高社山 1351.5 m 三ッ子山 982m 飯盛山(夕日山) 1064.1m
2013.11.3(土)
晴れ 単独 よませ温泉スキー場を起点に3山を併せて周回 行動時間:6H1M
@よませスキー場リフト麓駅前からスタート。 | ゲレンデ斜面。 | 四駆なら斜面を駆け上がる事も・・・。途中に滑りやすい場所もありリスクあり。 | Aゲレンデトップに到着。 |
A少し西側にルート入り口がある。 | A五輪山側からの来光 | スキー場内を離れると、やっと登山道らしい道形を追う。 | 主尾根に乗った場所から見る高社山。 |
経路の石碑。ここも信仰の山。 | 一枚岩から南西側の雲海の様子。 | B高社山。展望デッキがあり、開放的な山頂。 | B祠 |
B三等三角点 | B西峰側 | B笠ヶ岳方面。 | 主尾根からの下降点。 |
Cゲレンデトップに戻る。 | C下りは一番東側のゲレンデを下りてみた。ゲレンデ途中では、カヤの伐採作業がされていた。スキー場準備の為。 | 波が押し寄せるように雲海が飯盛山を包みつつあった。 | D志賀高原カントリークラブからの林道に入って行く。 |
大型動物捕獲用の檻が置いてあったりする。餌も仕込んであった。 | 紅葉の中、かなり気持ちいい林道。 | カモシカの出迎えがあったり。 | 高井富士スキー場のゲレンデを跨ぐ。 |
林道終点から先はゴルフ場内。境界線上を東進して行く。見えているのが三ッ子山最高峰。 | Eゴルフ場内から東に藪を分けると、林道に飛び出す。スキー場の管理用林道のようであった。 | E林道から見る三ッ子山斜面。 | 間引き伐採がされた斜面。あまり下草がなく歩き易い。 |
F三ッ子山 | F北東側 | F南側。赤いリボンが目立つ。 | G中間峰の様子。 |
中間峰から北東側には、踏み跡(筋)が残る。しかしこれを伝って町村界上を進むと、北側に降りてしまう。途中から東に進路を修正する。 | H東峰の山頂部。高井富士スキー場のトップ。 | H三角点のある場所がややこしい。ゲレンデ脇の斜面途中。この写真の中央部の樹林の中に埋設してある。 | H三角点の様子。 |
H四等点 | 急斜面のゲレンデを降りて行く。 | やっと緩斜面まで降りる。 | 降りて北斜面を振り返る。これでけっこう現地は急峻。 |
I高井富士スキー場の駐車場まで降りる。 | Jとりで街道に入って行き、最初の観音様前から杣道に入って行く。 | J杣道の入口の様子。 | 道なりに進むと、やや北側に向いてしまう。途中に分岐箇所があり、ここで進路を南にとる。道なりに進むと再びとりで街道に出るようであった。途中の分岐から南西に進んだ。 |
斜面の様子。 | 脹脛に厳しい斜度。 | ムラサキシキブが目に優しい。 | 大岩が重なる場所が出てきて、枯葉の下の岩穴に注意。やや長い時間岩を乗り越えてゆく。 |
岩の場所を過ぎると優しい斜面が待っている。やや常緑樹が目立つようになってくる。 | 山頂の北側の大岩には、赤ペンキで矢印がされていた。その昔は北側にもルートが在ったよう。 | K飯盛山山頂。しかし現地では夕日山と呼ばれる場所のよう。 | K三等点。 |
K素晴らしい展望。高社山。 | K志賀高原方面。焼額山。 | K腰掛けるのにちょうどいい大岩が在る。椅子のような高さで長居を誘う。 | 最低鞍部を越えて登り返してゆく。 |
L1049高点にも、飯盛山同様の標柱が立っていた。両方のピークに同じ名前がふられている。 | 鋭角に曲がる分岐点。 | ルートは水平道を多用した九十九折の多い散策路。 | M林道に降り立つ。この林道もとりで街道であった。飯盛山の麓を街道が巻いているよう。 |
街道の証拠に観音様がある。 | 志賀高原カントリークラブへ行く道を跨ぎ、古い林道を伝って進む。この先は別荘地内に入り迷路のような中を抜けて行く。 | N麓駅の場所に戻る。 |
