金比良山    1156.5m (現地は1250m峰で山頂としているよう)


   本神山      1283m                     

 
   2015.1.10(土)    


  晴れ    単独       梓川ふるさと公園から反時計回りに周回    行動時間:6H6M 


 装備:アルミワカン


@梓川ふるさと公園駐車場6:55→(16M)→A山神社7:11→(13M)→B林道に出る7:24→(59M)→C金比良山三角点ポイント8:23〜24→(31M)→D金比良山祠ピーク(1250m)8:55〜56→(5M)→E下降点9:01→(27M)→F南黒沢右俣955標高点渡渉9:28→(20M)→G黒沢支線分岐(左俣に入る)9:48→(26M)→H左俣が進めず斜面に取り付く10:14→(112M)→I標高1380m主尾根に乗る12:06〜15→(11M)→J本神山12:26〜27→(28M)→Kふるさと公園南側獣よけゲート12:55→(6M)→L公園駐車場13:01


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@梓川ふるさと公園は年中開放してあるよう。園内、登り坂は凍っていてツルツルの為、自己責任。 中塔地区の変則十字路を山手側へ。 ツガの木を左に見て進み、阿弥陀堂の場所を南に入る。 墓地の場所から、西に道形を進む。
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A鹿除けのフェンスを開けて入って行く。構造は簡単だが、チェーンの取り外しがし難い。 Aこの場所にして立派な社。この場所から北側に進まねばならないのを、逆の南側の谷部を進む。 B林道に出る。車の轍は、公園内を経てここを通過して行くよう。 林道が東に張り出した場所に取り付き点があったが、この時季急峻過ぎて登れず、少し北に進むとこの階段の場所がある。
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主尾根に乗ると、掘れた道形が続く。 熊棚も散見できる。 掘れた中をツボ足で登って行く。 東電の鉄塔下を通過。
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途中で南からの道形が合流。南への下降点。 C金比良山三角点ポイント。完全なる通過点でピークとは言い難い。 C400mmほど掘ると三等点が出てきた。 C何とか読めるか「コンピラ山 三角点」と書かれたリボン。
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止山のこれら表示が乱打。 南からの道形がまた合流する。 これらが点在。 Dステンレスの祠があり、その前に「金比良山」とふられている。
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E南黒沢側への下降点。 E伝って来た場所を振り返る。 九十九折途中。上部は至極緩やかな勾配で高度を下げてゆく。 中盤くらいで、崩落地があり進路が判り辛い。
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崩落地の先にはグリーンのロープが流してあった。 F南黒沢右俣を橋で越える。この橋が滑りそうで怖い。水量は十分量で緊張する場所。955標高点。ここもロープあり。 やっと林道の道形に乗る。 振り返り撮影。大岩の落石群の中を伝って来た。
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小室砂防ダムの記念碑展望所から見下ろす。 展望所から金比良山側。 展望所から安曇野側。 右俣と左俣の合流点近くに、開放してあるが、チェンゲートが設けられていた。
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G黒沢支線林道(左俣)に入って行く。 林道道形は分岐から200mほどで無くなり、その先の破線路はほとんど見つからなくなり、斜面に取り付く。等高線の密になった危険な場所を登って行く。 途中に在った結晶。 標高1230m付近で、この尾根で初めてマーキングを目にする。黒沢支線林道入口付近から取り付いたのだろう。
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上に行くと間伐作業の痕も見られる。 H1380m。1428高点からの主尾根に乗る。 こちらもボブスレーが出来そうなほどの掘れた跡が続く。 途中の鉄塔の場所が、尾根唯一の展望地。
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I本神山 ISK氏のいたずら書き I金比良山に在ったのと同じ表記。 快適尾根を北に進む。また、本神山からは、東にリボンが降りて行っていた。
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J途中で林道(地形図実線)に乗り進むと、ゲートの場所にでる。ここも開け辛かった。 野球場の脇に出る。  K駐車場に戻る。展望のいい場所で車中泊に適当。周囲はリンゴ畑。   




