白草山   1641m   (途中敗退
           

 2013.2.16(土)   


  曇り    同行者あり     乗政キャンプ場より        行動時間:6H14M


@乗政キャンプ場7:32→(18M)→A林道分岐7:50→(22M)→B林道ゲート分岐8:12→(48M)→C林道終点登山口9:00〜03→(109M)→D標高1500m地点10:52〜11:46→(57M)→E林道終点12:43〜46→(47M)→F林道分岐13:33→(13M)→Gキャンプ場13:46


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@四駆でここまでがやっと、軽いジムニーや軽トラであれば先に進めたよう。管理棟前がスタート地点。 A林道分岐。ここの道標に「寺田小屋山」の文字が消されている。なぜだろう。 B林道ゲート。この場所まで車を上げたかったのだが、既に40分のアルバイト。 Bゲートで閉ざされている。
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途中から見る高森山。 やや風の強い日。お日様の光がありがたい日。 C林道終点の登山口。 斜面のトラバースが多く、ラッセル、そしてまたラッセル。
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尾根の乗り上げ、だんだんと目的地が見え出してくる。 D標高1500m。もう僅か先であるが、時間的には2時間ほどかかると読めた。同行者は初雪山。ここまでとした。 D少し霞んではいるが、そこそこの展望を楽しむ。 Dこっちも楽しむ。寒風に晒されながら、ブルブルしながら飲む。
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ルート途中の橋の上。2輪教習の一本橋の様相。 E林道終点地に戻る。 Eしっかりついたトレール。翌日以降の登山者は、間違いなくピークまで行けるだろう。 F林道分岐。新しい轍が入っていた。
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G乗政キャンプ場に戻る。      


 
 
雪山デビューの方をお連れすることとなった。四方八方の地図を開き頭をめぐらす。折角なら履いて楽しいスノーシューも体験して欲しい。初めての雪山であるから、辛さや怖さより、楽しさと綺麗さを擦り込みたい。中部圏の方であり、経路の運転も考慮。全てを全うする場所を探す。と、下呂市の白草山が目に留まった。これなら適当。山頂はさえぎる物が無い展望台。山行計画をアナウンスして当日まで楽しみに待っていた。


 天気実況とライブカメラから、木曜日は雪、金曜日は雨(上信越は大雪)で土曜日を迎える。上信越道も長野道も雪による通行止めで、現地より、出かける側を抜け出すのが厳しい状況になった。しょうがないので全線下道で行くことにした。野辺山を経由し茅野、杖突峠を経て権兵衛トンネルを潜り19号に乗る。そして県道3号と国道257と繋いで現地入りする。我が車だけ不思議なほどに雪を纏っている。リアハッチにはゴットリと雪が凍り着いていた。集合場所の宮地地区のコンビニには既に同行者の姿はあった。予定より40分ほど早い。やる気と人間性がよく判る。少し仮眠をと思っていた緩い気持ちを、そのやる気を受け追いやる。すぐさま乗政川に沿うように北進して行く。


 意外と住宅地が多い山村。それが湯谷温泉を過ぎると、数えるほどとなり、いつしか植林帯の中の道となる。キャンプ場に向かう道なのだが、既に雪がしっかり乗っていて、普通車では厳しくなった。後続のFF車を気にしつつ、ソロリソロリと轍をつけてゆくのだが、進退窮まる場面となった。ユーターンも出来ないような場所に、一度バックで戻り、雪の心配のない場所に駐車をしてもらい、我が車で突っ込んでゆく。それでも車重のある車での侵入は酷で、何とかキャンプ場まで入れたが、そこまでであった。薄い轍があるが、ジムニーか軽トラのような轍であった。


 すんなりと行かず、前倒しで到着した時間が全て飛んで行った。それより、ここからのアルバイトとなるのだが、たしかキャンプ場からゲートまで1.5〜1.6キロほどだったはず。この雪なら30分ほどか・・・なんて予定に時間をプラスさせていた。同行者にスノーシューを履いてもらい、新雪を踏んでもらう。皆感じる感動がある様子。こちらも準備が終わり、いざ出発。この時、持ってきた白湯を持つのを忘れてしまった。上でそれにより苦労する事になる。


 轍に片足を入れて新雪を踏んでゆく。周囲を雪雲が覆っている。下呂温泉地内では雨であったが、すぐ近くでもここでは雪であったようだ。それがスノーシューの下になっているものでよく判った。これは今日は厳しい。さらには風も強い。時間的には3時間ほどで片道と思っていたが、ここは大きく変更せねばならない事が感じられた。まあ進んでみよう。


 最初の分岐に、白草山と寺田小屋山が列記してあるのだが、なぜが寺田小屋山のほうがテープで覆われていた。どう理解すればいいのか。登山道が荒れているのか、経路の林道が荒れたのか・・・。高度を上げ、下界側を見下ろすと陽射しはある。これから晴れてきて欲しいのだが、その前に風も収まって欲しい。上空の雲の流れは早く。それを見ていると上に行く気持ちがやや萎える。それでも一歩一歩、いつもより強めに雪を踏んでゆく。同行者が居るので当然の作業。足が揃わないと登頂はなく、自分の為の作業でもあった。