10月の3連休以来、2週山を空けてしまった。私にとって珍しい事。ろくに日ごろはトレーニングもしていないから、週末の行動が唯一の継続は力なりだったわけで、その点ではたかが2週が大きく体力を減退させる事にもなっていた。少々鈍った身体に山勘を取り戻さないと・・・。
当初は秩父エリアの藪漕ぎ予定で決めていたのだが、信州は小諸での小用を頼まれ、抱き合わせにし登る場所もその方面とせねばならなくなった。付近はほとんど登ってしまった為に探す先はさらに西に行き、信州中野の高社山で探索する目は留まった。簡単に登れるだろうと残しておいた場所だが、縦走形態をとると一日を使った楽しい場所にもなる。この点は料理と同じで、同じ食材でも工夫次第で、味付け次第で全く別なものとなる。しかし縦走は面白いのだが、単独では足の確保が・・・。自転車はまだ壊れたまま。
高社山の等高線を酔うほどに眺めながら、なにか見出せるものはないかと思っていた。そこにちょっと広角に地図を見やると、三ッ子山と飯盛山が目に飛び込んできた。“こ、これは・・・” 単独では各々簡単そうな3座であるが、その三つを絡めたらハードルは上がり楽しさも膨らむ。先ほどの料理に例えるならば、高社山と言うステーキに、三ッ子山と言うフォアグラが添えられ、さらに飯盛山と言うキャビアが食感を楽しめる感じ。ちょっとオーバーか。我ながら、この三座を絡めた発想・発見に、グッドアイデアと思ってしまった。
そうと決まればコースどり。まずは問答無用に、混むであろう高社山は一番にサクッと登りたい。となると一筆書きをするには次が三ッ子山となる。上手く高井富士スキー場ゲレンデが使えれば下須賀川地区に降りられ、南にずれて飯盛山の旧道を伝えばいい感じにCWの周回コースが出来上がった。いちおうこのコースを雛形にして、あとは現地で臨機応変な行動をとることとした。
上信越道を信州中野まで走り志賀高原に向かうよう進んで行く。しかしR292からR403に入る分岐が現在は工事中で、大きく北を巻くように進んで行かねばならなかった。現地入りし、森林組合のある場所の東側から山腹に入って行く道があり、それを伝おうと思ったが僅かに登った先でチェーンゲートされていた。この先経路途中にゴルフ場がある。通行止めの表示にゴルフ場の名前が書いてあった。しょうがないので一度国道まで出てから、よませスキー場に行くように寿郷の別荘地内を上がって行く。分岐する枝道に難儀しながらソロリソロリと高度を上げて行きリフト麓駅の前まで上がる。そして「あっぷる」と書かれたレストラン前に駐車し夜明けを待つことにした。ヘッドライトを消すと空には一面の星。北東の空には直立した北斗七星が瞬いていた。
この時期のハイキングには適当な高度であり、他にもハイカーが来るだろうと思って居たが、早朝帯はそれはなかった。身支度をしていざ出発。外気温は8度ほどに下がっていた。秋らしい気温で寒さが嬉しい感じ。ゲレンデをゆっくりと上がって行く。特に踏み跡も見えないが、逆に何処を歩いてもいいような斜面であった。斜度は何度だろうか、車の轍が先に延びていた。10分ほど登るとそこにポツンと相模ナンバーのパジェロがあった。四駆であるならば登ってこれる場所となるか。轍は新しく、停められた雰囲気からして既にスタートしているようであった。しかしその人影はゲレンデには見えない。もしやきのこ採りか・・・。
ゲレンデ中盤まで上がると、やや東寄りの場所に踏み跡が上がっていた。赤土の斜面が踏まれ、朝露に濡れてとても滑りやすいルートとなっていた。それでも気持ちいいのは、視界が開けている事からだろう。寒さもあり、少し足の回転を速くして登って行く。冷たい空気に喉が痛むものの、じんわりと温まってくるのが判る。紅葉と言うにはやや枯れた景色だが、それでも色を探すように見ると、まだまだ観られる景色でもあった。
