コウノ巣山     119.7m  
            

 
   2015.11.21(土)    


   晴れ      同行者あり      島内散策        行動時間:5H44M

                 


@加太港8:16〜9:00→(31M)→A沖ノ島野奈浦9:31→(11M)→B第5砲台跡9:42〜45→(8M)→C第2砲台跡9:53〜59→(5M)→D友ヶ島燈台10:04〜09→(4M)→E第1砲台跡10:13〜17→(5M)→F幸助松海岸10:22→(12M)→G聴音所跡10:34〜38→(25M)→Hコウノ巣山11:03〜16→(1M)→I第3砲台跡11:17〜31→(31M)→J南垂水キャンプ場12:02〜05→(13M)→K第4砲台跡12:18〜35→(22M)→L野奈浦12:57〜13:30→(30M)→・加太港14:00


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@加太港の乗船所。駐車場は広いが、そこまでの経路が狭い。 A野奈浦に到着。 B第5砲台跡 C第2砲台跡
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D友ヶ島燈台 E第1砲台跡。トーチカが現存する。 F幸助松海岸 G聴音所内部。特異な木製ブロックを使ったレンガ積み。
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Hコウノ巣山。三角点は右の場所。 H三角点の様子。 H一等点 Hヤキソバパンと淡路島
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直下の巨大アンテナ I第3砲台跡。島内の遺構の中で最大。 J南垂水キャンプ場 K第4砲台跡
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L野奈浦に戻る  L出港前、人数制限により乗れなかった観光客。僅かの差で2時間待ち。     




 11月の三連休直前の19日に面白そうな場所を見つけどうしようか迷っていた。迷いとは、下調べと準備とに時間が少なすぎで決行しても楽しめないと思ったから。それでも前日の20日、大車輪で分刻みの計画を仕上げ決行とした。いざ友ヶ島に行こう。

 

 離島の楽しみと登山(ハイキング程度)の楽しみを抱き合わせにできる場所であった。沖ノ島には山名事典に掲載される山が一座あり、かなり前向きに足が向いていた。和歌山市加太には4時頃に到着した。加太港発の船が9時始発なために鉢巻山を先に登り、降りてすぐに船着き場に向かった。しかしこの船着場への道が判り辛く、そして狭く難儀した。この先もずっとあのままなのだろう。現地駐車場は広いが、港町の中を通過する道幅が狭く交差が出来ない。生活道路でもありすんなり通過とはいかなかった。

 

 8時過ぎに駐車場に到着すると、既に8名が並んでいた。「最低でも8時半までには並んでいないと遅い」と、4時に到着した時に付近の漁業関係者が言っていた。確かに言い得ていると感じたのは8時半になった時。すぐに50名ほど並んで長蛇の列となった。乗船できる定員は110名だが、100名までとしているよう。並ぶことを怠り避けると、まともに旅が遂行できないのであった。そして沖ノ島からの帰り便もまた同じことが言える。

 

 発券所は8:45ほどに開き、押し寄せるようにして列が乱れる。最初に並んでいた順番から、このあと少し乱れるので気にしていた方がいい。ここでは発券数を数えているので、乗船券が買えた人は全員乗船できると言う。9時少し前に乗船し9:02ほどに出航していた。風があり波が高く、さらには釣り船が多くスピードを抑え気味に走っているようであった。中ノ瀬戸通過時は波が入り乱れ高波になっていた。ここもかなりスピードコントロールしながら進んでいた。そして北から巻き込むようにして神島を左に見つつ野奈浦の桟橋に近づいてゆく。

 

 野奈浦桟橋に接岸するが、波が高く暴れ馬を操るように係りの人がタラップを抑えていた。上陸しすぐさま反時計回りに島内の観光をしてゆく。今でこそ人気の場所に思うが、見える施設はほとんどが古い。一昔前の観光地でもある場所のようにも見えた。なかでも友ヶ荘が目立つのだが、昭和初期の雰囲気のまま時間が止まっているようであった。

 

 西に進んで行くと、海の家が現れる。これは「うみのいえ」ではなく「うみのや」なのであった。ローマ字がふられていた。その先で熊崎経由の道は倒壊しているようで、現在は第5号砲台跡経由でのう回路となっている。5号砲台跡を見させるための作為も感じられるが、5号砲台は見るつもりでいたのでう回路とならずとも寄る予定の場所であった。

 

 5号砲台跡は、弾薬庫の扉が現存している唯一の場所で、今でも何かに利用しているようで、内部から灯油の臭いが漏れてきていた。戦時中の遺構がそのままある感じで、時間の経過で自然に溶け込むような感じになっていた。う回路を進むと、池尻浜地区に降り、ここには富士屋別館が、まだ人を持て成せるような姿で立っていた。それでも廃業して大分経つのだろう、訪れる人も少なくなったから廃業となったのだろうと思える。

