クシガハナ   1811m       

   2015.6.13(土)    


  晴れ   単独      高石林道起点より水無川沿いに往復    行動時間:7H49M 



@高石林道起点(ゲート)4:18→(30M)→A越後三山森林公園4:48→(46M)→B十二平5:34→(31M)→C雪見の松6:05→(141M)→Dクシガハナ8:26〜42→(96M)→E雪見の松帰り10:18→(22M)→F十二平帰り10:40→(53M)→G越後三山森林公園帰り11:33→(34M)→H高石林道起点ゲート12:07


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@左に高石林道。右に越後三山森林公園への道。痛んだ箇所が多いためか、通行止となっていた。ここまでの経路に表示なし。 途中から見るクシガハナ A越後三山森林公園前の堰堤は完成していた。 A越後三山森林公園P 高巻のルートが出来ている。
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新しい舗装路。落石もこの通り、すぐ先の斜面は崩れ、造ったばかりの場所が既に補修対象となっていた。 オツル滝 押出しが出てくる。 潜っていこうか、上を行こうか、迷ったり。穴から噴出す風が自然のクーラー。
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林道が雪に覆われる。 水無川全体が埋まっている。 B十二平到着。 尾根上には一切の雪はない。
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C雪見の松 C雪見の松より八海山側。 デトノアイソメを望む デトノアイソメアップ
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不動滝が巻ければ雪伝いに登るのも楽しそう。 途中より中ノ岳。 五竜岳より御月山に続く尾根。中央にカナヤマヅルネ。 クシガハナを見上げる。
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Dクシガハナ到着。 Dクシガハナから八海山側。 Dクシガハナから越後駒。僅かに進めば届くが、今日はここまで。 D中ノ岳側
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D巻機側は靄の中。 Dヤキソバパンと中ノ岳。 D荒沢岳が凛々しい。 D美生柑で喉を潤す。
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上側に見える白い場所が森林公園のよう。堰堤と作道した場所が見える。 D標柱はここまで朽ちている。 尾根上で下が見通せる場所。 力水の道標は朽ちて見えなくなってきている。
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力水の沢側への道は、踏み跡も薄くなっていた。 水無川を見下ろす。雪融けした場所も多いが、今の時期なら快適にデトノアイソメまで行けそう。 E雪見の松帰り。 F十二平に降り立つ。
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F十二平の上流の雪渓。 大雪橋 大雪橋よりモチガハナ沢。 大雪橋より下流側。
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雪渓の上から。 通行止めを無視し入って来ているジモティーも居た。 G越後三山森林公園帰り。 森林公園の下流側に展望舎を見つける。今まで存在に気付かなかった。
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Hゲートに到着。 H駐車風景    




 昨年、デトノアイソメを見たくカナヤマヅルネを併せるよう計画し水無川に入渓した。この時は少し時期が遅かったので、全く雪は見られなかった。現地を観て、雪が在ってこそデトノアイソメなんだと感じた。雪が無いと今一つ垢抜けない場所なのだった。この前年度の記憶があり、残雪期の終わりごろに見てみたいと思っていた。夏の入り口となり気温もうなぎ上りになってきて、雪の在るであろう場所は、行動にも気分が乗ってくるもの。

 
 週中は月曜日以降四日間は講習会と試験の連続で、いつもと違う就労スタイルに心も体も疲れてしまっていた。カシミールを開き見る元気も無く、「もうあの場所に行こう」とばかりに、デトノアイソメを見下ろす展望台であるクシガハナに行く事にした。デトノアイソメを中心にして、一番よく見えるであろう場所がクシガハナに続く尾根だと見えていた。ドローン操作が出来ない私は、足で稼いで観るしか方法はない。

 
 1:00家を出る。カフェインを意識してすぐにセブンでコーヒーを買って、疲れよぼよぼの体を現地まで持ってゆく。関越道はなぜかスキスキで、トラッカーと抜きつ抜かれつの低速走行で六日町インターを降りた。街路灯の明るい場所から、だんだんと暗い地域に進んで行く。「越後三山森林公園」の看板を見て右折してゆく。記憶にある経路をトレースしてゆくと、思わぬ場所で止められた。高石林道の起点となる分岐点で、これは予想外だった。森林公園へ続く道は昨年度は鉄板を敷いていた場所があり、路肩が弱くなっている場所が見られたので、そのあたりが進行したのかと予想した。もっとも、工事の重量車両が行き来していたので傷んだというのが正解だろう。しょうがないのでゲート前の路肩に停める。

