赤倉山    1093.1m         笹森    1045m        旭岳      1140m
   

  
大平山    1170.4m         宝蔵岳    1035m         剣岳   1054m  


  
2014.8.15(金)    


   雨(強雨)    単独       旭又を基点に時計回りで周回     行動時間:7H27M 


@旭又登山口4:56→(10M)→A赤倉岳登山道入口5:06→(108M)→B赤倉山への分岐6:54→(19M)→C赤倉山1093.1ピーク7:13〜17→(19M)→D赤倉山1084ピーク7:36→(14M)→E1093.1再び7:50→(8M)→F分岐再び7:58→(21M)→G笹森8:19→(48M)→H旭岳9:07→(5M)→I御手洗コース下降点9:12→(8M)→J大平山9:20〜10:06→(29M)→K宝蔵岳10:35→(17M)→L剣岳10:52〜53→(15M)→M宝蔵岳下降点再び11:08→(18M)→N軽井沢尾根からの下降点分岐11:26→(44M)→O矢源沢入口12:10→(13M)→P旭又12:23


akakurasawa.jpg  babame.jpg  bunki.jpg  akakuradaketozanguchi.jpg
@旭又より入山 @馬場目岳側へ行く 林道を途中で右に入ってしまい馬場目岳ルートから逸れてしまう。 A赤倉岳登山道を登りだす。
kurai.jpg tenboudai.jpg  tenbou.jpg  bunano.jpg 
暗い山道。 展望台があるが・・・。 こんな感じの展望。 ブナの幼木が見事。
bunki2.jpg toraba-su.jpg  1093akakuradake.jpg  garasawadake.jpg 
B馬場目岳(赤倉岳)側への分岐点 山腹のトラバースルート。 C赤倉岳1093.1ピーク。 Cガラ沢岳と表示。
kitani.jpg  mosyamosya.jpg  10841093.jpg  1093futatabi.jpg 
C北に藪を漕いで行く。かなりの密藪になり背の低い人は苦労する。先が見えない。 雨に塗れ木々が垂れ、さらに負荷が増える。 D赤倉岳1084ピークから見る1093.1ピーク。 E1093.1ピーク再び。
bunkihutatabi.jpg  mitu.jpg  sasamori.jpg  sasamorikakouten.jpg 
F分岐再び ルートがハッキリしていると思いきや、意外と漕ぐルート。 G笹森 G笹森の下降点標柱。
asahidake.jpg  asahidakeminami.jpg  15.jpg mitarairu-tokakouten.jpg 
H旭岳の祠 旭岳の南側も漕ぐ 「大平山まで15分」と書かれた標柱。 I御手洗コースの下降点分岐。
sutennotorii.jpg koya.jpg  taiheiyama.jpg  ixtutou.jpg 
ステンレスの鳥居 温かそうな立派な小屋が見えてきた。 J太平山到着。強雨!! J一等点
miyoshijinjya.jpg nishi.jpg  koyanaibu.jpg  ocya.jpg 
J三吉神社に礼拝。 J進んで行く西側の尾根筋。 J小屋の中は素晴らしくきれい。平成21年に出来たらしい。6月より管理人常駐小屋。 J地元山岳会の方に美味しいお茶を入れていただいた。
toriikara.jpg kuwagata.jpg  teshi.jpg  tocyuukara.jpg 
J西進開始 ふと足許に・・・おおきなクワガタが。 弟子還嶽神社と書かれた石碑。 途中から西。
kusariba.jpg  kusariba2.jpg  houzoudakekakouyten.jpg  houzoudake.jpg 
滑る鎖場。 さらに鎖場。 宝蔵岳の下降点まで到着。少し戻って藪を3mほど登る。 K宝蔵岳山頂。南北に細長い山頂。標識は無い。
sekibutu.jpg  nodabunki.jpg  turugi.jpg  turugidake.jpg 
途中に在った苔生した石仏。 野田分岐 L剣岳。気にしていないと判らない。草むらの中にそれと判る表示がある。 L唯一判読できる表示。剣岳で間違いない。
nodabunkikaeri.jpg  houzoudakekakoutenhutatabi.jpg  onemichi.jpg  karuizawaonekakouten.jpg 
野田分岐帰り。 M宝蔵岳下降点再び。 快適な道 N軽井沢尾根からの旭又への下降点。
bunkisurumichi.jpg  kaiteki.jpg  shirahadori.jpg  midori.jpg 
こちらも素晴らしくいい道。 尾根形状が顕著で直線的なルートがつけられている。 白刃取りの木 緑が目に優しい!!
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O矢源沢入口に降り立つ。主要ルートと合流。 O標柱 木道は雨に濡れツルツル。 橋を渡り・・・。
ixtusyuu.jpg  zousui.jpg  cyuusya.jpg   
ここで一周完了。 P旭又に戻る。赤倉沢は増水しけっこう濁流に。  Pこの天気に登山者は、小屋に居た関係者くらい。   




