塚山   953.9m   
           

 2013.12.31(火)   


  晴れ   単独      相見地区より    行動時間:2H22M


@消防小屋前7:44→(24M)→A廃バス分岐8:08→(12M)→B道形を離れる8:20→(43M)→C塚山9:03〜09→(27M)→D道に戻る9:38→(5M)→E廃バス分岐帰り9:43→(23M)→F戻る10:06


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吉田小学校太田分校跡。現在はヘリポート。 @消防小屋前からスタート。 林道上に地蜂の巣が・・・。 山手側斜面に巣穴あり。この土地にも地蜂採りの文化があるよう。
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集落側は竹などが倒れ荒れてきているが、上の方はしっかりした林道。 A廃バスが置かれた場所から、枝林道に入って行く。 B道形を離れ尾根に乗る。道形は先に続いている。標高710m付近。 標高750m付近
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標高800m付近 標高820m付近 875高点南 C塚山
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C岸さんの標識 C三等点 C北側の様子 C西側の様子
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C山頂北側にあるCATVのアンテナ。 C御荷鉾山塊 C神流湖 D道形に乗る。
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E廃バスの分岐帰り。 ワナがあるのだが、見事にカムフラージュされて判らない。かなり仕掛けてあるようで、付近では注意。 F消防小屋の前に戻る。



 2013年最後の山は、神流川南岸にある塚山を目指す。西上州と言っていい場所であり、現住所の秩父市とするには違和感を抱く場所でもあった。それほどに秩父市が合併により広くなったとも言える。

 エアリアマップ西上州に掲載される山で、未踏となっていた最後の山。今回踏んで完登となる。ネット上では、やはり「群馬山岳移動通信」がパイオニアとなるか、続く人の多くが南西にある土坂峠側からアプローチしている。もう一つ、知る人ぞ知る古墳の在る場所らしく、そこ経由で上がっている人もいるようだ。それらを外したルート・・・となると、顕著な北尾根が目に付く。伝いやすそうな等高線間隔。雪が乗っていても負荷が少ない場所に見えた。

 場所が場所だけに焦る必要は無く、ゆっくりと住処を出発する。付近に転がる三波石を見ながら神流湖岸の国道462号を上野村側へ向かって行く。付近の外気温はマイナス4度。適温か・・・。クネクネと進んで行くと露久保隧道が口を開けており、その手前から対岸へ赤い橋が掛かっている。すれ違い出来ないちょっと珍しい形態の橋。対岸へ行くと少し広い道となるが、すぐにまた狭くなる。途中には城峯山の案内表示も見えたりする。吉田太田部地区へと続く道を登って行く。表現が適正かどうか不安だが、ここもチベットのような山岳集落。お米も出来ないだろうし、今はいいとして昔はどんな暮らしだったのだろう。離村した空き家が目に付くが、まだ住まわれているお宅もある。

 進んで行くと、太田分校の前を通過する。ここだけ近代的で異質の場所、少し周囲に不釣合い。さらに先に進むと、消防小屋のある場所でこれまでの舗装は終わり、その先はワンランク下がった道の形状となった。進めば進めそうだが、なにか予感がし消防小屋前の余地に停めた。本来は停めてはいけないのだろうが、使われていないのはあからさまに判った。

 林道を歩き出す。上の方にもまだ民家はあった。右手斜面に小屋のような建物がそのほとんど雑草に覆われていた。すぐに周囲が竹林となる。林道を塞ぐように竹が多い被さり、この時点で車で入らず正解だと思えた。さらに進むと、ワナが仕掛けてある掲示がいくつも見えてくる。ただし、そのワナ自体は全く見えない。竹薮の先にはカヤトの斜面があり、その中に仕掛けてあるとの文言も見える。どれだけ仕掛けてあるのか、それにしては獣がドタバタする音はしないので、かかっている場所は無い模様。そうこうしていると最初のターンとなった。曲がった先には、大きな蜂の巣が落ちていた。間違いなく人為的なもの。山手側斜面を見ると、掘り出した穴があり、スズメバチのような屍骸が点々としていた。よくもこれほどのものを採れたと思えたのと、長野同様この地にもタンパク源としての「蜂の子採り」の習慣があるのだと判った。

 林道は上に行くほどに状態が良くなってゆく。クネクネと何度も曲がりながら、地形図どおりにトレースして行く。樹林帯を進んで行くと、前の方に人工物が見えてきた。何があるのだろうと目を凝らすと、それはバスだった。林道を挟んで向かい側にはトイレのようなものも置かれ、近づいてバスを見ると、作業小屋のようにして使われていた様子が見えた。この脇から枝林道が登っており、これに入ってみる事にした。昔は車で登れたであろうが、現在は不可ですぐに倒木が覆っていた。林道は尾根に乗り上げここまで、乗越すように山道が南西側に進んでいっていた。ここで道形を離れて尾根を登って行く。

 快適な尾根道で枝尾根も無ければ藪化している場所も無かった。876高点が塚山山頂かと思い糠喜びさせてもらい、乗り越えると平坦な場所があり、そこを経るとまた一つピークがある。二度目の糠喜び。この辺りになると尾根上にビニール紐が流してある。ここに高価なキノコが出る感じもしないので、林業関係の境界なのだろうと見ていた。積雪は疎らにあり、ザクザクと心地よい音をさせながら登って行く。シカの糞が多く見られるが、周囲に気配も無ければ警戒音もしなかった。雪の上に残る足跡もそう多くない。居るには居るが餌が少ない場所なのだろう。

 塚山到着。三等点と岸さんの標識が待っていた。この岸さんの標識は、達筆であり彫刻もあり趣がある。木々の間からそこそこ遠望が利く。神流湖も見下ろす事ができ、まんざら悪くないピーク。そのピーク北側にはケーブルテレビのアンテナが立っていた。ヤマグリの大木が山頂の中央部にデンと構える。おそらく再び訪れる事がないであろう場所、しっかりと周囲の様子を目に焼き付ける。

 往路のトレースを追って下って行く。東側に下りてしまおうかとも思ったが、一年の最終日であり安全第一。何せ色々あった一年であり、最後の最後でギャンブルはしない。終わり良ければ全て良しとしたい。道形に乗れば、すぐに廃バスの場所に出る。ここまで降りればもう不安個所は無い。テクテクと林道に足を乗せてゆく。今日は珍しく、「らじる★らじる」でラジオを聴きながら歩いていた。そう、この山塊はネットが繋がる環境なのだった。

 帰りはワナを見てみようと探してみた。それを見つけたとき、ドキッとした。巧妙に仕込まれてあり、ワナがあると掲示していなければ
気づかないもの。長野などでは、仕掛けが見えるようにしてあったが、ここでは上手に枯葉や土が被せられ、見えないようになっていた。これもまた里山の危険となろう。ハンターの姿こそ無かったが、見えないそれらに恐怖が増した。

 竹薮の場所を抜け、凍てついた氷の上などを踏みながら戻って行く。先の方で音がする。大晦日の掃除でもしているのか、住まいしている家からの音であった。車に到着。静かに後にする。相見地区、分校から先に現在でも住まわれている家は、唯一一軒であった。

 無事2013年の山旅を終える。すぐに2014年登り初めとなるが、アルコール摂取量により日程が決まる。
 
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