桑沢山 1538.3m 楡沢山 1248.6m
2015.6.27(土)
小雨のちくもり 単独 林道袋山線分岐点から時計回りに周回 行動時間:4H59M
@袋山線登山口への分岐点4:32→(14M)→A林道終点登山口5:46→(15M)→B尾根分岐6:01→(27M)→C桑沢山6:28〜34→(22M)→D分岐再び6:56→(4M)→E1454高点六夜さま7:00〜02→(8M)→F1449高点7:10→(15M)→G尾根違い1350m付近7:25→(16M)→H1449高点再び7:41→(23M)→I1291高点羽場山8:04→(15M)→J林道を跨ぐ8:19→(14M)→K楡沢山8:33〜35→(23M)→L南峰東尾根に入り込み再び楡沢山8:58→(8M)→M林道に出る9:06→(25M)→N林道分岐9:31
林道途中のこの表示が出るまで進路が不安であった。 | @起点とした分岐。駐車余地は僅か先に5台ほど停められる。左折する道は、少し荒れてはきているが乗用車が入れる。 | ガスが垂れ込めた中、林道を行く。 | A林道終点地。公園のような広さがある。 |
A登山口道標。 | 経路は止め山で、秋季は注意か? | B尾根の分岐点 | 尾根道はなだらかでほとんど負荷がない。 |
祠が左に見えたら、その先が山頂。 | C桑沢山。晴れていても展望はないよう。 | C標識。大きな標識は落ちていた。 | C三等点 |
Cヤキソバパン。撮影側は東。尾根道が降りていた。 | C南側の様子。 | C伝って来た北側。判っていないと道があるようには見えない。 | 経路の拓かれた場所。刃物跡が多い。 |
D分岐再び | E1454高点の六夜さま | E石碑が並ぶ。他の場所に2箇所点在していた。写真右が六夜さまなのか。 | 1454高点北側。笹が覆うが邪魔をしない程度。 |
時折無毛の場所もありオアシス。 | F1449高点には、林業用の地図が掲示してあった。 | F縦横で、横を向いているので注意。現在地表示が丸ではなく、透明のプレートの上にマジックで塗ってあるので注意。 | 尾根を間違えて北に進むと分岐が現れた。1252高点に向かう道。 |
先の写真の右側。北に進む道を選ぶ。 | G標高1350m付近。ミスルートに気付き来た道を戻る。 | H1449高点再び。写真左側の尾根道に入って行く。 | 1394高点 |
1394高点の表示 | 尾根筋には明瞭な道形が現れる。 | I1291高点の場所は、人工物で賑やか。 | Iここを「羽場山」と呼ぶのか、標識が打たれていた。 |
尾根道があやふやになり、やや進路を東に振ると、山腹に廃道が走っていた。 | 道形に乗っているが、かなり鬱蒼として林道までは密な状態になる。 | J林道を跨ぐ。 | J林道から出てきた場所。写真中央に九十九折をする道形が在り、入口は階段状に造られている。 |
J林道から楡沢山側。 | 薄っすらとした道形が続く。 | 南峰がまず手前にある。復路は、ここから東南東に下る尾根道に入ってしまう。 | K楡沢山。木曽義仲の砦と狼煙台が在ったとされている場所。 |
K二等点が鎮座。 | K祠と、添うように生えるのは御神木となろう。 | Kこの標識がひっそりと、そしてしっかりと自己主張して付いていた。必要最低限で目立つものであり、センスがいい。 | 南峰の東南東を走る尾根。その上にはハッキリと道形が降りている。 |
L楡沢山再び。リングワンデリングしたような感じで、現在地を確認する為にもここに戻った。 | M林道に戻る。 | やっとガスが取れだし、下界が見えるようになってきた。 | 地形図の実線林道が上がってきた場所を通過。南から撮影。 |
N分岐の場所に戻る。 | 経路、ひと株のみこのユリが咲いていた。ヒメサユリのようにも見え可憐。種の保存の為にも場所は非公開。文中でおおよそ判ります。 |
梅雨らしいぐずついた予報の土曜日、どのくらい濡れ鼠になろうかと、楽しみに藪ルートを摸索する。昨年の長畑山・近江山を計画した時に、候補になり少し検討した場所、それが今回の桑沢山と楡沢山。新しい地図では山腹林道で上手く繋げそうに見え、歪だが周回コースが計画できた。
1:47家を出る。R254を伝い、旧和田峠を越えて塩尻に下る。雨の降りしきる中、今日の濡れ鼠の覚悟も完全にできていた。カーナビに目的地をプロットしたが、その案内が無かったら、やや迷った現地へのアプローチだった。通過予定していた場所が通行止めだったりして知らない土地ではちょっとしたことが障害となる、西に膨らむようにして目的の林道に入ってゆく。
