棚横手山 1306.2m 宮宕山(山名事典&エアリア表記・地形図:大滝山) 1362m
富士見台 1170m 高尾山 (甲州高尾山・地形図:宮宕山) 1120m
2015.3.21(土)
くもり 同行者あり 大滝不動尊より 行動時間:3H30M
@大滝不動尊山門8:55→(4M)→A不動尊本殿8:59→(17M)→B展望台(甲斐御嶽山)9:16〜17→(10M)→C林道を離れる9:27→(11M)→D尾根に乗る9:38→(23M)→E棚横手山10:01〜10→(18M)→F宮宕山10:28〜35→(15M)→G棚横手山再び10:50〜53→(21M)→H富士見台11:14→(29M)→I高尾山11:43→(11M)→J剣ヶ峰11:54→(4M)→K林道11:58→(27M)→J大滝不動尊12:25
@大滝不動尊入り口。トイレは冬季閉鎖中。右に林道ゲート。 | 山門を潜り参道を登る。 | 参道脇に流れがあり楽しさがある。登り易いピッチで階段が作られている。 | 上に上がって行くと目の前に不動滝が現れる。 |
A本殿の東側に山道への入り口がある。 | 雪の重みでだろう、折れ曲がった橋。この上側の岩壁には氷瀑が残っていた。 | 奥社の奥社的お堂。ここが昔からの奥社なのかも。 | 彼が出迎えてくれる。 |
なだらかに作道されている。 | 林道に出て、まずは展望台へ向かう。 | B展望台(甲斐御嶽山) | 林道に出た場所(分岐)まで戻る。 |
途中から見る不動滝と不動尊施設。 | C林道を離れ山道に。 | D尾根に出る。 | 林道を跨ぐ。 |
E棚横手山。左に山梨百名山の標柱。 | E朱に塗られた三等点。 | E大富士見台表記もある。 | E北側の様子。 |
宮宕山(大滝山)直下。 | F宮宕山(大滝山)到着。展望なし。 | F標柱 | F北側への下降路 |
F本日最高点でのヤキソバパン。 | G棚横手山に戻る。 | 再び林道を跨ぎ | 途中から見る富士見台側の尾根の連なり。 |
往路乗り上げた場所(分岐・下降点) | H富士見台。360度開けている。 | H標識 | 尾根の様子 |
尾根から見下ろす不動滝。 | 伝って来た尾根を振り返る。 | I高尾山。山名事典ピーク | I見える高みが行政の「甲州高尾山」のピーク。 |
甲州高尾山 | 道標 | J甲州高尾山剣ヶ峰 1091.9三角点ポイント。 | J三等点 |
新設された消防防災無線アンテナ設備。 | K山腹を巻く林道に降り立つ。 | L大滝不動尊に戻る。 | L駐車余地の様子。つめると10台ほど停められるのか、この日は他の利用者は見られなかった。 |
「ハイキング程度の山に行きたい」とリクエストがあり、あちこちを検討したなか、勝沼のこの場所に行く事にした。しかし下調べすると、地形図と山名事典とエアリアマップとで山名表記が異なっている特異な場所でもある事が判り興味がそそる場所となった。本来は地形図を参照したいところだが、現地現称に従うと、それに沿わしたエアリアをベースにするのが良いようにも思えた。当然、山名事典は最高標高でポイントをとっているので、微妙に座標が違う場所も見られ、ズレと混雑を伴う山塊でもあった。
5:15家を出る。単独行動でない場合のこの出発時間にはややストレスを感じる。野辺山を経て韮崎に降り、石和温泉地内を通過して勝沼に到着する。ブドウ畑の中を行くと、大滝不動尊奥宮への分岐表示が現れ、やや細い舗装路をクネクネと登って進む。崩落が起きそうな山手側地質に、やや不安を感じつつ高度を上げてゆく。そしてこの林道がゲートされている場所が、大滝不動尊であった。駐車は路肩余地。残念ながら冬季はトイレは使用不可であった。
すぐに準備をして山門を潜ってゆく。急こう配の参道の横には流れがあり特異な景色でもあった。歪んだ階段を上がってゆくと先の方に赤い施設が見えてきて、その横に不動滝が姿を現す。階段を登りきって本殿の前に立つと、そこにあるのはコンクリート構造の施設だったので驚いた。耐久性ならこれに勝るものは無いが、ちょっと興醒めな感じもする。その本殿の右(東)側に回り込むと赤い橋があり、そこから山道が上がっている。進むと、すぐに御天狗橋があり、その橋のかかる上側には氷瀑が出来ていた。
九十九を切りながら登ってゆくと、この先にも奥宮があった。こちらは木造でかなり趣があるものだった。元々はここが奥宮なのかも。ここで何か視線を感じその方を見ると、オスのカモシカがこちらを向いていた。静かに彼の見下ろす下を通過してゆく。なだらかな道は西に向かい、途中には何かあったのか石碑の残る場所も見られる。不動滝が良く見える場所がピンポイントであり、落ち口からの全景を見る事が出来た。
