砥沢ノ頭 1049m 粟ヶ岳 1292.7m
2014.6.7(土)
強風小雨のち晴れ 同行者あり 中央登山道第二貯水池より往復(のんびり) 行動時間:7H13M
@第二貯水池6:31→(45M)→A3合目下降点分岐7:16→(37M)→B大栃平7:53→(57M)→C砥沢ノ頭(粟ヶ岳ヒュッテ)8:50〜9:02→(38M)→D北峰9:40→(16M)→E粟ヶ岳9:56〜10:21→(49M)→F砥沢ノ頭11:10〜15→(8M)→G水場分岐から水場往復11:23〜30
→(42M)→E大栃平帰り12:12→(26M)→F3合目下降点12:38〜48→(56M)→G駐車場に戻る13:44
@第二貯水池手前から堰堤を渡って行く。 | 1合目表記から山道に。 | 最初の急登。 | なだらかな勾配。 |
2合目通過。 | A3合目。長瀬神社よりのルートと合流。 | 4合目。 | B大栃平。大展望台。 |
5合目。 | よく管理されている。ハシゴ場。 | 鎖場もステップが切ってある。岩壁に遭難碑も。 | 6合目。見えないが強風の中。 |
直列に並ぶハシゴ場が見えたら、もうすぐヒュッテ。 | 水場分岐。 | C砥沢ノ頭(砥沢のヒュッテ・粟ヶ岳ヒュッテ) | C綺麗に管理されている。 |
C「砥沢の峰」と書かれた標識が藪の中にあった。 | C砥沢ノ頭より粟ヶ岳。美生柑の時季。 | ヒメサユリが出迎えてくれる。 | 快適なスカイライン。 |
8合目。 | D粟ヶ岳北峰 | D北峰の南側 | トレイルランナーが追い越してゆく。2往復目、恐るべし。 |
もうすぐ粟ヶ岳。 | E粟ヶ岳山頂。 | E山頂標識。 | E二等点。 |
E同定盤とベンチ。北峰側の絵。 | E一本岳をバックに。 | E北東側の絵。 | E南東側の絵 |
E東側斜面にはたっぷりと残雪があり涼が得られる。 | 下山。 | やはりヒメサユリ。 | F砥沢ノ頭帰り。 |
G水場に寄って行く。 | G水場。細い流れ。 | Gルートに戻る。 | H大栃平帰り。 |
ブナ林の中のルート。快適の極み。 | ちょこんと彼も居た。 | I3合目帰り。 | 第二貯水池に降り立つ。 |
波の様子で風の強さが判るだろうか。 | J駐車余地に戻る。 | 池の北側の駐車余地が中央に見えている。 |
しっかり冬眠をするハイカーも多い。春以降になり毎年よくモチベーションが戻ってくると感心するのだが、私などは到底まねできない。1週休んでも、その次の週に体力の劣化を感じるほど。数ヶ月のブランクなどは想像もしたくない。そんな冬眠型ハイカーから依頼があり、ガイド山行となった週末。
梅雨に突入し、太平洋岸側は土砂降り状態。見事に低気圧が居座って動かない。単独なら何処でも行くのだが、少しは天気を気にしないとならない状況下、新潟方面が降られないで遊べそうと判断した。実際は少しは降られたかったりする欲求があるので、ピーカンででなく微妙な場所の選択。目指すは粟ヶ岳。登り3時間強、冬眠ブランクを経た足ではどうなるか半信半疑だったが、計画を提示すると、「行ける」との返答を貰い決行とした。
関越を北上して三条燕ICで降りてR289とR290とを繋げて粟ヶ岳の登山口へ向かって行く。流石の有名座は、経路に道標も多く迷う場所が無い。今回は中央登山道を伝う予定。山村のまったりとした景色に中を抜けて行くと、美人の湯の施設が見えてくる。登山口近くの温泉地、いろんな条件も良いようだ。その先ビジターセンターを持つ第一ダムの場所が駐車適地となる。ただダート林道でまだ先に進めるようで、突っ込んで行く。
