平五郎山 1700.0m
2015.1.24(土)
快晴 単独 楡ノ木沢林道より 行動時間:4H13M
@楡ノ木沢林道入口6:32→(55M)→A林道を離れる7:27→(9M)→B渡渉点(スノーブリッジ)7:36→(28M)→C林道道形終点地8:04→(31M)→D1512高点8:35→(50M)→E平五郎山9:25〜35→(31M)→F渡渉点10:06→(39M)→G林道入口10:45
@楡ノ木沢林道入口 | @ゲートを跨いで・・・。 | ここで分岐するが、右に見送り左の道形を進む。 | 木立のモルゲンロート。 |
途中から平五郎山側を望む。 | 彼も登る。 | A林道を離れ右の尾根に乗ってゆく。ここに至る手前、右に分かれる道が在るが左側を進んできた。 | B楡ノ木沢左俣の渡渉点。スノーブリッジがピンポイントであり左岸へ移る。 |
途中で谷を離れ東側に登ると林道の道形に乗った。 | 左の写真の場所から振り返る。左俣が見えている。道形は西側より上がってきていた。 | さらに上で、もう一本の道形に乗る。一連の道を縫うように登っていたのか・・・。 | C林道道形の終点地。 |
1500m付近が東側での踏み抜きが多くなり西側に逃げる。 | D1512高点 | 山頂大地の肩直下。心地いい広い地形。 | 肩に乗る。ここは休憩するのにいい場所。日光側の展望地。 |
E平五郎山 | E標識 | Eヤキソバパンが手に入らなかった。綺麗な降雪後の景色。 | 山頂南は雪庇の張り出した場所も多い。 |
展望地帰り。 | F1512高点帰り。 | トレースを拾って谷の中へ降りて行く。 | 左俣のなかをトラバースしつつ下って行く。 |
G左俣のスノーブリッジ帰り。 | 痩せ尾根の帰り。右に林道が見えている。日光側の展望地。 | 痩せ尾根から西側の展望。 | Hゲートに戻る。 |
H駐車の様子。夜間は除雪車両と融雪剤の散布車が往来するので邪魔にならぬよう。 |
名前に惹かれて気になっていた場所。藪屋猛者諸氏が登り記録も多い。そんな中、厳冬期の記録は僅か一つで2月の記録。それ相応にハードルが上がるよう。で、1月はまだ見当たらない。週中の降雪もあり、「届かないかも」とも予想もできるが、突っ込んでみる事にした。
状況が判らないのでスノーシューとワカンを持つことにした。スキーも少し考えてはみたものの持ってゆくまでにはならなかった。翌日曜日は行事があり、必要品の買い出しもある為あまり無理は出来ない。いつも以上に気合を入れて大車輪で登ってこよう。
1:30家を出る。いつもしている事なのだが、走りながら助手席に置いた重要装備品入れを手で弄りながら確認する。財布、携帯、カメラ、時計、GPS、“あれっGPSの感触が無い”、どうも忘れてしまったようで、5分ほど走ったものの引き返して再出発となった。経路で忘れ物に気づくのでまだいいが、そのうちに現地に着いて「ない事」に気づく事もあるだろう。直前に準備しているから起きているのだが、改善せねばと思っているがなかなか・・・。
国道122で足尾を経て日光に入る。今市から鬼怒川を経て川治温泉で121号と分かれる。ここまで平穏だった路面は、一気に雪国の様相となる。ちょっと背伸びしすぎたかと、違う山にしようかとも思いつつソロリソロリと進んでゆく。川俣大橋を越え、またぎの里を右に見たら、そろそろ目的地。右側を気にしつつ林道の場所を探っていた。ここまでの雪の量だと、除雪してないと駐車は出来ない。行き当たりばったりとはこのことで、冬季のリスクでもあった。
峠のような場所に上がると林道の道形が除雪のスペースの先に見えた。縦列で3台ほどは停められるほどの広さがあった。かなり時間がかかる行軍であろうからと、すぐさま出発する予定にしていたが、どうにも眠い。わずかに仮眠をとシートを倒した。その横を黄色い回転灯を光らせた除雪車と塩カルの散布車が往来してゆく。
僅かに寝るはずがだいぶ寝込んでしまい、用意していたヘッドライトが要らないほどに白み始めた頃に目が覚めた。クソッ、家を出る時のGPSといい、これで2度目のチョンボをしている。自分で自分が情けなくなる。もっと言えば、経路でヤキソバパンも手に入らなかった。今日の山旅は苦難の予想・・・。急いで準備し、ザックにはワカンを括り、足にはスノーシューを履いた。あとは雪質頼み。時速どれほどで進めるか。やる気はあるがやる気を上回る手強さだと、どこかで判断せねばならならない。そんなことを思いながら踏み出してゆく。
ゲートを跨ぐ。雪面から150mm程の高さにあった。沈み込み量は120〜150mm程。このくらいなら楽な方。雪を貪るように足を前に出してゆく。20分ほどで白い標柱が顔を覗かせる分岐が出てくる。よく判らないが方角からして左の道だろうと選ぶ。九十九折の場所はショートカットを予定していたが、勾配のキツイ場所を進むより林道を伝った方が省力でき、緩やかな場所のみ林道を離れた。この先、上の大地にあがる頃には、来光が背中側からあり、周囲が黄金色に輝いた。やや冷たい風があったが、一気に背中に暖かさを感じるようになった。太陽の大事さを強く感じるのが冬季。
