有間山 1213.4m 橋小屋ノ頭 1163m ヤシンタイノ頭 1100m
滝入ノ頭 1070.9m 蕎麦粒山 1472.8m 仁田山 1211m
2015.12.5(土)
晴れ 単独 有間峠から滝入ノ頭ピストン、その後蕎麦粒山まで 行動時間:5H49M
(広河原逆川線は、2015年は12月7日より冬季通行止め)
@峠下余地4:38→(2M)→A有間峠4:40〜42→(32M)→B有間山5:14→(21M)→C橋小屋ノ頭5:35〜36→(15M)→Dヤシンタイノ頭5:51→(5M)→Eしょうじくぼの頭5:56→(8M)→F滝入ノ頭6:04〜06→(32M)→G橋小屋ノ頭帰り6:38→(25M)→H有間山帰り7:03→(29M)→I有間峠7:32〜36→(13M)→K林道を離れる7:49→(32M)→L都県境主稜8:21→(39M)→M蕎麦粒山9:00〜15→(28M)→N都県境下降点9:43→(34M)→O仁田山10:17→(8M)→P有間峠10:25→(2M)→Q駐車余地10:27
@有間峠から秩父側に下った場所に、ピンポイントで1箇所のみで停められる。 | A有馬峠のゲート | A有間峠。関東平野の夜景が美しい。 | B有間山 |
Bタタラノ頭表記が残る | B酷い状態の三角点 | C橋小屋ノ頭は括弧つきで表記されている。 | C蕨山への下降点 |
Dヤシンタイノ頭 | D彫刻された標識が置かれている。 | Eしょうじくぼの頭 | F滝入ノ頭。ここまでで有間峠へと踵を返す。 |
F滝入ノ頭標識 | F三等点 | 来光 | G橋小屋ノ頭帰り |
モルゲンロートで火事のよう。 | H有間山帰り | 有間峠の僅か北で、東側の林道に降り立つ。 | I有間峠再び |
今日はふじを持ち上げる。水分補給。 | 唯一途中で行き合った人。 | J林道を離れ尾根に乗る。 | 途中の送電線鉄塔。カーゴ付きの鉄塔は初めて見る。 |
K主稜の分岐点に到着。 | 手前峰から見る蕎麦粒山。 | L蕎麦粒山 | L標柱 |
L三等点 | L蕎麦粒山から関東平野 | Lヤキソバパン | L蕎麦粒山から戻って行く。 |
M下降点分岐再び | 鉄塔帰り。大展望地。 | 林道からの取り付き点の帰り。 | N仁田山 |
N仁田山標識 | N仁田山から蕎麦粒山(中央) | 有間峠で休憩するバイカー。 | O有間峠のゲート。 |
P駐車余地。2台分。 |
上信越の山間部は雪予報。晴れているエリアを狙って行き先を探る。今週末は、どうしても薪棚を造りたいがため土曜日から作業をしたい。それがために長いコースは避けたい。そうであれば行かねばいいものを、欲張りで二兎を追いたい方なので、嫌な性分とも言える。
家からの経路も短い場所として秩父エリアに決め、未踏座がごっそりとある有間山に行く事にした。林道情報が気になり埼玉県のサイトを覗くと、広河原線(手前)が不通で、広河原逆川線(奥)が通行可になっている不思議な表記がされていた。その広河原逆川線の方は12月7日から冬季通行止めになるようであり、週明けからは完全に閉ざされる場所となるようであった。これらの事から、当初は広河原谷に車を置いて、有間峠に上がって鳥首峠まで進み、ぐるっと周回する予定で居た。やや長めのコースに対しては夜間帯も行動することにして早くに降りられればと考えた。
2日3日と行われた秩父祭りの後の街中を通過してゆく。まだ紅白の幕なども見られ、それこそ祭りの後の様子であった。R140の直線道路を抜けたら、浦山ダムへと上がってゆく。トンネル群を抜け川俣地区を最後に道沿いはひっそりとする。林道には流れが乗っている場所もあり凍る可能性も考えられた。外気温表示は1℃、そおっとと言うより一気に抜けてゆく。ヤシンタイ沢出合を過ぎ、彩の国キャンプ場までも問題なかった。埼玉県の通行止め表記はこの先の三工場谷出合の先、180度方向を変える辺り。しかし現地にはバリケードも何もなく通れてしまった。