 軽度に雪にまみれたい。三連休であり、ドーンと大きな企画をしたいところだが、翌日曜日は予定が入っている。遊べる範囲で有意義に遊ぶのが基本コンセプト。

 安曇野エリアに未踏座が点在し、その落ち穂拾いとする。何度見ても気になるのが、金比良山側から南黒沢へと書かれている九十九折の破線。ここまでにくねくねと書かれている場所も珍しく、伝ってみたいと思えた。この部分では金比良山1座で事足りるが、降り立った南黒沢からの金松寺山への破線路の存在も気になり、抱き合わせて歩いて本神山も登ることにした。周回と言うよりは、無理やり2座を組み合わせたので尾根通しで繋がるものではなく、独立した場所をくっつけたと言った方が正しい。

 1:30家を出る。久しぶりに三才山を潜るが、有料道路の割引チケットを買うのにセブンに寄ったが、あいにくヤキソバパンは無かった。その三才山越えでは、温度表示がマイナス7℃と見える。松本盆地も冷え込んで寒いだろう予想ができた。経路は判りやすく、直線的に繋げて、目的地である梓川ふるさと公園に到着した。園地にはゲートでもあるのかと思ったら、意外にも開放してあった。ただし圧雪のツルツル路面で、登って行く坂道ではふらつきの警告灯を点灯させながら登るような場所だった。園内をあちこち回るも、どのように林道と繋がっているのか判らなかった。それより走り回って雪に嵌るリスクの方が気になる。駐車場所は決めたので、次は往路の登山口となる中塔地区側を下見に行く。

 中塔地区の阿弥陀堂の場所は判り、この先に神社があるのだと把握した。新聞配達のバイクが動く中、ふるさと公園に戻って行き、野球場前の駐車場に突っ込み仮眠する。リンゴ畑越しにいい夜景が広がっている。車中泊にもいいし、余計なお世話だがカップルの深夜ドライブの場所にはいいのではないか・・・などと見えていた。シュラフに潜る。

 白みだし準備をする。久しぶりにワカンをザックに括りつける。ここでマイナス5度、動かないとジンジンと冷えてゆくのが判る。出発。最初は下りで、滑る雪面に注意して降りて行く。南黒沢を跨いで中塔地区に入り、そこにあるツガの大木を左に見て進むと、先の方に阿弥陀堂が見えてくる。ここを左折して進むと、右にお墓が林立する場所があり、その先に山手側へ入って行く道がある。雪が乗ると全てが見辛くなるが、目的を持って進めば判る現地だった。

 進む先に鳥居が見えてくる。その前に強固なフェンスが見える。ここも害獣で悩む地域か、こんな場所が増えているのは残念だが、暮らしている人にとっては毎日の事だから私のようなビジターとは感覚が違うはず。雪の上にトレースが見える。お正月でもあり、神社の氏子とかだろうと予想できた。登山靴で踏んだと言うよりは、長靴で踏んだトレースだった。そしてフェンスの前に着く。簡素だが設置してあるチェーンが開け辛い事。簡単に開いてはいけないものとは判るが、ここまでの仕様でなくてもいいような。フェンスの反対側に行くと、そのチェーンが留められないような、手を入れる空間がないので困ってしまった。何とか留めて神社前に行く。

 山神社と呼ばれるここは、立派な社が出迎えてくれた。トレースはやはりここで止っていた。参拝をしてからやや南にズレて谷部を登って行く。掘れた跡が在り道形と思い伝ったのだが、野草も多いのでグリーンシーズンだと歩き辛いだろうと思えた。しばし我慢して進むと林道に乗り上げる。轍を見ると大型の四駆が通過している。そう言えば、準備していた時にハイラックスが公園内に入ってきていた。”そうか、ここに来られるのか”と判った。地形図からは、その林道が東に張り出した場所に登路があるように書かれている。その場所に行くと、確かにある。がしかし、雪がなくても登るのが嫌なほどに急峻。ここしかないのか・・・。少し北にズレると、予想的中で別の取り付き点があった。ここの方がステップが在り登り易い。獣道のような場所を進むと、主尾根に乗る。そこには先ほど下から見た掘れた筋が上がってきていた。上を見ると熊棚が散見できる。居るようだ。

