姫神山     1123.6m   
            

 
   2015.9.21(月)    


   晴れ     単独       一本杉コース往復     行動時間:2H8M 

  


@キャンプ場登山口5:15→(26M)→A五合目5:41→(50M)→B姫神山6:31〜39→(31M)→C五合目帰り7:10→(3M→D一本杉7:13→(10M)→E登山口7:23


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@姫神山一本杉キャンプ場からスタート。 A五合目休憩適地 A五合目のより先。 六合目
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八合目 八合目付近は岩が点在する 岩場の場所から振り返ると、この影。 土場コースと岩場コースの分岐点。
iwano.jpg jinjya.jpg  sekibutu.jpg  hyoucyuu.jpg 
B姫神山の山頂は鋭利な岩が在る。 B本宮神社 B微笑んでいる石仏。 B標柱
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B一等点は真鍮のこの仕様でやや残念。 B東側の展望。 B岩手山側。クッキリ。 途中の薬師神社。
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八号目帰り。 C五合目帰り E一本杉 Fトイレ脇から駐車場に戻る。



 

第3日目の行動は未定で現地入りした。2日目を終えて、岩手山との対とされる姫神山が気になりだした。帰りの日でもあり、朝飯前的にちょうどいいとも思えた。

 

前日に八幡平を松川温泉に降り松楓荘に沈没してから、東北道を跨いで円錐形のよく目立つ現地へ向かって行く。その途中のコンビニで財布を拾ってしまい、その分厚さに抵抗を感じたり、犯罪者でないのに犯罪意識を感じたり、届けようとしナビで見つつ近くの駐在所に寄るが2ヶ所とも不在で、“これは大きな警察署に届けないと”と思った。やや行動の妨げになる財布がお荷物であった。ここは自分の行動は優先させたい。翌日届ける事として、姫神山一本杉キャンプ場へ向かって行く。

 

現地はトイレ舎の明かりのみ点いており、真っ暗な広い駐車場で車のヘッドライトを使いラーメンをこしらえて夕食とした。ビールを飲みつつの星空観察。こんなひと時も旅の楽しみだった。200名山であり、多くのハイカーの車で駐車場が埋まっているのかと思ったが、他の車は1台も無かった。それより気になったのは、林道を上に向かって登って行く車の多いこと。抜け道にでも使われているのだろうか。2日目の疲れとアルコールがいい感じに睡魔を呼び1日を終える。

 

深夜2時台に1台、3時台に1台と、到着した車があった。後者は消灯するどころかヘッドライトがちらつき始め、ご来光目的と読めた。早く帰るには同調するのがいいが、2日間の疲れが動き出す気力を萎えさせていた。出発してゆく背中を、カレーパンを齧りながら見送る。1.5時間の推奨タイム。急げば1時間ほどの山となろうか。等高線はやや密な場所もあり、日が出ない中では滑りやすい場所も多いと読み取れた。ザックの中は、取りだすのも面倒なので幕営装備のまま行動している為体。まあ自分への負荷として・・・。

 

明るくなり5:14出発する。トイレ脇から草原のような場所を上がると、左からの林道が横切る。突っ切るようにハッキリと判る登山道を行く。最初はなだらかで快適な道だった。途中「一本杉」の道標が現れる。その右手にスクンと伸びた一本の杉がある。基部には何も表示はないが、間違いなくそれが一本杉だと判る。水場があるようで流れの音がしていた。帰りに寄る事とし先を急ぐ。

 

 階段状の登山道となった。そのスパンが歩幅と合わずもどかしい登りであった。何か神社の参道のような感じにも思え、途中から段数を数えればよかったなどと思ってしまった。一連の階段を登り切り、左にズレて行くと5合目の肩地形に乗り上げる。ここは広く休憩適地であった。この先から赤土むき出しの滑り易い地形が続く。5合目から10分ほど進むと6合目の表示が見えた。この表示はだいぶ朽ちてきており見過ごしてしまいがちであった。

 

利用者が多い為だろう、尾根上は幅広く踏み固められている。途中から丸太を土止めとして、その間をコンクリートで固めた施しがされていた。ただし、かなり時間が経過しているのだろう、伝いづらい階段状で、ここは左右に避けるように登って行く。

 

7合目は見られず8合目が現れる。ここは古風な道標も現れ、その周囲に岩が点在している。これが私には小さな神様がたくさんいるように見えていた。信心深く見つつ通過してゆく。登山道にやや岩が増え出し、そこに上から鈴の音が降りてきた。30代と思しき男女で、予想を働かせて「ご来光見られましたか」と尋ねると、「おかげさまで」とにっこり返してきた。暗い中出発して行ったのはこの方たちだったよう。朝露で滑り易くなった石の上を伝うと、土場コースと岩場コースの分岐となった。ここで振り返ると、岩手山側にクッキリとした姫神山の影が出来ていた。エッジが明瞭で神々しい限りで、静止していながら生きもののように見えていた。

 

分岐からは岩場コースを行く。ここも滑り易く大岩の間隔が北アの笠ヶ岳や中大日ほどにあり、区間距離こそ短いが飛び移るのに注意が必要な場所であった。上の方に鋭利な岩が見えてくる。右手から城内コースが合流する。そのわずか先が山頂だった。

 

360度と表現したいが、300度くらいの大展望。樹林が邪魔をしている方は、まあ見えないでもストレスは無い角度なのだろう、それより見える側の展望が素晴らしい。この日は岩手山も山頂を見せており、2日間見えなかった見たかったその姿がこの時は見えていた。距離こそ短いが、ここまでの展望があるのなら200名山となるのは納得であった。いつまでも見ていたいような景色ではあったが、財布の件と帰らねばならない事があり長居は出来なかった。コワ坂コースをと迷ったが、前日に登山口に行った感じでは、朝露を纏っていそうなルートに思え、より滑り易そうと思い往路を戻る事とした。

 

土場コースを降りると、薬師神社などの祠が祀られていた。地域の信仰の山で間違いないよう。コース合流点に戻り、スリップに注意しつつ急いで降りてゆく。8合目以降で、単独行者がちらほらとすれ違う。そろそろこの山のスイッチが入ったのか、賑やかになってくる。何も持たずに散歩のように登ってくる方もおられた。まあ距離からするとそれも判る。

 

5合目を過ぎ、細かい階段を一気に降りてゆく。この時に判ったのだが、登りと言うより下り重視に作られたのではないだろうかと思えた。下りはとても快適なのだった。等間隔で途切れる事のないハイカーの姿に、この山の登り易さを感じたりした。一本杉に立ち寄り、その雄姿を下から見上げる。凛々しい姿で堂々と立っている様子に、既にこの山のご神木のような位置づけなのだろうとも思えた。老若男女がすれ違う。会話からは耳慣れない東北弁と判り、連休ではあるがやはり地元民が多いと判る。

 

駐車場に到着。すれ違ったご来光ハイカーと同時に着いた感じであった。駐車場では家族連れや眩いばかりの山ガールが出発の準備をしていた。その眩さに若い人と認識してしまうのだが、よく見ると元20代と思しき方々で、いや元30代と言っても良さそうだった。目の錯覚を感じる山ガールファッションにはどうにも騙され続けている。

 

帰路、財布を盛岡西警察署に届けてから高速に乗る。経路にあった2つの駐在所は皆不在だった。

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