松岩山   1512.1m              


 
   2014.2.1(土)    


   晴れ     単独       世立地区より     行動時間:3H14M 

 携行品:スノーシュー

  


@世立地区登山口への入口6:50→(18M)→A登山口7:08→(26M)→Bマタギ平7:34→(21M)→C天狗の踊場7:55→(28M)→D天狗岩入口8:23→(41M)→E松岩山9:04〜20→(32M)→F1440m峰9:52→(49M)→G林道に乗る10:41〜47→(12M)→H滝への散策路入口分岐10:59→(5M)→I駐車余地11:04


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@冬季、分岐道標が見づらく、判り難くなっている。(写真中央に道標が立っている) A登山口。無積雪期はここまで車が入る。 Bマタギ平。ここから山道に。スノーモービルの跡が先に続く。 途中から見る松岩山側。
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C天狗の踊場。この先で夏道が判らなくなり適当に這い上がる。 途中で夏道に乗る。 D天狗岩入口の場所で尾根に乗り上げる。 軽くできた雪庇。
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E松岩山。展望のために伐採され、景色を楽しめる場所。 Eすかいさんの標識が雪面から700mmほどの場所となっていた。 E北からの様子。標柱が腰掛けるのにちょうど良かった。 E南側の様子。
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E西側の様子 下山開始 夏道を外れ西側に尾根伝いで進む。快適尾根。 F1440m峰。この先も快適尾根。登山道を切ってもいいほどに歩き易い。
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1170m峰から北西に進路をとると、谷を挟んで対岸に林道が見えてくる。 谷の中の様子。雪の下はツルツル。流れもある場所もあり要注意。 G林道に乗る。勘違いしてしまい、最初上流側に進んでしまう。 H殺人の滝への散策路入口がある場所に出る。
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途中に見える石仏。古の道。 I往路の入口に戻る。駐車は路上駐車。




 不納山を狙った時に、机上にてこの山を併せて見ており、ここも厳冬期に登るには面白いだろうと踏んでいた。ネットで検索をかけると、少し残念だが登山道が切られてしまったよう。藪山の位置付けであった場所が、多くのハイカーを受け入れられる場所になったよう。もっとも、地形図には南側の八石沢川よりの破線があり、登路は昔から在ったわけで・・・。

 
 ここも雪を使って楽しく歩こうと考えた。登山道が切られたのは世立地区から、まずここの様子を見てからアプローチは臨機応変とすることにした。等高線の並びを見て、歩行具はスノーシューに決めた。そしてまた気温の高い日になりそうな予報。今年はスキーをしていないのだが、しないまま終わりそうな気配もあった。

 
 3時住処を出る。前日は250キロほど走っての仕事、高速移動でなく地走りだったので疲れが溜まっていた。大戸の関所から須賀尾峠を越えて長野原に出る。長野原草津口の駅は建て替え中で、もうじき生まれ変わるよう。右に見ながらその先から旧六合村に向けて292号に入って行く。湯の平温泉の先で草津に向かう道を左に見て、目的地区に入って行く。

 
 何処を曲がれば世立地区に行くのか・・・カーナビの表示が粗く曲がりそびれて白砂大橋手前まで進んでしまっていた。この上にはバーディー六合があるはずで一度通った道だった。ここは周辺で一番太く書かれている道で判りやすい。しかし曲がろうとするとタイヤが空転して登れないほどに凍っていた。かなりブルーになる。少しバックして勢いをつけて再度チャレンジ。登ったはいいが、途中でも同じ事が起こるだろうと思うと、下から歩いた方がいいのかと不安になった。

 
 しっかり除雪されていたのはバーディー六合までで、その先は凍てついた圧雪の上を伝って行く。ドキドキしながら伝って進む。この分だと目的地自体も変更せねばならないか・・・。でも初志貫徹して結果を出したい。慎重に、恐る恐る進んで行くと、少し高度を下げて行き、目的地としていた世立地区に入った。ふるさと活性化センターの立派な建物が目に入り、着いた事にホッとした。ここからが長かった。

 活性化センターの場所にも周囲の何処にも松岩山を示す道標が無い。ここに来れば判るだろうと、ろくに調べずに来ているので尚更。仮眠をしたいほど眠いのだが、その前に登山道のありかを下調べせねばならない。集落内は工事箇所があり迂回路も切られている。暮坂峠に向かう道に入って行くも、どうにも判らなかった。20分ほど右往左往、日ヶ闇線終点地から民家のある方に入ってみたり・・・。暗さもあり判断が出来ずにおり諦めて活性化センターに戻り夜明けを待つ事にした。


 夜が明け動き出す。もう一度暮坂峠側に進んでみる。もう一度と言うか、これで3回目。進んで行くと、何のことはない左にある山道の入口に、松岩山登山口を示す標柱が立っていた。雪がある事で良く見えなかったのだが、逆に完全に埋もれていたら、入って行く林道がアプローチ道かどうか判断できなかったかもしれない。道を見つけたはいいが駐車余地は無い。暮坂峠への道を先に進んでみようとも思ったが、経路の凍った様子を体感しているので、車での移動はリスクを増やす事と思えており、ここから入山してしまう事に決めた。分岐箇所の前には膨らんだ場所があり、ガチガチに凍った場所があった。車は通過しないであろうと、その上にそろりと乗せて停車。


 いざ出発。少し傾斜のある林道は、登っている車もあるようだ。この時季は四駆か軽トラに限られるだろう。道なりにしばらく進むと20分ほどで正規の登山口に到着。そこからスノーモービルの轍が続いていた。おかげで固く締まった雪の上を伝う事が出来た。ここが緩かだったらかなり難儀したと思えた。おかげで省力。道の様子は、前年度、二見台に向かった時に使った林道に良く似ており、ここにも集落があったのではと思わせる様子が見えた。


