熊窪山   1253.7              妙徳山   1293.5m

 
   2014.1.18(土)    


   晴れ      単独      仙仁地区より時計回りで周回      行動時間:6H8M 

  


@延命地蔵(バス回転所)6:51→(3M)→A林道仙仁線入口6:54→(27M)→Bゲート7:21→(25M)→C登山口(林道分岐)7:46→(15M)→D林道(作業道)終点8:01→(58M)→E尾根に乗る8:59→(23M)→F熊窪山9:22〜24→(36M)→G峠10:00→(43M)→H1210高点10:43→(16M)→I妙徳山11:59〜12:05→(17M)→J林道終点12:22→(34M)→K国道406に出る12:56→(3M)→L駐車余地12:59


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@仙仁温泉の南側、バスの回転余地に延命地蔵がある。その前に駐車。冬季、ここくらいしかない。断わりを入れて駐車。 A仙仁線入口。変則交差点、本道から3つの枝道が発生している場所。 林道を伝って最初の分岐点。帰りは右手からここに出てきた。踏み跡は、私が駐車しようと均した後。雪が柔らかく何度もはまりそうになり諦めた。 林道仙仁線の表示。猟師だろう軽トラの跡が残る。
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途中の分岐点には石仏が立っていた。左に下る道形を見送り、右側の道を選ぶ。 開けた場所に出てくる。熊窪山は位置的には中央あたり。手前の山が邪魔をしていてまだ見えてこない。 ゲート手前の看板。無積雪期はこの手前の広見が駐車余地のよう。 Bゲート
tozanguchi.jpg tozanguchimae.jpg  syokurintainonaka.jpg  syuutenchi.jpg 
C登山口道標。この先、経路に道標なし。 C登山口前の先に進む林道。見えている林道を左に見て鋭角に右に曲がってゆく。 九十九折のない真っ直ぐに伸びた作業道。 D作業道終点地。巡視路表示があり、ここから北に進む道があるよう。冬季なので無視して直登する。
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雪が降りたてでかなり難儀する。なかなか進ませてもらえなかった。 こんなツボ足が続く。 E尾根に乗った場所。送電線鉄塔のわずか南。 熊窪山東峰到着。
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F熊窪山本峰。三角点は掘り出せなかった。 E赤ペンキで何か書いてある。 北進をはじめ送電線鉄塔下を進む。 唯一の開けた場所。仙人地区が見える。
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G途中の峠を跨ぐ。東側の絵。 H1210高点通過。 妙徳山南峰。 南峰に在る寄せ書き。
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I妙徳山到着。 I小学生の登頂記念プレート。 I須坂市街の展望。 妙徳山より南東斜面を降りて行く。
koonetocyuu.jpg rindousyuuten2.jpg  kudari.jpg  hatakeni.jpg 
途中で谷中央にある小尾根を伝う。上の方は岩が多く、中盤から倒木が増える。 J林道終点に降り立つ。流れあり。林道のしばらくは荒れていて車は通れないよう。林道の麓側に倒木があり、上がって来れない。 植林帯の中の様子。このあたりになると雪の量が減り楽になった。 畑が見えてくる。右の林道の先に倒木が見える。これがあるために封鎖状態。
saisyono.jpg syadouni.jpg  cyuusyayochi.jpg   
往路の分岐点に戻る。 K国道406号に出る。 Lバス回転余地に戻る。 ←断わりを入れて停めさせてもらった。「無断駐車は警察に通報する」との看板あり。




  しばらく信州に出向いておらず、この時季の雪と戯れていなかった。そんな中、土曜日の15時に長野インター近くで小用ができて、いやがおうにも出向かねばならなくなり、これに託けて須坂市の里山をチョイスした。あまり高すぎては届かない。時間の制約がある中での行動であり、1200m付近の山とし熊窪山を選ぶ。抱き合わせで北にある妙徳山も歩ければ、仙仁温泉を起点として冬の大3角形が描ける公算。

 
 前日は、ライブカメラで周辺域の雪の様子を注視していた。車道脇には雪があり、一番は駐車余地の問題があった。通過したことがあるので現地を知っているのだが、停める場所がない。あるのは仙仁温泉の駐車場だが、泊り客のみのその場所ではほとんどとめることは出来ないだろう。行ってみての判断しかできないが、最悪は場所の変更も予定しておく。

 
 2時住処を出る。地走りして現地入りし、目標にしていた仙仁温泉に着く。当然、温泉宿の駐車スペースは除雪されて広く空いている。宿の配慮だろう、車のフロントガラスにカバーをかけられたのが見える。私も持っており同化する事も可能だったが、ここに半日ほどを停めておく無礼さはない。少し林道に入ってみようと、恐る恐る突っ込んでみる。轍を外すとすぐにスタックしてしまいそうな積雪であった。

