神室山   1365.2m        前神室山   1342.2m                     

 
   2014.8.16(土)    


  くもり       単独       西ノ又コースで登りパノラマコースで戻る       行動時間:5H58M 

  


@パノラマコース登山口4:58→(12M)→A西の又コース駐車場5:10→(7M)→B第一渡渉点(吊橋)5:17→(13M)→C第二渡渉点(吊橋)5:30→(38M)→D不動明王下西ノ又川渡渉点6:08→(94M)→E西ノ又コース分岐点7:42→(9M)→F神室山7:53〜8:24→(13M)→G西ノ又コース分岐帰り8:37→(47M)→H前神室山9:24〜27→(45M)→I第一ピーク10:12→(44M)→J登山口10:56


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@西ノ又パノラマコース登山口 ワリ沢は押出しの除去がされていた。 A西ノ又コース駐車場。プチ遭難した方の車が停まっている。 崩落した場所もすぐにある。
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B最初の吊橋。現地では第一渡渉点の呼称 C二つ目の吊橋 橋を渡り左岸側の様子。見事に緑。 山腹を伝うルートを暫く進む。
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老いて・・・ 三十三尋の滝が左に見えてくる。 D西ノ又川渡渉点。赤ペンキがルートを示す。 不動明王。最終水場。
munatsukihaxtucyou.jpg  akeru.jpg  otanokami.jpg  otanokami2.jpg 
胸突八丁坂に入って行く。 視界が開ける。 御田の神 御田の神周辺。
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二体の石像 ニッコウキスゲが見ごろ。 窓くぐりを抜け・・・。 E西ノ又コース分岐
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南進して行く。ガスが無ければスクッと見えるのだろう。 手前峰から見る山頂。 F神室山 F神室神社と彫られた石柱。
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F二等点 F東から F避難小屋は立派。 Fバイオトイレが設置され寝具も整っていた。
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Fヤキソバパンが手に入り記念撮影。 G西ノ又コース分岐帰り レリーフの東側に道が拓かれ、この石像まで続いていた。 レリーフ
tocyuukara.jpg ariyaguchi.jpg  suisyoumoribunki.jpg  mosya.jpg 
途中から望む前神室山。 有屋口への下降点 水晶森分岐点 水晶森分岐点から水晶森側へは刈り払いがされているよう。一方前神室側はモシャモシャ。
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H前神室山 H前神室山標柱。 H前神室山から第3ピークまでもモシャモシャ。 第3ピーク。1288mとあった。
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第3ピーク以北はルートは明瞭だった。 ザンゲ坂 こちらもブナが美しい。 第2ピーク
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I第1ピーク 831高点となるか。最後の標柱。 緩やかな快適な道。 いっぷく平
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急下降が始まる。一直線の尾根道。  J登山口に降り立つ。この場所はアブが非常に多かった。    




 旅の最終座は神室山にした。森吉山もプロットしてあったが、なるべく帰路側に居たいのと、初日の白「神」に始まり、終わりも「神」室と、神がかった旅として締めくくりたいと考えた。予報は全国的に悪い。降られるのは順当であり、”このまま帰ってしまおうか”そんな気にもなったが、やはりここでも神がかった旅は完結したく、是が非でも登っておくことにした。

 
 大平山から、2日目のルートに戻るようにして大曲の方へ抜けて行く。一週違えれば、花火大会で大混雑の場所でもあった。横手、湯沢と入りR108号で秋の宮温泉郷を目指して行く。夕刻になり、現地へ行っての飯作りも負担に思え、途中でラーメンを啜ってから役内地区へ入って行く。集落から先にも道標があり導かれていた。大きな鳥居のある分岐点からは、路面状況が気になったが、底を擦ること無くパノラマコースの登山口に到着した。それより増水したときに林道が水没するのではないかと気になった箇所があり、それによりここまで入らず、下で一夜を明かした方が良いのではないかとの思いもでてきた。でも入ってしまったので戻るのも面倒。エンジンを切った。

 
 外に出ると、見えてこなかったアブが群がってきた。沢沿いでありそうか・・・と思えた。急襲も良いところで、慌てて車に逃げ込んだが、3匹連れ込んで叩きつぶす。これでは小水もままならない。明日は車の中で着替えて出ていかないとならないだろう。小水が気になったが、飲むものは飲む。500mlをグイッと一本空け歯を磨いて寝る。だいぶ寝るのが速いのだが、ポツンとライトをつけて本を読んでいるのも物騒だし、ライトを消せば真っ暗だし、やることが無いときは寝るに限る。

