境野山    834.6m        

 
   2014.3.22(土)    


   晴れ     単独       白石地区より      行動時間:2H6M 

 携行品:ワカン

  


@白石地区除雪終点6:23→(64M)→A標高920m地点7:27→(38M)→B高野山8:05〜07→(22M)→C戻る8:29


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@白石地区最奥、民家のある最後で除雪は止っている。 イノシシの小屋 鼻を出すイノシシ 林道ゲートの場所。左側の道に入っていった。
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737高点西側、ここで尾根側に乗る。先で左側の道と合流する。 尾根に乗り上げる 乗り上げた場所にあった掲示 A標高920m付近。尾根西側が棚のようになってくる。
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谷を横切り対岸へ進む。かなり雪が深い。 途中の930mピーク 860m付近 840mの高みに分岐マーキングがされている。
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B境野山 BG標が残る。 B西側の展望 下り始め南東側の様子。
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760m付近。直立した大岩がある。 750m付近 760mの高みから進路を東にとる。 沢の脇に降り立つ。
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C白石地区に戻る。      




 本当は岐阜方面で山歩きをしようと思っていたが、自然の出迎えが厳しく逃げるようにして日帰りで戻ってきてしまった。改めて場所探しとなるが、ドタバタと決めるとまたまた自然に遊ばれてしまう・・・。


 向かう先は落ち穂となっている上越国境近くの大笹山とした。昨年狙うつもりで居たが、なんだかんだで流れてしまっていた。それはともかく「狙うのはいいが、天気をよく把握しろ」と言われそうな状況でもあった。前日の飛騨方面は冬に逆戻り。新潟地方も似たような状況であったよう。でも場所はみなかみ町のその場所にした。台風一過ならぬ、降雪後の快晴を狙ったのが本音。


 深夜1:15に住処を抜け出して水上に向かう。そう、上州の者にとって水上は「水上」で「みなかみ」に非ず。読みづらいから「みなかみ」なんだとは思うが・・・。17号を月夜野インターから湯宿温泉を経て県境に向けて上がって行く。降雪に強風、路面は圧雪でかなり慎重に走らねばならなくなった。時折インパネにグリップしていない警告灯が点く。すると強い降雪の向こうに、進路真っ正面にハザードを点けた車が見えた。こんな道のど真ん中で・・・。何か昨日の158号の様子が思い起こされた。もしやここでも。


 ハザードを点けているのは、JAFの車でワゴン車を積んだ所だった。その先に登れないで停車している車が4台あった。縫うように進んで行くが、路面はかなり滑る。山を登っての帰りくらいになれば融けるだろうが、上に行くリスクは伴う。色々悩んだが、そのまま上まで行くことにして、スタッドレスタイヤで滑りやすい圧雪を掻きながら上がって行く。そして、トンネル手前の除雪スペースに突っ込む。真横から吹き付ける雪、夜明けまで仮眠を決め込むのだが、暖房が欠かせずエンジンを切ることが出来なかった。


 夜明けになり、少し調査をとストックを持って付近の雪を調べる。柔らかいフカフカの雪が30〜40センチほど乗っていた。スキーならいいが、ワカンやスノーシューではかなりキツイ。行けば行ったになるが、雪崩れやすいリスクを強く感じていた。「止めよう」この判断が出来るようになったことは山屋として優位。


 17号をしなしなと下って行く。途中で停まっていたワゴン車は、まだその位置を変えていなかった。運転手と目が合う。なにか訴えているようではあったが・・・。この付近だと、猿ヶ京温泉エリアに5座ほど未踏座がある。無積雪期だと容易な場所ばかりだが、ここまで雪があれば楽しませてくれるだろう。地図を持たないのが一番のリスク。カーナビのベースソフトがあまりよろしくなく、アプローチに対し詳細表示が乏しい。リスクの少なそうな境野山を目指す。一度偵察にバンガロー村からの舗装道路で入って行ったことがある。関係者以外進入禁止の場所であり、かなり後ろめたかった。ましてやこの時季なら、道路の除雪の様子も判らない。アプローチしやすいとは判っているがここは避けた。


