金峰山 2599m
2015.9.23(水)
晴れ パーティー6名 廻目平より往復 行動時間:7H30M
@廻目平キャンプ場8:17→(63M)→A砂防堤分岐9:20〜29→(98M)→B金峰山小屋11:07〜12→(23M)→C金峰山11:35〜50→(18M)→D金峰山小屋帰り13:08〜22→(145M)→E廻目平15:47
@廻目平よりスタート。 | 林道の先の方はやや荒れてきている。途中崩落もあった。 | A毎回これを見ると、なぜかホッとする。 | A砂防堰堤下の分岐。 |
徒渉中。 | 本日のメンバーが登って行く。 | B金峰山小屋 | 最後の登り。 |
もう少し・・・。下側の様子。 | C山頂到着。最高点は左側の高み。 | C三等点。 | C鉄山側。 |
C富士の高嶺。 | C五丈岩に登る。左側上に見える点が、右の写真の黄色い人。 | C五丈岩の上から山頂側。 | C五丈岩の上 |
C上からメンバー。 | Cここが登れずに諦める人が多い。リスに手を入れて、突っ張って・・・。 | Cヤキソバパンと五丈岩 | 下降開始 |
D金峰山小屋からの紅葉。 | メンバー下山中 | E廻目平到着。 | 貰い物写真。右が私。 |
右が・・・。 |
「富士山に連れて行って欲しい」と頼まれ、即時計画して連れて行った事は無し。相手を判らず連れるような力量は自分にはないし、揃わない足を揃えられるような話芸も求心力も持ち合わせていない。よって、声が掛かったが、本題の前に前座的にひと山経験してもらうことにした。経験してもらうのは、本来はこちらで参加者を経験するって事が本当なのだが・・・。
ネームバリューからも、経路の負荷からも、廻目平からの金峰山が適当に思え計画書に仕上げる。林道で準備運動となり、小屋までで森林浴とコケを楽しみ、小屋上からごろごろとした高所の雰囲気を楽しめ、そう時間がかかる場所ではない。下りは小屋から下はふかふかの場所も多く、膝にも優しいと判断した。だらだらと長い林道はどうかとも思うが、パーティー行動で話しながら行くには横に広げられた方がいいだろうとの配慮もした。
5:30に我が家に集合してもらい、1台で現地へ向かう。天気は申し分ないので気にしていないが、逆にこの時期に暑すぎるのも困りものと思っていた。141号で野辺山に向かって行く。廻目平に入ったのはいつ以来だろうか、2006年4月の屋根岩が最後と思うので、既に9年前になる。経路少し時間がおしてしまい、ややアクセルを深く踏みつつ現地へ向かって行く。車内では楽しい会話が続けられるが、歩き出したら、下山したらどんな状況になるのか、なるべく楽しい結果にしたいので相応の気は使うのだった。
廻目平に向かって行くと、上側駐車場が「満車」と表示があった。1km手前のその場所から、大きなザックで歩き出しているパーティーも居る。連休でそれほど混んでいるのか・・・到着が遅すぎたかとややブルーになった。今日の計画では往復で2kmほどでもメンバーにはかなり負荷となるのは判っていた。そしてゲートを潜り金峰山荘を曲がって駐車場に入ってゆく。駐車場はガラガラに空いていた。あの「満車」表示はなんだったのか。そして歩いて歩く人らの健気さ・・・。すぐに準備に入る。総勢6名、やや時間がかかる。
林道を歩きだす。ピーチクパーチク煩いくらいだが、これが負荷なく一番快適に歩けるスピードとなる。沢沿いの道をゆっくりと上がってゆく。常に時計と地形と地図を見ながら計画通りのコースタイムになるように留意する。ちょっとの違いが不安を誘うだろうから。ただし地図も持っておらず添乗員について歩く観光客のようでもあり、時間的な事は気にせずともいいかと途中で気づく(笑)。
堰堤下の分岐少し下の日向で休憩とし、この後も1時間ごとの休憩とした。相変わらず朽ちた車が分岐の場所にあった。ここまで朽ちてくると、在って当然でホッとするものになってくる。木橋で渡渉して左岸の道を登って行く。林道歩きから状況が変わり少し進度が落ちてくる。賑やかだったメンバーから現金にも声が途絶える。なんでもないアップダウンだが、慣れていないと僅かでも負荷になっているよう。少し勾配が増し樹林帯に入ると「休んでいいですか」と後から声が上がってきた。そうきたか、先ほどの休憩から僅かしか経っていないが、ここで一人の体力が把握できた。顔色は白く唇も血色が悪い。疲れているのは間違いないよう。木の根が張りだし、ステップになる場所も多いので勾配があるものの、腿は高く上げずともいいはずなのだが、やはり個々にちょうどいいスピードがあるのだろう。
