天上山 571.5 m 櫛ヶ峰 503m
2013.1.4(金)
晴れ(強風) 同行者あり 多幸港から黒島登山道で上がり、白鳥登山道経由神津島港へ降りる 行動時間:4H42M
(観光をしながらのんびり歩行)
@多幸湾10:12→(44M)→A黒島登山口10:56→(38M)→B10合目11:34〜36→(1M)→Cオロシャの石塁跡11:37→(5M)→D千代池11:42〜52→(16M)→E表砂漠12:08→(12M)→F天上山12:20〜23→(17M)→G不動池12:40→(6M)→H新東京百景展望地12:46〜47→(5M)→I不動池帰り12:52→(5M)→J櫛ヶ峰への下降点12:57〜59→(7M)→K櫛ヶ峰13:06〜10→(6M)→L分岐帰り13:16〜18→(17M)→M不入ガ沢13:35→(12M)→N白鳥登山口13:47〜50→(23M)→O林道終点登山口14:13→(41M)→P神津島港14:54
@多幸湾にフェリーが到着。ここはコインロッカーがなく、大荷物を置いておきたい場合悩む。 | バス停前から、キャンプ場側へ上がって行く。 | 途中の遊歩道入口は横目に。ここを入っても良い。九十九折の優しい道。 | A黒島登山口。大きなトイレあり。駐車スペースは路肩のみ。 |
一合毎に標柱が立っている。 | 途中から多幸湾。 | 3合目の様子 | いたづらのようであるが、綺麗に彫れている。 |
B10合目到着。強風と言うか暴風状態。 | Cオロシャの石塁。石が並ぶ。 | 千代池に降りて行く。 | D千代池。今日唯一の風の無いオアシス。少し休憩。 |
樹林帯もあり、気持ちよい通過点。 | E表砂漠通過 | 天上山直下 | F天上山到着。風が強く、撮影もままならない。 |
F標柱。 | F三等点。 | F天上山から多幸湾。波を見て、風の強さが判るだろう。 | F裏砂漠側の様子。 |
G不動池。竜神様が祀られている。 | H新東京百景展望地 | H裏砂漠側 | H櫛ヶ峰のバームクーヘン。 |
I不動池再び | J櫛ヶ峰への下降点。この先、道は廃道状態。胸まで潜るような植生になっている。足場が見えず慎重にすすむ。 | 手前鞍部から | K櫛ヶ峰最高点 |
K櫛ヶ峰バームクーヘン近望。 | K櫛ヶ峰から式根島。 | K櫛ヶ峰から不動池側斜面。道形は植生に覆われている。 | K新東京百景展望地下の断崖。 |
L分岐に戻る。 | ババア池通過 | 不入ガ沢を上から。 | M不入ガ沢。物凄い強風の中。 |
M白鳥登山口到着。 | Nこちらも綺麗なトイレあり。 | 不動尊通過。 | 那智堂に立ち寄る。 |
O村落内舗装最終地点の登山口 | O8台ほどの駐車スペース在り。 | この波。この日の風が判るだろう。 | P神津島港のよっちゃーれセンターに到着。まっちゃーれセンターの畳の上で休憩。 |
2013年ゴールデンウィーク。準備もままならないまま突入した感じ。いつもなら、少し余裕を持って計画するのだが、今年は駆け込み。10日前ほどに計画が練り上がり、フェリーもキャンセル待ちで申し込み、宿やレンタカーも乗れない場合も含めて臨機応変な行動が出来るよう言葉を添えて申し込んだ。そして3日前に東海汽船さんから、席が取れたと電話が入った。これにより、初めて神津島行きにGOがかかった。
前日は仕事を定時に終えて慌しく家を出る。新幹線でビールを煽りながら、既に旅気分。意外と周囲には行楽に向かう姿が見えず、ほとんどがサラリーマンの帰宅風景であった。浜松町で降り、北口から浜風に吹かれながら歩いてゆく。そして前方にライトアップされたマストが見えてくる。久しぶりに来た竹芝桟橋。乗船の手続きをしてしばし待つ。その間、小笠原行きの便が出向して行き、次ぎに三宅島行きの観光客も出て行った。そして乗船時間となり、さるびあ丸に乗り込む。取れた席は広間でなくリクライニングシート席。10時間ほどを椅子に座って・・・想像しただけでも尻が痛くなりそうであった。でも実際はそうではなく・・・。
