた。休憩所に戻り登山道を降りて行く。

 

 入山口到着。入山時にはどうなるかと思ったが、無事踏んで来る事が出来た。このポンコツの体、どこまで言うことを聞いてくれるか・・・。最近、騙されなくなってきているのが辛いところ。

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