ゲレンデトップに到着する。ちょうどこの頃に御来光を向かえ、それが五輪山の上からの来光なのでとても神々しかった。赤い陽射しを背に受け、自分の影を追うようにして登山道に入って行く。そこにある枯葉が、先行者が居る事を示していた。先ほどの車の主だろう。主尾根に乗ったところで、進む先に円錐形の山頂が見えてきた。主尾根の南側にもリボンが下りており、好事家が伝うようだ。途中右側には注連縄が巻かれた石碑がある。ここも信仰の山のようだ。そしてこの僅か先で展望台のような場所があり、間違いなく一枚岩と呼ばれる場所であろう。中野市街は雲海が覆い荘厳な景色が広がっていた。
登山道は良く滑り、靴の裏に神経を使いながら上がって行く。すると上から拳大の落石。人が降りてきたようだ。一人の男性がすれ違う。まず間違いなくパジェロの運転手だろう。この速さだと、神奈川から来ていることからして付近のハシゴ登山か・・・。麓からは常に破裂音が聞こえる。果樹に対しての害鳥除けなのかと聞いていた。朝焼けの山頂に向け上がって行く。意外や早くに空が開けそれ以上の高みは無くなった。
高社山到着。立派な祠と、それに負けないような同定盤も設置してあった。それを見ながら山座同定。鳥甲や又七山など、小さいが同定盤のおかげではっきりとそれと判った。西側には展望デッキがあるが、朝露で濡れとても滑りやすい場所となっていた。今日は麓で何かあるのか、スピーカーからの声が聞こえていた。素晴らしい展望ピーク。居心地も良くこれだけ簡単に登れるなら人気の場所であろうと思えた。山岳会での秋のハイキングにはうってつけであろう場所。
往路を戻って行く。下降点分岐の場所で、単独の男性とすれ違う。リフト頂上駅まで戻り、上手く高井富士スキー場と繋げないものかと北東側を見ると、そこには伐採痕が降りて行っていた。ただし歩くにはかなり負担になるような切られた木々の重なりが見える。躊躇してしまいよませ温泉スキー場のゲレンデを降りて行く。下の方では作業員と軽トラが見える。土曜日でもあり働いている人も居る。スキーシーズンへの準備となろう。降りて行くと、作業員はカヤの刈り払いをしているところであった。スキー場管理も広くなると大変であろうと思えた。さらに先を見やると、先ほどの男性がパジェロに着いたところであった。周囲は西側からのガスに覆われだし、そのスピードはさながらテレビで見た津波のよう。飯盛山もそのガスに飲み込まれるほどになってきた。雲が海のように動いている。山々が孤島のようにも見える楽しさ。
リフト下を降りて行く。視界は30mほど。完全に巻かれてしまい何処を歩いているのか判らなくなった。そこに、進路左に車が多数停まっている場所が見えた。少し登りあげるようにしてその場所の行くと、そこはゴルフ場のスタッフの駐車スペースであった。林道の下側を見ると、クラブハウスらしきものも見える。これで上手く地形図に見える実線に乗った形となった。北進をして行く。すぐに分岐になり左がよませスキー場からの道であり、右に進む。この林道のゴルフ場側には通電させた柵が設けられている。ピシピシと音がしており、間違いない電気を感じるものであった。少し進むと、大型の獣を捕獲する罠が仕掛けられてあった。撒き餌もしてあり現在進行形の様子。周囲は広葉樹が多く、彼らの生息も頷ける。
この林道を伝ってよかったと思えたのは、伝って10分ほどしてから。そこにある植生のおかげで、黄色を主体にした素晴らしい紅葉の見られる場所であった。温かい黄色に包まれ幸せな気分にさせてくれるから不思議。そんな中、突如獣の臭いがしてきた。ノホホントした気分に緊張が走る。間違いなく「いる」。何処に・・・と周囲を探すと、前方の山手側からこちらを見ている目があった。それはカモシカであった。全く逃げる様子もなく、最短で15mほどまで近づいてもジッとこちらを見ていた。まるで宮崎アニメのキャラクターを見ているかのような不思議さを感じた。