第1ダムよりちょうど1kmほどで第2ダム。本来の表記は「貯水池」が正解のよう。ここに3台分の駐車スペースがある。さらに奥に進むと、登山口から200mほど先に5台分ほどのスペースが在る。さらに200mほど先にと、チラホラと停められるようであり、入れる車は入ってくるので正解のよう。祠横の最初の駐車余地に入れる。それにしても何せ風が強い。そして気持ち悪いほどの熱風。その為か、周囲の木々の葉が萎れ、枯れてしまっているようなものも見られる。それは良いとして、ここはヒルの生息地。留まることをせぬようササッと用意して、ヒルさがりのジョニーを足に吹き付けてスタートとする。
貯水池の堰堤の上を抜け水気のある場所となる。常に下半身に注目しながら歩くような様だった。彼らを見逃したら、後で痛い目に遭う。痒い目か・・・。沢を跨ぎ1合目。ここからはやや急登を経て、上がりきると極端に緩斜面となる。発色の良い緑の中を進むこと1合目から20分ほどで2合目の表記が現れる。と言う事は、山頂までこれらがあると予想できる。第一級の登山道と言えよう。人が多く集まる場所は、事故が無いよう手が加えられているのだろう。
歩きながらやはり目は地面から足元、スパッツのあたりを注視していた。居るのか居ないのか、こんな事も日頃は気にしないこと。やるかやられるかではないが、自然の中に居ないとそんな事さえもしなくなる。少し足元がザレた感じとなり、それでいながらやや勾配が増して行く。帰りはズリズリと滑りやすい場所となろう。
主尾根に乗り上げ、長瀬神社からの道と合流する。ここが3合目。塗装コンパネを座面にした椅子が二つある。この先からはブナの白い幹を楽しみながら歩くような場所が続く。それにしても、この強風にしても虫が多い。風がなかったらどれほど多いのか。そこにご夫妻のようなトレイルランナー2人がすれ違う。もう降りてきたのか、歩くのと走る違いを見せつけられる。4合目は通過点のような場所で、ここから10分ほどで展望地の大栃平となる。風が強く、ザックカバーを持って行かれそうになるほど。押さえつつ通過して行く。
5合目でやっと半分。スタートから1.5時間、まずまずのペース配分か。雨が強くなり雨具を着込むが、風と雨があっても虫が多かった。よく見ると蝿も混じる。そう言えばルート上に糞が多い。なんの動物だろうと気になっていた。答えは帰りに判った。ハシゴ場の先には鎖場もある。ここの岩壁には遭難碑も残されていた。時期を違えれば危険度を増す場所のよう。そう言えば、下の方に生花をお供えしてある祭壇もあった。この暑い時期に生花とは、頻繁にお参りに訪れている人が居るようだ。
6合目からの景色もいい感じ。伝って行くルートが緑の中に白く一筋刻まれている。直列したハシゴ場を過ぎると5分ほどで水場の分岐となる。ここは帰りに寄ることにして先を目指す。もうすぐヒュッテの場所、このヒュッテが見たいがためにこちらのルートを選んだ。集えそうな場所、遊べそうな場所、水場も近く・・・やはり見ておかないととなる。
砥沢ノ頭到着。ここが粟ヶ岳ヒュッテ、地形図では砥沢ヒュッテの場所となる。最高点は、少し北に進んだ場所のようだが、小屋の先で、ふと薮の中に白いものを見つけ、取り出すとそこに「砥沢ノ峰」と書かれていた。ここを避難小屋の場所と把握して居る人は多いだろうが、ピークとして認識している人は少ないかもしれない。ベンチに腰掛け持ち上げた美生柑で咽を潤す。足元には何千何万もの蟻が蠢いている。何かの予兆かと思って見ていた。
