本名御神楽   1266 m       御神楽岳   1386.5m      雨乞峰   1350m


 2013.6.22(土)    


   雨のち曇り     単独       霧来沢(金山町)側登山口より      行動時間:6H17M 


@登山口(金山町側)5:42→(13M)→A八乙女滝5:55→(81M)→B杉山ヶ崎7:16→(38M)→C管理舎7:54〜56→(18M)→D本名御神楽8:14〜15→(36M)→E御神楽岳8:51〜52→(7M)→F雨乞峰8:59〜9:05→(9M)→G御神楽岳帰り9:14〜23→(28M)→H本名御神楽9:51→(42M)→I杉山ヶ崎帰り10:33→(46M)→J渡渉点11:19→(40M)→K登山口11:59


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@本名ダムより霧来沢沿いの林道を進み、ここが終点地。経路の道標はしっかりしている。5〜6台駐車可。 登山口から先の林道は廃道。山道を少し進むと、廃道の先の林道の道形に乗る。 霧来沢はナメ沢。沢の左岸を行く。 A雨により水量が増えている八乙女滝。
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滝の高巻のところ。非常に滑る。鎖も一部ヌルヌルしている。 高巻から下降。なにせ滑る(雨の場合)。この先にヘツリあり(帰りに撮影)。 平坦地を通過。けっこう覆っている。びしょ濡れ。 渡渉点。丸木橋を渡ってゆく。
jyurintai.jpg toraba-su.jpg  kyuuto.jpg  sugiyamagasaki.jpg 
気持ちいい樹林帯歩き。 一部トラバース。 尾根歩きになり急登を行く。足場がしっかりしており負担が少ない。 B杉山ヶ崎。主尾根に乗り上げる。
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熊打場通過。 鎖場。ここも非常に滑る。鎖がヌルヌルしている(濡れている場合)。 C御神楽岳管理舎(水場あり) Cよく管理された内部。全てが揃っている。
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祠が見えると本名御神楽はすぐ先。 D本名御神楽。進路的に東に進みたくなるが、少し戻って北に。 この尾根は西から常に樹木に押されながら歩くようなルート。左半身が特にびしょ濡れとなる。 ヒメサユリが雨を纏って綺麗。
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E御神楽岳到着。 E標柱。よこに同定方位盤あり。 E二等点が歯槽膿漏状態。 北側に祠あり。
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F雨乞峰。ルートの分岐点。 F西側と南北縦走路との三叉路になっている。その道標が朽ちて落ちていた。 F西側への道。 伝って来た南側。マーキングあり。
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雨乞峰の東斜面にはたっぷりと残雪がある。 G御神楽岳に戻る。 Gお約束で。 H本名御神楽帰り。
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ほとんどガスの中で、やっと下界が見えてきた。 岩場の上から見下ろす。 I杉山ヶ崎帰り。 急登尾根を下り霧来沢に降り立つ。付近は雪渓が残る。
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ナメ沢で水遊びや涼むにはちょうどいい。 J渡渉点帰り。 ヘツリ通過後に振り返る。  八乙女滝の高巻のヘツリ。ここも鎖が滑る。
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滝の高巻の鎖場。コース全体を通し、鎖が滑るので、雨の日はグローブをした方がいい。  K登山口に戻る。見える車は釣師のもの。竿を持っての入渓者が多い場所。     




 

 東北方面へ同行登山予定をしていた。しかし台風の影響等もありキャンセルとなった。なるべく影響を受けない場所をと考慮したのだが、判断は個々に違うからしょうがない。なにかあればこちらの責任になってしまうから、本当はこんな場合は私のような楽観視でなく達観視でいかないとまずいのかもしれないが・・・。折角時間を費やした計画であったが予定がリセットされた。週中に3行の同行計画を練っていたら疲れてしまい、金曜日の時点で行き先の予定は未定のまま。

 

就労を終えて自宅に戻り、夕飯を済ませたあとに地図を眺める。上手くすれば一過が期待できる。台風通過後のいつもはジリジリとした暑い日がほとんど。高度を上げないと・・・。しかしそれは日曜日の天気。土曜日は間違いなく影響を受ける日。久しぶりに土日が使える週末。日曜日に高めの藪山を入れて、土曜日は登山道を伝うような大枠の予定を決め地図を舐めてゆく。先に日曜日の山が決まる。桧枝岐の長須ヶ玉山とした。そこに抱き合わせで登れる山と、北の方にある御神楽岳に決める。小出インターを基点にすると、ルートをぐるっと結べる事からも、そのような場所選びとなった。御神楽岳は200名山であり、有名どころを悪天予報の日に登るのは、私の順当手段でもあった。静かに歩ける・・・。

