白草山 1641 m 箱岩山 1669.1m 高森山 1592m
寺田小屋山 1505.1m
2013.3.16(土)
晴れ 単独 反時計回りで周回 行動時間:7H17M
携行品: アルミワカン
@ゲート6:29→(23M)→A林道終点6:52→(44M)→B標高1500P7:36→(19M)→C分岐7:55→(7M)→D白草山8:02〜06→(13M)→E箱岩山8:19〜20→(27M)→F高森山8:47〜49→(46M)→G1623.9高点9:35〜43→(9M)→H1560m峰9:52→(83M)→I寺田小屋山11:15〜38→(7M)→J下降点11:45→(30M)→K林道に降り立つ12:15→(37M)→L林道進路を間違い標高1360m地点に12:52→(20M)→M寺田小屋山登山口再び13:12→(34M)→Nゲート帰り13:46
@前回はここまで40分のアルバイト。今回はここまで車を上げられた。 | A林道終点。トレースもバッチリ。ただし上に方へ行くと薄れている場所あり。 | B2月16日敗退地点の標高1500m地点。 | 前方に箱岩山(左)と白草山(右)が見えてくる。 |
残り1Km。 | C箱岩山との分岐点。 | 分岐点側から見る白草山。雪面がテカテカに輝く。 | D白草山 |
D御嶽山が見事。 | D笠が岳でいいと思うが、いい姿。 | 白草山から箱岩山へ向かう。 | E箱岩山山頂は西が開ける。 |
E彫刻がされた立派な標識。 | E赤く塗られた三等点。 | E箱岩山から見る高森山(左)。 | 高森山に向かう尾根筋。 |
F高森山山頂。 | F高森山から箱岩山。 | F高森山の西側。 | 高森山の北側は地形が広く要注意。悪天時はルート取りが難しそう。 |
鞍部の付近には流れが出ていた。この先で、左足を股まで踏みぬき捻挫状態に。 | G1623.9高点。ここも大展望の場所。 | G1623.9から高森山。 | G1623.9から見る寺田小屋山(左)。 |
1623.9高点の北側は立ち枯れの気持ちよいスカイライン。 | H1560m峰から1571高点を見る。ここで県境を離れ進路を西に。 | 1571高点から西側。 | 標高1420m付近。尾根筋に道形が確認できる。道形には沿わず、1381鞍部へ下って行く。 |
1381標高点(鞍部) | 1381標高点から進み、最初のピークへの北進で、藪が濃くなる。 | 1491高点から西側。 | もうすぐ寺田小屋山。 |
I寺田小屋山。一帯のアンテナ設備は全て撤去してある。 | I唯一の山名標識。 | I構造物の残骸が残る。 | I三角点は雪の下。 |
I寺田小屋山から箱岩山。 | I寺田小屋山から東側。 | Iヤキソバパンが映える。 | アンテナ施設は基礎部のみ残っていた。 |
林道への下降路。 | 登山道の上の方は雪が腐りだし中途半端で通過に時間がかかった。 | J林道に降り立つ。 | J林道の下側に向けて標識が付いていた。ここで気づけばよかったが、林道に降りたら東に進むものと思い込んでいた。 |
J登山口の様子。地形図を見ると、林道に降りたら東進(左)との判断になる。現地が地形図と少し異なっている。 |
K林道を東に進み1360m付近まで上がる。沢を挟んで対岸に道形が見えず、ルートミスを把握する。 | L再び登山口に戻る。約1時間の浪費。 | 途中のチェーンゲート。 |
チェーンゲートから登山口まで1.7Km。 | M出発地点に戻る。 | M駐車の様子。 | ガムテープで覆っていたのを取ったのか、今でも消してあるのか?確かに林道と登山道が荒れてきている。アンテナ撤去の為の一時登山禁止処置だったのかも。 |
2月16日。降雪を甘く予想して、その結果不甲斐なく登頂出来なかった。同行者に対し申し訳ない思い、そして自分の非力さを痛感する。ここはしっかり踏んで、汚点を解消しておかないと・・・。汚点というほどでなく、良い勉強ではあったのだが・・・。
