中山    1519m                     

 
   2015.12.26(土)    


  晴れ    単独       菖蒲ヶ浜より   行動時間:3H44M 



@菖蒲ヶ浜5:31→(48M)→A千手ヶ浜6:19→(22M)→B中山取付き6:41→(39M)→C中山7:20〜21→(23M)→D柳沢川7:44→(35M)→E千手ヶ浜帰り8:19→(56M)→F菖蒲ヶ浜9:15


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@菖蒲ヶ浜 旧日光プリンス前より。 最初の道標で湖岸の道へ入って行く。 赤岩 高山の分岐点には、大きな虫ようが見られる。
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A千手ヶ浜の夜明け前 南への周遊路は補修中であった。 乙次郎橋を渡ったら養魚場の方へ進む。 養魚場脇を進み、そのまま西進する。
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途中に湧水地があった。西側から東側を見ている。 B中山の東尾根末端。 尾根に取付く場所には僅かに踏み跡でバンドが出来ている。見える高みは黒檜山の前衛峰か。 1310m付近の様子。この先ずっとシャクナゲ帯が続く。尾根を避け、山腹を進めば全て回避できる。
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1360m付近の唯一のコル。この先は急登。 頂上直下 C中山山頂。展望は無い。 C御料局三角点
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北西尾根を下る。最初は進めるが、中盤から急峻になり東側の谷歩きに切り替える。 谷の中に入って行く。危険個所は無い。 谷に入る前の降りてきた斜面。ザイルが欲しかった。 柳沢川に出る手前。
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降りてきた谷を見上げる。 D柳沢川に降り立ち雪を纏った白根山を見上げる。 柳沢川の中を東に進んで行く。 途中から中山を振り返る。
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堰堤の場所では、枯れ沢となった中で、残された水の中に大きな魚が何匹も見られた。 魚影。大きなものは1尺5寸ほどあった。マスのように見えた。 養魚場への道が柳沢川を横切る。 木橋を渡って車道に乗って千手ヶ浜へと戻る。
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E千手ヶ浜帰り。絶景!! 見栄えがいいのだが、実際は風があり寒かった。 湖岸の周遊路を戻って行く。 よく管理された道。
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猿が居たり・・・。 F菖蒲ヶ浜に戻る。駐車の様子。    



 

 2.5万図「中禅寺湖」内で、未踏座は中山と丸山のみとなっていた。今年はまだ雪も遅く、このタイミングにして適当な場所に思え狙ってみることにした。

 

 入山は大岳の時は赤沼を選んだが、今回は菖蒲ヶ浜からとした。バスの動いていない時期であり足でアプローチするしかない。と言いながら、バスに乗りたいような言動だが、じつは一度も乗ったことがない事実。バスが動いていない時期にしかこのエリアに入っていないって事になる。

 

 1:10家を出る。満月の夜、周囲が明るく夜道が走りやすい。大間々からの国道122号では、4頭の鹿に出会いつつ足尾を抜けてゆく。追突しそうになった個体もあり、実際に猟師は追突して獲ることもあるそうだ。夜明け前の猟であり違法だが、道路上とならば不可抗力に出来るのだろう。日足トンネルを抜けて細尾交差点から西に向かい、第二いろは坂を登って行く。以前のこの時季には、雪の上を慎重に登った記憶があるが、この日は路面に気を使う事無く中禅寺湖畔に登りあげた。新聞配達の車と前後しながら奥日光に向かい、四時の時報と同時に菖蒲ヶ浜のプリンスホテル前に到着した。なんとピンポイント、新聞配達車もそのプリンス前の住宅に配りに入ってきていた。ロータリー辺りに停めようと思っていたが、その住宅は明かりが点いており見られている風で居心地が悪い。少し戻って散策路入口の余地に停める。しばし仮眠。

 

 5:31ヘッドライトで歩き出す。最初は広く、何処に道が切られているのか見辛い感じがあったが、最初の道標が現れた後は、一本調子で歩ける明瞭な湖畔の周回路になった。管理も良くされており危険箇所への注意書きも多い。落ち葉をラッセル車のように踏み分けながら進んで行く。木道(木の階段)の場所にはアイゼンの痕も残る。満月が中禅寺湖に写り込みとても綺麗なナイトハイクになっていた。風が波音を作ってくれ、寒い中でもその音が心地よく聞こえてきていた。

 

 高山の分岐点には大きな虫ようが出来ていた。白砂の波打ち際に近接し、この付近からはより心地いい散策路であった。と言ってもヘッドライトで見える範囲に限られるが、大光量のヘッドライトにしてからは夜の視界が大きく変わっているのは間違いない。こんなに世界が変わるなら、早くに購入すればよかった・・・。外気温はマイナス1℃、少し足早に進んできて桟橋の懐かしい千手ヶ浜に到着した。3.8kmを50分ほど、時速5kmに少し欠けるくらいで歩いてきたか、と無い頭で暗算しながらビジター小屋前に立つ。東の空が明るくなり、色が無いながらもシルエットとなって美しい景色であった。

 

 千手ヶ浜から南に進むと、そこでは散策路の工事をしているところで、防腐剤を吸い込んだ材木での木道が造られていた。さらに南に進み乙次郎橋を渡ったらすぐに、右(西)に見える養魚場への道に入る。養魚場には管理者が常駐しているようで、2台の車が停まっていた。既に周囲は明るくなり見渡せるようになってきていた。養魚場の西端から車道は北に進路を変えるが、そのまま西進を続け原野の中を突き進んでゆく。ここで足許に野草があり、それらの種子が付着するのではないかと気が気でならなかった。1分ほど下半身に集中しながら様子を見ていたが、付着するものは無く一安心となった。

