前ノ山     1079.3m           白板山    1248.4m (届かず)                    

 
   2015.2.21(土)    


  晴れ    単独       三俣地区より送電線下を伝う   行動時間:4H29M 

 装備:スキー


@国道17号余地6:04→(66M)→A送電線下を離れる7:10→(26M)→B尾根に乗る7:36→(64M)→C前ノ山8:40→(31M)→Dナイフリッジに進路を阻まれ万事休す9:11〜31→(24M)→E往路のトレールに乗る9:55→(17M)→Fトレール(林道)を北に伝う10:12→(14M)→G仁平旅館前10:26→(7M)→H駐車余地10:33


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@国道17号は三俣郵便局への道の入口にある余地。帰りは除雪隊の車に囲まれていた。 最初は水無川に沿って進み、途中から送電線下を進む。 トレールが横切っていた。後で判ったが、林道が横切っていた場所のよう。 3つの鉄塔を通過して行く。
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送電線は稜線を越えて北東に進む。そのまま下を行く。 振り返る。 Aこの先、送電線下は急峻になるので、西に取り付いた。 A取り付いた斜面。尾根までは急峻で、何度も九十九を切って登って行く。
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B途中雪崩れの危険のある場所もあり、慎重に登り、やっと尾根に乗る。 途中から振り返る。下に歩いてきた場所。 来光。この日も降雪後。 かなりの積雪量と判る。
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快適尾根 前ノ山の西峰。 C前ノ山到着。トレールは獣のもの C前ノ山から芝原峠を挟んだ向かいの山を見る。
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C前ノ山から白板山。すでに狭稜が見えており、行けるのか不安になっていた。 稜線の送電線下を通過。 関越道側の景色。 エビの尻尾も発達し・・・。
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途中から神立のスキー場を俯瞰。このあたりがスキー場トップの真上。 D本日の最終到達地点。雪が柔らかく危険すぎるのでここまでとした。もう少し締まればアイゼンで通過できるだろう。 苗場側の景色もすばらしい。 戻って振り返る。この沈み込み量。これで進んでいたら、落ちに行くようなもの。
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中途半端にヤキソバパン(笑)。 今日の板。 フカフカのパウダースノーを滑る。ただ、稜線下は雪崩れの危険があり、注意が必要だった。 テールすべりに徹してどんどん高度を下げてゆく。
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E針葉樹林帯から出て、往路の送電線下のトレールに乗る。 F横切っていたトレールを伝ってみる。ここで進路を90度変える。 出た場所。民家の横に出た。CPの続いていた様子から、林道の上にトレールが続いていたよう。 G降りてきた場所を振り返る。2.5mほどの積雪量で、降り立つのに苦労する。
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G仁平旅館横に出る。 H除雪隊の車に包囲されていた。工事関係者用に除雪した場所のようであった。    




 前々週の天丸木山時に、次はここと決めていた。次週は豪雪で甲州に逃げたが、またまた好天日がやって来てスキーを持って出向く事にした。

 星が綺麗な上州の空だったが、三国トンネルを潜ると越後の空は雲が覆っていた。雲は降雪の残りか、周囲にはフカフカの新雪が見える。ここまで降っているとは知らず、今日は短い板でと思ってきたが、すぐに長い板しかないと判断できた。二居地区を過ぎ三俣地区に到達する。ここで駐車余地を探さねばならない。三俣郵便局へと入っていく道の入り口に7台ほど停められるスペースが除雪してあった。他はないかと地区内へ進んでゆくが、あまり目ぼしい場所はなく、17号路肩の除雪スペースに突っ込んだ。除雪車の邪魔になるだろうと気乗りしなかったが、歳とともにずうずうしくなる自分が居るようだ。しばし仮眠。

 かぐらみつまたスキー場側は、緑色のライトが周囲を照らす。その明かりを薄くするように夜が白みだし外に出てシールを貼る。今日もワックスをかけてこなかった。かけてある短い板の出番はなく、所謂準備不足。まあ滑るより歩行具の意味合いが強いのでよしとする。塩カルの散布車が通り過ぎてゆく。

 6:04板を担ぎスタートする。集落側に進み、水無川の左岸付近から雪の上に乗る。高低差は除雪機の為か3m近くあり普通には登れず、除雪されているスペースからなんとか入ることが出来た。暫くは川の中を進む。水無とは言うものの、流れがあるのではと心配しつつ進むのだが、何か通過していてくすぐったい。途中から左岸に移り樹林帯の中を行く。今日は幸い無風だった。ピステンが動き出したようで、背中側のゲレンデから重機の音がしていた。

 樹林から飛び出し視界が開ける。送電線の下に出てスキー場のような広さの中を今度は東進して行く。雪が深く柔らかく、帰りに滑りにならないだろう事が既に判っていた。付近は地形図に見る緩斜面、ここは致し方ない。暫く進むと二人分のスキートレールが横切った。まだ新しく前日のもののよう。タカマタギか白板山のものとなろうが、この時期、もの好きはこのエリアに集まるようだ。

 変わらず送電線下を進み、当然送電線の屈曲点にも鉄塔があり、途中から北東に進路を変える。そして稜線の鉄塔が見える場所までくると、このまま突き上げたのでは雪崩れの巣と見え、ここでどちらかに振らねばならなかった。いつもの判断は、お日様が照るのが早いほう。前ノ山側の時計回りでの行動とこの時決まる。