車を停めてもう一度計画を練り直す。この状態だと有間峠まで行けてしまうだろう。車があげられる利点として高度を稼げること。不利な点として上げてしまっては周回し辛くなること。でも時間的な負荷が格段に減る利点が見られ、ピストン行動に変更し周回の時間を考慮すれば、蕎麦粒山まで足を延ばせると考えた。予定変更で峠まで登って行くことにした。途中で工事をしている場所があったが、もうここは広河原逆川線の範囲であり通行の可否を問われる場所ではない。それでも本当に峠まで行けるのか半信半疑、ダメであれば戻って当初の計画通りにしようとも思っていた。
進む先にゲートが現れた。有間峠まで車を上げられてしまった。ゲートから130mほど戻った場所に余地があり、ここを駐車場所としてすぐに準備をする。見上げると星が綺麗に見え心地いいキリッとした冷気があった。新調したヘッドランプを点灯すると、これまでに対し異次元の明るさを見せてくれた。300ルーメンの明るさは、その範囲は昼間のようでもあった。数年前なら数万円したであろうものが、今では数千円で買えてしまう。
スタートする。ゲートを越え有間峠に到着。ここからの東側の展望は素晴らしく、関東平野の夜景が広角に見える場所であった。しかし、ここまでの経路に尾根への取付き箇所が見当たらなかった。無い事はないはずであり、もう一度ゲート側を往復する。結果は無し。となると尾根の東側にあるのだろう。回り込むが、それらしい場所が見えなかった。しょうがないので、ゲート側の斜面を駆け上がる。そして尾根に乗ると、薄い踏み跡が付いており、それが途中から濃くなる。峠より90mほど北側に尾根からの下降点は在ったのだった。等間隔でマーキングも続く。尾根の広い場所では道形が消えている場所もあるが、方角さえ違えなければ再び道形に乗ることが出来た。有視界ならまず問題ない場所。細かいアップダウンを進んで行く。
有間山到着。タタラノ頭と表示してあり、三角点は見るも無残に甚振られていた。この先も相変わらずに細かなアップダウンが続く。進路右には、オレンジ色の夜景が漁火のように見えている。暗くて不都合なのだが、昼間にはない光の楽しみがあるのが夜間歩行であった。あまり道形が濃くないのは、それほど歩く人が居ないと言う事なのだろう。都県境が近くであり、比較され計画するならそっちを選ぶだろう。
橋小屋ノ頭には大きな標識が待っていた。蕨山側を示す道標も見える。僅かに北に降りると鳥首峠と書かれた標識もある。蕨山への進路と間違わないようにしてある配慮だった。大きく高度を下げてゆく。そして登り上げた場所がヤシンタイノ頭で、完全なる通過点のような場所であった。標識もあるのだが、気にして探さないと判らないように、ひっそりと置かれている感じであった。
ヤシンタイノ頭から5分ほどで、しょうじくぼの頭と標識の立つ場所を通過する。そして一気に展望が開ける。夜が白みだし暗い中でも秩父の山々が輪郭を見せてくれる鹿避けのフェンスが途切れる事無く続いている。西に設置してあるので、飯能市ではなく秩父市が設置したもののようだった。
滝入ノ頭到着。北に大持山らしき円錐形の高みが見える。足元の三等点は御影石らしい表情で破損個所なく綺麗なまま埋まっていた。歩き出しから90分ほど経過した。ほぼ同じほどかけて有間峠、そこから都県境、そして蕎麦粒山と時間の足し算をしてゆく。踵を返し伝って北尾根を戻ってゆく。下に降りられれば楽しいのだが、同じ道を伝う虚しさは、これもまた自分が選んだ道。
しょうじくぼの頭は標識があるので判ったが、気にしつつもヤシンタイノ頭は判らずに通過してしまった為体。それほどに存在感のない山頂だった。もしかしたら来光が上り、それに気をとられていたせいかもしれない。進む尾根の東側斜面がモルゲンロートとなり火事のようにオレンジ色に焼けていた。その自然美を楽しみながら南に戻ってゆく。