左にグランドが見え、マレットゴルフ場の案内表示が現れたら、そこに「桑沢山」の文字を見てホッとする。そこからのダート林道には、気を付けていないと意外と鋭利な石が転がっていた。パンクを誘っているような、不審者からこの山を守っているような場所であった。トルクの細い車を騙し騙し上げてゆく。インジケーターにふらつきサインが何度も点灯する。グリップしていない証拠。途中分岐があるが、直登ルートは草が多く、左の踏み跡の強い方を選ぶ。
次にT字となり新たな林道と出合う。これが西部広域林道なのかと解釈した。右折して進んで行くと、新たな分岐点が現れ、そこに「桑沢山登山口」と記されていた。と言うことは、ここから左折する林道を行けばよいことになる。ハンディーナビを点けると、ここがプロットした基点にしようとした場所で、すぐ先にはちょうどいい余地が4台分ほど広がっていた。
すぐに準備をして歩き出す。ガスの垂れこめた中、最初は九十九折に始まり、その先はブラインドカーブが続く林道が続く。状態は悪くはないが、一般車が安心して走れるほどに踏まれてはなかった。少し足早に進んで行く。経路に道標が一切ないので、ガスの中ではより不安になる場所であった。
分岐からちょうど40分で林道終点の広見に到着した。意外と広い印象の場所であった。向って左奥に登山口道標が見える。ここからは止山の様相の中、進入禁止のテープに沿うようなルートが続く。特に負荷は無く伝い易い勾配で進んで行ける。そして労せず尾根の分岐点に到達した。
尾根を南に進んで行く。クッキリとした登山道ではないが、周囲は低い笹原で視界的負荷も少ない快適な場所が続く。最初のピークは、刃物が入れられた拓かれた場所。何か設置されるのだろうか・・・。歩き易いのはいいことだが、楽すぎる尾根道が続き、こんなに楽に踏ませてもらうのでは忍びない。林道終点まで車を入れたなら1時間も掛からずに山頂に到達してしまう勢い。道形の左脇に祠がポツンと見えてきた。これがここに在ると言うことは山頂が近いか・・・。
桑沢山到着。ガスだからって事ではなく、展望のない山頂であった。東に道形が降りており、尾根道が在るのが判る。南へはなんとなく踏み跡があるように見える。三等点が雨に濡れ、その脇に大ぶりな標識が落ちていた。それより小さなものが標柱に打たれている。伝ってきた北側は、判っていないとその方向に道が在るようには見えてこないような場所であった。ヤキソバパンを早々に登場させて、次の楡沢山を目指す。
帰りに祠の刻みを見ると「八七女村中」と読めたが、判読が正確でないか、何かよく判らなかった。登り上げた分岐まで戻り、新たに北に尾根を伝って行く。幾分勾配が増し心地いい脹脛の張りを感じる。登山はこうでないと・・・。辛いと不平を言い。楽だと辛さを欲したり・・・勝手なもんである。
1454高点が六夜さまと呼ばれる場所で、その表示のプレートが掛かり古からの石仏が立っていた。残念だがここも展望のない場所であった。開けているがガスに覆われての展望の無さだった。尾根上には、他2ヶ所で石碑が立っていた。進んで行くとモシャモシャしだすが、一方で無毛で歩き易い場所も出てくる。進む途中、一輪だけ可憐なユリが咲いていた。ヒメサユリに酷似する見立て、あまり日の入らないような尾根の上で出迎えてくれた。
1449高点に到達すると、予想外の人工物が掲示してあった。林業用の地図が鉄のフレームに守られアクリル板を介して見えるようになっていた。いろいろ沢の名前がふられていて、こういうのは嬉しい地図となる。眺めながら、当然のように丸が書かれている場所が現在地と思い、進路をこのまま北にとればいいと解釈した。この時に地図の設置されている方向をよく見ればよかった。北が右に向いて置かれており、この時にはそれに気付かなかった。ここには東側に降りてゆく道が在った。杣道なのかと見送りつつ北進してゆく。
1407高点は、この尾根で一番展望のいい場所かもしれない。そう言うほどに展望は無いのだが、居心地のいい場所で南側を望むことが出来た。この次のピークが分岐ピークで、西の1252高点に降りてゆく道形も見られた。ここは北に進む。でもなんだかおかしい事に気づいてきた。“外している・・・”懐から地形図を出すと、楡沢山へは北進は北進だが、北東に行かねばならない。間違えた場所はすぐに判った。大きく高度を落とした場所を登り上げて行く。1407高点はやはり展望は良かった。
再び1449高点の地図掲示の場所に戻る。そしてもう一度地図を見る。間違えた事でしっかり地図を見るようになったのだが、その地図には右側を指して北の記号がふられていた。さらに紙の地図をカバーするようにアクリル板が貼ってあるが、その上に黒マジックで現在地が塗られていた。最初にこれが判読できたら間違えなかったと言い訳をしたい。地形などは現地で判断するものだが、地図は自分の持ち物で行動した方が読み違えしないように体感した。これもいい勉強。最初に到達した時に見た東へ進む尾根道に足を踏み入れて行く。