 ツボ足で登って行く。ワカンにスイッチしようかと思いつつ我慢の登り。取り付いてから25分ほどで送電線鉄塔下を通過する。ドブ漬けメッキでなく特異な色をした鉄塔であった。ここからは黒沢山より北に連なる稜線が見上げられるが、流石に2000m級は高い位置にある。鉄塔から2分ほどで、尾根の左からの道が合流してきていた。そして止山の注意書きが見え出す。

 ふと気付くと、三角点の場所を過ぎているのに気付く。自分のトレースを伝いながら戻り、三角点があるだろうと思える場所で雪を掘る。ナビも何も使わないが、寸分狂わずドンピシャでど真ん中を掘り当てた。我ながらいい感覚を持っていると自画自賛する。周囲をよく見ると下がっているリボンに、薄く「コンピラ山」と書かれていた。気にしていないと、この場所はただの通過点。でも地形図からは、この場所が山頂として読み取れる。まず1座。九十九折を歩きたいので、さらに上に進んでから降りる予定。止山の注意書きをいくつも見ながら進んで行く。

 白い景色の中に赤いマーキングが目立ちだす。南からの道形が上がってきていた。そしてそろそろ下降点を気にしないとと思って歩いている中、ふと右手を見ると似つかわしくない光が見えた。それはステンレスの祠であった。その後には木の残骸が在り、建て替え前は木造だったようだ。そのステンレスの祠の前には「金比良山」と書かれていた。不思議とホッとした。先ほどの三角点の場所では煮えきれず、ここなら納得でき山頂らしい。たまたまだが、上に登ってきて良かった事となった。この界隈、地形図の誤記として有名な山名を取り違えている場所もある。同定があやふやな場所も多いのでは・・・なんて思うのだった。西にどんどん進んでゆくと左側に谷地形が感じられた。寄って行くと道形が見えた。九十九折は現存するようだ。伝って降りて行く。

 九十九折ルートの最初は、かなり東側に戻るように進むので間違っているのではとドキドキした。それでもすぐに九十九折を始め、至極緩やかに高度を下げてゆく。ここまで緩やかなら、こちらのルートを伝って登った方が楽だと思えた。何度かショートカットをしてグリセードーをしながら降りて行く。でも子供のおもちゃであるように、コトコトと忠実に九十九折を伝うのも面白かった。中盤以降で1箇所崩落地がある。先の道形が見えずに迷う場所だが、20mほど崖地形をトラバースしてやや高度を下げると、その先に見出すことが出来た。そこには緑のロープが流してあった。ルートを繋げたはいいが、下側ではやや不明瞭な場所が多い。これは雪が在る為だろう。下側に南黒沢右俣が見えてきて、探すと橋らしき場所が見えた。そこが地形図の955標高点である。そこまで残り80mほどとなると、西側の小沢の中に入る。ここにも雪の中に緑のロープが見え隠れしていた。流れの中、実際は凍った中を注意しながら降りて行く。そして渡渉点。

 橋の場所にもロープが流してあった。雪の重みで膝下の高さで流され掴み難い。流れは多く、落ちた後の冷たさを通り越した痛さも見て取れる。ここは落下はアウト。慎重に3mほどの橋を渡って進む。すり足忍び足で雪の状態を確かめながら伝った。そして右岸側に行ったはいいが道が全く判らない。右岸に水面より高い位置に切られているようなので、予想をつけて登ると、橋の場所から下流、35mほど進んだ場所に林道の道形らしき場所が出てきた。出てきたのはいいが、この先のゲジゲジマークのある辺りは、大岩の大崩落地であった。それら大岩を縫うように進んで行く。踏み抜きに注意しながら進むのだが、山手側には鋭利なツララが多く、足早に急ぎつつ進んでいた。

