地蔵の頭 1673 m 小遠見山 2007m 中遠見山 2037m
大遠見山 2106.3m 西遠見山 2268m 白岳 2451m
五龍岳 2814m 北尾根ノ頭 2560m
2013.7.20(土)
晴れ 単独 五竜とおみスキー場からピストン、ワンデイ 行動時間:12H28M
@テレキャビン駐車場7:10〜31→(14M)→Aアルプス平7:45〜46→(11M)→B地蔵の頭7:57→(43M)→C小遠見山8:40→(14M)→D中遠見山8:54→(26M)→E大遠見山9:20→(29M)→F西遠見山9:49→(48M)→G白岳10:37→(2M)→H五竜山荘10:39〜43→(54M)→I五龍岳11:37〜44→(76M)→J北尾根ノ頭13:00〜26→(89M)→K五龍岳帰り14:55→(31M)→L五竜山荘帰り15:26〜31→(6M)→M白岳15:37→(42M)→N西遠見山帰り16:19→(31M)→O大遠見山帰り16:50〜57→(33M)→P中遠見山帰り17:30→(16M)→Q小遠見山下17:46→(44M)→Rアルプス平帰り18:30〜41→(57M)→S麓駅駐車場19:38
@テレキャビンの駐車場は、利用者のドアの開け閉め音回避のため、バスの駐車場のある砂利の方へ停めた。 | @素晴らしい天気の下、利器に乗って雲上へ。 | Aアルプス平。リフトは使わず、ここからスタート。リフトを使ったゴンドラ同乗者より、1分ほど速く上に到達。 | B地蔵の頭通過。 |
途中から八方尾根。夜間歩行をした5月の記憶がまだ新しい。 | C小遠見山。絶景地。 | C小遠見山より主稜線。 | D中遠見山通過。 |
E大遠見山通過。三角点は今回は端折る。 | F西遠見山側より白岳。 | 白岳へ向かって。 | G白岳最高点より五竜側。 |
H五竜山荘。客襲来の前、スタッフがのんびりとコーヒーを飲んでいた。 | 五竜に向けて・・・。 | 途中から鹿島槍側。 | I五龍岳。鹿島槍側へ抜けていったトレランハイカーも休憩中。 |
I分岐標柱から鹿島槍側。 | 鎖敷設箇所が続く。 | 足場の悪い中、快足で飛ばすトレランハイカー。 | G4から稜線。 |
G5へ向かって。 | G5頂部。 | 赤抜を挟んで北尾根ノ頭。 | 岩の並びから行くとG6となるか? |
北尾根ノ頭直下。 | ハシゴを大小二つ登り。 | J北尾根ノ頭最高所。 | J南に30mほどズレると標識ピーク。 |
J「北尾根ノ頭」と何とか読み取れる。 | J北尾根ノ頭から剱岳。 | J毛勝三山。 | J五龍岳側。 |
これが北尾根。残雪も残る。 | ハシゴ場帰り。 | 途中から東谷山。 | 鎖場の連続。 |
オヤマノエンドウ | イワベンケイ | タカネツメクサ | ミヤマオダマキ |
K五龍岳帰り。さすがに賑やかな時間帯。 | L五竜山荘。テン場はオーバーフローし、小屋の周囲にも花が咲いていた。 | L600円で栄養補給。 | M白岳ケルンを通過。 |
M主三角点。 | N西遠見山通過。 | O大遠見山で小休憩。 | P中遠見山通過。 |
Q小遠見山下通過。 | 地蔵の頭手前から植物園地側へ。 | 神秘的な地蔵の沼。 | 法大スキー小屋側から植物園を通過して行く。 |
コマクサの大群落。 | ブルーポピーのヒマラヤンブルー。 | Rアルプス平に戻り大休止。 | 下山路は、ゴンドラ駅の地下倉庫を突っ切るか、北側に降り表示の無い分岐を鋭角に南に向かう。するとこの分岐に出合う。 |
ゲレンデ上部より麓側。 | 下に麓駅が見えてくる。 | ゲレンデ内の道は、かなり急勾配。登りも下りも負荷が大きい。つま先が痛くなりながら下山。 | S麓駅駐車場到着。 |
海の日を含めた3連休で遠見尾根から鑓温泉を結んで楽しもうと思っていた。結果は天気が味方してくれなかったのだが、さすがに全天候型である私も、狙う場所によって天気には左右される。この時、沢山ピークを踏む中で、唯一未踏座であったのが北尾根ノ頭。5月に東谷山に入山した時に踏んでしまえばよかったが、そこまで頑張れる兵ではない為に、ポツンと残った格好になっていた。今回はここを狙う。