分けて進むような場所はなく、ほとんどが膝下で処理できるような植生が続く。そんな中でも1394高点の場所はモシャモシャとしているのだが、ここを過ぎると道形がハッキリしてくる。この辺りは林業作業者が入っているとか、キノコ山としての持ち主が入っているかで踏み跡が違ってきているのだろう。ここに登山者が関わる事は稀の筈。高度を下げてゆくと小横川川側(ちょっと言い難いが)の展望が開けてくる場所がある。ちょうど1291高点に対する鞍部なのだが、ここは野草が密生しイバラも多く分けて進む場所であった。過ぎてしまえばまた状態は良くなる。
1291高点には林班の表示が多数立っている。その中に「羽場山」と書かれた標識があった。この山塊全体の総称のように思っていたが、このピークを指した固有名詞のようでもある。麓から見ると羽を広げたような場所なのだろう。道形に沿って降りて行くが、もうすぐ林道となるが気を抜いていると進路があやふやになる。続いていた道形を見失い藪の中となってしまった。逃げるように東(南)側に分けてゆく。するとそこに、これまでとは違う道形が南に向かって登っていた。里山にはいろんな杣道があるのだが、これらがために迷う場合もある。これに伝って北に降りて行く。ここもかなりモシャモシャで目線以上の高さの野草があり、分けて進む場所となっていた。林道が見えてからは少し平行して進んで、右にターンするようにして、最後は階段状に作った角材を踏みながら降りて行く。
やっと林道到着。途中までは楽に思っていたが、迷った事と植生が濃くなったことで、それなりに藪山モードになってきた。さて次は楡沢山への登り上げ。取り付くと最初は針葉樹の下が歩き易く、その先は獣なのか、薄っすらとある道形を伝う。往路は南方の西側を巻くようにして進んで行く。尾根に乗るとこの辺りはそれと判る踏み跡がある。杣道で間違いないだろう。伝って行くと広い山頂部に乗り上げた。
楡沢山到着。人工物としての祠が存在感を示していた。二等点がひっそりと完全体で埋まり、梅雨時期の潤いを受けていい表情をしていた。山名標識はないかと探すと、少し離れた松の木に、赤い標識がひっそりと打たれていた。これはいい。目立ちすぎず、それでもしっかりと目に入ってくる。大きさも大きすぎないで、内容も必要最低限。評価される新たな標識だろう。よく見るとそこにはザトウムシが3匹くっ付いていた。何故だろう。この山頂は木曽義仲の砦と狼煙台が在ったとされている。そう思って山頂部を見る。往時はここまでの植生は無かった筈であり、周囲が良く見えたのだろう。最終座を踏んでもう林道を戻るだけ。その楽な気持ちが次のルートミスを誘った。
南峰まで戻り、何も考えなくそこからの南東尾根に足を踏み入れた。もう僅かに行けば林道であり、僅かに南に振れば林道に乗れると思っていた。地形図に見える破線路を林道と取り違えて記憶していた為にこんな思考になったのだが、ここでもミスとは思って居ないので、地図を開くことは無かった。降りて行くのだが、なかなか林道が現れないので、そこではじめて地形図を確認する。もう苦笑いであった。今日は2度の大間違い。少し登り返したら、南峰まで行かずに山腹を西にトラバースして行く。しかし行けども行けども林道から登ってきた尾根に当たらない。いくつの尾根を跨いだろうか、現在地が判らなくなり、リセットする為にもう一度楡沢山に戻る事にした。これは高い場所を目指せばいいだけなので判りやすい。
再び楡沢山。間違えやすいのは南峰であり、そこからが注意。再びミスを繰り返さぬよう南峰からはコンパスを見つつ方向を決めた。確かにここから林道へは顕著な尾根ではないので、見える南東尾根に吸い寄せられる感じなのだった。それにしては進路方角が違うのだが・・・。広い地形の中を野草を分けながら降りて行く。途中で往路の踏み跡を見つけホッとする。向かう先に乾いた色の(実際は濡れている)林道が見えてきた。
林道に乗ったら南に進んで行く。状態のいい林道で、頻繁ではないものの往来はある使われている林道に感じた。途中左(東)からの林道が横切り西に上がっていた。地形図に見える実線路のようだが、草が覆い廃道化しているようにも見えた。林道脇の花を愛でながら行く。途中沢があるが、水を得るにはちょっと面倒な場所であり、経路で容易く得られるような場所は無いと感じた。今日は30分ほどロスタイムをしたか、それがために楽しかった印象もある。迷いやすいのが里山であり、里山をなめてはいけない事を改めて体感させられる。向かう先に車が見えてきた。この場所も流れがあるが、水を得るまでには分けて進み衣服がドロドロになりそうであった。
振り返る。晩秋の頃はキノコ山となるので微妙だが、野草が枯れた時季なら、もっと歩き易い尾根となろう。経路、山頂もそうだが、展望のある休憩適地はなかった。その点では、この先も登山対象の山としてはマイナーなままで好事家のみ登る場所なのだろう。