今回は、狙うに際し、絶好のコンディションになることが予想できた。金曜日は冷え込みの強い日。翌日は快晴。雪の沈み込みは軽度であろうと思えた。白草山から一気に西俣山まで行ってしまおうかとも思い地図を用意する。全ては現地で判断なのだが、残雪期ならではの歩きを予定した。
1:15家を出る。星が綺麗な夜空であった。高速に乗ろうかと思ったが、一人であり急ぐ事もないので地走りで向かうことにした。杖突峠から権兵衛トンネル間には、4名の警官が見張っている。24時間常時監視体制。それがマネキンとは判っていても、不思議とスピードを緩めるパブロフの犬的心理が面白い。木曽路を中津川まで南下して、257号で賽の神峠、舞台峠と越えて現地入りする。さて何処まで車で入れるか・・・事前情報はゼロなので、行き当たりバッタリでもあった。湯谷温泉を過ぎ道が狭くなる中、雪の出現を予想・心配しながらハンドルを握っていた。「こんなことがあるのか」と思うほどにが雪が消えている。予想に反してとはこの事で、周囲の様子は先月とは別世界に思えた。乗政キャンプ場を過ぎ、分岐を左折し、まだ行ける。ゲートの場所少し下から雪が乗ってきたが、無積雪期の入山口となるゲートの場所まで車を上げる事が出来た。前回の40分の経路が、わずか3分ほどでこの場所まで来られてしまった。
斜面の雪を確認するも、予想通りよく締まっている。今日はスノーシューではなく汎用性のあるアルミワカンにした。箱岩山以北の様子が読めないためでもあった。結果、これは大正解で、逆にスノーシューでの縦走は厳しい場面が多いと思った。サッと準備してザックを背負う。今日は途中のコンビニでヤキソバパンも手に入った。これが手に入った時の私は一味違う・・・なんてことはない。ゲートを越えてゆく。
あの降雪からどれだけの人が入ったのか。しっかりとトレースが刻まれていて、その上に足を乗せてゆく。ロングコースなので、やや足早に進んでゆく。一度歩いているので新鮮さはなく、日が近いので懐かしさもない。先月との違いを見比べながら進んでいた。林道終点の赤い「山火事用心」の垂れ幕が目に飛び込んでくる。速い、8掛けくらいで歩けているだろうか。日が高くなると腐るのも速いだろうから、卓球で言う前陣速攻で今回は行く。やや大きめなストライドで、つま先に力をこめるようにガツガツと登って行く。手袋が要らないほどのいい天気。1414高点東の尾根上に乗るまで、そう時間を要さなかった。乗り上げると下界の綺麗な事。春霞もなく、遠望をしても雲ひとつない景色。こうなると、もう少し高い山を目指しておけば良かったかとなるが、ここだからこそこの展望。
標高1500m地点。2月16日に敗退を決めた場所。目印とした立ち枯れの木に「また来たよ」と挨拶をする。この付近になるとトレースは消え、適当に雪の上を進んで行く。左には高森山白と緑。右には拝殿山の黒い山並み。足元には締まった雪。お膳立てとしては最高で、進む先には箱岩山と白草山が待ち構えている。特に白草山の方は、雪が鏡面のように太陽を反射しているのが見える。これぞ残雪期の景色。踏み抜きもなく、ツボ足にもならず、アルミワカンはまだザックに結わえてあった。
県境まで上がると、黄色い道標が各方向を示している。この山塊は牛の放牧がされていた場所。それに相応しい牧歌的な景色が東側に広がっていた。そして輝く白草山側に進んで行く。この平坦地では踏み抜きが多くなると思ったのだが、皆無ではないがそう負担になるほどではなかった。ササの原の上に雪があり、気象条件によっては踏み抜きが多くなる場所であろう。夏道は判らず、適当に南に進んで行く。進路左には、「神々しい」と言うのがピタリと嵌る御嶽山の姿がある。何の淀みもなく、雲ひとつ纏わない姿。その左には乗鞍の白き山塊。さらに左には笠が岳だろうか、円錐形の見事な姿が見える。素晴らしきかなこの景色。山頂に到達する前からこの出迎えである。
白草山到着。平成13年に建立された標柱が背を向けて待っていた。写真を意識して御嶽の方を背にしているのである。360度の大展望。前回見えなかったような山々がくっきりと見えている。ここだけの登頂ならば、本当に長居したくなるような場所で、次ぎに移動するのが勿体無いような素晴らしい山頂であった。到達し、ふと小学生が周囲で戯れる姿を想像した。宿泊したダイヤモンドソサエティーの従業員の女の子が、「私も小滑降の時に登ってるんですよ」なんて言葉を思い出したのだった。後ろ髪を引かれるが、長居は無用。北進が始まる。
