法仙峰    1745.4 m         


 2013.4.13(土)    


   快晴    単独      濁河峠より往復      行動時間:2H34M 

   携行品: スノーシュー


@濁河峠7:49→(15M)→A1849高点8:04→(20M)→B1689標高点8:24→(32M)→C法仙峰8:56〜9:00→(70M)→D1849高点帰り10:10→(13M)→E濁河峠10:23


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チャオスキー場前。いつもながら夜間通行止めで解錠待ち。 7:30解錠 @濁河峠から北進開始。 1810m付近。この先は雪を拾いながらササを避けて行く。
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振り返り御嶽山。 A1849高点通過。 1830m付近から。中央やや左が目指すピーク。 進路右には乗鞍岳の雄姿。
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1770m付近。 1740m付近。ダンダラ棒が立っている。この下に巡視路があるよう。 B1684標高点の場所。鞍部。 1690m付近。快適。
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1720mピーク。 最後のササヤブ斜面。 C法仙峰。2畳ほどの場所。かなり狭い。 C標識がかかる。
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C三輪さんの標識 C標柱が立っているが、これは三角点ではないよう。雪があり三角点は掘り出せず。 C法仙峰から御嶽山。 法仙峰の南をトラバースする巡視路に乗る。
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巡視路から見上げる、降りてきた笹斜面。倒木が多く、ここは使わないほうが良い。 往路のトレースに乗って。 1797峰の南から。 D1849高点帰り。
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スノーシューも雪だんごで重くなる。 峠への快適斜面。 E濁河峠到着。現在は工事事務所が出来ている。




 後立山に行く予定で、ずっと以前から予定していた日。最後は天気のみが判断材料になっていた。前日は雨。高所では雪ということになる。残雪期の高所。ガチガチに固まった上に多量の降雪。この時点で危ないことが判る。そう高くない場所であれば遊べるが、2500mを越えるような場所を目指すとなると、しっかり判断せねばならなかった。やめておこう。一転して好天になるであろう日であり、腐る、雪崩れる条件が整いすぎている。

 
 ここで残雪期に狙おうと思っていた、御嶽山北西側の山を狙うことにした。場所を変えたとて雪が気になるが、危険度は高くない場所であり、進退を悩む場所ではない。ただし、チャオスキー場前の林道ゲートが問題。天気が曇天や悪天であればいいのだが、好天の場合の8時まで開門を待たねばならない状況は、日の出から2.5時間を経過するような事。快適に歩ける時間がその分削られる。それを避けるよう高山周りで現地入りしようとも思ったが、だいぶ大回りになる。まず狙うは法仙峰。濁河山と大平山とを抱き合わせて大縦走なんてことも思ったが、降雪の後であり、林道を自転車を使って入山口と下山口を結ぶのは無理。各山は繋げず切り離す事にした。最短なのは南西側からのアプローチ。大きく地形図を抜粋して準備した。

 
 1時10分家を出る。ゲートの開門時間があるので急いでもしょうがなく、ゆっくりと八ヶ岳の南面道路を通過して行く。いつもの通り杖突峠を越えて、権兵衛トンネルを潜って19号に出て、開田高原を経てチャオスキー場に到着する。驚いた事に、駐車場には凄い量の車。なにかイベントがされる日だったよう。ゲート前に行くと、紅白のそれがしっかり林道を塞いでいた。時計は4時半。公表開門時間まで3時間半ある。ただし、非公式開門時間があり、いつもで7時半には開く。3時間ここでの待機であった。

 前回はそうでもなかったのだが、今回は、ここまで突っ込んでユーターンする車がちらほらあった。仮眠するのに、それらが何度も障害になった。御嶽登山者であろう、練馬ナンバーの車もゲート前に並ぶ。寝たり起きたりしながら、起きている時間は何度も地形図に目を通す。でた答えは、濁河峠から狙う。これだけ出発時間を焦らされると、一分一秒でも早く歩きたい心境からの判断であった。そうこうしていると5時33分。やけに車が揺れだした。風かと思っても、周囲は落ち着いた様子。30秒くらい続いたか、御嶽が動き出したのかと思い怖くもなった。すぐさまラジオを点けると、関西での強い地震を放送していた。東北から、最近は関東に多く、今度は関西か・・・。つくづく地震列島と思えた。

 
 そう言えば、前回は本を持ち込んで時間を潰していた。今回は忘れてしまった。こんな時のスマホは、良いおもちゃになっていた。そして7時25分、エンジンをかけ待機状態に入る。しかし30分になっても現れず・・・。どうしたものかと気にしていたら、33分、その車はやってきた。青いパトライトを光らせた黄色いFJクルーザーであった。開門後に、その車の後を追う。雪の上を慣れた運転で距離を離される。私も世の中の人と比べると慣れている部類。でも大きく差をあけられるほどの運転テクニックの差があった。完敗。いや競ってたわけではないのですが・・・。雪の林道を進み、濁河峠に到着。現在の峠は、林道途中の工事のための作業事務所が出来ていた。その前の余地に停める。

 
 靴や装備は、ゲート前でしっかり準備が出来ており、車を降りたらすぐにスタートとなった。足元にはスノシューを履いた。沈み込み量は新雪分の10〜15センチってとこか。作業事務所を左に見て、なだらかな斜面を登って行く。黄色いリボン、赤いリボンが見える。なにか散策路でもあるかのような雰囲気があった。流れが出ているところもあり、春を感じる音も聞こえてきていた。すぐに樹林帯を抜け出すと、何となく牧場的雰囲気のある場所となる。柵の痕なのか支柱のみが立っている場所も見られた。素晴らしい天気。風もあまりない。これならもっと高所に行けたか・・・とも思えた。振り返ると御嶽山が見事としか言いようがない。真っ青か空に白い頂がくっきりと見えている。残雪がやや斑が出てきており、何度かササを漕ぐような場所を経てクネクネと雪に伝いながら高度を上げて行く。