大島、利島、新島、式根島と経由して、神津島の多幸港に入港する。東京湾を出てからは、風が強く波が高かった。いい感じに揺れを引きずっての上陸となった。予定時刻より50分遅れだった。それほどの乗客数と荒れた海と言うことになる。困ったのは、予定した神津島港に入らず、多幸港に入ってしまった。海の状態が悪い時は、後者に入るようであった。予定と違ってしまっているので、すぐさま行動を考える。ここにはコインロッカーがなく、宿は頼まなかったので荷物は自分で管理せねばならない。さりとて、これから天上山に登るのに、大荷物を持ってゆくのはナンセンス。東海汽船のチケット売り場に問い合わせると、この待合所も船と関係ない時間は閉じてしまうらしい。屋内に荷物を置く事が不可となった。神津島港へタクシーで行くか・・・そうすればコインロッカーがある。そんなことを考えながら、それでもここでの置き場所を悩んでいたら、東海汽船のお姉さんが、「私は午後から神津島港での勤務だから、荷物を預かってあげます」とありがたい言葉を戴いた。だいぶイレギュラーな事であろうから、これも島の人の優しさとなろうか。こちらの計画を告げて、15時以降で神津島港で荷物の受け取りの約束をした。
さて天上山登山開始。今日は海抜ゼロメートルから山頂に上がり、ゼロメートルに降りてくる予定。天気はいいが、かなり風が強い。地図を見ながら進路を探る。神津島港からのアプローチは見ていたが、多幸湾からはこの時初めて眺めた恰好だった。車道を神津島港側に進み、途中から多幸湾キャンプ場の方へ分岐する。同行者は、生憎の気管支炎状態。様子を見ながらゆっくりと足を進めて行く。途中に遊歩道入口があり、登山口とも思える様子に入ってしまいそうにもなる(入っても良かったのだが・・・)。そのまま進むと、二つの分岐点を経て、黒島登山口に到着する。経路の各分岐には小さいものの道標があるので間違う事はない。立派なトイレがあり、沢山の杖も置かれていた。あと、駐車スペースとしては路上駐車のようであった。
登山道を伝って行く。1合目2合目と、各合目毎に標柱が立っている。3合目からベンチが在ったりし、至れり尽くせりの歩き易い登山道であった。振り返ると多幸湾が見え、白く波立つ海が広がっていた。風は依然強く、上での行動が予想できた。地図を見ながら、少し予定のシェイプアップを試みる。大きく山頂部を大周回と思っていたが、今日の風だと楽しく歩けないのは必至だった。これも自然、自然との遊びは自然に逆らわないのが一番。
そして10合目に到着。山頂と言うより、ここで山頂大地に乗った恰好となる。20m/sほど吹いているだろうか、会話も大変なほどの吹きさらし、それでも来たからには楽しまないと・・・オロシャの石塁に寄って行く。山肌に白い大きな石が並んでいるのが見える。じっくり見ていられず、とりあえず「見た」感じで踵を返す。
分岐まで戻り、次に千代池に降りて行く。ここのみが本日の風のないオアシスとなっていた。山頂部の窪みであり、風がないだけでこれほどありがたいかと思える場所となっていた。水を湛えたその場所は、神々しい厳かな場所に感じる。やや長めの休憩をとって北側に進んで行く。次の分岐からは裏砂漠の方へ進む予定であったが、東側は今回は端折る事として、表砂漠経由で最高点を目指して行く。その表砂漠は、見事な白砂の場所で、そこに大岩が点在し特異な場所となっていた。過去に迷った人が多かったのだろう各分岐点には、しっかりと道標があり安心して歩ける場所となっていた。これには、登山者と言うより観光客が上がるからだろう。最高所に向けて大岩の中を進んで行く。もう口の中などはジャリジャリ。片手は防寒具のフードを押さえつつ歩いていた。