10分ほど休憩して上を目指す。この辺りがちょうど見頃のヒメサユリが多かった。イワカガミの花を含めピンクの淡い色の花が目立つ場所でもあった。何か声がするので振り返ると、先ほどのトレイルランナーの方々だった。二往復か、すさまじい馬力である。私も出来ないではないが、1度登った山にはあまり興味が無くなるので、まずそのような行為はしないだろう。
8合目の先10分ほどで粟ヶ岳北峰となる。ここは通過点のような場所、標識がなかったらあまり気にしないで通過しただろう。ここまで上がると周囲の残雪が目立つように目に入ってくる。9合目を過ぎたところでトレイルランナーが追い越して行く。軽装で山を駆け抜ける彼ら、こちらはなにがあってもとツェルトまで持って居る装備、装備より体力、体力より装備、いろんな考えがある。追いかけるように駆け上がって行く。
粟ヶ岳到着。山頂に居た彼らは粟藥師の方へ駆け下りていった。おかげで静かな山頂を楽しむこととなった。タイミング良く太陽が姿を現した。周囲展望も悪くない。海の向こうの佐渡島まで見えれば言う事が無かったが、見える日となれば、この山頂がこんなに静かではないのはまちがいない。その点ではこの展望で大満足。南の守門の山塊が白く印象的。東の矢筈岳側の複雑に起伏する稜線にも心引かれる。360度の大展望。1人であれば一本岳まで足を伸ばすが、今日はここが最終到達地。二等点の前でヤキソバパンを囓る。相変わらずの風にかなり寒さを感じるが、徐々に陽射しの暖かさを感じつつあった。
往路を戻る。日差しのせいだろう二匹の蛇を見る。付近に多いようだ。軽快に降りて行き、砥沢ノ頭で再び小休止、そして帰りは水場に寄って行く。細い流れではあったが、冷たく美味しい流れが出ていた。ルートに戻り降りて行く。少し予期していたが、同行者の膝が痛み出し、ここから大ブレーキとなる。そりゃそうだろう、半年近く山歩きしないでいきなり歩いた訳で、何も無かったら化け物だろうから。
ほとんど牛歩な感じでゆっくりと降りて行く。その忍び足的歩行により、あの糞の製作者の正体が判った。降りて行く目の前3mくらいの場所に、赤い顔をしたサルが現れた。特に人を避けるふうでもなく慣れている感じがした。まさしく糞害となるが、ハエと臭いとに悩ましいルートとなって行くだろう。ましてやヒルも居る。いい山なのにどうしたものか・・・これも自然か。
各合目で同行者を待ち足踏みしながらゆっくり高度を下げてゆく。3合目からは、もうルートを違える事はないと、一気にストライドを伸ばして降りて行く。付き添っても良いが、甘えが発生し時間的に逆効果と考えた。それと鎖場の通過時、「へっぴり腰だなー」なんて茶化したら、「なんて言われようが安全に降りる」と返してきた。ごもっともであり、その気概があるからには彼女に事故はないと感じていた。よって3合目からは放任(笑)。
流れの音が強くしだし、やがて眼下に水面が見えてきた。夏に水、目に涼やかなルートとなる。そこがゴールだと尚更いい感じ。南岸に降り立ち、そこにあった少々のワラビを拝借。さらに沢の畔のウワバミソウも少々。山の神に感謝しながら産物をおみやげとして口にさせてもらう。堰堤を渡り車に戻る。同行者が戻る間、堰堤の上の水門開閉弁の所で読書とした。そして35分ほどして姿が見えた。
帰りは、美人の湯には寄らず、越後長野温泉までズレて沈没とした。
權ノ神岳を含めた周回をしたい場所であったが、またいつか。そうそう、3合目と4合目の間に「エルモ」が居た。誰かが落としたのだろうが、緑に赤が映えあれはあれで愛らしかった。