 
 1849高点が最初の通過ポイント。ここには東側からピンクノリボンが続いてきていた。このピークを乗越すと、その先に続く長い尾根筋が見える。その上に点々と送電線の鉄塔が立っている。その数が多い。とならば、巡視路が尾根上にある事が察せられる。特に残雪期の山ではなかったのか。地形図に送電線が描かれていなかったので、現地入りするまで判らなかった部分。緩やかに下って行く。スノーシューでのスキー。新雪であり抵抗が少なくよく滑る。滑った跡は、汚れた雪面。そう表層を雪崩ながら滑っているような感じ。これを体感して、高所に行かずに良かったと思えた。この場所だからいいが、北アの傾斜の強い斜面でこんなことが起こったら逃げられない。北進しながら東側には見事な乗鞍岳が見える。その左に笠ヶ岳の雄姿もある。進む前方に緑の山頂の法仙峰が見えている。その間にいくつものピークが見えている。アップダウンのルートであった。

 
 ほとんど尾根の頂部を伝うのだが、1797高点と1689標高点との間にある1770m峰は、その東側をトラバースして進む。高みには往々に送電線鉄塔が立っているので、それを狙うように進めばいい事になる。1689の鞍部に下りこむ南側の場所に、尾根上にダンダラ棒が立っていた。こんな場所に三角点は無いはずであり、巡視路がそこにあるであろうと推察できた。1689標高点は、予想外に狭い鞍部で、東側には美しい緩やかな雪の斜面が降りていっていた。この先がやや急峻。巡視路でよく見られる、黒いプラスチックの階段が見え隠れしていた。登りきるとまた、その先は快適な空中散歩な尾根筋となる。

 
 1681高点を経て、その南の1710m峰までは尾根通しの巡視路があるようだった。それがここから、法仙峰の南側を通過するトラバース道となる。雪が無くなってトラバースと言うと、使用違いと指摘を受けるかもしれないが、この時は雪のある時期、トラバースで間違いない。ここからそれを左に見送り尾根通しで進んでゆく。しかしこの辺りからササがお出ましになる。アイゼンを履いていれば、やや北側通過もいいだろう。でも傾斜地。反して傾斜の緩いのが南側。ただし笹薮。その途中途中には倒木が隠れている。アップダウンはあるが快適だったここまでと違い、ササに乗った雪を纏いながらの笹漕ぎとなる。雨具を履いていなかったので、溶けやすい雪にズボンが重くなる。それでも進むしかない。踏むまでは・・・。

 
 法仙峰到着。予想外に狭いピークで暗い場所であった。経路のピークがそうであったように、もっと明るい場所を想像していたのだった。ここにも中津川の三輪さんの標識がかかっていた。そしてここには三角点があるはず。そう思って雪を掘ると、なにか一等点ほどの石柱が出てきた。一瞬「あった」と思ったのだが、どうにもその肌が三角点ではない。嫌にゴツゴツしていて、彫り込みも無い様。これは違う・・・では三角点は何処に・・・さすがにこの量の残雪に、それ以上掘り下げる元気はなかった。休憩は少し東側に戻ると、御嶽と乗鞍を見ながら日差しを浴びることが出来る。山頂には複数人のトレースが残っていた。西側からアプローチしたようであった。少し呼吸を整え戻って行く。

 
 山頂からは巡視路を目標に南斜面を降りてみた。これはちと酷かった。背の高いササに、それが纏わりつき2度ほど転倒。さらには複雑な倒木が寝ていたりした。僅かな距離にけっこう時間を使って巡視路に乗った。そして南進して行く。1710m峰まで戻れば我がトレースに乗って戻って行ける。好天を意識して、かなり早足での行動していたのは事実。腐る前にどんどん歩きたい。しかし、僅かの時間にどんどん腐り始めていた。それほどにこの日の日差しが強い事を示していた。腐れ雪にスノーシューがだんごとなり酷く重くなってゆく。ストックで数歩ごとに叩きながら進めねば、足かせそのものであった。それでもこの展望。気分上々。スノーシューに適するルートと言えると思う。

 
 まぶしい陽射しに、目を細めつつトレースを追ってゆく。向かう先に御嶽が在ると言うのは、景色としてこれまた気持ちがいい。アップダウンを繰り返しながら、1849高点まで戻る。ここからはピンクのリボンを追って南東側に進んでみる。かなりこまめに打たれており、悪天時に取り付けたように見えていた。もしくは林業用か。そのまま南東に進んでおり、やや戻る方向からずれるので、ルートを南に修正して降りて行く。牧場のような広い斜面から、またまた御嶽が見たかったのであった。そしてそれが叶えられる。すばらしい景色。気持ち良さと、目標点を踏んできた達成感が、嬉しさと喜びになり、「山をやっていて良かった」となる。ただしただし、足許はどんどん雪だんごが強くなってゆく。次の場所も既に想定しているのであるが、装具をどうしようかと考えながら歩いていた。

 
 濁河峠に到着すると1台の軽トラが居り、運転席からこちらを見ている目があった。私を不審者に思ったのか、工事事務所があるためだろうか。登山装備を確認したようで、チャオ側に下って行った。さあ1座終了。次は、濁河山か三間山。距離が長い方を選び、三間山へ向かって行く。


 

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