 こうなると残るは白石地区からのアプローチ。R17号からR272号は月夜野猿ヶ京線に入り、750mほど進んだ場所から北東へ入り集落の中を進んで行く。その集落が終わった先から道は林道化しており、降雪の中に軽トラが通過したであろう轍しか無かった。140mmの最低地上高では無理、除雪された最終地点に停める。しかしここは周囲は民家がある。里山であり慣例ではあるが、あちこちの番犬が呼応しあって吠えたてている。全ては私のせい。早朝から白石集落は大賑わいとなってしまった。そそくさと準備をして、ワカンとストックを手に持ったまま逃げるようにスタートとなった。


 初動時、犬のせいでと言い訳をしたいのだが、進路の方角を確かめなかった。向かう進むべき方角を確かめなかった。進んでいる道が境野山へ向かっている道だと思い込んでいた。その途中には猪を飼っている場所なども在り、少し面白おかしく足を進めてしまった。その猪のエサはリンゴだった。水も無くリンゴのみ。檻の中から悲しそうな鼻をこちらに向けていた。この先で本道はゲートされ、枝道が左に入っていた。左に行けば境野山は近いはず。ここでもまだミスルートに気づいていなかった。


 膝まで潜るツボ足。分岐から50mくらい進むと、尾根側に向かう枝道が見え、そこを上がって行く。しかしこの道は先ほどの道と後から合流した。付近は杣道が多いようだった。尾根に乗った格好となり伝って進む。高度を上げるが、何かおかしい。左に谷を挟んで対岸側に尾根筋が見える。太陽の位置、在るであろう境野山の位置からして進路がおかしい。しょうがないので奥の手登場。スマホで地図ロイドを呼び出す。そこで判ったことは、情けない事に大峰沢に添う林道に入っていたのだった。


 まあ間違ってしまったのでしょうが無い。その分、雪山を楽しめるとプラス思考で行く。スマホに見える地形図には、登路の実線が見える。ただし現在は雪の下。それでも、こちらの尾根から境野山側へ寄って行ける道が存在するようで、それを期待した。深そうな谷が在り、直線的に向かうのは厳しそう。現状のまま登りあげて、巻き込むようにして西に行く予定とした。めざす場所に対し離れる方向に進むようで、完全に逆行。だたし現状では一番早くたどり着ける選択肢。


 地形図の登路実線が西に行く場所は、尾根地形の西側が平らな場所があり、そこを経て谷側へ降りて行く。深い雪で腰まで潜るような場所もある。この標高で・・・。三国峠側だったら、もっと藻掻いた事だろう。雑木の間を縫うように進む。無積雪期だと酷い場所だろう。そして西側の尾根に移ったら、今度は緩やかに高度を下げて行く。先ほど伝っていた尾根が左に見えている。


 840m峰には分岐マーキングとなるピンクのリボンが目立つ場所に縛られていた。そこから進路を90度変える格好となり、西に進んで行く。いくつもの高みが在り、今度か次かと乗り越えながら境野山を目指していた。簡単には到達させてもらえず、ちょっとした宝探し的風味もあった。低いから簡単だろうと思っている部分、少しルートミスして焦っている部分、この両者があり、近いようで遠くに感じていた。


 境野山登頂。久しぶりに見るG標があり、すかいさんとテプラ標も掲げられていた。さらには年号の書かれたリボンも残り、静かでありながら違う意味で賑やかな山頂であった。ここも下野の国のようになってしまうのか、3つあったら沢山と昔からの言い伝えがある。四つ在ったら淫ら・・・。木々の間から周囲の高嶺が見えるが、上越国境側はまだ少し雪雲が漂っていた。


 下山は南に下って行く。最初こそ歩き易かったが、尾根上に親指ほどの太さの樹木が茂る場所も出てくる。分けながら進み降りて行く。雑木が邪魔にならなくなると、その途中に起立した大岩が目に入ってくる。そう言えば、往路に登った尾根側には、相対するような丸い大岩が在った。この二つの石が印象に残る。

 760m付近の高みから、進路を東に変える。適当にスギの樹林帯の中を降りて行くと、流れの音がしだす。なにか聴いたことのある音。あの往路に聞いた・・・。沢に降り立ちそれに沿って進んで行くと、ドンピシャで駐車した場所に出た。

 今回は里山は迷い易いの実例のような行動をしてしまった。迷わず行動すれば、1時間ほどの山だったよう。その分、楽しませていただいた。


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