赤岩尾根経由も当然考える。遠見尾根が最短と思いきや、意外と八方尾根経由でも速かったりもする。黒菱平まで入れる今なら、懐にも優しい。ただし5月に歩いているので芸がない。赤岩尾根では時間がかかりすぎる。そうワンデイを狙っていた。色々思案したが、最後は遠見尾根経由と決めた。ここで文明の利器は始発が7:30で下り最終が16:30。これだとどう頑張っても下りに間に合わない。前半で早立ちして頑張るか、後半でテクテク下るか・・・。人間が弱いもので利器を利用して登る後者の選択とした。
1:30家を出る。久しぶりに三才山トンネルを潜る事になる。テレキャビンに乗るのは2009年2月以来。早いもので前回から4年も経過している。快晴の中、大滑走した当日が思い起こされる。今日も快晴予報。空には星が見え、その事を示していた。五竜とおみの駐車場には20台ほど停まっていた。始発頃になると、これが何処まで増えるのか。ハイカーの開け閉め音がひどい事が予想され。敷地の北東側、バスの停まっている並びに停め仮眠とした。これは大正解で、6時台から始まるバタバタ音を遠くで回避できていた。気になる人は気になり、あの音も気にならない人もいるらしい。かくありたい。
夜が開けたら読書をしながら時間の経過を待つ。7時より準備を開始し、7:10駐車場の隅から反対側の麓駅まで進んで行く。駐車場では、若い女の子が二人、出発前の一服と紫煙を燻らせていた。タバコは麻薬・・・。テレキャビン麓駅前には20名ほど既に並んでいた。地元山岳会の方か、しきりに登山カードの記入を促している。860円で片道切符を買って乗車時間を待つ。パーティー行動の方が多い中、単独の女性などの姿もある。頼もしい限りでいつの時代も強い女性は多い。
定刻どおり乗車が始まる。ゴンドラに一緒になった方は、どこかで見たことがある。相手は気づいているのか、5月のあの日にここで一緒に乗った方であった。雲の上にスルリと出てゆく。麓が遠くなり妙高側の景色が近くなる。ゴンドラを降りアルプス平でプラティパスを満たす。多くの方がリフトを乗り継ぐ為に降りて行く。ここはリフトを使っては植物園が見られない。勿体無い選択をしている人が多い。楽を求めると感動が薄くなる。高山植物を愛でながら高度を上げて行く。そして8分ほどでリフト山頂駅に着く。
お花畑は帰りとして地蔵の頭経由で西進。外気温は16度で快適そのもの。風もそよそよとあり、乾いた空気が何よりもありがたかった。湿気の多いジメジメとした平地に長く居ると、この乾燥した感じが心地いい。超一級の道に足を乗せてガツガツと行く。5月に歩いた八方尾根もしっかり見え、その向こうに白馬三山の姿がある。振り返ると最高の展望。今日はなんていい日なんだろう。そうこうしていると、後にぴたっと着いてきた方が居た。話を聞くと五龍のピストンらしい。それを目的にした歩き方なのであった。
小遠見山は二度踏んでいるのでパスしてもよかったが、展望地であり立ち寄って行く。そして寄ってよかった大展望があった。下に天狗岳への尾根が降りている。スキーで下ったあの日も甦る。下って行くと、この日初めての下山者とすれ違う。これから賑やかになるか・・・。トレランシューズを履いた方が先に見え大きな音で鈴を鳴らしていた。音はなに除けなのか・・・もしかしたらメトロノームのように自分のペースを保つものなのかも。大きく下って緩やかに登り上げ。
中遠見山通過。ケルンの遭難碑が心に刺さる。今遊んでいる者、亡くなっていった人々・・・。鹿島槍から五竜の稜線がくっきり見える。本日の目的地がしっかり見えている。まだ先は長い。大遠見山は三角点があるのだが、見るのは端折る。一度踏んでいたり見ていたりする場所は素っ気無く通過。眼下の雪を溜めた池塘はとても涼やかに見えていた。この先、雪の残る通過点が多くなる。周囲温度が下がるので、恩恵を受ける為に少しゆっくりな歩調にしてみたり。雪解け水が細い流れを作っている。もっと暑ければこれらが美味しくも見えるのだろう。