出発するも、また遅れ出した。歩調を弱め遅くしてゆく。2時間が経過し、2回目の休憩を入れる。先ほどの方は回復してきたようで血色が戻ってきていた。何とか皆でゴールまで行けそう。冗談のひとつ二つ、いや三つ四つ言いながら場を和ませる。スタートするが、休んだ弊害だろうペースが落ちる。もうすぐ金峰山小屋なので、山慣れしている足が揃ってる者を先に送り小屋まで進んで待機をしてもらう。疲れるには協調性が強すぎて、無理しているからだろうと思うからで、完全に遅くていい状況を作りだし後続隊として小屋を目指す。こんな事をするとパーティー行動としては怒られそうだが、臨機応変に対応するのが私。
金峰山小屋に到着。ここまでにすれ違った人からは、「最高の展望でした」と聞きつつ来たが、嫌な事に少しガスが上がり始めていた。もう30分でも早くに上がれたら、大展望で喜ばせてあげられたが、これだと少し展望の制限がされる。自然との遊びなのでしょうがないが、連れる者としては最良を求めてしまう。残り20分ほど。17分で登れると騙し最後の登り。2000円の品を1999円と言うような小細工だった。
向かう先の空は青い。ただ周囲からのガスの上りが速い。岩の中の道を這い上がってゆく。わずか20分くらいだが、休憩した後は辛いよう。やはり休憩が多いのは疲れに繋がるのだろうと思える。五丈岩からの道を右に見て、ズンズン突き上げて行く。山頂標柱が見えてきた。久しぶりに見る山頂。
金峰山到着。お団子標識を久しぶりに見た。そしてさすがの100名山は沢山の人が上がっていた。雲海の向こうに富士山が見えた。登り上げたメンバーから感嘆の声が上がる。やはり富士の存在は凄い。五丈岩側へ降りてゆく。引っ張り上げた自分へのご褒美に五丈岩への単独行動。スルスルと左側から上がり、右にズレてよいしょと攀じる。3分ほどで登れたか、金峰山のステージに立ったような感じでギャラリーからの視線を感じる。登ったからとて周囲展望が変わるわけではないので、やはり自己満足の場所でもあった。下りは下部の方は北側を降りてゆく。と言うのも、見ていると簡単に登れると思うのだろうチャレンジャーが上がってきて難儀しており渋滞気味になっていた。下に降り立ち皆に合流する。
昼食休憩にしていると辺りはガスに包まれ、本当に滑り込みセーフで到着した感じであった。登りより下りの方が「騙す」のが大変であり、談笑しながらも作戦を練っていた。とりあえず靴を縛り直してもらうが、柔らかなソール靴でやや心配材料。ストックが、本来のストックの役目をしていない。持っているだけで楽になるだろうと持ってきている(笑)。
下山開始。膝の使い方を見ていると、下りに強い弱いが一目瞭然となる。良く屈伸して降りられている人は、速度も速い。スキーのモーグルのような感じ。小屋でトイレ休憩を入れるが、入れてよかった。素晴らしく綺麗なトイレを見ることが出来た。臭いが一切なくちょっとした旅館のトイレより綺麗だった。そのためか、利用料金は200円。完全にガスが巻き、それを見るといいタイミングで上がってきたと言える。
樹林帯を降りて行く。かなりゆっくり降りるも、どうしても隊列が長くなる。花などがあれば説明しながら行けるのだが、ここの今は、コケとキノコ。北陸ではキノコのことをコケと言うので、北陸表記ではコケとコケとなる(笑)。それでも毒キノコだが、見るには見栄えのするものがあり、足を止めつつニョキニョキ生えるそれらを見ながら足を揃えつつ降りて行く。
水場で小休止。こんな時に現代人を感じるのだが、水場なら自然の水を楽しみたいのが私だが、メンバーはザックの中のぬるくなった水を飲んでいる。選択は自由なので我関せずの部分だが、自然の中に居ながら勿体無いし、遊び方を知らないのだろうと思ってしまう。冷たい水で喉を潤した私が一番元気になっていると思える。もう僅かで堰堤の分岐。どんどん降りて来て追い抜かれると思ったが、それは無かった。そこそこの時間で降りて来ている証拠かもしれない。
徒渉点を過ぎ分岐に到達。少し荒れた中を進み林道に乗る。あとは坦々と降りて行く。また賑やかにもメンバーの声のトーンが大きくなる。こちらはいつもながら周囲の地形を楽しみながら降りて行く。参加メンバーの中で、ここをどれほど記憶に残せる者が居るだろうか・・・。「金峰山に登った」このことだけの記憶になってしまうのではないか・・・。でもそれでもいいか、楽しかった記憶になれば。
金峰山荘前に到着。翌日以降も休みとしているのか、キャンプ場には連休最終日にも関わらず、まだ張り続けているテントも多い。幕営しながらクライミングを楽しむ岩屋も居るのだろう。西股沢の常設テントサイトから時折歓声も聞こえてきていた。廻目平人気は永遠に続くのだろう。
帰路、ヘルシーパークかわかみの湯(300円)を利用してから上州へ戻って行く。