 

 第2砲台跡到着。海岸ギリギリの場所に造られた要塞。しかし打ち寄せる波のせいか、その前に塩害のせいか、かなり崩壊が進んでいた。それでも往時の大きさはそのまま残している。赤いレンガ色が、周囲の芝生のグリーンに映えていた。ここには一等水準点が埋められていた。次々に見られる遺構にワクワクしながら歩いてゆく。

 

 次に蛇ヶ池に沿うように南に進み友ヶ島灯台の場所に上がる。この海側に子午線広場が設けられ、海を臨みながらの休憩には最適の場所であった。南にさらに進むと第1砲台跡があり、ここはトーチカが形状を保ったまま残っていた。ギヤを切られたラックが、稼働していた時の様子を伝えていた。

 

 幸助松海岸に立ち寄り、海岸に出てゼロメーターにリセットしてから最高所に向けるように高度を上げてゆく。その前にもう一つより道として聴音所跡に立ち寄る。ここはこれまでの煉瓦構造と違い、煉瓦の間に木材を使った音の反響を気にした造りで勉強になる構造であった。戻り、コウノ巣山の北側を巻きこむように登って行く。伝っている全てが軍用道路と言っていいのだろう。今は散策道となっているが・・・。

 

 小展望台からの展望には、若い女性が感嘆の声を上げていた。この先にはトイレがあり、その新旧の施設が見えた。大きなアンテナ塔が見えてきたら山頂は近い。現代的なアンテナを横に、古い石の階段を登って行く。

 

 コウノ巣山到着。南に小高く石積みがされ、そこに一等点が埋まっていた。北側の展望地には多くの観光客が集っていた。船に乗っていた以外の顔もあり、一泊で島を楽しんでいる方の姿も確認できた。ベンチに腰掛け淡路島を眺めながら昼食とした。たいして歩いていないが、だらだらとした経路に意外と疲労感が出ていた。さてここからが砲台跡として最大規模の第3砲台跡地へ入ってゆく。

 

 崩壊や自然の木々の浸食が見られたこれまでに対し、第3砲台跡地は往時のままの姿で見ることが出来、ライトを手にしながら洞窟探検のように内部を見て回ることが出来た。この島に上陸するにはライトは必携。有る無しで面白さが大きく変わる。どの砲台も基本設計は同じ様であるが、ここはさすがに大きい。世界遺産の富岡製糸場の煉瓦倉庫も大迫力であり、つい最近出向いた敦賀の倉庫跡も訴えてくるものがあったが、ここもまたなにか血なまぐささと言うものが感じられるレンガ造りであった。倉庫(部屋)に対する防火帯のような空間を持つ構造が印象的であった。まだ見られる形で将校官舎跡も現存していた。これを見ると加計呂麻島の同じく大戦時の遺構を思い出してしまう。

 

 四差路分岐からは探照灯跡地へ行く。戦火を受けなかった様子で、状態のいいまま現存していた。経路には支えの付いた石柱が連続して並んでいた。石の上部にワイヤーを通したような穴が残っていた。それは電線で配電用の支柱に見ていた。四差路に戻り、ここからは賑やかさが減る尾根に切られた道を進み南垂水キャンプ場に行く。島の北側はあまり観光客が居らず本来の静かな島の雰囲気が楽しめる場所であった。船から見えた北垂水の湾も小ぶりながら存在感のある場所であった。

 

 虎島まで行く覚悟でいたが、連続する同じ形態の遺構に、ややお腹いっぱいになりつつあった。それ以北まで行くには帰りの便に余裕がなくなり、15時半の臨時便、もしくは16時半の最終便になる。乗船できなければ島内に泊まらねばならない。本日第2便で団体が上陸する情報もあり、総合的なリスクを思って第4砲台跡までの観光とした。

 

 第4砲台跡地は、これまでの設計と同じように見えたが、自然に返りつつある上部にあがり南に進むと、ここだけの放射状の星形の構造になっていた。遺構の薮の中をゴソゴソしていると、マニアなのだろう単独の男性が、遺構の暗い中に入ってゆく。なかなかここまで残っているところは少なく、垂涎の的のような場所であろうと思えた。ここを最後に野奈浦へ戻る。

 

 13時頃に戻り出航まで残り30分。芝生の上に寝そべり昼寝を決め込む。そして15分前に並びだす。瞬時にワッと集まりざっと数えても70名ほどになっており、桟橋に数珠つなぎになっていた。それを係りの人がカウントしてゆく。そして僅か後ろでロープで区切られた。以降の人は桟橋から退行させられ寂しそうな目がこちらを向いていた。ここで乗れない人は120分待たねばならない。無事乗船でき、13:30に出航する。

 

 加太港にはほぼ定刻の14時に到着した。 

 

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