西遠見山は気にしていないと通過点のような場所。標識類は以前同様何もない。白岳沢を孕むようにやせ尾根を伝う。「うちのが亡くなるのを待ってんのよ」すれ違うおばちゃんが仲間と話している。本音なのだろうけど、なんて言うか・・・。おばちゃん、周囲の耳も気にしよう。進路左の雪渓の上には五竜山荘も見えるようになってきた。登山道周囲には高山植物が沢山見られるようになる。花の撮影は帰りとして、往路は何せ歩け歩けでゆく。
白岳の最高点を踏んで、その先で縦走路に出合う。ついこのあいだに来た場所であり、見慣れた景色があった。五竜山荘へ降りて行くと、スタッフが5名ほど屯しており、泊り客を送り出したあとのつかの間の休憩をしているようであった。またこれから賑やかになる。短期集中型の小屋経営も、これらの若いスタッフが居るからこそ成り立っているのであろう。途中で追い越していったトレランハイカーが休憩していた。ここで私も3分ほど呼吸を整えてから五龍岳に向かって行く。
すれ違う人も多くなる。小屋泊まりでまったりと山頂を楽しんでからの下山者のよう。ゆっくりと恐る恐る岩場を降りてくる御仁も見られる。登れた感動は誰よりもあるであろう。簡単に登る人、苦労して登る人、後者のほうが感動は大きい。途中で再びトレランハイカーが追い越してゆく。ピストンか・・・であればトレランなら尚更ザックはデポするはず。しっかり背負っている。向こうへ抜けるのか・・・。振り返ると、まだスタッフの輪が見えた。スタッフの持っていたコーヒーが思い起こされる。この景色の中でのモーニングコーヒーは格別だろう。五龍へのピストンハイカーの姿もベンチの所にあった。
五龍岳。アルプス平から約4時間。ままいいコースタイムで上がれた感じ。トレランハイカーは山頂側に居らず分岐側に居る。そして鹿島槍を見据えている。間違いなく抜けるようだ。数分後に南へ降りて行った。私も息が安定した頃合で後を追う。ガレた歩き難いルート。赤ペンキや黄ペンキでルートが示してある。今日はソールの擦り切れた靴できているので、やたらと滑るのであった。やや疲れが出ている太腿の筋肉に頑張ってもらって、堪えながら降りて行く。赤茶けた鎖も多いが、中には新品のものも見える。
最初の鞍部まで降りると、前から縦走者がすれ違う。「この先が『きけん』と書いてある鎖場ですか」と言う。なにかの紹介誌に載っているのか、通過してきた場所がそんな場所だとこの御仁のおかげで知る事となる。エアリアにはG4とかG5とかしか書いていない。このあとその岩峰群の中を通過して行く。どれがG4でどれがG5何か、はっきりと判らないのだが、判らないながらも同定しつつ進んで行く。そして赤抜を挟んで鹿島槍の手前に山頂の涸れたピークが見える。その左(東)側には顕著な尾根が降りており、間違いなく北尾根ノ頭となる。もう僅か。ここまで来ると鹿島槍まで抜けてしまいたくもなり、頭の中でこの先のコースタイムの足し算をしだしていた。
平日入山者が意外に多い。ここでのすれ違いは、五龍岳出発から7人を数えた。冷池から、キレット小屋からと今日の出発地点を聞き、平日に入れる人が羨ましいと思ってしまう。稜線の岩峰群の中に白く続くスカイラインを伝って行く。鎖場が沢山あったが、本当に鎖を必要としたのはG4とG5の間のチムニーの所くらい。ガスれば淋しい景色の場所となろうが、今日は文句なしの絶景が左右に広がる。先日入った東谷山への尾根も、藪尾根らしき姿ではっきりと見えている。手前には池塘のような窪みも見え、雪の乗ったときの現地の記憶と、実際この時見える視覚情報を照らし合わせる。北尾根ノ頭への最後は、ハシゴ無くして通過は困難。これを利用しないで通過する方法も探ってみたが、ハシゴの場所の岩壁を登るくらいなのだろう。そのハシゴに感謝しつつステップに足を乗せてゆく。木で出来た支えがなんとも恐怖感を煽る。二つ目の短いハシゴを登りきると視界が開ける。