 

1:10家を出る。高速に飛び乗って小出までひとっ走り。コンビニでヤキソバパンを仕入れてから、国道252号で六十里越を越えてゆく。雨の降りはかなり強く、台風が変化した感じが雨粒の大きさから判る。この雨の中・・・躊躇したくなる状況でもあった。金山町に入り、ナビを気にして進んで行く。湯倉温泉の橋を渡ってゆきたくなるが、我慢して進むと、国道がそのまま本名ダムの堰堤の上を通過し対岸へ行く。対岸にT字分岐があり、ここに御神楽岳の道標があり、ダート林道(一部舗装)が霧来沢に沿うように奥に続いている。途中途中の分岐点にも案内看板があり間違える場所はない。釣り師だろう、途中に停まっている車もあった。概ねよく踏まれた林道で、快走できる場所。あまりブレーキを踏まずに、アクセルワークだけで進める林道でもあった。かなり奥まで進めるのかと思ったら、大鍋又沢の出合から僅か先で林道は止められ、そこが登山口になっていた。

 

登山口には6台ほど停められるか。工夫しないと停めた車が他人の出入りに干渉してしまうような広さのない場所。嫌な事に、停まった車を襲うように無数のブユが取り巻いた。排気ガスと、車の発熱の為だろう。見事、黒い部品の周囲に集まるのも観察できる。外に出たかったが、これは間違いなく餌食になる。ブユが居ると言う事は風が無い事にも通じる。行動中の蒸れて暑い様子も想像できた。車内で雨具を着込み靴も履いて準備を整えてから外に飛び出し、短時間で車を離れた。さてスタート。

 

杉の板を敷いたルート。この辺りはいつも泥濘になるようだ。すぐに林道に乗る。登山口のところで止められていた林道は、実際はまだ先に伸びている。ただし車は通らないので、登山道としての踏み跡しか草地の中に見えなかった。沢音が聞こえる中、左岸の平坦な地形を進んで行く。霧来沢はナメ沢で、ルートが沢に出た場所では思わず遊びたくなるよう誘っていた。少し進むと、柔らかい流れの音がやや荒々しく聞こえてくる。音からして急流がある事が判るのだが、進む先で目に飛び込んでくるのは八乙女滝。この雨でかなりの水量になっているようであり、滝壷側は濁った水であった。流れが弱かったら、女性的な流れなのだろう。ここは休憩適地で、かなり居心地のいい場所であった。観瀑しながら涼むことが出来る。

 

滝の場所はルートは高巻となる。エッと思うような、ちょっと危険度が高い感じもした。それには雨だからもあるのだが、足場も鎖も、非常に良く滑る。楽に思って踏み出し、握っていたら危なかった・・・。高巻した後は、ヘツリが待っている。ここも鎖を掴みながら2mほど足を置く場所に注意をして通過しないとならない。この先に一部無毛のトラバース箇所がある(上の写真ではヘツリと表記)。ここも足場が悪い。それでもやや危険と思える場所はこれで終わりでこの先は快適そのもの。平坦地の場所は鬱蒼と野草が茂り、そこを分けながら進む。そして流れを一本橋で渡って行き、雪渓の残ったトラバースを経ると、気がつかぬ間に勾配が増して行き尾根に乗ってゆく形となる。通常なら、その基点に何か道標があろうものだが、ここはアレッと思った時には急登尾根の上に居た。それほど快適と言う事も出来る。その急登尾根も、足場がいいので快適。苦痛なく杉山ヶ崎の場所に辿り着いた。

 

杉山ヶ崎からは、主尾根に乗った格好で、やや痩せた尾根の上の一級の道を伝って進む。雨は降ったり止んだり。既に全身はずぶ濡れであった。周囲はガスの中で展望はゼロ。歩いている感じからして、スカイラインと言えよう展望があるはず。もったいないが、こんな日にここを選んだリスク。熊打場を通過し、本当にここで熊を狙ったのかと周囲を見回してしまった。すぐ先にやや長めの鎖場が待っている。ここは沢を離れ山道に入っての一番の危険箇所か。乾いていれば何も問題にならないが、濡れているとややこしい。ここの鎖もなぜか濡れるとヌルヌルしている。登りは掴まないでもいいが帰りが心配となる。露岩の上を少し踏んでゆく。晴れていれば・・・。

