三間山 1799.7 m
2013.4.13(土)
快晴 単独 旧少年自然の家から 行動時間:3H20M
携行品: 立山カンジキ
@旧少年自然の家下汚水処理槽前10:37→(3M)→Aパノラマグランドとの分岐(ゲート)10:40→(26M)→B林道を離れる10:46→(28M)→C1775高点11:14→(70M)→D三間山12:24〜31→(20M)→E林道に乗る12:51→(56M)→Fゲートに戻る13:47→(6M)→G旧少年自然の家下13:53
@旧少年自然の家下の下水処理施設前で除雪の雪が山積みに。ここまで車を入れスタート。 | A下呂市パノラマグランドとの分岐。ゲート側へ。 | B林道が北に方向を変える場所から林道を離れる。 | 1680m付近。快調と思っていた斜面。楽だったのはここまで。この先、危険度が増してゆく。 |
岩壁が現れ、南に巻くも険しい斜面。少し這い上がり、北側を巻き始める。 | 少し上がるも、このまま。雪の下は凍っている。 | C1775高点。尖った穂先のような場所。 | 1775高点の西側。 |
マーキングがされている場所があった。これは続かない。 | 途中から見る三間山側。見えていて遠い。 | 一番の痩せ尾根の場所。南側が垂直に落ちている。雪が乗って足場が見えず慎重に通過。 | 1770m峰は頂部は植生が濃く、北側をトラバース。 |
D三間山。樹林に覆われるが、西側は開けている。 | D三輪さんの標識と測量基準点標が打たれている。 | Dヤキソバパンが、照る!! | D御嶽も何とか見える場所。 |
三間山の東側斜面は笹薮。降りて行く。 | 笹薮を振り返る。 | 谷の中に入り、快適に降りて行く。 | 林道を前にして降りてきた谷を振り返る。 |
E林道に降り立つ。 | 1576高点の南にこのようなマーキングされた場所があった。 | 林道は、起伏の大きい場所もある。 | 往路のトレースに出会う。 |
尾根伝いの場合。スノーシューでは豚に真珠。カンジキで正解だった。スノーシューであれば、今回の復路コースでの往復となろう。 | F分岐帰り。 | G到着。 |
法仙峰を降り、次は三間山に向かう。既にだいぶ雪が腐り始めている。行かずして状況が判るほど。濁河温泉に向かうようにして、途中から旧少年自然の家の方へ右折する。昨年の工事担当者からの話では、4月に林道の開通式をやると聞いているが、まだまだ豊富な雪の量。この暑さでも一気に消えるとはならないだろう。その林道入口を左に見ると、すぐ右手に旧自然の家の正門がある。左へ降りて行く林道には雪が乗り、入ったはいいが戻れるか不安であった。前進後退を繰り返しながらソロリソロリと降りて行く。多分大丈夫だろう、最悪はチェーンもある。しかし、そのまま林道を行けるのかと思ったが、少年自然の家の排水処理施設前に、除雪の壁が出来ていた。進めたのはここまで。車はここに置いておくことにした。土曜日なので、もしかしたら除雪作業があるとも思ったが、既に日が上がってからしばらく経つ、作業は無いと判断した。
先ほどはスノーシューが団子になり難儀した。アルミワカンでは同じ事になるだろう。ここは木製の立山かんじきの出番。久しぶりに足に結わえ付ける。まさしく紐で結ぶのである。その感覚を楽しむかのように林道を緩やかに降りて行く。パノラマグランドの案内看板に導かれるように進み、そのグランドへの分岐点から、左に見える黄色いゲートの方へ道を選ぶ。無垢の雪の上を踏みしめ進む。もう少し沈み込むだろうと予想できたが、日当たりの加減か、それほどツボ足にはならなかった。
林道が西進から北進に変わる場所で、林道を離れ西側に進んで行く。最初は緩やかな斜面で快適に登って行ける。しかし進む前方が何となく黒々してきて、そこが堅いもので出来ている事が見えてきた。林道からなんとなく見えていたが、それが目の当たりとなった。ちょっとした岩場。雪がなければ気にしない場所であるが、雪の付いた岩はややこしくなる。ややギャンブルであったが、南側を巻いてみることにした。20mほど巻き込むが、状況が良くならず危険度が増すばかり。5mほど岩場を登り、次は北側に巻いてみる。上を見ながら、抜けられそうな場所を選びながら進む。しかし状況はあまり改善されず。しょうがないので直登し始める。植生があるので、手掛かりはたくさんあり、その部分では幸いしていた。しかし雪の下は凍っており、それ相応の神経を使いながら這い上がってゆく。
1775高点は、鉾の先のような場所で、本当に円錐形の頂部となっていた。ここに到達し、率直に「まだこんなところか」と思ってしまった。それほどに前座である法仙峰へのルートが快適だった裏返しともなる。濃い密生した樹林帯。少し北に進むとその樹林間隔も広くなる。その途中から三間山らしき高みを望む事もできる。もう少し快適に歩かさせてもらうわけであったが、ちょっとギヤを入れ替えねばならなかった。当初はここを登った後に濁河山へ行こうと思っていた。その思いは封印された。進んで行くと足の下(南)、真っ直ぐに切れ落ちた痩せ尾根も待っている。雪の下の状態が判らないので、木々を掴みつつ、万が一を考えて慎重に足を置いてゆく。