 
 そんな寝ている中、一台の軽トラが上がってきて前に停まった。ジモティーの車で赤黒のチェックのシャツを纏った山岳会風の2人が乗っていた。さらにもう一台上がってきた。雨予報で尚且つ21時に近い時間に・・・。この先に西ノ又コースの登山口があるが、停車後に向かって行った。30分ほどしたろうか、上から降りてきてまた目の前で停まった。騒々しいし行動が不思議なので業を煮やして声を掛けると、登山口を違えて降りてしまった人が居るようで、入山口に置いたままの車を確認に来たそうだ。お盆の最中に、プチ遭難な事のようであった。酒でも飲んで居たい時間だろうに、山岳会も大変である。これを最後に静かになった。

 
 朝方まで小雨が続いたが、前日のような強い降りでは無かった。夜が白みだし車内で着替え準備をする。外に出たらどれほどアブが襲ってくるか。団扇も持っているのだが、前日の降雨にザックの中でよれよれになってしまった。ブユだと時速7キロくらいで逃げ切れるが、アブはそうはいかない。でも早駆けするに越したことはない。

 
 さっとドアを開けザックを背負ったらロケットスタートをする。案の定彼らが急襲してきた。夏場に登山者が少ない傾向にあるのはこの事からか。早足で林道を行くも、10匹くらいが周囲に群がっていた。まるで牛になった気分であった。大きく腕を振ってみたが、それによりとまられるのを避けることは出来なかった。腕を2箇所噛まれる。まあこのくらいで良かったのかもしれない。私は夏に長袖はあまり着ない。彼らにやられやすい、刺して下さいとばかりの恰好をしているのだからしょうが無い。

 
 ワリ沢は、大きく押し出しがあったようで、ブルドーザーが押しのけた跡が残っていた。歩き出して10分ほどで最奥の駐車スペースの場所となる。前夜に聞いたとおり、1台の秋田ナンバーの軽四駆が停まっていた。横目に先を行くと、ルートが崩落して細くなっている場所を通過する。この先はやや野草が覆うルートとなる。200名山であり超一級のルートと思っていたが、意外にも管理は毎年されるようでは無いようだ。

 
 最初の吊り橋に到着。なかなか揺れる吊り橋で「一人づつ渡ること」と書いてあるのが頷ける。沢沿いのややモシャモシャとした中を雨具のズボンを濡らしながら進んで行く。露払いしても、“このあと誰も来ないのだろうなー”なんて思いつつ。二つ目の吊り橋は、登り勾配の強い吊り橋で、後半の部分が滑りやすい。小雨の中、グリップさせながら登って行く。ここには「第2徒渉点」とあった。そういえばアブが居なくなった。ついて来たのはここまでだった。

 
 2番目の吊り橋を渡った先の左岸は、見事なまでのブナの植生があった。じっくりとキョロキョロと愛でながら歩いて行く。沢を左に置いて少しずつ高度を上げながら山腹を伝うルートが続く。小さな沢を3つほど跨ぎ、不明瞭な場所は赤ペンキが導いていた。大滝が対岸に見えてくる。予想に反して小滝に思えたのは私だけだろうか。真っ正面に観てから2分ほど進むと最後の徒渉点となる。ここも赤ペンキが導いている。(後から知ったが、これは大滝ではなく三十三尋の滝と言うらしい)


 右岸側に移り登って行くとすぐに不動明王が安置され広見になっていた。その僅か上から水が湧き出している。ここが最終水場のよう。ここから10分ほど登ると胸突八丁の急登が始まる。ただし、いつ終わったのか判らぬ感じがあったので、そんなには急でなかったような気がする。「熊のひるね坂」を確認しようと気にしていたが、判らぬまま視界が開けた場所に出て、気持ちは周囲展望へと移っていった。山頂はどこに・・・と探すように前方を見る。ガスが垂れ込めクッキリスッキリとは見えてこなかった。


 御田の神の場所は、池塘がありそうな雰囲気の場所で、ちょうどニッコウキスゲが黄色く花盛りであった。向かう先に反り立つように尾根がある。そこに突き上げて行くようだ。登って行くと尾根に出たところが窓くぐりと名前がふられ、ここで90度屈曲して尾根に繋がって行く。そしてこのルートがT字路となり合流したところが西ノ又分岐点であった。復路はここから北に進みパノラマコースを辿る予定。この分岐に来て、左右に見えるルートが刈り払いされていることに気がつく。

 
 南進して行く。ガスがかかるが見事なまでのスカイライン。刈り払いもしっかりと続く。途中一部岩があり足場が心許ないが、ゆっくりと通過して行く。ガスの粒子が大きく全身が濡れてゆくのが判る。火照った体にはちょうど気持ちよかった。手前峰があり、そこから見る神室山はいい感じであった。僅かに下って登ると今日の目的地。

