大寺山 950m タナグチ山 1178m オオヤマト山 1250m
鹿倉山 1288.2m ウズモ山 1066m 中指山 1330m
2015.12.19(土)
晴れ 単独 余沢地区を起点に反時計回り 行動時間:6H53M
@余沢地区余地5:11→(22M)→A大寺山分岐5:33→(35M)→B大寺山6:08〜11→(41M)→Cタナグチ山6:52→(16M)→Dオオヤマト山7:08→(16M)→E鹿倉山7:24〜28→(30M)→F大丹波峠8:08→(35M)→Gウズモ山8:43〜51→(7M)→H今川峠8:58→(62M)→I中指三角点10:00→(8M)→J中指山10:08〜19→(15M)→K1210m尾根分岐10:34→(34M)→L林道を跨ぐ11:08→(15M)→M尾根末端11:23→(4M)→N小菅村役場前(バス停)11:27→(37M)→O余沢地区12:04
@余沢地区御岳神社西の路肩余地。 | 饅頭屋さん西側の分岐 | 大成地区の神社 | A大寺山への登山口 |
A登山口道標 | 途中の施設。大きなアンテナも立つ。 | B大寺山仏舎利塔 | B大寺山最高点 |
Cタナグチ山 | Cエアリアマップでは大マトイ山。 | 途中で北東側からの林道が添う。 | 伐採地。シラカバのみ残されている。 |
Dオオヤマト山 | D山名標識は無いが、これがある。 | D奥多摩湖側 | 林道が登山道 |
E鹿倉山西側より | E鉄製と木製の道標が立つ。 | E三等点 | 天平尾根の全様 |
大丹波峠への下降点 | 樹林帯の中の、やや薄い道を伝って行く。 | 再び林道に乗る。左から降りてきた。 | F大丹波峠では伐木作業がされていた。 |
F大きな地図 | F大丹波峠の道標 | 大丹波山峠からの西側斜面。かなりの急登。 | 東峰にはNHKの中継施設あり |
ウズモ山東斜面。倒木はあるが下草は無い。 | Gウズモ山を北東側から | G5円リボンが残る | G齧られた杭 |
Gヤキソバパンと飛龍山 | 南尾根の様子 | H今川峠 | H今側峠にある御触書 |
1210m尾根合流点 | I中指山三角点 | I三等点 | J中指山西から |
J中指山東から | 中指山三角点帰り | K1210m帰り | L林道に出る。コンクリートの階段を降りて行く。 |
L林道から見上げる。 | 尾根途中の祠 | 鹿除けフェンスの電源設備 | 畑の中の狭い道を伝って行く。 |
気象観測設備 | レーザー光の注意書き | M生活道路に出た場所。尾根には登山道はないので、道標は無い。 | M川久保集落の西側。本道に乗る。 |
N小菅村役場は新設で綺麗。 | O余沢地区に戻る。駐車の様子。 |
木曜日に忘年会があり、翌金曜日はレバー付近が痛くてしょうがなかった。ようは飲み過ぎなのですが、こんな状況下でも山に行かねばと前向きになるのだから病気と言えよう。ただしここでは、怠い体でも歩けるような場所をと場所選びをする。
日本海側は雪のようであり、そんな場所に突っ込んで行く元気は全くなく、この時季にしてあまり雪を気にせず歩ける奥多摩エリアに行く事にした。そして今回は小菅村と丹波山村との村界尾根を伝うことにした。山名事典掲載の未踏座も多く、それでいながら負荷も少ない場所に見えた。本来なら深山橋から入れれば正統派となろうが、一筆書きを無駄なく綺麗に描こうとすると、入山は余沢地区からとなった。
入山口を決めたら、駐車余地の有無とストリートビューで探る。適当な場所がない中、御岳神社西の小さな橋のたもとに2台ほど置けそうな路肩余地を見出す。このほかには良さそうなところが無く、ここのみのピンポイントでもあった。