進んだ先で林道に飛び出す。「勝沼ECナビの森」と表示があり、私的な場所なのかとも思えた。展望台の場所に進むと、そこには「甲斐御嶽山」と書かれ石宮が祀られていた。折角の展望台だが、ガスと言うか靄と言うか、要するに見えない状況であった。踵を返し林道を東側に戻って進む。この途中からも不動滝を観瀑するのにいい場所があった。展望台を発って10分ほど進むと、林道を離れる分岐道標が現れ山道に入ってゆく。相変わらずの緩やかさで、ほとんど負荷を感じないルートでもあった。
富士見台の北側で尾根上に乗る。展望のいい尾根には、あちこちに黒く焼けただれた木が見える。山火事があった場所のよう。見晴らしがいいものの、火事のおかげと思うと心が痛む。ゆっくりと周囲を楽しみながら足を上げてゆく。本来なら、ここで富士山が見えているはずなのだが、ガスが垂れ込め近望もままならない状況でもあった。自然の巡り合せには抗えない。
林道を横切る。ここには山火事の詳細とその写真が添えられていた。コンクリートの階段を登り、手前峰を経てその次のピークが棚横手山であった。山頂には赤く塗られた三等点と、山梨百名山の標柱があった。あと「大富士見台」と表記されたものもあり、本来ならより富士山が良く見える場所なのだろうと読み取れた。同行者が到着するまでしばし足踏みをする。春めいてはいるが、じっとしているとまだ寒い。まあこの標高でも、北陸や信越なら雪の中であり、その点では山梨のこのエリアの暖かさは感じる。
北に尾根を進んで行く。特に支障のある場所は無く道も明瞭。相変わらずの焼けた様子が続き、新しい間伐作業の痕も見られた。屈曲するピークから左に進むように尾根を選ぶ。広葉樹林帯で時季こそ違えれば新緑と紅葉時期が美しい場所に思える。そして既に山頂では展望がないのが伺え見える。
地形図の大滝山、エアリアと山名事典の宮宕山に到着する。足元にポツンと「宮宕山」と書いた木が半分朽ちかけて凭れ掛かっている。あとから到着した同行者から、「何ここ」と発せられる。言う意味も分かる。それほどに山頂らしくない場所であり、本日の最高地点とするには、なんとも煮え切れない場所でもあった。それに対し、「ん、今日の目標点」とだけ答える。北側に続く尾根上には、道形が降りて行っており、東側にもまた続いていた。ヤキソバパンを食べたら下山となる。
落ち葉を踏みしめつつ降りてゆき、屈曲ピークからは心地よい左側の景色を楽しみながら往路を戻ってゆく。富士山が姿を現すのではないかと少し期待しつつ見るが、少しづつガスが消えているものの優美を見るほどにはならなかった。棚横手山に戻り、珍しく記念撮影。他人に山頂写真を撮ってもらったのはいつ以来だろうか、珍しい行動をし雪でも降らしてはいけないとほどほどに切り上げる。
林道を跨ぎ、往路の合流点を経て登りあげると富士見台となる。そこから続く尾根筋も心地いい。右には不動滝があり、見下ろすような角度でも見栄えがしていた。ここほどに見通しがいいと、児童生徒による集団登山の場所には適当と思えた。ルートが屈曲する場所にはしっかり道標が立ち、行政によるルート管理もしっかりされている場所でもあった。
高尾山は山名事典では当然のように一番高い場所(ピーク)で標高点をとっている。行政の甲州高尾山の標識のあるピークは、その一つ西側のピークで先ほどの場所に対し14m低いピークであった。山腹を巻く林道が南面の近い位置にあり、そこを伝った方が楽なことは見えるが、尾根通しに徹してアップダウンをこなして進んで行く。
1091.9三角点の場所が甲州高尾山剣ヶ峰。三等点の彫り込みが登山道の反対側を向いているので、のっぺりとした表情の点の印象があった。下降してゆくと、ここらしい消防救急無線システムのアンテナ設備が新設されていた。山火事が多発した過去に対し、ここまでせねばならないとは大変に思えた。すぐ下にガードレールが見え、尾根歩きもここまで。スパッツに拘束された足許を開放する。
舗装林道をテクテクと戻ってゆく。山手側は脆い岩が多く、見るからに崩れそうな場所が多い。そして崩れている場所も多い。この山塊の特徴なのだろうが、大滝不動尊まで車を通しているのも、やや怖い気がしてしまう。ここの崩落の為だろう、その不動尊のゲートは閉められている。
スマホでこの後の温泉を検索しながら歩いてゆく。山に続いて「鄙びた温泉に入りたい」とリクエストされた。言うのは易し選び出すのは難し、少しは探し出す苦労も感じて欲しかったりする。ゲートに到着し、ゆるゆるハイキングを終える。