林道は途中でゲレンデを横断する。高井富士スキー場エリアに入ってきたようだ。弧を描くように林道を伝って行くと、右側にゴルフコースが見えてくる。その先に目指す三ッ子山。シラカバの大木もスクンとあり、ここは絵になる景色であった。林道が終点となり、その先はカートの道が舗装してある。九十九折の道。本来はゴルフ場利用ではないので伝ってはいけないのだろう。避ける場合は先ほどからの電気柵の際を進んで行くことになる。そこには町村界の印も見られる。
ゴルフ場の北東端から藪の中に入って行く。しかし15mほどすると林道に出会った。おそらくは高井富士スキー場の管理用林道であろう。北側にリフト舎のような姿も見えていた。ゴルフ場と隣接しているせいか、ゴルフボールが沢山落ちている。こんな場所に叩き込むプレーヤーとは・・・。そしてボール放置をゴミの放置と見えてしまう。さあ三ッ子山の斜面に取付く。覚悟していたが、意外や歩き易い斜面で、かなり古いが間伐した痕が見える。下草もそう多くはなく分けて進むような場所でなく、あまり時間をかけずに山頂に到達した。
三ッ子山最高峰。赤いリボンが幾重にも縛られており、林業作業者ならびに好事家が訪れている事が判る。展望はないが、広葉樹が多く紅葉が気持ちいい場所。辛い藪漕ぎなら、このピークから南に降りてしまおうと思っていたが、この植生なら三ッ子の名になっている三座を踏みたくなった。少し北に膨らむように進んでから東に降りて行き、僅かに登り上げ、あっけなく中間峰に着く。ここは先ほどの最高峰より紅葉が綺麗で、色づいた物しかないような景色があった。展望はないものの長居をしたくなるような居心地の良さ。ここからの進路がちと微妙。三つ子の最終峰を踏むには東進しなければならない。しかし現地には、そこそこ明瞭な道形が北東に降りている。巻き込んで三角点峰に行くのかと少し伝ってみたが、町村界上をしっかりトレースしており、途中から東に逸れて三角点峰を目指して行く。
スキー場に入る際の場所で、ススキの藪漕ぎがあり全身ずぶ濡れとなる。それでも抜け出すとゲレンデ斜面で、僅かに登り上げると、高井富士スキー場のトップであった。地形図に見られるように、三角点は山頂でなく、少し下った斜面に設置してある。探しづらい点ほどに興味が沸く。宝探し開始。ゲレンデ脇の樹林の中をゴソゴソと探しながら下って行く。無いのか、在るのか・・・半信半疑で探しているのが本音。そこに、それらしい杭が目に入った。よく見る三角点脇に立つ標柱であった。その脇に真鍮の頭の点がある。四等点であった。探し物が出てきたので大満足でゲレンデ斜面を降りて行く。
高井富士スキー場の北側コースは、かなりの急峻。滑った事はないが上級コースとなろう。コケないように注意しながらゆっくりと降りて行く。こちらも刈り払いがされている。そしてゴミ一つ落ちていないゲレンデにも驚く。急峻につま先が痛くなる頃、平坦地に降り立つ。そして高井富士スキー場の駐車場を経て南進して行く。分岐を東に進むのが通常だが、それを左に見て右の道に入って行く。ほとんど当てずっぽうである。すると、地形図にはないが、テニスコートを左に見た先には林道が続いていた。
よく管理された道で、途中には観音様が居り、そこには「とりで街道」と書かれていた。昔道のよう。この前から山手側に杣道が入っていた。どこかで地形図に見られる破線と繋がっているだろうと思って伝うも、やや北側に進んで行くようで、途中の分岐から南に折れた。今度はこの道は再びとりで街道に戻ってしまう感じでもあり、不明瞭な分岐点から今度は南西側に進路をとる。進んで行く先に住居が見えてきた。ちと無駄足だっかか、もう少し我慢して進んでから山腹に入ったほうが良かったようだ。でもただでは行動を無駄にしない。ここで自分に試練を与える。