 山旅第一日目の白神山からここに繋げれば良かったが、天気を加味して和賀岳に好天日を当てて、翌悪天日に大平山を狙う。最楽コースであれば2時間も掛からず到達できる場所と判ったから。


 谷川岳の馬蹄形が有名だが、ここでも同じような弧を描く山稜がある。複数座のピークが並び楽しそうな場所に見えた。ここで、なにせ大平山と絡めて前岳まで行こうと大まかな目標とした。旭又を基点にして、いくつも放射線状に登路が伸びているのもありがたい。前岳までやると、少し戻るのに時間を要すが、折角なら沢山歩いてみたいと思っていた。


 角館から秋田市に戻り、仁別の旭又へ向かう林道に入って行く。全線舗装路であるが、なかなかの長さがあった。そこにすれ違う車も多く、夏場には人気の場所のよう。途中には立派な森林博物館があり、10台ほど停まっていた。それらを左に見てさらに詰めて行くと、東屋のある広見が左にある。ここには付近概念図があり参考に出来る。さらにさらに進んで行くと、ようやく旭又のキャンプ場に到着した。

 広い駐車場には20台ほど並んでいた。時間的に下山時刻、続々とハイカーが降りてきていた。赤倉沢にビールを5本沈め冷やすが、数分後「あのビール あなたのですか」とハイカーに声を掛けられる。「プカプカと流れて行っていましたよ」と言われ、急いで駆け寄ると1本無くなっていた。どうにも詰めが甘いのだった。ラーメンで夕飯としてテントで横になりながら読書をする。うとうとしながら自然と眠りに入る。


 翌朝雨の音で目覚める。予報通りか。夜が白みだしテントを畳んで準備をしていると、山梨からの人なつこい300名山信者が声を掛けてくる。折角なら一緒に歩きたいところだが、初志貫徹で我が目標がある。「先に出ますね」と言って赤倉沢を渡って行く。


 駐車場の概念図には、キャンプ場から分岐しているように書いてあり、ここでルートが各方面に派生しているものだと思っていた。ただ標柱からは向け先がいまいち判らなかった。沢道のような登山道を少し登り、違うのではないか・・・と思い一度元に戻る。次に馬場目登山口と書かれた標柱の方へ行く。少し進むと右にルートが分岐していた。そこを入って行く。これが間違いだったか、進んで行った先に、先ほどの山梨の方が分岐で記録を取っていた。先に出たのに無駄なアルバイトをした形になった。そして山梨の方がまじめに山に登っている姿も垣間見られた。分岐には「赤倉岳登山道口」とある。「私はここを上がります」と御仁と分かれる。


 緩やかな暗い登山道を行く。暗いと言うのは樹木が繁茂しているせいで、違う言い回しだと鬱蒼としていて心地良い。途中白い看板に「展望台」とあったが、完全に過去のものとなり、周囲の木々は生長しすぎていた。どんどんと高度を上げて行く。夏場に適当か、ほとんど日の入らないような登路だった。


 ブナ林の中をスタートから2時間ほど歩くと、分岐が現れ赤倉岳を導いていた。そこには残り400mとある。トラバースするような、ここも気持ちいいルートに伝って行く。少し寂れた感じがするのは気のせいか。まあ天気がそう思わせたのかもしれない。登り上げ高みに到着する。


 赤倉岳1093.1高点に着く。ガラ沢岳との標柱も立っていた。地形図を見て判るとおり、なんとも嫌らしい場所なのがここ。この先の1084高点が赤倉岳のように書いてある。曖昧に1093と1084の中間でなく、「ここですよ」と言わんばかりの1084高点に限定しているような位置にある。こうなると公に1093でいいとしても1084を踏んでおかないと気が済まない。山名事典も1093で座標を取っているので、ここでいいとは思うのだが・・・。


 北に降りて行くと、おもいきり密薮な場所となった。雨を纏い木々が垂れ覆い被さり、分けるのにも重かった。ここまで道が悪いとは思っておらず、歩かれる人の少なさが伺えた。そして1084高点に立つ。ちょうどガスが少し取れ1093側を見ることが出来た。やはり向こうの方が高い。これで満足。濡れに濡れて再び赤倉岳に戻る。もし馬場目岳を含めて予定していたら、飛んだことになった。さてここから南進する。


 分岐に戻り、この先ルートの状態が良くなるのかと思ったら、近年での刈り払いがされていないのか、分けて進む場所もチラホラと出てくる。やはり有名座は一番楽なルートが好まれ、他のルートは見向きもされなくなるのだろう。濡れ鼠で進んで行くと笹森のピークに到着する。ここは東側への下降路分岐となっていた。雨が次第に強くなってきていた。モチベーションは保てるか、太平山まで行ったら降りてしまおうか・・・後ろ向きな思考もチラホラと出だす。


