鉢伏山     761.8m   
            

 
   2015.10.18(日)    


   晴れ   同行者あり      木ノ芽峠経由  行動時間:49M 

                 


@トイレ舎前8:00→(4M)→A木ノ芽峠(前川家)8:04〜05→(25M)→B鉢伏山8:29〜35→(24M)→C戻る8:49


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@トイレ舎横の城址の絵図。 @その下に有名な注意書きが見える。 A木ノ芽峠 A前川家。西側に飼い犬がおり、吠え立てられる。
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ブナの中の山道。 途中から舗装路に乗る。写真左側(樹林の際)には登山道がある。 途中の施設。 B鉢伏山山頂に到着すると、大ぶりな牡鹿が居た。
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B各方面への距離表示。 B冬季用だろう、無積雪期は同定図は上を向いており見えない。 リフト山頂駅 途中で行き合った「狼煙」をあげるパーティーの方。
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途中から見る前川家。 C駐車場所に戻る。    




 

木の芽峠は金沢在住時から気になっており、訪れたい場所であった。茅葺屋根に現在も住み続けている前川家は、素晴らしいバイタリティーと拘りよう。楽をするなら麓に降りる事を選ぶだろうが、住み続ける判断には敬服する。主たる目的はこの峠で、今回の鉢伏山は、そのおまけとなる。

 

敦賀から越前市にR476で向かう。途中の木の芽トンネルを抜けたら、今庄365スキー場の目立つ看板が見えてくる。迷うことなくそのスキー場への道を上がってゆく。冬にはアイスバーンになったら厄介に思える坂を登って行くと、広大なスキー場の敷地に入る。前方右に温泉施設が在り、ゲレンデ中央には舗装路が上へと登って行く。スピードを緩めることなく、その上への道を伝って行く。

 

クネクネとしながら高度を上げてゆく。途中の分岐道は右に見送り左を選ぶ。この先で駐車場が現れるのが言奈地蔵の場所で、現地の絵図を見ながら入山場所を検討しつつ、さらに先に進む。明確な駐車余地ではないが、林道幅が広くなり、その先に朽ちた茶屋とトイレ舎が現れた。木の芽城址の絵図も立ち、到着したよう。上を見上げると茅葺屋根が見える。偵察にさらに林道を詰めてゆく。南側にも別の入山路があるよう。Uターン場所がほとんどなく、どんどん行くと、栃ノ木峠を示した道標があり、三叉路が現れた。ここでUターンし、先ほどのトイレ舎に戻る。

 

軽装でスタートする。城址一帯は私有地との注意書きがあり、かなり気にしてしまう。私有地なら、完全に塞げばいいと思うが、それでは生活に支障が出るのだろう。入って欲しくないが、自分は通りたい。県や町村とのなにか喧々囂々もあったように予想してしまう。行政にとっては、通常は住まないような場所に住んでいる事実が邪魔をしているのだろう。住んでいる事に非はないが、とてもイレギュラーなのだろう。落ち葉の積もったダート道を静かに上がってゆく。

 

木の芽峠と彫られた碑があり、その先に茅葺屋根の家が見えてくる。それこそ忍び足で登って行く。家の前には仏壇へかお墓へか、最近に買ったと思われる花が置かれていた。そして鍋には、水に浸したキノコがたくさん見えた。間違いなく生活感があり、その香りがする。家の前には立派なお墓が並び、もう少し観察しようかと進んだら、役目を果たしている番犬が吠えだした。家の前には観光場所ではない旨の表示があったが、しっかりと読む時間も無く、足早に前川家を後にする。そして逃げるように鉢伏山の方へ向かって行く。入り口道標は薄れ、そこにマジックで手書きして方向を示してあった。

 

山道を登って行く。ブナの植生が至極心地いい。番犬は見えないはずだが、10分以上は吠え続けていた。ある意味いい番犬である。すぐにスキー場の拓いた地形が現れ、そこを通過すると再び山道の中となる。そして次に視界が開けた場所では、右から舗装路が現れ、朝露で濡れる登山道を避けて舗装路を伝って行く。この時季にしてひどく暑い日で、じりじりと焼かれる感じを背中から受けていた。そのおかげか、空が青く雲一つない景色でもあった。

 

進んで行くと、進路左に施設が見え、その先にも特異な屋根を持つ建物が見えてきた。何があるのだろうかと近づくと、手前の施設は不明で、その先の建物はトイレであった。進む先右側にリフト頂上駅が現れる。雨や雷の時はここが簡易シェルターになるだろう。高みに向かって行くと、途中に鉢伏山城址の解説看板があり、右にガーブするように進むと、広大な山頂部が現れた。

 

何かいる。山頂の北端で、大型動物が動いている。大きな角を持った牡鹿が草を食んでいた。安心しきっているのだろう、全くこちらの存在に気づいていないよう。ここでもまた、前川家に近づく時のように忍び足で行く。本日2回目(笑)。距離15mほどまで近づいたか、流石に気付き藪の中へ入って行った。でもしばらくは警戒音を出して近くに居たようだった。広く平らな山頂で、城址らしく、縁に高い場所が見られる。展望もいい場所であり、100人でも受け入れられる居心地のいい場所であった。さて戻る。

 舗装路を坦々と戻るのだが、今度は正面から焼かれる感じで日差しが痛い。この10月中旬にこの夏のような天気は異常に思えた。勾配の強い舗装路を、つま先を踏ん張りながら降りて行く。前川家への分岐道が横切ると、その下で賑やかな声が聞こえだしてきた。登山者が居るようで、判っている人は前川家経由では登ってこないようだった。総勢7名が見える。話すと、この日の10時14分に山頂から狼煙を上げる習わしになっているそうで、その時に使う道具を先頭の人が持たれていた。福井県内各所の山でそれがされるようで、想像すると壮大で面白く思えた。天気がいいので、本当に煙が各所から上がるのなら今日は面白い筈。リーダーらしき人から、「戻って一緒に見ない?」と聞かれたが、目の前がゴール。丁重にお断りをした。

 念願だった木ノ芽峠の前川家を見られた。

 

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