直線的な林道を進むと、また右側に分岐する場所が現れた。間に尾根を挟むように左右に分かれる道だった。ここも左側を選ぶ。その先はやや細いルートとなり、橋の上のような雰囲気があった。その先で林道は左にカーブしている。その手前右側にやや斜度がある尾根があり、ここで林道を離れて尾根を這い上がってゆく。この尾根上にも道形が在るようで、痩せ尾根状の上を伝って行くと道形は谷の方へ進んでいた。この谷が楡ノ木沢の左俣となろう場所。雪面より1.5mほど下に水の流れがあり、一部でスノーブリッジとなって繋がっていた。落ちればあり地獄常態で這い出すのは困難。落ちないように祈りながら探るように足を出してゆく。無事通過。
左岸側をトラバースしてゆく。やや勾配の強い場所に強めに踏み込みトレースを引っ張ってゆく。渡ってから40mほど上流に行くと、東側に歩き易そうな谷があり、そこに吸い込まれる。緩やかな傾斜を登ってゆくと、林道らしき道形に出合う。横切り登ると、さらに上でも出合う。谷の中央部を進んでやや西に弧を描くように進むと、ピンポイントで林道の終点地に乗り上げた。南東側を見下ろすと、その道幅が長く伸びていっていた。ここから山手側は、この時期はやや急峻で登行困難に見える。尾根に取りつきたいので、戻るように東側にコース取りしてトラバースしてゆく。
目指していた尾根にやっと乗る。スノーシューでも下りやすい勾配で続き、これならワカンは不要だったかと、背中でカチンカチンとなる装備を少し重荷に思えた。ここは全くと言っていいほどに獣の足跡がない。またぎの里を麓に見ているものの、成り立つのかと思ったり、やはりここは雪深い場所なのかと思ったりした。
1512高点南からやや日の当たる東側が緩くなり踏み抜きも出てきたが、ここは西に逃げる。そして
9時を境にパタッと風が止み快晴無風の天気となった。これが望んでいた天気。春の残雪期のような暖かさでもあった。そのおかげもあってぐいぐいと快活な足取りでもあった。沈み込み量も少なくスノーシューの持ち込みは正解だった。高度を上げてゆくと、シュカブラの綺麗な風紋を楽しむこともできた。遠望もいいし近望もいい。
肩に乗り上げると、そこは休憩適地。でももうすぐ先が山頂で休まず歩く。ここまでスタートからワンピッチで来ている。そもそも、ここまで楽に上がれるとは予想しておらず、かなりの想定外であった。肩から先は東側に雪庇が出ている場所があるので崩落に注意したい。そろそろ山頂であり、あるであろう標識を追う。やや樹林帯になり、先ほどの肩の場所が山頂なら・・・と後ろ髪をひかれるような感じでもあった。それでも東側の景色はそこそこあり陽が入る。西側は暗く東側は明るい地形となっていた。
平五郎山到着。冬季の最高所は、標識の場所から東に15mほどの場所が一番高くなっていた。その標識は又位の高さに在った。東に移動しザックに腰掛けて那須側の展望を楽しむ。男鹿山塊の山々が並ぶ中、日留賀岳が立派に見えた。白湯を飲みながらコロッケパンを流し込む。12時頃までかかるのではないかと思っていたが、10時前に着いてしまった。全ては雪の状態と天気の良さから。
さて下山。別ルートでとも思ったが、トレースを使わない手はない。スキーを履いているかのように傾斜にスノーシューを滑らしながら戻って行く。やはり肩の場所の展望は素晴らしい。山頂は山頂として、休憩するなら絶対にこちらがいい。そう感じながら一気に下って行く。
山頂から15分で1512高点を通過する。スノーシューを滑らせながら、スキーなら楽しかったろうと思うのだが、持ち込んで楽しいのは短めのスキーとなろうとも感じた。誰か上がってくるかと思ってもいたが、全く気配なし。まあ当然か。林道終点地まで降り、谷の中へ入って行く。そして左俣の左岸をトラバースして戻る。スノーブリッジを跨ぎ飛んで右岸に移る。そして痩せ尾根の上となる。ここからは日光の山々の展望がいい。しばし足を止めてしまう好展望。そして林道に乗る。
陽射しの強さから、既に腐りだした雪がスノーシューの刃に纏わり着いて重くなっている。天気がいいのも痛し痒し。防寒の帽子も脱いでしまっていた。もっとこの陽射しの下に居たいと思えるが、九十九折が終わり、堰堤が見え出した。もうじきゲート。
帰路は霧降高原を通過して行く。無料になったのを知らずに避けていたのだが、早くに気づけばよかった。
振り返る。この時季のスノーシュー登山に適当な場所だろうと感じた。スキーも可で、下りは登り返しはほとんどなく滑る事が出来る。とは言え、雪の状況によっては数人でラッセルしないと届かない場所にも変わるだろう。今回は楽しい部分だけ体験させてもらい、厳しい面は未体験となった。