 
 神室山到着。神社があったのか、そう彫られた石碑があった。北を望むと、雲海の上に鳥海の姿が流麗に見えている。他の山は薄く僅かに黒く見えるが全く同定できなかった。もう少しガスが取れてくれれば良いのだが・・・。まああまり降られないだけでも今日はヨシとせねばならない。ハッキリとした降雨予報の日であり、それにしては降っていなかった。一度小屋を見ておかないとと降りて行く。

 
 立派な小屋だった。間取りが特異な造りでバイオトイレも設置してあった。一階も、冬季用の二階も綺麗な状態で、木肌の壁がとても温かく感じた。そして寝具も4式ほど用意してあった。ここまでとなると至れり尽くせりの小屋と言えよう。山頂へ戻って行く。誰か登ってくるかと一縷の期待もあったが、静かな山頂のままデポしたザックが待っているだけだった。時計はまだ8時半前、意外や早くに登れてしまった。あのアブのおかげかもしれない。北に戻って行く。


 西の又分岐からは左折して北西側に行く。最初の分岐が有屋へのルート、次に現れるのが水晶森に繋がるルートで、切り開きはこちらに進んでいた。前日ルートを間違えてしまった方は、この切り開きを伝ってしまったのではないだろうかと思えた。この水晶森への分岐から先は、前神室山へのルートはモシャモシャであった。どこがメインルートか知らないのだが、今日伝う2コースともメインルートでは無いような雰囲気があった。

 
 漕ぎながら登って行く。付近はちょうどガスが晴れ展望が良い。気持ちよく歩ける場所であった。そして前神室山に到着する。主の神室山に対し、従な位置づけだが現地はとてもマイナーピークな雰囲気があった。これらか進む北側を見てもルートは野草に覆われていた。下までこの様子なのか・・・少し負荷に感じていた。それでも行かないと帰れない。

 
 北進しだすと鈴の音が上がってきた。ジモティーか、ご夫妻らしき二人連れは中京の言葉を話していた。200または300名山目的なのだろう。足元をドロドロに濡らして、道の悪さを伝えてきていた。覚悟して降りて行く。それにしてもこのコースは気持ちが良い。野草が茂りそこに気を取られてしまうのが勿体ないが、足元が良ければ大展望を楽しみながら進むことが出来る。そして既に夏の終わり、アキアカネの乱舞する場所でもあった。繁殖できる水たまりもあるようだ。


 第3ピークが現れる。行政の標柱の下に落ちている板には1288mと標高が刻まれていた。ここまで足を濡らして進んできたが、ここ以北では刈り払いが不要の作道がされており、一変して歩き易いルートとなった。ザンゲの坂を下って行く。たぶん登った方が懺悔になるのだろう。ブナの美しい植生があり、この辺りも好きな景色であった。

 
 第2ピークは行政の標柱が倒れたのかルートの脇に寄りかかった状態になっていた。ここから10分ほどで第1ピークで登山口まで2.4Kmの表示も見られる。相変わらずの快適尾根で、伝って降りて行くと左側に切り開かれた道が見えてきて、その道との合流点には登山口まで「1Km」の標柱が立っていた。

 快適尾根を気持ちよく降りて行くと、「いっぷく平」とふられた場所もあった。ちょっと平では無かったのだが・・・。そしてこの先から急下降をし出す。それも先が見通せる滑り台のように長い直線的に繋がる場所であった。足を滑らせば、本当に尻で滑って行けそうな斜度があった。そうだ雪があればそのまま滑り台だ・・・と思えた。周囲には秋田杉が見える。ここで、すぐ南の県境を越えた場合、このスギはなんと呼ばれるのだろうか。山形スギとは聞いた事がない・・・。

 
 斜度が少し緩むと、下の方に車が見えてきた。おかげさまで楽しく一周させて貰った。またアブが気になったので降りての行動は早くせねばならない。林道に降り立ち、足早に車に近付き、リアハッチを開けてザックを投げ込む、次に運転席を空けて駆け乗るようにしてドアを閉めた。無事下山。と思ったが、いつ入ったのか、インパネの上で2匹のアブがにらみ合ってファイトをしていた・・・。横に静岡ナンバーのワゴンがあり、すれ違ったご夫妻のもので間違いない。

 
 家に戻ったら、計4箇所囓られていた。昨晩から入って居たのか・・・。

 
 次回があるならば、その時は晴れた日にしたい。この日はかなり広範囲にガスが掛かっており本来の展望を楽しめなかった。まあその分、ブナを愛でたのでいいのですが・・・。

 
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