太陽を背にするように箱岩山に進んで行く。我が影が大きく斜面に伸びる。その距離100mほどはあろうか。太陽の強さを示すように、くっきりと先の方に伸びていた。復路はやや東寄りに歩く。往路の倍ほど踏み抜きが多くなった。ここは西寄りの方がいいようだ。分岐点は経由せず直線的に次のピークを目指して行く。経路には特にマーキングはなく、高み高みと目指し樹林に入って行く。白草山と好対照の樹林の山頂部。東から西に進むように抜けて行くと、前方が開けてきた。
箱岩山山頂。素晴らしい彫刻が施された標識がある。井波の彫刻とまで言うと言いすぎだが、透かし彫りの技法を取り込んだ標識が待っていた。赤く塗られた三角点も顔を出している。ここは今日一番の最高所。南に先ほどまで居た白草山がダラッとした姿で見えている。北西にはこれから目指す高森山があるのだが、ここから見るとあまり顕著に見えない山塊であった。北に進むのだが、ややこちらは踏み抜きが多くなる。そろそろカンジキ装着か・・・そう思いながら騙し騙し進んでいた。
箱岩山は南北に双耳峰になっており北峰に上がってから進路が西に変わる。ここから先はやや広い尾根筋で悪天時は注意したい。逆に有視界だと気持ちのいい場所。真正面に白山を見ながらの闊歩となるのであった。一度樹林帯に入り、鞍部からは緩やかな登りとなる。山頂部へは先ほどの箱岩山同様の樹林帯の中を行く。ここは地形図に破線が入っておりルートがあるようになっている。経路、何となく道形があるように思えた。
高森山。中津川の三輪さんの標識がかかっていた。中部山岳の藪にはこの方の標識が多い。おそらくこのエリアを網羅しているのであろう。最高所はあまり展望が無いので西に進んでみると。開けた場所があり休憩適地があった。先ほど居た箱岩山が険しい姿で見えていた。この後に進む寺田小屋山も北西に見えている。でもどうにもアンテナが見えない。不思議に思っていた。北に進み始めると、踏み抜きが増えてゆく。広い斜面に進路取りを迷うような場所となる。なにか尾瀬の檜高山とか赤安山とかを髣髴させる周囲の様子であった。適当になだらか地形を追いながら陽射しの入る明るい場所を進んで行った。目の前には1623.9高点の大きな山塊がある。進路のやや左側に尾根筋が見えてきた時点で、右(東)に逸れすぎたのを把握し、少し寄せるように西側に進んで行く。途中には流れの音がし、雪が口を開けて水を湛えている場所もあった。給水ポイントとなるだろう。
水を見て何かが変わったわけでもないのだが、その水に周囲の雪が緩んでいる事を察知すればよかったか、尾根に向けて登り始めた左足が股まで踏み抜いて、その後に膝の辺りに電気が走った。やってしまったか・・・これって捻挫だろう・・・。抜いて歩き出すと、膝に千枚通しを真横に貫通させられたような痛みが走る。何かしたら痛みが取れるのではと、いろんな角度で膝を動かしてみるが、改善せず。まあ歩いているうちに体が慣れて治癒するだろう。こんな時もある。歩きながらそんなことを思うのだが、その痛みからは、西俣山は諦めようとの思考になった。無駄に忍耐強い。しかしそこまで頑張れる根性はない。下手をすると膝が壊れてしまう。短命でなく長く山を楽しみたい。ここからの進度はあからさまに変わりゆっくりを決め込む。それでも等高線の緩やかな場所で助かった。さらにはスキーでなくてよった。スキーの重みの負荷があるとするならば、既に縦走より下山を考えねばならなかった。アルミワカンを装着する。格段に歩き易くなる。もう少し早くに着けていればよかったか・・・。樹林帯を抜け出すと、ここも日照りによりテカテカになった雪の斜面が待っていた。