1:10家を出る。外気温は4℃。秩父を経て名栗に抜け、青梅経由で奥多摩に入ってゆく。さすが東京都と思うのは、路面には雪のように塩カルが巻かれている。僅かに降ってもここまで対応している事に都の裕福さを感じるのだった。奥多摩湖西の川野トンネルを抜けたら、国道411号を離れて139号に入ってゆく。深夜でも車通りのあった411号に対し、139号は静かなものであった。
余沢の林道入り口はすぐに判り、ストリートビューで見えたお饅頭屋さんも絵のままの姿でそこに在った。西に進むと橋の西側に余地を発見し、迷うことなく突っ込む。ストリートビューのおかげで、到着時に迷うことが省けている。机上で斥候に出られるのだから便利と言うしかない。すぐにスタートしたかったが、体が重く仮眠を入れる。窓から見える夜空は、それはそれは綺麗な星空で、触れそうなほどに近い場所に見えていた。
5:11ヘッドライトで歩き出す。国道からの分岐点の北側の家に番犬がおり、長い時間吠えたてられる。役目を果たしているのだから、そして暗い中での怪しい行動であり、吼えるのは正しい。舗装路をしばらく進むと一軒の民家前を通過する。ここから少し離れ神社が左に見えると、そこにも民家も見られた。大寺山への分岐道はこの僅か先で、彫刻された道標が山の斜面に凭れ掛かって立っていた。
分岐点から先はダート林道だった。やや濡れた場所もあり、スパッツを履いた方がいいような場所も出てくる。小橋の所には新しい貯水施設が作られ、デジタルのインジケーターが赤く光っていた。そこは沢であり、ここで取水して余沢地区の方々が使っているのだろうと予想できた。くねくねと道なりに進んで行く。タイヤ痕も残るが、そう新しい物には見えなかった。
進む先に平屋の大きな施設が現れる。ヘッドライトの明かりからは林業関係者の建物と見えたが、この先に仏舎利塔があることを思うと、宿坊なのかとも思えた。銀色に光るアンテナ塔が場違いな感じでスクンと立っていた。そこを巻き込むようにして西に登り、その先は直線的な道で高度を上げてゆく。ここまでの経路、特に荒れたような場所は無く、四駆でなくても登れてしまう林道に感じた。
闇夜の中から巨大な白い塔が浮かび上がる。大寺山に到着する。ヘッドライトを向けると、金色の仏像がこちらを見下ろしている。なにかライトを当てることが憚れ、非礼な感じに自分を思ってしまった。この仏舎利塔でない場所での最高所を探すと、西側に貯水施設なのかコンクリート構造の四角いものがある高みがあった。一応ここを最高点として西に進んで行く。
尾根に切られた道には、時折マーキングとした金色のリボンが見えた。先ほどの仏像の金色が連想され、少し背筋を伸ばすような意識で伝って行く。負荷の少ない緩やかな尾根筋で、下草もなく足を進めやすい。しいて言えば落ち葉の堆積くらいが負荷で、がさがさと分けるように進んで行く。
タナグチ山には、エアリアの表記の「大マトイ山」と標柱に手書きされていた。山頂ではあるものの、登山目的で登るには味気ない場所もであった。さらに西に進むと、北東から上がってきた林道と尾根が沿うように続いてゆく。尾根を進むべきなのか林道を伝うべきなのか判らず、最初は尾根を伝ったが、かなり近接してきたので林道に乗り替える。するとすぐに伐採地が現れ、シラカバのみ残された斜面が北に広がっていた。ちょうどこの場所で背中から来光を迎える。向かう先にオオヤマト山の円錐形がある。林道を逸れて斜面を登って行く。
オオヤマト山の山頂には「ゴミは持ち帰ろう」と書かれた古い標識があるのみで、山名板などは見られなかった。北東側が開け、その方角に奥多摩湖の姿が見えていた。鹿避けのフェンスの南西側の角地になっているようで、北に東にとフェンスが続い行っていた。西に下り再び林道に乗る。林道脇に道標があり、ここは林道を歩くので正解のようであった。淡々とした水平に続く林道を行く。地形図からは読めなかったのだが、判っていればもう少し距離の負荷を考えたのだが、スタートから2時間ほどで鹿倉山まで届くとは思っていなかった。全てに道の良さと起伏の少なさからである。