橋小屋ノ頭からは、またポコポコとしたアップダウンを戻ってゆく。そして有間山に戻り、視線を蕎麦粒山に向ける。同定が苦手な私だが、流石にその顕著に判る位置取りから同定が出来ていた。北に進み下降点の場所から東に降りてゆく。峠に対しやや北に戻るような道の切り方で林道に降り立った。その取付き箇所には特に道標は見られず、落ち葉に埋もれたコンクリートの階段が僅かに見える程度であった。緩く南に登って峠に戻る。
有間峠でザックからリンゴを取りだし、齧りながら林道を進んで行く。進路右上に仁田山があるのだが、蕎麦粒山を計画に入れたことで一番最後になった。当初周回計画では一番最初に登る予定の山でもあった。峠から12分ほど進むと、「日向沢ノ峰」とふられた道標が現れ尾根道へと導いていた。ここで林道を離れる。別の道標には、日向沢ノ峰まで30分と書いてあった。滝入ノ頭の往復を終えた今では、30分は厳しいコースタイムに思えた。
尾根道は巡視路となっており、ステップなども切られ送電線鉄塔まで導いてくれた。この鉄塔には保守用のカーゴが取り付けられて居るもので、あまり目にしない珍しいタイプであった。南に進むと取付き点にあった同種の看板に15分と入っていた。取り付きから既に15分以上経過しており、30分には既に不合格となっていた。早々に結果が見えてしまうのは、なにか宝くじの連番を買った気分に似ていると思えた。こちらには、有間山側に在ったのと同じマーキングが続いていた。
都県境の尾根に乗る。放火帯が続く主稜を西に進んで行く。霜柱が見事に育ち、高い場所では35ミリ〜40ミリほどになっていた。鹿が通過したのか僅かに壊されているが、ほぼ真新しい霜柱を踏みながら進んで行く。途中の1400m峰からは、見上げるような位置に蕎麦粒山があり、逆にその場所から何かに見下ろされているような心境であった。急下降ののち急登を駆け上がってゆく。
蕎麦粒山到着。標柱道標が30度ほど方角を違えている。誰かが回してしまったためだろう。この場所にして三等点が無傷のまま残っていた。東の関東平野側の展望が素晴らしい。岩に腰掛けながら白湯を啜りつつ眺める。本日の最高所は、それこそ最高の出迎えをしてくれた。15分の休憩後往路を戻ってゆく。
降りはじめると、南側斜面から声が上がってきていた。タイミングよく山頂に居られたようだった。トラバースしているのか桂谷から登ってきているのか、時おりその方向を見つつ急峻を下り、そしてまた登り返してゆく。気温こそ低いが日差しの様子は春のような感じでもあった。
都県境の下降点から仁田山側へ降りてゆく。再び送電線鉄塔に戻るのだが、ここは展望がよく開けていて心地いい。送電線が続く西側には、その先に白くなった浅間山が見えていた。高度を落としてゆき林道が近接したら、そのまま尾根通しで登って行く。巡視路だった以南に対し、以北はやや薄くなった印象は拭えない。
仁田山到着。タタラノ頭表記と同じ標識が残っていた。雑木の茂る場所でありながら、木々が密生しておらず空間がある場所で、日が入り居心地のいい場所であった。樹木のおかげで展望は無いのであるが・・・。それでも先ほど登った蕎麦粒山は見える程度には展望がある場所。まあこれはこの時季だからで、葉が生い茂る季節ではまた違うであろう。あとは下るだけ。
峠に向かって行くと、名栗側からバイクの音が上がってきていた。どちらからも通過でき、有間峠のゲートで林道を分断しているという事であった。降りて行き、よう壁の上から見下ろすと、峠の到着したバイカーがヘルメットを取ったところだった。「自転車も多かったなー」なんて声が聞こえる。自転車にも楽しい場所であろう。薄い踏み跡を辿りゲート前に降り立つ。「あっあんな所に人が・・・」とバイクの方が気がつく。野生動物と人間とでは、このくらい察知の早さが違うのだろうと、先ほど見下ろしていた自分とのタイムラグに笑ってしまう。
ゲートを越えて降りて行く。