 ラジオを聴きながら夜明けを待っていると、八王子ナンバーのワゴンがやってきた。すぐにリアハッチが開き、中を見ると釣り道具が載っていた。釣り師もこの通行止めは予想外だったろう。仮眠をと思っていたが、釣り師が準備しだし、それに感化される。森林公園までカーナビで2.7キロと表示されていた。その分、早くに行動しないとならないのは事実。先日の神奈山で懲りたので、今日はしっかりアイゼンを持つ。

 4:18ゲートをスタートする。釣り師も同じタイミングで歩き出し、5分ほど両名と談笑しながら舗装林道を進んで行く。こんな時に熊の話になるのだが、「怖くないか」と聞かれる。全く怖くないというとウソになるのだが、そこまで怖く思わないので毎週入山しているわけで・・・。テンカラの竿を持ち、こんな天気の日は気持ちいいだろうとウエダー姿の二人を見ていた。話が途切れたタイミングでギヤを入れ替え時速6kmほどで進んで行く。路面にはちらほらと白ペンキで数字が書かれている。この場所がやや傷んでいる様子が伺えた。ただし、通行止めにするのが妥当とは思えない軽微なものだった。そんな中、カブに乗ったジモティーが2台追い越してゆく。間違いなく山菜採りだろう。

 歩きだから見えてくるものとして、森林公園下流の川岸に、二階建ての展望舎が在るのを見つけた。水道も設置してあり、涼やかなこの時季の穴場に見えた。進路の右側、水無川の中に真新しい堰堤が見える。昨年作業をしていた場所が完成したようだ。森林公園の駐車場は、当然だが閑散とした状態であった。高巻の道も完成したようで駐車場の上に見えている。川側の道がまだ使えるだろうと、旧来のルート取りで進んで行く。途中で新しい道と合流するのだが、新しい舗装路の上には鋭利な頭大の落石が多数落ちていた。この場所の20mほど先は、山手側斜面が大きく崩落していた。ここは、昨年通過時に開作する前段階のチェーンソーでの伐採作業をしていた場所。出来上がってすぐにこの状態とはなんとも言えない惨状だった。

 オツルミズ沢のオツル滝を左に見る。冷気が漂い心地いい通過点であった。進んで行くと高倉沢出合の先で雪の押出しが現れる。いつ出てくるのかと気にしていたが、早々にお出ましになった。乗っても沈み込みはなく硬く、涼やかさも併せた快適な通過点。夏はこうでないと・・・。この時季にして、この場所の選定は適当だったよう。雪見橋下流では、水無川を全て埋め尽くすほどの雪渓であった。豪快且つ壮大な印象で、注意しながら照らされて窪んだ場所に足を乗せて登って行く。大雪橋からモチガハナ沢を見上げると、ここもビッチリと詰まっていた。

 避難用の岩屋を左に見て、タニウツギの咲く十二平に到着する。見える上流側にも雪が詰まり、これだと雪に繋がりながら容易にデトノアイソメまで行けるだろうと予想した。雪の多さに、この先もこの状態が続いたらと気にしたが、十二平まで来てしまえば、この先クシガハナまでに雪の心配は一切なかった。

 分岐点からやや濡れた沢のような中を木々に掴まり登ると、その先から登山道らしいルートとなる。情報どおり勾配は強いのだが、この勾配は心地よく疲れる事無く足がどんどん前に出てゆく。まず進路左側にモチガハナ沢の雪渓が見えてくる。ここは遊び場とするには斜度が強い沢のよう。尾根からはそのように見えた。

 雪見の松を通過すると、今度は右側、デトノアイソメを俯瞰するのにちょうどいい場所となる。そして望んでいた雪の詰まったデトノアイソメが眼下に見える。今日の目的をここで7割ほどは達成した気分となる。掌を広げたようなデトノアイソメは、語らずとも魅せてくれる場所であった。八海山側にそのまま雪に伝わって行けそうに思えるが、西不動滝・東不動滝がそれをさせんと待ち構えていた。

 往路は力水の場所が良く判らず通過してしまう。1308高点まであがると、上部にクシガハナの判りやすい姿が見えるようになる。いつもながら、見えている場所ほど遠く感じるもので、それにはこの先はやや足場の悪い場所が連続する。崩落地、岩場、そんな場所にロープを流していない様子からは、あまり手を施さない管理をしているよう。右に中ノ岳がこちらを見下ろしている。そこから御月山まではべったりと雪が付いている。高度を上げると、心地いいどころか風が強くなりTシャツでは寒くなってきたほどであった。温度計は15℃を指していた。