北尾根ノ頭到着。東に派生するのに北尾根とは・・・。山塊の最高点は北側にあり、南に縦走路を進むと、標識を付けたピークがある。こちらは北尾根の最高点より低い場所。ただし、休憩適地はこちらであり、そのための標識となろう。キレットを含めた危険箇所の多いルート。休憩は適地で・・・となるか。360度の大展望をカメラに収める。どっしりとした剱岳の姿がある。まだまだ雪を纏っており、各谷の白さが鮮明に見えていた。小窓、三ノ窓、現地の雪の様子が手に取るように思い起こされる。ここにきて鹿島槍を見上げると、五龍側とほぼ同じ高低差ではあるが、鹿島槍側の方が厳しい山道に見えるから不思議。この先、進む思考はもうなかった。そうこうしていると、口ノ沢のコル側から一人上がってきた。いいタイミングなので山頂を譲って往路となる。
デンと構える五龍に向かって進んで行く。往路に行き合ったご夫妻のうちの奥さんの方が険しい場所で難儀していた。「旦那さん、先に行っちゃいましたか?」と聞くと、「いつもこんな感じです」と慣れた様子。そこに腕章を付けた監視員がやって来て、これからの予定を聞いてきた。「下まで降ります」と告げると、奥方の足運びを見て怪訝そうな顔をしていた。それを察知して、「別パーティーです」と言うと、「ああ」と言ってにこやかに笑っていた。左に東谷を見下ろしながら、この谷を歩いたら楽しいのだろうと思えた。
帰りなので高山植物にレンズを向ける頻度を上げて行く。特に鎖場付近では、所狭しと各種の花を見せてくれていた。午後に入り、天気の崩れを気にしていたが、後立山にして午後も快晴の恵まれた日であった。上の方で賑やかな声がしだす。ゆっくりと九十九折に添って登って行く。上からは一挙手一投足を見られているような状況。あたかも、谷川岳の肩の小屋から平標側のルートと同じ状態。仁王立ちして見下ろして居る人も見える。まあ、見下ろすのは山頂に到着した人の特権。
五龍岳到着。少し休もうかと思ったら、煙草の臭いが漂いだしたので標柱を撮影しただけで踵を返す。ちと残念、吸う人は周りを気にして欲しい。ここから五龍山荘までは賑わう時間帯。カラフルな山服を纏っての老若男女が、地方地方の方言を発しながら歩いている。「おっこの人は四国」、「この人は名古屋」、当たらずも遠からずに判断できていた。ゴンドラを一緒だった単独の女性も登ってきていた。向かう山荘は、綺麗にテントの花が咲いている。これぞハイシーズンとも言えよう。
五竜山荘到着。600円で缶ビールを買って栄養補給。その美味しさ、冷たさが五臓六腑に染み渡る。遠見尾根のルート整備にはアサヒが協賛しているので、ここでの販売物はアサヒとなっていた。30秒もかからず、空き缶はゴミ袋へ・・・。すぐさま下山となる。と言っても白岳への登り上げ。一日を追えたハイカーが集う賑やかな声を背中に聞きながら駆け上がる。この先しばしは、先ほどのビールの汗が噴出してくるだろう。美味しい思いをしたリスクであり、アルコールが少し入ったことを自覚して歩かねばならない。
白岳は最高点から少し下って、ケルンと主三角点の建つ場所を経由して登山道に出る。付近には紫色のミヤマアズマギクが綺麗な事。シナノキンバイの黄色は花を閉じつつあった。ガラ場を降りていると、男性が銀マットの上に横たわっていた。こんな場所で、ザックも持たず・・・。人が居ないであろうと思った場所に居たので、ちと驚いて通過して行く。大きく下って痩せ尾根を経て西遠見に乗る。G4付近で会った監視員から、最近ここで事故があったことを聞いた。詳細は聞かなかったので、滑落なのかと思いつつロープの張ったガレ地の通過を気にしていた。そんなに危なくないので「なんだろう」が率直なところだった。残雪はよく踏まれステップになっていたり、踏まれすぎて踏み抜き箇所ができていたりした。足跡の多さに、メジャールートを感じるのだった。
大遠見山で休憩。小屋を出て80分ほど。下の池塘にある残雪を目で涼みながら水分補給。今日は1.5リッター上げたが、まだ1リッターほど残っている。首の後ろが焼けたのでかぶるようにしてクールダウン。冷やっこい水が体を伝う。日没で暗くなるのが19時くらい。この時間までにある程度下山路の見通しをつけておきたい。ゲレンデを下から見上げたくらいで、よくルートを把握していなかった。今日は地形図も持たずに来ている不届き者。足早に東進して行く。
