二見台    930m   
           

 2013.12.8(日)   


  晴れ      単独     東北山地区境尾からの山道を辿る        行動時間:1H32M


@660高点西側余地6:30→(6M)→A山道が建物を通過6:36→(20M)→B集落土蔵跡6:56→(20M)→C二見台7:16〜23→(17M)→D土蔵跡7:40→(22M)→E余地に戻る8:02


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@660標高点の場所には、今でも一軒のお宅が在る。そして住んでいる。 A山道を登ると、道がこの建物の中を通過する。かなりドキドキする。夜だと通れないかも? A付近に廃車と建物が点在している。 山道の様子。軽トラなら通れる。
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現在通れるのはここまで、落ち葉が深く、車は無理となる。この先で、道幅が狭くなり徒歩のみ。 B集落跡の土蔵が残る。 B物凄い強固な土蔵。臼などが見られる。 B斜面下にも土蔵あり。壁はこの土地の赤土だろう。
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途中から尾根道になる。 注意場所。この二つのピークは無視してトラバース。特に帰りに注意。 頂上直下。大岩が並び、素晴らしい自然のオブジェ。 C山頂部にも奇形の岩が並ぶ。
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C刃物が入れられた展望地が西側にあり、北アルプスの展望台となっている。 C東側の様子。 C立岩の場所から展望地側を見る。 Cお約束でヤキソバパン。
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C濃いガスの上に出た神々の座。 尾根を戻って行く。 尾根途中の標識。これがポイントとなるが、二つあるこの標識を繋ぐように進まないと、ミスルートとなる。尾根を伝うと土蔵への道形に乗れない。 鹿の多さが見て取れる。
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D土蔵帰り。 門を通過する場所まで戻る。住んではいないが畑はされているよう。 山道入口の住居。中から声がしていた。 E駐車余地。7台ほどは可能だが、自由に停められる場所ではないよう。断りの紙を残して出発した。



 蕎麦界の超有名人の高橋邦弘さんのそば会が、大久保醸造さんプロデュースで松本市のとある場所で行われる。高橋さんが大久保さんのところの醤油を使っている事にも関係している。そして大久保醸造さんと懇意にしている金沢の知人からのお誘いであった。二つ返事で参加の意向を伝え、その行事に託けて周囲を登ることにした。

 長野自動車道は立峠の上にある二見台。まずはここが気になった。里山でありあまり標高は無いが、少しアプローチがし辛い場所にあり、行程を悩む。南面は複雑。北側は松本に対して反対側となってしまうし、残りは東か西かの選択となる。となると破線が入っている西からのルートをとる事となった。報告の無い場所だけに、我ながらのパイオニア的行動となる。

 いつものように三才山トンネルを潜り、国道254から国道143へと繋ぎ、松本街道に入る手前から善光寺街道を繋いで302号に入って四賀の303号に出る。ここから岩井堂に在るビューティフルパークを目指し、その北側から東北山地区を目指す。この道が舗装路ではあるが、すれ違いが出来ない山道で、かなりドキドキして通過して行く。三才山付近から降り出した雪は、この辺りを白く色を変えていた。目指していた660標高点の場所まで来ると、驚いた事にそこには民家が在った。こんな場所には住んでいる人は居ないだろうと思っていたが、乗用車が停まり、生活の臭いがしていた。そして残念なことに周辺に駐車余地が無い。無いのではなく実際は在るのだが、個人の所有地と判る場所。少し西に進んでみたが、やはり無い。ユーターンし戻り、660標高点の60mほど西にある私有地らしき余地に駐車し、一筆書いてフロントガラスの所に置いた。ここで夜明けを待つ。一軒家であり、おそらく両極端だろう。人嫌いか人懐こいか。住民に会う場面も想定しながら明るくなるのを待っていた。

 準備を整え歩き出す。薄くソールパターンが雪の上に残るほど。民家の脇を静かに通過して行く。間違いなく住んでいて、声が漏れていた。山道の入口側がお勝手のようで、俎板と包丁を使う音がしていた。少し凍ったコンクリート舗装路を登って行く。かなり細い林道で、林道と言うにも作業道と言った方がいいか、かなり幅が狭い。それでも間違いなく地形図の破線ルートの上をトレースしていた。

 山道入口から5分ほど登ると、驚く事に道が建物の中を通過して行く。建物と言っても門扉のような農作業小屋のようなものなのだが、暗かったら怖くて躊躇したくなるような場所となっていた。ここでこの道に疑問を抱いた。個人的な道なのか・・・。でもそんなものが地形図に乗るのか。あまり体験した事がない状況に戸惑っていた。門の手前に上に行く道もあり、怖さを避けてその道を行く。すると、上にも廃屋があった。さらには廃車も置かれ、これらは先ほど駐車した場所にも2台置かれていた。これに類する物のようであった。人の気配がするのはいいのだが、離村した感じがする場所は、なんとも淋しく感じるのだった。それでも、一部畑には、青々した葉野菜が見え、誰かがここに来ていることは間違いなかった。