 クシガハナ到着。登頂感のある鋭利な山頂は360度の展望があった。僅かに進めば越後駒ケ岳となるが、百名山と言えども行くほどに興味なし。それよりここで周囲展望を楽しみたい。その越後駒からヨモギ山に続く鋸の刃のような連なり、いつか歩かねばならないので、その起伏と見えている注意箇所を目に焼き付ける。エスケープルートがとりづらいために、入ったからには貫いて縦走せねばならない場所がここであった。クシガハナから見る八海山も優美であった。そこから続く荒山を擁す吊尾根、伝ったカナヤマヅルネを目で追いつつ、歩いたルートを確認する。よく見れば道形が見えている場所もあるが、そう思って判る人が見ないと判らない場所でもあった。遠く巻機山側は、靄の中となっていた。この暑い時期に、ここまで涼しく居られたら本望。居心地よく長居になりそうな気持ちを振り切り下山に入る。

 下界のいろんなことを考えつつ降りていたら、あっという間に1308高点まで降りていた。注意散漫になっているようにも思う反面、考え事をするには歩いている時がいい。いろんな閃きがあるのだった。誰か上がってくるかと思っていたが、それはなかった。往路に判らなかった力水の場所は、その場所の木の根元に朽ちた標識を見つけた。水が出ている側へ続く道は、あまり使われないのか踏み跡が薄くなっていた。ここを過ぎると、再びデトノアイソメの展望地。“5月か6月初旬、いつか雪のみを伝ってあの場所へ行こう。そして一杯の珈琲を飲んで帰ってこよう。”

 雪見の松帰り。ここを過ぎると水無川の雪渓が見えるようになりゴールが近いことが判る。急登の場所ではあるが、そんなに負担なく往復できた。これは心は疲れていたが体は疲れていなかったこととなるのかも。と言うか講習会で座りっぱなしで運動不足であったわけで・・・。エゾハルゼミが合唱している中を、ウグイスが囀る中をポンポンと飛ぶように降りて行く。

 十二平帰り。次回のために上流側をよく見ておく。雪見橋下流で大雪渓に乗って通過して行く。上流側の林道のある場所は大きな雪穴となっており、凄い風量の冷気がそこから噴出しており寒いほどであった。暑いと文句を言ったり、寒過ぎると言ったり、人間とは勝手な生きものである。雪渓を越えてしまえば、この先はジリジリと焼かれる林道歩き。川の中に釣り師を探すも、この時間では見ることはなかった。もう帰ったのかも・・・。

 森林公園の場所が近くなると、進む先に軽トラが現れた。工事関係者かと普通に思ったが、降りてきたその御仁からは「釣れたかい?」と聞かれる。作業着を着ているので、この時もまだ作業者だと思っていた。「いや、山歩きです」と言うと、「駒ケ岳だったら枝折からの方が楽だろうに・・・」とよく知っているジモティーのようだった。「あれ、通行止めじゃなかったですか」と問うと、「退かして入って来たよ」と平然とした様子。「なんなら、乗せていってやると」と言うので、丁重にお断りをした。歩いて入る分にはいいと判断するが、乗って入ってなにかあれば目も当てられない。

 残り2.7キロ。ここにきてやっとネットが繋がるようになったので、端末を叩きつつ諸連絡をしつつゲートを目指す。暑い。上の涼しさがウソのようにここは暑い。夏はこれくらいじゃないとと思う反面、この陽射しの強さは異常にも思うのだった。往路で見た山菜取りは、釣り師は、みな自然の恵みを得て楽しめたろうか・・・。そう言う私の今日は、ネマガリタケ2本のみ。ゲートの場所にイラクサが沢山あり、それ狙いであった。

 ゲートに到着する。すると下流側から男性がやってきた。着替えつつ会話をすると、上州のシニアソフトの選手であり、相通じる会話が出来た。国内でもベスト8ほどには入っているらしく、年を重ねても目標を持って体を動かしている人の元気を分けていただく。山菜にも精通しており、ここでも踏み込んだ話が出来た。

 振り返る。森林公園まで入れれば1時間は短縮でき、それなら越後駒を往復しても同じほどで戻れただろうと思う。今回の行動はクシガハナまででちょうど良かった。落ち穂からして、もう数回は通わねばならない場所でもある。

 

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