1623.9m峰到着。こんもりとした広い山頂部。白草山に負けず劣らずの場所で、全てが見渡せる。公的には無名峰であるが、これだけの峰なら地元では名前がふられている事だろう。先ほど居た高森山が既に遠くに見える。北側には流麗な姿の白山。裾野を長く広げ、優しい柔和な表情をしている。それに対し、手に取るように見える御嶽山は男らしい荒々しさを前に出している。あそこに登った。あの斜面を伝った。過去の行動が次々に甦る。吹きさらしとはなるが、テン場にも適当な場所。北側に移動し、進路を探る。寺田小屋山が見えているのだが、やはり不思議なことに地図に示されるアンテナ塔が見えない。同定を間違っているのか・・・。西俣山もはるか遠くに見える。足が問題なかったとしても、届かなかったか・・・。ゆっくりと北進を始める。
今回の山旅での最高の場所がここからだった。太い高木が立ち枯れして並んでいる。南アルプスの深山を連想される場所でもあり、なにせ自然な感じが強く、そしてまた景色がいい。進路左に続く寺田小屋山への尾根。右(東)に御嶽、左(西)に箱庭のように下呂の町が見えている。これが見られただけでも今回の計画は大成功だった。この先、県境を離れるポイントが1560m峰となる。ここは一本の立ち枯れの木が目印となるか、地理院はここに標高点を置けばよかったのに・・・なんて思うのは私だけか。西俣山側に続く残雪を見ると、かなり途切れ途切れに見えていた。行くならもう少し早い時期の方が楽のよう。今日は諦めここから西進が始まる。
この一帯はスキー場に居るかのように緩やかで、幅が広く雪が乗っている。このような場所がスキー場適地なのだろう。1571高点に登り上げると、先の方に鞍部があることが見えてくる。標高を1550mほどまで落とすと地形が広くなり、気持ち進路が北に寄りたがる。我慢して左(南)に寄っていないと大きく外してしまう場所であった。ササが高く先の方が見づらい場所でもあった。悪天時はより注意となる。進んで行くと、雪融けした尾根筋に、刃物が入った痕が見られた。どうやら道形があるよう、そう思って気にして行くと、尾根に沿うように1.5mほどの幅で南西側に降りていっていた。林業用の作業道となるのか、わりとしっかりした切り開きに見えていた。それに沿うと1381標高点には行かないので、左に見送り北西側に急降下して行く。
1381標高点は狭いコルであった。そこから南西側には緩やかな谷が落ち込んでいた。伝いたくなるような谷と言ったらいいか。ここからササを分けながら進むようになる。今は雪は繋がっているが、なかったら進度が落ちる場所となろう。それにしても左ひざが痛い。グリグリと千枚とおしで射抜かれているような痛さ。自業自得であり我慢しかない。進路が北に向くと、繋がる尾根が西に見えるが、ここは北にある1470m峰に乗り上げないと繋がって行けない。標高1450mほどからトラバースしようと思ったが、密生したササが突っぱねられた。分けながら登って行き、頂部で90度西に進路を変える。もう寺田小屋山は指呼の距離。
今回一度も雪庇を見なかったのだが、ここに来て初めて雪庇を見る。北風の作り出す小さな庇の上を選んでゆく。1491高点にはリボンが多数結ばれていた。急にマーキングが出てきたので不思議に思えたのだが、なんだったのか・・・。進む先にやはりアンテナはない。目が悪いので遠くからは見えなかったと思っていたが、近くになっても見えてこない・・・。鞍部まで降りて行くと、水道管(ガス管)が立たっていた。地形図ではこの付近には建物マークがあり、それも無くなっているようであった。少し登って行くと、左側に雪の筋が見え、それが道形だと判る。これが林道への下降路のよう。1490m峰到達して南側を見ると、コンクリート構造の基部が残っていた。等辺鋼がアセチレンで切断された痕が見える。アンテナは撤去されたので間違いないようだ。最高所の方を見ると、土留めしたコンクリートの鎧が見える。なにか城壁にようにも見えるのだった。ゆっくりと足を寄せてゆく。今日最後のピーク。