 そして最初の分岐点。経路からこれ以上進んだら厄介な状態になることが判っていた。この分岐に停めようと均すようにちょっとづつ踏み固めてスペースを広げてゆく。しかしそれをしながらも何度もはまりそうになる。しかししかし思うほどに広くならない。諦めて下に戻る。仙仁温泉の南側には広いスペースがあり、長野電鉄のバス回転スペースが大きく設けられていた。その片隅には延命地蔵尊があり、水が湧き出していた。ここしかない。ここで仮眠をする事にした。国道脇なので菅平に向かうスキーヤーだろう車が通過する。ロードノイズが頻繁に聞こえ、あまり寝られないような場所であった。

 
 夜が明け準備をしていると、仙仁温泉側から女将のような仲居さんのような方が自販機に向かって歩いて来た。温泉宿の南側に一軒家があり、その住民のよう。その女性に「ここに停めさせて貰って良いですか?」と聞くと「1時間に一本だから大丈夫だよ」と少ししょうがないなーと言うような雰囲気を醸し出して言葉にしてきた。一応「大丈夫」との言葉をもらったので後ろ盾が出来、後ろめたさが半減。なにせここには「無断駐車は警察に通報する」旨の警告表示が揚がっていた。

 
 出発。変則分岐まで行き林道に入って行く。ここにも民家が在り少し気を使って脇を通り抜ける。車で突っ込んだ分岐を直進して行くと、小屋やコンテナが在る場所を通過して行く。軽トラだろう轍があり、ありがたくそこに足を乗せてゆく。その途中に通行注意の看板が見え、そこに林道名「林道仙仁線」の表記が見えた。しばらく進むと、分岐するように左下に緩やかに下って行く道が分かれていた。その山手側には石仏が置かれていた。古の道なのか・・・。地形図に示される道と現地の様子が合致せず、半信半疑で道を伝っていた。しばらく続いた樹林帯から出ると、周囲が開けた場所になる。目指す山はどれになるのかと探すも、顕著には見えてこない。送電線が見え、その位置から察するに、山陰になっているようだ。足元の雪が緩く、轍がなかったら膝下まで踏み抜くような状態であった。

 
 「火の用心」の看板が見え、その先にゲートが見えた。轍がユーターンしているのが見える。ここから本番か・・・。ゲートを跨ぎ先を急ぐ。先ほどに対し雲泥の差で、泥の方となり進度が落ちる。完全にツボ足状態で、雪が柔らかいとは言え足を引き抜く時に負荷を感じる雪質であった。15時に長野インターなので、最悪でも14時には降りたい。さらに言えば13時半くらいに降りて温泉に入ってから出向きたい。そんな事を考えていると、どんどん気が焦ってくる。

 
 進路右手の立ち木に「熊窪山登山口」と書かれた道標が見えた。林道はさらに先に進むが、ここから鋭角に道が分かれている。こちらに入るよう。杉の植林帯の中に直登するように真っ直ぐに伸びた道が在る。既にこのあたりで膝くらいまでの沈み込み量だった。ワカンかスノーシューを持ってこなかった事を悔やむが後の祭り、現状で頑張るしかない。進む先が少し広見になりそこが道形の終点地であった。巡視路道標があるのみで、その道が真北に向かうように切られていた。10mほど伝ってみたが、いやに横ズレするので、途中から直登に切り替えた。これが間違いだったか・・・。

 
 植林斜面は雪が柔らかくて深い所では腰まで埋まった。普通に膝上の雪で、かなりのブレーキとなった。イバラも多く、それらを掴まないと上がれない様な場所も出てきていた。雪があるからと安易に取り付いたが、まだ締まっていない斜面は至極辛い修行の場であった。先の方に朝日の当たった明るい尾根筋が見えるが、そこまでがかなり遠く感じた。近くてその遠さが、そこが天国のようにも・・・。既にこのあたりで、2座の予定を1座に考えていた。時間が足りない・・・。

 
 尾根に乗り上げた場所は、送電線鉄塔の僅か南だった。期待していたトレースはなく、獣も少ないよう。股関節が痛くなるほどに足を上げては前に出してゆく。西からの風が冷たく、尾根を壁にするように少しだけ東側を伝って進む。山梨の同標高と比べると、ここでの負荷は3倍ほどあるか、場所を違えれば・・・と言う話になる。

 
 着いたかと思った場所は東峰で、ピンクのリボンに誘われ先に進み西峰となる熊窪山本峰に到着。山名標識などは無く、立木に赤ペンキがされていた。三角点があるはずであり、少し掘る努力をしたが残念ながら出てこなかった。時計は9時半に近い時間。残り4時間半ほどか、行けるところまで行って12時をリミットに下山にしようと決めた。そう初志貫徹。北進が始まる、進む先に妙徳山らしい高みが見ある。しかしかなり遠くに見える。自分のトレースのある間を歩いているぶんにはいいが、そこが無くなると試練の行脚となった。多分、時間に追われて行動しているので、そのための焦りが負荷となっていただろうと思う。