鹿倉山は東側直前から林道を離れ斜面を駆け上がる。その山頂には、鉄製と木製との二つの道標が立っており、中央では三等点が居心地良さそうにしていた。見える霜柱は30mm程に育っていた。外気温は0℃。寒いには寒いが、風が無いのが幸いしていた。持ち上げたミカンで水分補給をしてから北に下ってゆく。再び林道歩き。ちょっとこれが続くと味気ない感じになってくる。でも、ふと進行方向右を見ると、嬉しい尾根が見えていた。11月に伝った天平尾根がこちらの尾根に沿うように東から西へと、飛龍山に向けて続いていた。
林道を伝っても大丹波峠に行くのだろう。鹿倉山を出て20分ほど林道を歩くと大丹波峠への下降点が現れた。村界ではあるが、ここは丹波山村の公式道標で大丹波峠を示していた。その大丹波峠は小菅村に存在するの為に、やや不思議に思えた。九十九折の山道を下ってゆくと、途中から大きく西に進むような道になり、進んだ先で再び林道に乗る。この辺りからチェーンソーの乾いた音が聞こえてくるようになる。個人的な作業かと思ったが、意外や大々的な作業がされていた。
大丹波峠の僅か上くらいから、林道周辺には伐倒木が大量に見られた。作業員もあちこちに見られ、直径300mm程のヒノキがどんどん切られて居る作業現場に入ってしまった。総勢7名ほどが作業していただろうか、ツーサイクルエンジンの轟くような音が一帯を覆っていた。峠で少し休憩しようかと思っていたのだが、非常に居心地の悪い場所になっていた。地図を確認するくらいで留まることなくそのまま西に急斜面を駆け上がってゆく。
西には東西に二つのピークがあり、1066高点を表記している西峰の方がウズモ山と名付けられている場所であった。急峻過ぎて途中で北に杣道を伝う。ここはヒノキの幼木が植えられ、鹿避けのテープがそれぞれに巻かれていた。直登を避けて北に逃げたのだが、決められた標高差はどうしても登らねばならず、結局は北側の急峻を登る羽目になった。そして登り上げてゆくと、東峰のピークに何やら構造物が見えてきた。
東峰の上にはNHKのテレビ中継所が立っていた。事前にグーグルアースでも見ていれば驚かないが、予期せぬ場所にこれらが現れるとびっくりする。南東側の尾根が拓かれているようで、ここに巡視路があるようであった。開けた山頂ではあったが、目的地がここではないのですぐに北に進んで行く。この先の最低鞍部には、水路のような掘れた場所が出来ていた。枯れ木は多いが、ここも下草が無く歩き易い斜面であった。
ウズモ山到着。ここは地形の南端側に最高所があった。奥秩父・秩父エリアで見られる五円リボンが結ばれていた。そして熊が齧っただろう杭が地中からニョキッと出ていた。ここまででスタートから3.5時間。小休止としてザックに腰を下ろした。そしてヤキソバパンを掲げながら飛龍山を望む。次に西を見ると中指山が待っているように見える。ここまで速くに進めるのであれば、サカリ山まで検討しても良かったと思えた。さて実際に歩くとどうなるか、ザッと8kmほどの負荷となるよう。瞬時に追加判断するには長い距離で、却下する方は瞬時にできた。
ウズモ山からの西斜面も急峻であった。ごく薄い踏み跡が見られるが、無いに等しい物であった。降りてゆくと車の音がしだし、次に舗装路が見えるようになってきた。今川峠の頂部はコンクリートの垂直の壁で降りられず。比較的安全な斜面は南側であった。降りてゆくと、こんな場所にこの時代にして御触書きが立っていた。平成26年設置なのでごく最近である。そこに見える文言からは、陣地取り合戦があったよう。峠を跨いで西側に登って行く。
今川峠より西側斜面も急峻地形で牛歩状態となった。しばらく我慢の登りが続き、緩斜面になるのが1210m付近。ここは大きく尾根が分かれる場所であり、北と南の二重山稜地形にリボンが点在していた。ここからはどんぐりを敷き詰めたような尾根道で、芽を出して居るものもたくさん見られた。熊の糞も見られ、ただしこれはかなり古い物であった。