 廃屋の場所からは赤土の細い山道を伝って進む。歩き易い道で、車は絶対に入ってこないだろうし、トレイルランニングするには適当な場所であり、心地いい狭さでもあった。少しアップダウンはあるが、気になるほどではない。地形に添って切られた道は、あまり見通しが良くなく、少し前を気にしながら歩く事になった。人が入らない場所であろうから、獣も多いようで、鹿が頻繁に警戒音を出していた。

 山道は山腹に切られ、時折そこからの枝道も見えていた。地形図の水線が消えた、その東の谷だと思うが、ここで軽トラが通れる道幅が終わり、一部崩壊して歩きのみでないと通過できない。通れる最終地点には軽トラがユーターンした跡が残っていた。落ち葉も多く、その堆積で道形が判らなくなっているとも言えよう場所であった。ここで歩道幅の山道になるのかと思ったら、50mほど進むと、再び軽トラが通れる道幅に戻っていた。そのまま伝って行くと、なんと、こんな場所に建物が現れた。先に地形図で建物のマークを見ているから、同じ驚くにも、そのような驚き方なのだが、実際にこんな場所に建物が・・・と言えよう場所に建っていた。最初に見えたのは土蔵で、そのすぐ下の地形にも2棟の建物が見えた。ここに生活の場があったのか。それにしても建っている土蔵の強固なこと。土壁はこの土地の赤土を利用しているよう。見栄えのする建物で、中を覗くと農具が入っていた。

 土蔵の場所が地形図の破線の終点。谷を右にするようにして、落ち葉の堆積した中を鹿道を伝うように進んで行く。雪の上に無数のシカの通過したラインが見える。その個体もピョンピョンと100mほど前を5頭ほどが進んでいっている。尾根の上に乗った形となると、そこには明瞭な道形と言うか、よく踏まれた歩き易い場所が再び出てきた。途中には鳥獣保護区の看板も見える。進む先やや左に二つの小さなピークが並ぶが、無視したような細いトラバース道が山腹に走っており、間違いなくニ見台へ向かっていた。鹿道なのかと思って伝うと、そうにも思えるし、人為的な道なのかと思うと、それも違っていないようにも思えた。進む先に巨岩が現れた。規模こそ小さいが、それなりに見栄えのする岩の重なりで、なにせその一つ一つの大きさが素晴らしい。こんな場所で、こんな出迎えがあるとは予想しなかった。巨岩群を左から巻き上げるように進み尾根に乗ると明瞭な掘れた跡に乗った。それに伝って南東側に上がると、そこが目指すピークであった。

 ニ見台は、巨岩の上がピークであった。山頂部にも「立岩」と言いたいようなスクンと立った岩が在り、何せいいのは西側にある展望地。刃物痕があるので展望のために開いたようだが、仙人か天狗になったような雰囲気がある場所であった。この日はガスに埋もれていたが、それでもその濃いガスを突き破り、北アの白き神々の座が姿を見せていた。細長い山頂部を東に行くと、広葉樹のドテッとした丸い山頂がある。やはり山頂として適しているのは展望のある西側。再度戻り小休止とした。

 帰りは尾根筋を忠実に追ってみた。西北西に進む尾根筋に乗ると、途中まで歩きやすいが、その先が藪化している。その分かれ目が、鳥獣保護区の看板のある場所。それから先に尾根に進まず、看板が見えたら山腹へ降りて行かねば土蔵へ続くルート(尾根)に乗れなくなる。よく判らぬまま進んでしまい、往路の尾根が左側に見え、慌ててルート修正をした。正規の尾根まで行くと往路に見た鳥獣保護区の看板が見えた。ここではこの二つの看板を繋げて進むと言うのが必須となろう。

 土蔵の場所まで戻り、再び山道に乗って戻って行く。よく踏まれた様子からは、ここでの生活者が往来した様子が伺える。小谷村の真木地区に繋がる山道に少し似ているが、少ないながら村落がここに在ったように思えた。静かな山里、とても居心地がいい風合いがある。目の前に赤く実った柿が見えてくると、門のある廃墟の場所に降り立つ。コンクリート舗装の道を降りて行く。下の方に我が車も見えてくる。さらには谷の向こう側に大きな家が見えた。あんな場所にも・・・。

 660標高点まで戻る。住宅からは中から声が漏れていた。と言う事は最低でも二人暮らしている事になる。凍った路面を踏むとガリガリと鳴ってしまい、気にしつつ静かに通過して行く。駐車余地に戻り、フロントガラスの断り書きを外す。この分だと誰も見ていないよう。私有地に停める場合はトラブルが一番気になるところ。ここは大丈夫のよう。

 細い林道をビューティフルパークの方へ戻って行く。途中にオレンジ色を纏った猟師が二人居た。山中で見た鹿を狙っているのだろう。私のせいで北側に逃げてしまっている。そんな事は一切言わないが、猟は誰よりも早く、朝一番でないとならないだろう。


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