破線を伝わずそのまま山腹を藪漕ぎしようと考えた。ここも三ッ子山西側斜面同様に、下草が少なく歩き易い斜面。ときおり見出し標もあり、人が入っている事が判る。やや急峻であり、脹脛に張りを感じながら登るような場所。その地形が変わるのが900mくらいか、今度は大岩のゴロゴロした中を進まねばならない。大岩は苔生し、岩と岩の隙間には枯葉が堆積し、踏み越え進んで行くにも注意が必要であった。すぐ終わると思ったこの岩の通過、けっこうに長く続き神経を使う場所であった。
これまでの広葉樹林の中に、常緑樹が見え出すと山頂は近い。もっと言うと、斜度が緩みだすと山頂は近い。空が開けて少し気持ちを楽に伝って行くと、目の前の大岩に赤ペンキで矢印がされていた。周囲を見てもそれらしきルートは見えない。書かれた色からしてだいぶ古いもの。その昔は北側へのルートが在ったという事か。ここからが藪だった。もうすぐ山頂と言う僅か手前で、この山に入って一番濃いで進む事になる。そして開けた山頂に立つ。
マイナーピークと思ってきた山頂には、しっかりと標柱が立っていた。しかしそこには「夕日山」の文字が見える。飯盛山の文字が一切見えない。地元の呼び名が地形図に掲載されなかったということだろうか。違和感を抱く表示であった。その横に立派な三等点が埋まっていた。展望ピークで、360度の見晴らしがあり、ここから見る高社山、志賀高原側の姿がいい。ありがたいことに、高さ500mm、幅600mm、長さ800mmほどの自然石があり、これが最高のベンチとして利用できた。おかげでこれに座っての長居となってしまった。風も無く天気も良く、何時間でも居れそうな出迎えであった。しかし、今日は会合があり18時には戻らねばならない。その前に小用もある。ほどほどにして下山する。
最低鞍部まで降りたが、地形図に見える破線の道形は判らなかった。それより、はっきりとした道形が1049高点側に進んでいる。これは・・・。調査目的で伝ってみる。点々と青いリボンが続いており、これは良く見るピンクのリボンより目に優しい。伝った先の1049高点には、先ほどの飯盛山に在ったのと同じ標柱が立っていた。双似峰である事に間違いないが、両方に夕日山とふるのもなにか馴染めない。切り開きは南側に進んでいた。伝って行くと途中で直角に西に分岐する場所がある。直進方面にも道形が在りリボンが続いていた。その道を左に見て90度曲がって行く。この先は、水平道が多くの九十九折となって切られていた。優しい散策路の様相だった。ハイカーとしてはなかなか高度を下げないルートに少しイライラする。そんな族は他にも居るようであり、ショートカット道が造られ、九十九折の道が串刺し状態に道形が出来ていた。すると、こんな場所にハイカーが上がってきた。見ると、最初に出会ったパジェロの御仁であった。相手は気づかぬようであったが、こちらは二度目とはっきりと判った。
散策道が行き着いた先は林道であった。その入口にザックがデポしてあった。先ほどの方だろう。林道を西に進んで行くと、この道も「とりで街道」だと判り、途中に観音様が在ったり解説文が掲示されていたりした。分岐は悉く山手側のルートを選んだ。途中で舗装路を跨ぐ。これはゴルフ場への九十九折の途中となろう。バリケードの先に続くほとんど歩かれない道を行く。この先で別荘地内に入って行く。古いものが多く、利用されていないのかと思いきや、初老の夫婦が出てきたりして挨拶を交わす。別荘地内の道は迷路状態で、何処を進むとスキー場側に抜けるのか判らなかった。コンパスだけ定めて、出会う分岐を適当に進んで行く。かなり迷った感を抱きながら進み、やっとの事で見慣れたゲレンデを前方に見る。
ゲレンデ下には、15台ほどのハイカーの車があった。ナンバーから、関東側から、北陸からのハイカーも居るようだ。斜面には降りてくる家族連れの風景もあった。ハイキングにもってこいの山で間違いない。ゲレンデに響く鈴の音を聞きながら車に到着する。ちょうど6時間ほど歩いたか、この付近の秋を存分に満喫出来た感じであった。