大沢山 1439.8m 丸山 1201m
2014.4.19(土)
くもり 単独 空峠より 行動時間:1H43M
@駐車余地5:19→(4M)→A大沢山駐車場(空峠登山口)5:23→(38M)→B大沢山6:01〜09→(23M)→C空峠6:32→(4M)→D丸山取り付き6:36→(14M)→E丸山6:50〜51→(11M)→F駐車余地7:02
青木峠下、明通トンネル西側からの「林道 四阿屋線」に入って行く。 | @丸山の北東側の平坦地に駐車しスタート。 | 林道分岐を右へ | 分岐箇所には、この表示があって驚いた。 |
A大沢山登山口駐車場 | A空峠登山口 | 顕著な尾根が続く。 | 1350m付近 |
緩斜面になったら、もうすぐ山頂。 | B大沢山 | B割られた三等点 | B標柱 |
B北側から見る山頂。 | B北側の展望。 | B御嶽大神 | B今日は自家製ヤキソバパン |
C空峠に戻る。 | C空峠から見る丸山。 | 林道分岐帰り。 | D丸山取り付き箇所。 |
下草が刈られてはいるが、イバラなどがあり歩き辛い斜面。 | E丸山山頂。リボンが二本あるのみの素っ気無い場所。 | E丸山から見る大沢山。 | F駐車余地に戻る。 |
2013年の3月20日、筑北村の四阿屋山に登った時、その南西側にある高みに、大沢山とふられていた。そしてその頂上に立つ標柱に「1439.8m」と書かれていた。これを見た時に、“そんな事はあるのか”とすぐに怪しんだ。と言うのも、同じ筑北村内にある地形図に掲載される大沢山の標高と同じなのであった。それも小数点以下も。現地現称主義に則り、四阿屋山の記事には現地に在る標高をそのまま引用し記述してあるが、本音は疑いの目を持って推移していた。ここは地形図の載る大沢山も踏んでおこう。とりあえずは踏んでおけば、少しは疑念が減るような気がしていた。
しばらく連投の里山ハイク、残雪期にこの標高でゴソゴソするのは不甲斐ないのだが、そうは言っても野外に出られるだけヨシとせねばならないし、自然に触れ合える事は幸せの極み。検索をかけると、奈良尾地区からの記録が見える。地形的には青木峠が強く目に入り、そこからアプローチしたかった。林道も在るようで、通れれば省力でき、通れなくとも広い尾根筋だが村界上の藪を行けばよいと思って計画した。勿論、抱き合わせで丸山も狙う。2座踏める美味しい場所ともなる。
3時、棲家を出る。18号で碓氷峠を越えて、上田市内に入ったら別所温泉に向かうように進む。国道143号に伝い青木地区へ入って行く。田沢川に添っていた道は、やがて支流の弘法川に絡むように山中に入って行く。この先に、とある分野で有名になっている明通トンネルがある。そのトンネルにさしかかると、ここまで往来の車は一台も無かったのに、トンネル内から明かりが出てきてドキッとした。なにもタイミングよく、この狭いトンネルで・・・。運転手の顔を確認しながら、少し背筋に寒いものを感じつつ抜けて行く。
明通トンネルを西に出ると、そこから林道四阿屋線が北に続いている。すぐにゲートポストらしい杭があるが、チェーンはされずに開門していた。よく踏まれた轍の少ないダート林道。雪融け後の整備もされたのか、路面上にはそんな痕も見えられた。今日も地上高の低い車で来ている。いい道と思っても注意しないと底を擦る場所もあった。
丸山の北東側に地形図通りの広い平地がある。そこからさらに北に行くと、これまた地形図通りのはっきりとした分岐点が在る。なんとそこに「大沢山駐車場」と書かれた黄色いプレートがあった。藪山だと思ってきた緊張感が、一気に抜けた感じとなった。“駐車場もある山なのか・・・”。そのまま登ってみるが、こちらは先ほどに増して底を擦る。登って行くと、空峠の南側に広い駐車場が設けられていた。これから登山対象として売り出してゆく場所なのか、それとも以前からなのか・・・。