 笹森→旭岳間は50分ほど要した。旭岳の山頂には趣のある祠が祀ってあった。頭を垂れて一礼して通過して行く。山に遊ばれないよう感謝しつつ遊ばねばならない。この旭岳の南も深く分ける場所があった。この先には太平山まで15分と書かれた標柱ピークがある。なにか名前のある山頂なのかと思ったら、そんな面白い標柱であった。ここから僅かに進むと、メインルートである御手洗ルートへの分岐がある。標柱に鐘がぶら下がっているが、鳴らしても湿った音でまちがいない。そのまま進んで行くと、ステンレスの鳥居があり、その上の方に綺麗な小屋が見えていた。中から漏れる白熱灯の灯りに暖かさを感じる。完全に強雨になり火照る体温をどんどん奪っていた。


 大平山到着。三吉神社が厳かに建っており、しっかりと拝礼する。その横の一等点を拝んでいると、男の子が「入っていって」と小屋から雨の中に出てきた。小屋に入るにも濡れようがひどく憚れるので通過して行こうと思ったが、子供が折角声を掛けてくれたことに対し無視する冷酷さはない。小屋に入って行くと、その綺麗なこと。中には5名の男女が居た。小屋に常駐している地元山岳会の方が居られ、暖かく迎え入れてくれた。温かいお茶も出していただき、山談義に花が咲く。ここで当然のように前岳東からの下降路の話になるのだが、かなり荒れているらしく「止めた方が良い」との一致した意見を戴いた。迷うではあろうが、そう難しい地形ではなさそうなので、行っていけないことは無いと思っていたところ、輪を掛けるように「ヒルが出ています」と言われ、これで予定を変える決心がついた。あと、前岳まで伝うなら、そのまま尾根を西に降りてしまった方が良いらしい。全線刈り払いが終わったとのことであった。かなりの大休止をして、濡れた雨具を着込み小屋を後にする。久しぶりに山屋と語らった気がする。


 鳥居から降りて行く。濡れた滑りやすい状態に、注意を払いつつ足を出して行く。弟子還岳神社と書かれた標柱が見える。地形図に書かれたその場所を通過したのが判った。この先が鎖場で3連ほど続いていた。滑りやすい足場の連続で、鎖を一生懸命握りつつ降りて行った。少しガスが切れ前方の宝蔵岳の高みが見えてくる。鞍部からそこへ登りあげて行く。山頂を踏んで下降点分岐になるのかと思ったが、先に分岐が現れた。分岐点から15m程戻って薄い踏み跡のある斜面を北に這い上がる。這い上がると言っても3mくらいだったか、東西に細長い山頂に乗る。ここが宝蔵岳ピーク。さあ次が最終座の剣岳。


 前岳への道標に従い道を選ぶと、左側に古い石仏が立っていた。全身苔に覆われたもので古の参拝路を強く感じさせてくれるものであった。この先で野田分岐が現れ、野田登山道入口と指示される方へ入って行く。この先、少しだらだらとした山容で、どこがピークなのかと、緩いアップダウンがあり迷うのだが、我慢して進んで行くと、何となくそれらしい場所が出てくる。“ここなんだろうなー”と草むらをふと覗き込むと、そこに朽ちた標柱が倒れ、「剣」の文字が判読できた。何か祀られていたような雰囲気があった。これで本日の全ての山頂を踏んだ形となった。往路を戻って行く。依然雨は強いまま。人気など全くなかった。

 
 宝蔵岳からの下降路は、とても歩き易い尾根道だった。周囲展望は無いものの、そこにある植生が美しい。下りだして20分ほどすると「軽井沢尾根」と書かれた標柱が立ち、旭又方面2.8Kmと書いてあった。ここから伝ってきた尾根を逸れて行く。こちらも快適尾根で気分が良い。二重山稜的な場所があり地形の面白さもあった。雨に濡れ発色のいい緑の中を大股でストライドをのばして降りて行く。その先の方に横切る登山道が見えてきた。下に降りたようだ。


 出合の場所は「屋源沢」と言うらしく、標柱にふられていた。ここがメインルートのようで、立派な木道も這わせてあった。がしかし、ここが滑る事。刻みが入れてあるが雨の日は要注意。沢をコンクリート橋で跨ぎ、しばらく右岸の道を行くと、往路に見た赤倉岳の標柱に出合う。これで無事一周してきたようだ。その先の下降路から左に降りて行く。ここは往路で一度登って引き返した道。あちこちと歩いたおかげで、どのように道が繋がっているのかがよく把握出来た。赤倉沢が見えてきた。濁流と言って良いほどに茶色く濁り増水していた。この短時間の雨でここまでになるとは・・・。それほどに降っていると言う事になる。


 駐車場に到着し、サンダルと着替えを車から出してトイレに向かう。トイレ前が庇になっておりベンチがあり、ここが唯一の雨宿り可能な場所。少し臭うが在って有り難かった。

 雨の中だが、楽しく歩かせて貰った。小屋での温かいもてなしも受け、記憶に残る場所となる。

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