上に行くほどに雪に伝われると思っていたのだが、だんだんと密生尾根となってきた。三間山の南に1770mの高みがあるが、この東側もかなり密生している。逃げるように北側をトラバースして行く。トラバースするその場所も、なかなか簡単に進める場所ではなく、一歩前を出すのに時間を要す場所が多々あった。それでももう少し。ゆっくりとシラベの中を高度を上げて行くと、先の方が明るく見えてきていた。
三間山到着。ここも予想外の狭さ。地形図から見ると、もっと広い場所かと思っていた。西側を除いて樹林に覆われている。その抜けている西側からは、遠眼鏡を覗いているかのように北陸の山が見える。どうも白山側が見えているようだが、今日の日本海側は雲に覆われていた。次に振り返り御嶽側を見る。全く見えなくはなく、木々の間から山塊北側の継子岳が見えていた。予定では1時間で到達しようと思っていた。スタートしてから2時間近い時間を使って到着だった。山を舐めてはいけないと強く思う。ヤキソバパンを白湯で流し込み、遅い朝食。この先は東尾根を使って林道を降りようと考えた。密生樹林を物語るよう、枯れ枝が沢山付着したザックを背負い、下山となる。
少し東側に進んではみたが、最初からアップダウンが始まる感じで、歩き易い場所ではなかった。それならと進路を変えて南の谷の中に入ってしまおうと考えた。ここからは濃いササの中の藪漕ぎ。大木が枝をつけたまま複雑に寝ている場所もあり、少し後悔しつつも谷を目指して降りて行く。降りると言っても、やや南の尾根上に戻るように進んでいた。その方が雪が繋がっていたから。そして谷の中に入る。ここからは快適も快適。スキーでのアプローチも受け入れてくれる斜面であった。知っていれば持ち込んだのだが、知らないのだからしょうがない・・・。カンジキのまま滑らすように雪面に水平に、そしてずり落ちるようにわざと足を出してゆく。植生間隔も広く、見通しの利く快適な谷であった。そして先の方に白い広見が見えてきた。
林道に乗る。地形図では、谷との出合よりまだ北側に進んでいるが、この場所より北は崩落しているようにも見えていた。雪が乗っての判断なので間違っているかもしれない。さああとは林道に伝って戻って行くだけ。途中に流れもあり、給水も可能。春らしさか、融雪が始まり起伏が大きくなった場所も出来ていた。けっこう疲れた。進度が遅い事を焦り、速く歩いていたからである。でもそう速く歩けているわけでなく、そのための精神的な疲れが出てくる。こんな図式であった。ありがたいのは、何よりなのは、この陽射し。周囲の自然の細部までがくっきりと見えていた。不思議なのは大型動物の足跡が無いこと。餌となるササが無いわけでなく、多量にある。何故だろうか・・・。水が良くないのか、温泉が出るくらいだから、特異成分を動物は感じるのだろうか。先に登った法仙峰でも思ったが、上俵山や三浦山に上がったときも同じことを不思議に思っていた。
東進している林道が、途中から南進を始める。大きく方向を変えるのでちと違和感があるが、地形図どおり。その南進が終わった場所が、往路に林道を離れた場所となる。トレースがある事で、やはり普通に喜びを抱いてしまう。ツボ足が強い時は尚更となろう。この日はさほどでもないが、それでも有ってありがたいトレースとなっていた。東進を始めると、初めて獣を見る。獣と言っても小動物で、テンかイタチのような大きさであった。逃げ去る背中を微笑ましく見送る。彼らのホーム、こちらはアウェイ。
少し雲があった空は、完全に澄みきったブルーとなった。そこに真っ白い御嶽の姿がある。これだけ綺麗な物を見させてもらうと、後が辛い・・・。綺麗な物に見慣れてしまうと・・・。分岐でもあるゲートを越えて、後もう少し。かなりの陽射し、往路のトレースが幾分か沈み込んでいるのが判る。そして我が車が見えてきた。驚いた事に林道の色が黒く、この短時間でアスファルトが見えている。10cmほどあった雪が、見違えるように無いのであった。傾斜の場所でもあり、融雪に伴う水が流れ綺麗に溶かしていた。「よく遊びに来たな、溶かしておいてやったぞ」なんて自然の持て成しだと思う事にした。
2座を終えて、時間的にさほど歩いていないものの、けっこうな疲労度となった。もう人参をぶら下げられた馬同様、濁河温泉を目の前にして、この後はその方向に行くしか考えが浮かばなかった。三間山。藪山の中でも藪山らしいマイナーピークと言えよう。バラエティーコースを求めるなら尾根通し。安全に楽しく気持ちよくなら、林道を伝い、南の谷を使うのがベストのよう。ただし積雪期の場合。無積雪期であれば、尾根通しが順当になるだろう。