 

 養魚場から3分ほど西に進んだ場所には湧水地があり、そこから川のような流れが出来ていた。微細な起伏があるのみで、とても歩き易い場所が続く。視界もあり前方に円錐形の目指す場所も見えてくる。歩き易い場所を選びながら進む。途中には野生動物監視用だろうカメラが設置してある場所も見られた。中山に近づくと、手前を横切るように涸沢があり、そこには堰堤も造られていた。尾根の末端はその堰堤の向こう側にあり、水の無い中を渡渉して左岸側に行き尾根に取付く。

 

 尾根の末端には、好事家が多いのか踏み跡でバンドが出来ていた。もしくは獣道となろう。最初は快適な尾根歩きであったが、1300m付近からシャクナゲが見え出す。時季よろしく葉が凍って閉じているので幾分漕ぎやすい。それでも多い少ないはあるもののあまり途切れる事無く続いている。そのオアシスとなるのが1360のコルの場所。見上げる急登の場所では、フィールドアスレチック的な手足を使って這い上がるような場所で面白みがあった。でもシャクナゲがある。尾根通しで伝って来たが、僅かに尾根を外せばシャクナゲも回避できた。その分の歩き難さあるが、大きく下って巻くのではなく、僅か数メートル尾根を外せばいいだけなので、ここではその選択の方が楽に歩ける印象であった。左右に振りながら進んで行く。

 

 尾根に取付いたら、標高差200mほどなのですぐに着いてしまうのかと思ったら、シャクナゲのおかげか意外と遊ばせて貰い時間も要した。あと、こんな顕著な一本尾根なのにマーキングが続いていた。迷いようが無いと思うのだが、安心材料なのかもしれない。そろそろか、前方が明るくなり、周囲でそこ以上の高みはないような場所直下となった。

 

 中山到着。御料局の三角点が渋く眠る。1枚の標識と、二つのリボンが下がっていた。そのうちの一本はフジオカTK氏のものであった。到達したものの展望の無い場所であり休憩を入れずにそのまま北西尾根へと降りて行く。こちらにもマーキングが続いていた。東尾根と比較し、どっちもどっちではあるが少しこちらの方がシャクナは薄い印象であった。ただし、途中から急峻になりザイルを垂らしたいほどになった。ここで北側に伝えそうな谷があったので、そこに入って行く。私は下山時に谷を多用する。その方が歩きやすい場合が多いから。まあ尾根歩きの方が間違いは無いのだろうけど・・・。

 

 雪があれば楽しそうな谷の中を、今は落ち葉の上をグリセードをするように踵を入れながら降りて行く。見える柳沢川の向こうには、雪を纏った日光白根の山塊が見える。ここも雪が在ってもおかしくない標高だが、全く無かった。そして水一滴も感じられない柳沢川に降り立つ。川幅は20mほどあろうか、雪融け時にはこの巾いっぱいに流れるのだろう。その川底の中を下流側へ進んで行く。

 

 左岸側の木々には鹿除けの施しがされ、そこは往路の養魚場からと同じような地形で広がっていた。川の中の方が歩き易く、より小さな砂利の場所を選んで進んで行く。途中には堰堤も見られるが、その多くが既に埋もれている。建設当時はどれほどの高低差が出来ていたのか、年月とは・・・。進む前方に男体山が見える。ふと振り返ると、同じようにスクンと立つ中山の姿があった。面白い絵面で、下流側と上流側に同じように顕著な山が見える場所があるのだった。

 

 堰堤の場所に水が残っている場所があった。上から覗き込むと巨大な魚影が見える。1尺5寸ほどあろうか、ここならタモでも獲れるだろう、取り残されここから動けなくなってしまったようだ。さらに下の堰堤には6匹ほど見られ、ここにも大きな個体が確認出来た。そしてさらに下の堰堤にも・・・。ヒメマスなのか、黒い固体が視界から逃げるように泳ぎ回っていた。少し川の中に流れが出てきたので左岸側を伝う。しばらくすると柳沢川を横切る道が現れる。養魚場への連絡通路だろう。養魚場側を背にして木橋を渡って北の車道に出て千手ヶ浜に戻る。

 

 千手ヶ浜は、やはり日の光の下では美しい。工事関係者の車両が5台入っており、重機の音が途切れる事無く響いていた。遊歩道を戻って行くのだが、この日は南の風か、社山から吹き降り湖面で冷された風を受け温度計表示以下に寒く感じられた。往路では見えなかった景色を楽しみながら戻って行く。途中にはサルの群れも居り、愛くるしい反面に付近では独特の糞の臭いを発していた。そしてほとんど逃げない。野生の動物なのだから、ある程度は逃げて欲しいと願う。観光客の食べ物を狙うので有名な日光のサル。ここに見える彼らもその一群なのだろう。

 

 途中で誰かとすれ違うかと思ったが、工事関係者を見た以外ハイカーらしき方は居られなかった。日光の山もオフシーズンとなろうか。まあ誰しも寒いのは苦手であろう。落ち葉を踏みしめ闊歩して行く。寂れたテニスコートが見えたらゴールは近い。時計を見ると、まだ3時間半ほどしか経過していない。このあとは丸山の予定だが、さらにどこかを追加できると思えた。

 

 駐車余地に到着する。

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