 

御神楽岳管理舎に着く。ガスに包まれるその小屋は、外観からは寂れた印象があったが、中は素晴らしく整っていた。寝具、暖房、整備用の鋸とかもあり、管理のされようが立派に思えた。携わるメンバーが立派と言う事になる。濡れたなか長居したくなるが外に出る。本名御神楽はあとわずか。表記では0.5Kmとなっていた。少しステップの切られたルートになり、小屋周辺の管理もされていた。待ち望んでいたピンクのヒメサユリの姿もある。水濡れて綺麗。そして祠が見えると、すぐ先が最初の目標点。

 

本名御神楽到着。進んできた角度からすると、山頂を越えて行きたくなるが、通行止めのトラロープが張ってある。少し戻って北に進んで行く。ルートは頂部よりやや東側に切られている。そのため、右傾斜の道で左からの樹木の押し出しがある。この先しばらく、左半身を常に濡らされて進む事になり、連続してジャブを受けている状況に歩き辛い道に感じた。最初は左肩を入れるように歩いていたが、岩に向かうのと同じように、懐を作り右前にして押出しに対し構えるようにすると楽になった、ジャブを放つ木々に対し、防戦ではなく、正面から向かい合う恰好。これで濡れも少なくなった。こちらにも山頂が近くなるとヒメサユリの群落があった。少し終わり花が目立ったが、それでもこれから咲き出す蕾も多々見られていた。

 

御神楽岳到着。誰も居ない静かな山頂に、方位同定盤と三角点、上川村が建てた山頂標柱があった。そのまま留まらず先に行く。本当は覚道の頭くらいまで行ってしまおうと思ったのだが、ずぶ濡れ状態に最終目標地はこの先の雨乞峰と変わっていた。山頂北側には、先ほどの本名御神楽同様の祠があった。軽く頭を下げる。進路右斜面には残雪が多い。少し下って緩やかに登って行くと分岐ピーク。ここが雨乞峰。

 

雨乞峰には山頂標識は無く、西側と北側への道標が地面に朽ちて落ちていた。休憩するのは、やはり先ほどの御神楽岳の方がいい。美生柑を行動食にしながら戻って行く。残雪の場所は稜線まで冷気が上がってきていた。涼やか・・・ちょっと寒いくらい。御神楽岳に再び登頂ししばし休憩。この日はルートを選ぶ心配はなく、伝って来た場所でのピストンしか選択肢は無い。展望も無い。山頂でやることが無くなり、下山を決める。時計はまだ9時台。思い切って北に足を進めればよかったか・・・。まあ明日もあるから、今日はこのくらいで・・・。

 

少し陽射しも出るようになり、天気雨的空模様。着れば暑いし、脱げば濡れるし、それでもスコールを受けているようで濡れても気持ちよさはあった。本名御神楽に戻り、祠に挨拶をして高度を下げてゆく。帰りは小屋には寄らず、その先の鎖場。慎重に足を進め鎖も握るが、滑るは滑るは。やや太い鎖が敷設してあるが、握力の弱い人などで事故は無いのだろうかと思えた。快調に足を進め、杉山ヶ崎から急登尾根の下り。下りも負荷がない。急登では無いのではないか・・・とさえ思えるほど。ブナの新緑が目に優しい。かなりの数のブナの実が落ちている。大きな黒い住民が食べに来てもいいようなものだが、気配は全く無かった。次第に霧来沢の音がしだし、先の方に沢を埋め尽くす雪渓が見えてくる。

 

沢まで降りれば、もうほとんど降りたも同じ。雪渓をトラバースしてナメ沢を右に見て、渡渉点を渡り八丁洗板では、少し沢に入り洗い板の上をジャブジャブと楽しむ。平坦地を過ぎて次は滝の高巻。ここだけ少し慎重に通過して行く。いろんな角度から八乙女滝を眺め、じっくり妖姿を脳裏に刻む。女性的な名前であり、より見てしまったのかもしれない。滝もそうだが、滝上のくねりが綺麗であった。登山口へ向け戻って行くと、沢の中に釣り糸を垂れている方が居た。向こうも気配に気づき、御互いに目礼。流れの音で声を出しても聞き取れないと御互いに判断できていたのだった。私は鈴を着けずに歩いているので、向こうもよく察知できたと思えた。自然に遊ぶ者・・・って事か。登山口に到着。少し風が出てきていたので、ブユは居なくなっていた。

 

 
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