 歩き出しから45分ほどでゲートに到着。分岐点に掲げられている地図からは、1.5時間ほどで白草山に到達できるよう。林道終点の登山口まではゲートから30分。予定と現実をそこから推し量る事にする。見上げると寺田小屋山は雪雲の中。晴れてくれないか・・・。ゲートを越えて、どんどんスノーシューの本領発揮となって行く。ワカンジキであったなら、もう少し進度は鈍っていただろう。ただし、登山口からの傾斜はどうか・・・。同行者はぴったりと追ってくる。なにせマラソンウーマン。私より体力があるであろう方であった。


 林道終点到着。ゲートから45分。コースタイムに対し1.5掛けの状況。そして既に歩き出しから1.5時間が経過。山頂まで残り2.7km
の表示もあり、ここまでの経過状況からして、残り3時間強かかると予想できた。想定して、現実を体感して、風を読み、天気を読み・・・総動員させて登頂に向け思案する・・・。でも今日は時間が解決。「いける所まで行こう」となる。少し休憩した後に林道を背にする。


 橋の上から落ちないように、崩さないよう進んで行く。この先の道標もそのほとんどが埋もれており、時折見えるマーキングを拾うように、斜面を伝って行く。標識の文字を見ながら行くと、時間をチェックすると時速600mほどであった。けっこうな深雪。スキーならもう少し状況はいいが、ここは場所柄スキーを持ち込むのは大変だろう。我ながらほとんど無口になりラッセルをして行く。談笑しながらのんびり雪の上を・・・なんて思っていたが、けっこう本気モード。トラバース箇所では、「こわーい」と後から・・・。よりしっかり踏んでやり、伝いやすいように配慮する。谷を挟んで見える高森山の高度が少しづつ高さを低くしていくので、それにより高度を稼いでいる状況が判る。夏道はほとんど判らず、適当に九十九を切るように行く。


 尾根に乗り上げると、東側の展望がパァーと開く。西風がなければ言う事はないのだが、10mほどの風が止まる事無く吹いていた。樹林帯の柔らかい雪を避けて東側の硬いバーンを伝って行くが、やや目くそ鼻くそ。時間的リミットを思っていたのは、同行者は無積雪期用のシューズ。普通に靴の中は悴んでいるはず。外気温も気にし、風も気にし、一番に時間を気にしていた。長く歩かせることは・・・。上の方に標高1500mの肩が見えてきた。「力なくてごめんなさい。あそこまでにしましょう」と判断を下した。この先は辛い領域に入る。趣味は楽しくである。


 1500mの肩まで上がると、前方に白草山と箱岩山見える。稜線は白くなだらか。あそこに居られたら・・・。次回の楽しみとする。西風を遮るようにブッシュを西に置き、火照ったうちにとビールのプルタブを起こして乾杯。幸いにも空の青さと日差しがあり、寒いながらも座っていることが出来た。でも350mlの半分ほどまで進むと、体をブルブルさせながら飲む事となった。そこまでして・・・。下呂市街が見下ろせ、中腹ではあるが居心地のいい展望地。湯を沸かそうと、テルモスを探すが無い。そうだ車内のシュラフの中に・・・。雪を入れ、沸くのにしたたかかかった。折角なので斜面を利用してピッケルでの滑落防止訓練をする。よく、滑落訓練って書いているのを見るが、「防止」が抜けていると、何の訓練になるのか苦笑いしてしまう時がある。話を戻す。折角の雪山、学んだ、身につけたノウハウは惜しげもなく伝える。これが仲間を増やし楽しみも増やす。ブルブルしながらなので時間の経過が判らなかったが、1時間ほどその場所に居たようだ。下降に入る。


 気にするのはスノーシューでの下り。テールの長さの分、傾斜地では苦戦する。下りでの同行者は案の定。ただしただし、持ち前の順応力で、コツを掴んだようで、後半はサクサクと降りて来て、幾分かスノーシューを滑らす感覚も掴んだようだ。センスとは・・・。往路のトレースを、既に風が消してしまっている所もあった。ストックで雪を抑えつつ制動しながら、ゆっくりと降りて行く。誰か上がってくるかとも期待したが、まだここは好事家も入ってこない場所か・・・。


 登山口まで降りれば一安心。下りはさすがに早かった。こんなことならもう少し進めば・・・なんても思うが、今日はこれで正解。少し反省を交えながら談笑しながら戻って行く。私の10年選手のスノーシューが何度も脱げてしまう。バンドの留め機構のところで雪が凍り付いてしまい、ロックしてない状況になった。何度も着け直しする羽目となった。ゲートを通過し、分岐をキャンプ場側に降りると、新しい轍が出来ていた。タイヤパターンから軽トラのよう。猟師なのだろう。私もチェーンを巻いてゲートまで入ったら3時間ほどで山頂まで届いていたかもしれない。反省点は多い。なにせ、同行者が居る中で、山頂を踏ませて上げられなかった事が一番辛い。でもこれが自然なのだが・・・。


 前の方にキャンプ場が見えてくる。乗政大滝に行こうかと思ったが、間違いなくもう一度訪れる場所であり、端折ることとした。サッと装備を解除してすぐに乗車し林道を降りて行く。湯谷温泉は米野旅館さんに寄ったのだが、15時からの営業。降りるのが少し早すぎた。早々に下呂温泉の宿に入り、遅い新年会開催となる。下呂温泉での冬の花火は、間近で見られ大迫力であった。


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