10時ちょうど、中指山三角点のある肩に乗り上げる。事典での最高所は1330m峰となっており、迷うことなく西に進んで行く。南北に二つの高みがあり、どちらが高いのか判らなかったので、最初の高みを過ぎ西に進む。西峰に到達し、ここで東側の高みの方が高いことが判り戻ってゆく。
中指山登頂。人工物の無い山頂だった。地形図からは南側斜面は複雑に広がっているが、目視できる山頂直下付近は伝えそうな雰囲気で広がっていた。展望もいいわけでなく、さらには広さもない。長居する場所でなく往路を戻ってゆく。この調子でゆくと役場前発の11時台のバスに乗れそうだが、降りて行き乗りたかったら乗る事とした。
1210mまで戻り、往路と違えて南側の尾根を選ぶ。南に下り途中から東に振るのだが、尾根選びが微妙に難しい。往路の北の尾根を見ながら進む方角を間違えないように意識して進む。有視界だからいいが、ガスでも巻かれたら下りに使うと迷うだろう。マーキング類は無い。そして東に進み、次の1034高点のある尾根に入ってゆく所もややこしい。南東に落ち込む尾根に入ってしまい、左に顕著な尾根がまだあるので間違いに気づき修正したりした。人が伝わないのには理由があるようだ。それでも、1050m以降では快適な尾根歩きで、緩やかに高度を落としながら伝って行くことが出来た。
860mの所にはコンクリート構造の階段も造られ、それに伝って林道に降り立つことが出来た。林道を北に伝って車道に出る事も思ったが、その方が楽であろうがこの尾根を最後まで歩きた方が楽しそうであり、フェンス脇の尾根を降りてゆく。フェンスを右にしながら降りてゆくと。途中には山の神らしき祠の置かれている場所もあった。フェンスには通電している旨の注意書きがあり、触らないよう、それでいながら離れないよう沿うように降りて行った。やや急峻地形も続き、フェンスに掴まりたいが、我慢しつつ靴のエッジを立てながら降りてゆく。
そして進む先の下の方に民家が見えてくる。右を見ると車道が見え大菩薩峠線と判る。もう僅かと思って降りてゆくと何か民家の畑の中に入ってしまうようでドキドキする。するとその先にフェンス設備のソーラーパネルがあり、箱が置いてありおそらく中にはバッテリーが仕込まれていると思われた。規則的なスパンでの通電音が聞こえ、間違いなくフェンスには通電しているようであった。ここから細い道が西に向かって降りていた。その途中には雨量観測所があり、そこを右に見て進むと橋立地区からの実線路の川久保川末端部に降り立った。
役場方面側に向かって行くと、ゆっくりとバスが追い越してゆき大月側に右折して行った。バスには小菅の湯行きと電光表示されていた。おそらく奥多摩行きはこのバスとなるのだろう。そして綺麗に建て替えられた小菅村役場に到着し、バス停の時刻表を見ると11:41の便があるよう。現在時刻は11:28。最適なタイミングで降りてこられたようだが、乗りたくなるほどに疲労は無く、そのまま東に歩いてゆく。
丹波山村を走る411号に対しての139号は、歩道が整備されており、安心して歩くことが出来た。全体交通量から言えば逆のような気もするが、交通量の少ないこちらに安全整備されているのであった。さらに起伏も少なく負荷が少ないのもこちらであった。途中でバスが追い越して行く。追い越し様に運転手がこちらを見て速度を落とす。バス停でなくとも乗れるのか・・・。速度を下げた意味合いは運転手の興味からか・・・。終始快適に歩け、駐車余地に戻ることが出来た。
小菅の湯に浸かってから帰路につく。
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