 
 送電線鉄塔下を潜る。その先の高みからの下りが、この尾根での最高の開けた場所。仙仁地区と、その先の山々が良く見える展望の場所であった。一気に高度を下げてゆく。そして鞍部となる場所が地形図に破線で示される峠部で、跨ぐようにして先に進んで行く。日頃はもっとカメラを構えるのだが、この日は時間に追われそれどころではなかった。余裕のない人間は情けないのだが、この時の自分が至極情けなかった。1座で降りれば余裕が出来るのに・・・無理して2座を狙うから・・・。だけど諦めない根性も大事で、ここを重視した。歩きながらも東に下れるエスケープルートはないかと常に目で探っていた。時間切れもあり得るのでリスクヘッジはしっかりと。そして約束の時間に社会人として間に合わせないと・・・。

 
 時間に追われた山登りほど、意識が足に行かない山登りはない。そしていつもより辛く感じるから不思議であった。屈曲する1150m峰までが遠かった。いくつも出てくるアップダウン。1210m峰に立ち、やっと前に見える妙
徳山が射程圏内に入って来た。深い雪、既に11時になろう時間、体力にも気持ちにも余裕無し。それでもここにきて、やや大ぶりな鹿のトレースができていた。蹄の足跡に3倍ほどの面積の登山靴を乗せてゆく。沈み込み量は変わらないが、ラッセルが軽減されたので楽になった。

 
 登りあげた場所に仁礼小学校の寄せ書きが見えてくる。山頂かと思ったが、ここは南峰。既に11時54分。残り5分ほどで到達できるのか・・・。がむしゃらにラッセルして北進して行く。南峰の方が居心地良さそうにも見えたのだが、北峰となる妙徳山が目の前に迫ってきた。山頂の広さでは先ほどの場所、展望ではややこちらが優位か。

 
 妙徳山到着。11時59分。12時に対し1分前に滑り込んだ。ここでも有言実行・・・。見ると、北西への尾根には道形があるようだ。下山の選択肢としては、東尾根か、その南の谷を下るかとしていたのだが、谷を下ったほうが早くに林道にありつけるよう。この雪の量だと谷が雪深くなるような気もしたが、ここは谷の選択とした。この山には毎年登山がされているようで、高甫小学校の2012年・2013年のプレートが見えていた。大勢の名前が書いてあり、人数分を山頂に乗せるよう想像してみた。収容しきれないのではないか・・・それで南峰か、南峰なら受け入れ出来る。

 
 息が整ったら下山に入る。フカフカの雪に太腿まで潜らせて降りて行く。周囲には刃物痕が残り、雪の下には岩がゴロゴロしているのが判る。倒木も多くなり、少し南にずれて小尾根に乗って降りて行く。ここも倒木が多かった。それでも谷の中よりは楽そうに見えた。杉の植林帯に入って行く。小尾根は蛇のようにくねりながら降りて行く。細い尾根なので外す事は全くない。そして下の方に白い空間が広く見えてくる。林道終点地到着。そこには谷側から細い流れも出ていた。

 
 林道に乗ったはいいが、かなり荒れている林道で、ここでも足の裏がゴロゴロとしているのが判る。流れにより土砂が流された結果のよう。クネクネとしながら進む林道を、ショートカットを交えながら降りて行く。整然と並ぶ植林地に入ると、雪による重みで杉が4本ほど林道に倒れていた。それでも、それら杉からの落雪のために、足場が硬くなって歩き易い場所となっていた。先の方に明るさが見えてくる。畑に出たようだ。ナラの木が完全に林道を塞いでおり、これがあるために猟師の轍が入っていなかったよう。それが判るように、手前まで入ってきてユーターンしていっていた。轍があれば天国となる。ツボ足から開放されて快適に進んで行けた。

 
 朝に車を停めようとした分岐に到着する。新しいタイヤパターンから複数台車が入っているのが判る。時計は13時に近いが、さすがに下りは速い。時間に余裕が出来、ゆっくりと降りて行くことにした。406号は5分に1台通るくらいの交通量だった。仙仁温泉は壁の工事中でマイナス気温の中で4名の作業員が働いていた。それらを上から見下ろしながら林道入口に到着する。凍ったアスファルトに気をつけながら工事現場前を通過し、バス回転場に到着する。

 
 予定完結。そして冬の大三角形完成。途中で1座で降りようと思ったが、欲張ってよかった。気持ちと根性と、まだまだ私もいけそう。

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