 やや急峻の斜面を我慢しつつ九十九を切って行く。板の長さが邪魔だと思える時でもあり、その板の浮力でこんな場所を登れてるんだと思える時。斜面に生える木の下には穴が出来ており、2mほどの深さが見られた。そこに小動物の足跡も見える。雪のおかげの暖かさか・・・。いまにも雪崩れそうな斜面に、半分祈りつつ、半分は自分を信じて足を出す。当然流れ出したときの対応も考慮に入れて。

 やっと尾根に乗る。乗ってしまえば快適尾根であった。待っていた来光もあり、少し前からは苗場側が赤くモルゲンロートとなっていた。尾根を行くと、ヤドリギがちらほら見え出し、それが辺り一帯に見えるようになった。ここまで繁殖すると一帯が枯れてしまうのではないか・・・と思えるほど。寄生しているほとんどがブナであり、どちらも生きねばならないことを前提としても可哀想に見えたりした。

 新雪のおかげで、なかなか進度が上がらず深いトレールを引っ張りながら登っていた。それでもそろそろ前ノ山に到着する頃。進路右側には、そこから続く白板山までの稜線が見える。いや、既にこの時に狭稜と見えていた。やはり地形図通りの冬季も険しい場所か、なだらかな足元の今、あそこまで進むと全く状況が変わるようだ。高く上るほどに今日は緊張せねばならない。

 高みに到着し前ノ山かと思ったが、それは西峰だった。東に下って登り上げると、こんもりとした前ノ山本峰(東峰)が待っていた。既に登頂者がおり、その獣の足跡が先に進んでいた。ここに来ると神立高原スキー場側の音が強くなる。数枚カメラに収めたらすぐに東に進んで行く。三角点があるはずだが、掘り起こす気は全く起こらない。

 下から見えていた稜線の送電線が目の前にある。そこから南の下側を見下ろすが、雪庇の下は垂直に3mほど落ちていた。前ノ山のみだった場合のスキーコースを見ていたのだが、等高線が密な場所で滑るのには適していない。そこを右にして次のピークに這い上がる。雪がどんどん深くなるのが足に伝わる感触で判る。これはヤバイ・・・。リッジの通過は・・・。

 北側には蟻のように動くスキーヤーが見下ろせる。下から私の姿を確認する人は居ないだろうが、ここから雪崩でも北に誘発したら、スキーヤーに影響が出るだろう地形でもあった。注意しつつ、気にしつつ慎重に行動した。そして目の前にリッジ尾根が見えてきた。しっかり締まれば伝えそうだが、今日は無理。突っ込んでみたい気持ちはあるが、それを無謀と言う。距離にして300mほどは危険地帯は続くか、その距離を緊張を保ったまま進むのは困難。そこを平然と進んで行く獣の足跡が羨ましかった。北側に寄れば雪崩れ、南に近づけば雪庇が落ちる。この時季のこの付近の記録がないというのはこのことか。ここが通過できないのだろう。ある程度進んだので、戻る為にターンするにも緊張した。雪崩れる、落ちるかもと、常に感じる足許であった。

 引き返し危険の心配のない場所でザックに腰を降ろす。そして通れなかった狭稜を眺める。綺麗な景色。人を寄せ付けない場所ほどに美しい場所が多い。今日はここまでで満足。シールを剥ぎ滑降の準備に入る。ただし等高線が密であり、最大限の注意は必要。そして運も。北に進みながらドロップインできる場所を探す。雪庇の割れ目がそれなのだが、その下はかなりの急峻だった。二つ目の割れ目で意を決して勝負。最初と2回目のターンが肝、その下まで行ければ安全な斜面になる。フワッと浮かんでササッとターンし30mほど降り見上げる。危ない斜面に雪崩れやすい雪。でも降りるのはここしかなかった・・・。

 そのあとは終始テール滑りでどんどんと高度を下げてゆく。気持ちいいほどに雪が舞い上がり、これぞバックカントリースキーと思えた。下の方にへ行くと、谷形状が続くものの緩斜面になり滑らなくなる。テールを開放しスケーティングしながら樹林を抜けて行く。こうなると、このあたりはスノシューの方が適しているのかも。

 送電線の下に出て往路のトレールに乗る。少しは滑るだろうと思えたのだが、全く滑らなかった。これはひとえにワックスの有無が関係しているだろう。遊びもメンテが大事。途中、横切っていたトレールに伝って見ることにした。進路が右に90度変わる。何処に連れて行かれると思ったら、やがて電柱が見えだした。と言う事は道に沿っているようだと理解する。林道上にスキーを這わしている事から、よく現地を知っている人が入ったようだ。どんどん進むと流れを跨ぐ。その先に民家が見え出した。何処に降ろされるのかと思ったら、その民家のまん前で、家の二階の窓が目の前にあった。スキーを外して滑落するように2mほどをドスンと落ちる。何とか着地。大通側に進むと仁平旅館が右に在った。ここが林道の出口なのかは雪がなくならないと判らない。

 国道側に戻って行く。日が高くなったので土曜日の生活が始まっている。灯油を配達するローリーが居たり、やはりこの厳冬期はここでの消費量は多いのだろう。車道に出て駐車場所を見て唖然とした。黄色い良く見る工事車両に我が車が囲まれていた。これでは帰れない・・・と思って近づくと、前方側に出られるだけのスペースを空けておいてくれた。どうも私の車が横柄な態度だったのだろう。まあ無断駐車であり、これらのリスクがあって然り。次は注意しよう。

 振り返る。冬季は、特に残雪季前は周回は無理だと感じた。ソロでは・・・。こんな場所もあっていい。強く印象に残るから。



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