 渡渉してから10分ほど経過すると、林道の道形も安定した場所に出る。そして左下にダムが見下ろせる場所となる。少し進むと完成記念の碑があり、ちょっとした展望所になっていた。トレースがあるのだが、人間でなくシカのもので、シカも展望を楽しんだかと思うと微笑ましかった。ダムの名前は「小室砂防ダム」と言うらしい。進んで行くとチェーンゲートが現れ、通年なのか開いていた。地形図では今伝っている場所が実線で、この先、南黒沢左俣には破線路が合流する不思議な場所。でも実際は立派な実線路というべき道が上がってきていた。ここからの左俣への道には、「黒沢支線林道」とふられていた。

 分岐点から200mほどは道幅もあったが、その先は有耶無耶になり、山道さえも見えてこなくなった。沢の中は凍っており危険で、少し水面より高い位置をトラバースしだす。しかしその歩みは遅々としており撤退をも考えてしまうほどであった。ここは一気に・・・と、破線路を伝うのを諦め南に急斜面を登ることにした。付近で一番等高線のきつい場所となったが、少し上に行けばはっきりとした尾根筋が通っている。そこまでの我慢。でもその実際は、けっこうに厳しかった。滑落しないよう3点確保は必須。木々を掴みながら、雪を蹴り込みステップを刻みながら少しづつ高度を上げて行く。岩壁の中を抜けたり、安全地帯に入るまで40分くらいだったろうか、気の抜けない時間が続いた。

 尾根上は、標高1230m付近で初めての人工物であるマーキングが現れた。二本縛ってあったので分岐を表すものだろうもの。林道分基点付近の山手側にリボンが見えたので、その辺りと繋がっているのではないかと予想できた。尾根を上に進むと、間伐作業の痕が見えるようになる。人の気配を感じてホッとしてしまうのでは、本当に自然が好きなのかどうかが信じ難い。もうすぐ、もうすぐと思いながら尾根を伝う。時計を見ると、ここだけで2時間ほど費やしている。伝った場所が悪かったか・・・標高差に対し時間がかかりすぎている。まあ雪があるからなのだが・・・。

 1380mの主尾根に到達する。金松寺山から北に降りる尾根上で、こちらにもボブスレーが出来そうなほどの掘れた道が尾根上に在った。少し休憩を入れたのち、その中を滑り降りるように下って行く。やや勾配が強く、踵を入れたりグリゼードーをしながら高度を下げて行く。途中に鉄塔が在り、ここは伝った中での尾根唯一の展望のいい場所であった。松本盆地越しに霧が峰側が白く見えていた。

 本神山到着。こちらも止山でその貼紙やテープが流してあった。そして金比良山に在ったのと同じ山名表示がされていた。さらには、南側にSK氏の赤い絶縁も残っている。さあ予定の2座を踏んで、これでミッション終了。ヤキソバパンは携行していないので恒例の記念撮影も無い。ここからはマーキングは東に降りている。釣られそうになるが右に見送り、暗い樹林を北にコンパスを見ながら進む。

 最初はダラットした場所だが、すぐに尾根筋が見えてきて、同時に掘れた道形が現れる。ここはSK氏が踏査してレポートを上げているので使いやすい。至極快適に降りて行ける。安心しながら降りて行くと、下側に林道らしき道形が見えてきたり貯水槽らしき施設も見えてくる。この辺りで進路があやふやになるが、適当に北を狙って進んで行く。途中その林道に乗り、僅かで正面にゲートを擁した公園前に出る。ここにも往路と同じ仕様のゲートが在った。少し時間を使って開閉し中に入って行く。

 完全にオフシーズン。雪の乗ったマレットゴルフ場内を横切るように進み野球場前から東に降りる。駐車場には我が車が1台のみポツンと停まっているだけだった。その静けさが心地良かった。それでも、麓側のリンゴ畑では農家の軽トラが動いていた。公園と畑の境がなく、共存したような造りの部分も面白い公園と思えた。

 ちょっと面白く2座を組み合わせられた。1座1座ではなんとも煮えきれないような経路であったが、充実したものとなった。一番には止山であることを注意しなければならない場所。


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