天上山到着。立派な標柱と二等点が出迎えてくれる。カメラを構えるものの、固定姿勢が出来ないほどに風が強い。時折25mほどの風もあり、ほとんど立っていられない状態。短時間で山頂を辞し、風の山陰にと東側に降りて行く。とりあえず島の最高所を踏んだ事で一安心。東に進み次は不動池に至る。中州に竜神様が祀られており、ここも厳かな水のある景勝地。信心深く祠に一礼する。この分岐から南に、新東京百景展望地に足を進める。裏砂漠展望地に行かない代わりに、ここのみは見ておきたかった。この展望地から見る櫛ヶ峰は白く目立ち、さながらバームクーヘンのようであった。式根島や新島も見えている。富士山も見えるとのことだがこの日は舫っていた。
不動池の分岐に戻り、北側の周回路に足を進めて行く。「風」に進退を迷ったが、ここまで来たのだからと櫛ヶ峰も狙ってみる。同行者は風のない東斜面で休憩。20分の往復を約束して、薄い踏み跡の中へ突っ込んで行く。深く掘れた上に低木が覆い足元が見えない。普通に腰位まで埋まり、場所によっては肩まで没する場所もあった。それでも急ぎ足でそんな中を潜って進んで行く。登山道の崩落とあったが、道形が途切れる事無く鞍部まで降り立った。この先はなだらか斜面ではあるが、頂部は樹木が邪魔をするような場所が多い。道形も少し薄いような印象があった。とは言え、間違えるような場所もなく最高所に到達する。
櫛ヶ峰到着。なにも標識は無く自然のまま。ただし地面には埋設してある物はあった。振り返ると不動池側が高い。先ほどの新東京百景の展望地下は断崖になっている。もう少し北に行くとバームクーヘンが良く見える場所となる。間近に見るとさらに感激。これぞ自然の造形美。白砂の美しい山頂であった。長居したくなる場所であったが、短時間で踵を返す。
分岐からの下りでも足をぶつけたが、登りでもかなり打つこととなった。それほどに足元が見えない。まあ、ゆっくり歩けばそんな事はなく、急いでいた背景があって打っていたと言う事になる。分岐まで戻ると、靴の中が枝葉や土が入り真っ黒になってしまった。靴を脱いで、靴下を脱いで一旦リセット。スパッツが必須な場所なのだった。ともあれ予定した2座を無事踏んだことで大満足。北側に進み、ババア池経由で不入ガ沢に行く。東側に居たから少し忘れていたが、西側に出ると物凄い風が待っていた。本当は不入ガ沢をじっくりと楽しむ予定であったが、白鳥下山口から逃げるように高度を下げてゆく。何度も言うが、景色はいいのだが、風が・・・。
白鳥登山口到着。こちらにも立派なトイレがあり、杖も揃っていた。林道もあるが登山道を降りて行く。不動尊や那智堂を見ながら高度を下げて行く。南国風味のある登山道。光の強度、植生がそう思わせていた。途中、大きなクリーム色の水タンクのある場所で、南側にルートが屈曲する。進んで行くとアスファルト道が見えてきて、そこには8台ほどの駐車スペースが在った。ここから村落まで1.3kmとの表示もされていた。ゆっくりと降りて行くと、この車道の左右で畑作業をしている人が多々見られた。気さくな人が声をかけてくれる。「今日は風が強かったでしょう」と言うのだが、上に行かずとも地元の人は全て判るようであった。
神津島酒造や物忌奈命神社などに寄り道しながら神津島港に到着する。そしてまっちゃーれセンターに行き、畳敷きの座敷に大の字になる。通常なら大したことがない山であるが、これほど風が強いと、さすがに体力を消耗した。でもでも、ここでの畳が心地よかった。地元の子供にとっての遊び場所になっていて、畳の上には女の子、外の芝生の上には男の子が遊んでいた。15時には少し早かったので、東海汽船のお姉さんが到着するのをしばし待つ。その間にレンタカー屋さんに連絡をつけ、迎えに来ていただく時間を告げる。明日からは島内観光。
風は思い出のアクセント。この時季、花の百名山にしては花が少なかったが、特異な出迎えの天上山山塊は楽しかった。でも、次ぎに登る時は風のない時に・・・なんて思う。