偵察に登ったはいいが、やはり丸山を思うと下側に停めておいた方が後半が無難、同じ道を戻り、丸山北東の広い地形の場所に車を停める。薄暗かった周囲はしっかりと明るくなり、背を押させるように準備をする。冬季なら、もう少し仮眠時間が取れたが、明るくなって寝ていられる性質ではない。ここは野鳥のさえずりがとても綺麗な場所で、周囲に輪唱しているのが聴こえる。そして目に優しいのはダケカンバだろうか、シラカンバにも見えるほどの白い物が多い。芽吹きの季節において印象的であった。
出発。空峠には登山口表示もあり道の存在を期待できるが、その先に続く尾根の上にはハッキリとした道形ではなく、薄い踏み跡が続いており、時に薄くなり判別できない場所も見られた。それでもどんどん上へ上がればいい間違いようのない尾根だった。単調と言えば単調だが、そこにちと試練を与えてくれたのは、この日の天気だった。この時季にしてけっこうに寒い。温度計表示でマイナス2度ほどを示していた。そこにやや強い風があった。このため体感温度はマイナス5度くらい。周囲景色も灰色に濁り、春の景色とは程遠い感じであった。1300mを越えるとさらに強くなる。今日は北風。最後の緩やかな尾根上を行くと、通過点のような山頂が待っていた。
大沢山到着。高さ300mmほどの石にマジックで山名が記してあり、その前で痛いげな角を割られた三等点が待っていた。北側の信州新町側の景色は灰色に霞んでいる。周囲をよく見ると南東側に少し下がった場所に「御嶽大神」と彫られた石碑が安置してあった。ここも地域での信仰の山か。そして、「1439.8M」と書かれた標柱も見える。この数字・・・あの日のものとコンパチ。そもそも向こうは、地形図からその標高は読み取れない。設置者の間違え、悪戯、色々考えてみるが理由は不明。どうにせよ、1439.8の真のピークを踏んだ事を満足する。風が強く、寒く、立木を風上において隠れつつヤキソバパンをほうばり、湯気の流れる白湯を飲んでいた。
復路は往路の尾根を下る。注意したいのは1350m付近。降りて行く方角からして東に派生する尾根に誘われやすい。注意して南の斜面に降りて行きたい。間違えやすい理由には、道形の薄さもあった。高度を下げてゆくと、あからさまに気温が違ってくる。風が遮られ数度気温が上がった感じ。一気に下り、あっという間に空峠に到着。次はそこから見える丸山に向かって行く。
林道を南に戻り、駐車地を左に見ながら丸山に乗って行く。どこを登ってもいいようなものだが、残雪があったり、藪化しているところが見えたり、登り易そうな場所を探して、下草の刈られた北側から取り付く。ここは刃物跡がハッキリ判るので判りやすい。
適当と選んだその場所は、上の方まで雑木が刈られてはいるが、イバラなどがあり、引っかきながら登るような場所となってしまった。斜面にはシラカンバの様にも見えるダケカンバがあり、その白さが美しい。間伐作業がされてどのくらい経つのか、最近はほとんど人が入っていないような様子があった。クネクネと間伐材を除けながら上がって行く。
丸山山頂。二本のピンクのリボンが巻かれているだけで、他に人工物の無い素っ気無い山頂であった。展望も無く、やはりここは登山対象にはなれない場所のよう。登った自己満足だけがここで得れるもの。長居は無用で、帰りは東の尾根を進んでみる。
200mほど東に下るも、少し藪化が進んでおり、適当に北に下って行く。ここも足許を引っ掛けるような間伐材があり、それらに注意しながら降りて行く。平坦地形になると、地図には見えてこない土地のうねる場所となる。ここにもダケカンバが多い。進む先に道形が横切っていた。これが地形図に見られる破線林道となろう。従うように西に行くと、ドンピシャで駐車余地に到着した。
もう少し苦労する藪山かと思っていたが、意外な優しさであった。あまりにも早くに山を降りてしまったが、近くには6時からやっている田沢温泉があり、立ち寄って朝風呂をいただく。極楽極楽。