 登山口から進んで最初のチェックポイントのマタギ平に着く。西からの道があり、伝って来た道がそのまま北に抜けておりスノーモービルの跡はそちらに進んでいた。ここから山道になる。無垢の雪でかなり潜る。少し頑張ってみたが、耐えかねてすぐにスノーシューを装着する。沈み込み量は150mmほどに軽減された。進む先左側に松岩山らしき高みが見えている。足元の道形は何となく判り伝っていける。が、天狗の踊場で有耶無耶になり判らなくなった。正面の高みへはけっこうな勾配がある。それを正面に見て左から巻き上げるように進む。本来はここは右寄りのようで、しばらく道形をお目にかかれなかった。少し高度を上げるとトラバースするような道形に出合い、そこに乗ってズレて行くと、ここでやっと主尾根に乗った形となった。


 雑木林の尾根の上に道が開かれ、天狗岩入口なる標柱も見える。天狗岩なる景勝地があるのか・・・事前学習がされていないので判らない。少しこのあたりから雪庇も育ち、硬い雪を踏みしめながら伝うのだが、山頂直下でフカフカの雪が待っておりまた難儀する。スノーシューでも膝上ほどまで埋まる雪。最後の最後で山頂が遠い。ここまで見て居なかったが、ふと周囲景色を見ると、そのすばらしい事。遠望が利く・・・。


 上の方が開けた地形になり、伐採痕も見られる。松岩山到着。道を開いたと同時に、山頂での展望を重視したようだ。広範囲に拓かれ間違いない展望ピークとなっていた。行政の標識の高さが、腰掛けるのにちょうどいい高さで利用する。草津側を見ると、沢山の湯宿が林立している様子が見える。上越国境の山並み、麓側の景色、とても心地よく展望を楽しめた。地図を眺めつつ、破線ルートを伝って降りてみようとも思ったが、南に下っての八石沢川遡行のリスクを考えた。凍っているだろうし・・・。往路を戻りつつ、登路ではない南西尾根を下ってみようと考えた。


 下山開始。トレースがあるのでどれだけ楽な事か。それでもスノーシューでのここの傾斜はちと辛く、直下行と言うよりは細かい九十九を切りながら降りて行く。そして天狗岩入口の先で、トレースは北にトラバースする。これを見送りそのまま西へ進むと、ここで本来の道形を見る。ただしこの下降点には分岐道標はなかった。伝いやすい尾根が続き、なだらかのまま。緩やかに登りあげると1440m峰に到達する。ここで尾根筋が二分する。いや三分か、何処へ降りても間違いではないと思っているので、適当に当てずっぽうで尾根を選ぶ。結果として西北西側に伝って進む。この付近から、伝えそうな尾根筋が枝分かれしている場所が続く。ルートファインデングを楽しむには適当な場所。マーキング類は、かなりくたびれたビニール紐などが見えた。


 それにしてもなだらか。登山道を切ってもいいのではないかと思わせるほどであった。1300m付近からは、どの斜面を選んでもいいほどに麓側が広く広がる。コンパスをあてながら“GO WEST”と西側を目指す。途中に1175高点があったようだが、ほとんど気にせず通過して行く。この付近になると林業作業用だろう赤ペンキが見えてくる。それにしてはひと気が薄い場所であった。その理由は後で判る。


 長らく続いた尾根の末端と言えよう1170m峰に到着。ここからは南北に尾根が分かれる。車がある側の北を選び降りて行く。ここでの雪質と勾配は、スノーシューで滑れる快適斜面でもあった。ただ、進む先に谷が見えて、その先の上の方に林道が見えていた。深く降りてから登り返さねばならない。さきほどのひと気の無さは、ここから来るものだろうと思えた。作業するにもアプローチしにくいエリアとなろう。どんどん高度を下げてゆくと、どんどん林道の位置が高く見えるようになる。尾根筋を少し違えると、やたら高低差のある谷の中に入ってしまうので、なるべく負荷のない場所へと進んで降りて行く。しかしそれとは別に、谷の中は流れの音がしていた・・・。


 降り立つ最後は神経を使う崖地形だった。流れの音を気にして水没を一番気にしていたが、それよりもツルツルのガチガチに雪に下は凍っていた。どうやらその下から流れの音はしていた。神経衰弱のように一歩一歩を選びながら谷の中を対岸側へ進む。林道へはスノーシューを着けては登れず、ここで外して這い上がってゆく。高低差15mほどか、登りあげた場所は舗装林道であった。流れをまたぎ、地形図に水線があれば一目瞭然であったが、なかったために判断が鈍った。林道を東に登り始めてしまった。平気でこんな行動をするので我ながら困ったものである。途中で気付き踵を返す。


 舗装林道は、雪融けで凍っている場所が多く要注意。日当たりのいい林道だった。そして暮坂峠に続く林道との出合い、ここには「殺人の滝」への散策路入口があり建物もある。車が1台停まりこの時季にしても愛好者がいるようだった。世立に向けて降りて行くと、山手側に石像が並ぶ場所がある。この道は昔からの古の道となるか、表情を楽しみ一礼して背を向ける。林道はスケートリンクのようになっており、ほとんど歩行困難。ガードレールに伝わりながら通過しないと怖いほどであった。知らずに車で走ったら・・・。少し気温も高く氷の上が溶け始め、そのための滑りやすさでもあった。先の方にマイカーが見えてくる。どうやら着いたよう。


 振り返る。ルートが切られた松岩山だが、そのルートを逸れて楽しく歩かさせてもらった。最後の最後の進路を、西を選べば谷に降りずに済んだようだが、障害はあったほうが乗り越える楽しみがあり・・・。それこそ山あり谷あり。


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