中遠見のケルンに嵌めこまれた遭難碑。これを夕暮れ時間に見ると訴えてくるものがある。若い命が・・・。小遠見はピークは端折ってトラバース道を進む。進路がやや北を向くので白馬方面がよく見える。向こうも賑やかだろう。八方尾根の頭となる唐松付近はガスに覆われていた。皆、巣に入っているのだろう。自然条件により現地が見えるようであった。選挙活動なのだろう、下界からのスピーカーの声が聞こえる。地蔵の頭西側分岐では、お花畑の方のルートを伝う。折角なので少し大回りして、法大スキー小屋側への散策ルートに入る。こちらはあまり歩かれないのか。お金をかけて整備した風も見られるが、やや荒んだ雰囲気でもあった。
アルプス展望リフト横の植物園に入る。ここでの見ごろはなんと言ってもコマクサであった。植えつけたのが判っていても美しい群落。ピンクの中にある白花がいいアクセントになっている。他にも綺麗な花があるのだが、もう一つお目当てがあった。ヒマラヤンブルー。そうブルーポピーである。ロックガーデンを経て下の方に行くと、残り花のように僅かに咲いていた。花期はもう少し早いタイミングのようであったが、見られただけで光栄。この淡い青色は、自然界ではなかなか見られない色。
ゴンドラ駅に到着し、自販機の炭酸飲料に手を伸ばす。疲れた時は炭酸が疲労回復につながる。朝もここで汲んだのだが、持ち帰り用に再びプラティパスを満たす。さあルートが判らない。でも管理用道路はあるはず。辺りが暗くなり始めたので、急かされるように行動に入る。まずは下のリフトに乗るように降りて行く。ダート道が東に沿っており、「これだ」と思えた。そのままリフト側に降りる本道に対し、枝道のように鋭角に南に向かう道があった。道標はなくほとんど当てずっぽうでその道を選ぶ。緩やかに下り、その先登り上げ。ゴンドラのケーブルの下を潜り登って行くと、ゲレンデへの分岐点となった。ここにエスカルプラザの文字を見る。これで間違いないよう。ただしこの先一切の登山者に対しての道標は無い。100パーセントでゴンドラでの登下降を推奨しているよう。
スキー場内を降りて行くと、最初の分岐になる。パラグライダーのフライト場を示す道標があるのだが、表示が西側を向いている。ゲレンデ内の林道は南に下っており、この林道を伝ってくるのなら、表示は東側を向いていなければならないのに、西側・・・。今伝って来た北側に別の林道があるのかと、ここの表示から思ってしまった。 それはいいとして、スキー場内の道は急峻の道。キャタピラーの跡が残り、そんな重機で伝う道とも言える。その重機で均してはあるが、四駆のクロカン車両でないと登れないような勾配に思えた。利用者を乗せたハイエースなどが登ってくるのか・・・。なにせつま先が痛くなる下降で、一度靴紐を縛りなおすほど。ここまで急につけられた車道も珍しい体験。
それでも降りて行くと下の方に麓駅が見えてくる。選択としてはこのルートで間違いないよう。柔らかい土混じりの砂利道に、踵を入れながら降りて行く。気になるのは、下の方に違和感のある明かりが見えている。周囲は暗いのにそこだけ明るい・・・。気にしつつルートに足を沿わせてゆく。途中大きな堰堤を左に見る。ここから勾配はグッと緩やかになる。明かりの方に近づくと、工事現場小屋であった。どうもこの林道を工事しているようで、真新しいキャタピラーの跡は、そのためであったようだった。この先でT字分岐となり、左(北)へ道を選ぶ。周囲はほとんど真っ暗。ヘッドライトを点ければいいものの、獣のように暗い中を歩いてゆく。途中で北に進んでいた道が東に変わる。ここはゴンドラの真下となる。進めば駅舎に行くのだが、その手前で牛舎らしきものがあり、その下側の作業舎がある方へ入って行く。予想はドンピシャ。そのまま進むと、東に降りて行き、駐車場の北側に出てきた。広い駐車場には沢山の車が残る。これらが雲上を楽しんでいる人の車。
到着。何とか計画成就。天気に恵まれ、気持ちいい山旅となった。
北アの2000m超の登り残しは4座となった。なおエンマ山は入山禁止につき計画保留。他、大タテガビンはKUMO氏より「山ではない」との事で、現状では未踏座にカウントせず。