寺田小屋山到着。アンテナが在る場所であり、広い山頂を思っていたが、東西に長細い山頂で狭い場所であった。標識も個人が付けた小さな物のみ。ちょっと予想外の場所。もう少し行政の手の入った、管理された場所を連想したのだが、マイナーピークと言えよう場所に感じるのであった。朽ちた老木かと思った立木に、閂のような止具が多数打ち込まれていた。そんなのが3本建っている。往時の残置物はこれのみとなるか。少し東側に戻って展望のいい場所でザックに腰を降ろす。歩いてきた尾根筋を復習するように目で追って行く。あとは下るだけ。この気の抜いた思考が、林道で凡ミスを引き起こした。
大休止の後、下山となる。鞍部からの下降点を見ていたはずなのに、素通りしてしまった。この時期、最低鞍部よりやや高い位置から降りている。笹薮に中に切られたルートは、雪融けが微妙でかなり起伏が大きくなっていた。雪のない場所は角の立った岩が多く、荒れた印象が強い。力が入らない左膝を庇い、今度は右側が痛くなってくる。踏んだり蹴ったり・・・。それでも樹林帯に入ると、なだらかなルートとなり、大きく九十九を切りながら降りて行く。そして下の方に林道が見えてきた。岩壁を削って切られたような最後を降り、林道に降り立つ。ここでの標識は不思議なことに西側を向いていた。何故に・・・。地形図を見ると、実線は東に続いて戻って行っている。降り立ったら左(東)に進むのが正解ではないのか・・・。あまり考えずに東に進んで行く。
崩落や押出しの多い林道。雪の上を伝ったり、ジャリの上を進んだり。しかし行けども行けども標高が上がるばかり。不思議でならなかった。でも間違いはない。地形図に書いてあるのだから。左膝が登りに悲鳴を上げる。下りになって欲しいが登り一辺倒。だんだんと不思議に思えてきた。尾根末端を巻き込む場所には、その尾根に道形が上がっていた。これって、1381標高点の東側の尾根からの道だよな・・・。なにか稜線が近くに見える。そして谷を挟んだ高森山側には林道が見えてこない。標高1360m付近まで進んで、ルートミスを把握した。それでもこのまま伝ってもいいのでは・・・なんて思考が残っていた。でも、さきほどの登山口標識の向きなどを考慮すると、進路は西なのだ。踵を返す。
自分のトレースを追いながら戻って行く。そして登山口まで戻り、下に向かって行く。そして大きな九十九折を伝って、現地の様子が判った。降り立ったのは、地形図に示される実線の北側の林道であった。実際にはにもう一本実線が引かれて居なければいけないのだが、地形図の更新が追いついていないよう。アンテナ塔の表示もそうだが、登山者に対しては、この「宮地」の2.5万図は早くに改訂した方がいいだろう。“なんだ、こんな事か”判ると笑えてくる。まあ、上から降りてくる人は稀で、ほとんどの人が下からのアプローチであろう。間違えない場所なんだろうと思えた。1時間ほどのアルバイトとなった。でもその分、山を長く楽しめたとプラス思考となる。
途中途中の流れで喉を潤しながら降りて行く。雪融けの冷たい水が火照った体に流れてゆくのが判る。チェーンゲートが見え、ここが登山口から1.7Kmの場所。周辺はフキノトウでも出そうな場所であったが、まだ少し早いよう。天気の変化は全くなく、快晴そのもの。ゴールデンウイーク頃の陽気に思えた。途中、真新しい轍が入ってきていた。確か分岐にはチェーンがあるはず。地元の人か・・・。猟は終わっているのでその心配はないが、もしかしたら除雪作業か・・・。路肩に停めた車が心配になった。
ゲート到着。やはり入口はチェーンで閉ざされていた。鍵を持っている地元の方が入ったのだろう。轍のおかげで少し楽をさせてもらった。白草山には数パーティーが入っているようで、岐阜や尾張小牧のナンバーが4台ほど並んでいた。無事周回完了。膝が痛手となるが、自然との遊びの中でのアクシデントであり許容範囲。楽しい良い山旅が出来た。
ここは残雪期を楽しむにも、雪融けの足の速い場所のよう。楽しく楽に伝えるのは短い時期になろうかと思う。タイミングよく入らないと足より腕が疲れる場所になるだろう。もっとも、白草山と箱岩山のみであれば無問題ではあるが・・・。あと、その2座ならスノーシューでいいだろう。それ以外に足を進めるならワカンの方が無難。アップダウンを繰り返す場所に、スノーシューでなくて良かったと現地で思えていた。