天丸木山    1320.1m          毛無山      1362m                     

 
   2015.2.7(土)    


  晴れ    単独       旧苗場白樺平を登り浅貝ゲレンデを下る   行動時間:3H52M 

 装備:スキー


@もみじ通り入口6:34→(16M)→Aマンション地内除雪最終地6:50→(19M)→B旧白樺平ゲレンデ北端リフト頂上駅7:09→(46M)→C尾根直下(雪庇)7:55〜8:17→(19M)→D天丸木山8:36〜45→(34M)→E1346高点9:19→(27M)→F毛無山9:46〜50→(22M)→G浅貝ゲレンデトップ10:12→(7M)→H浅貝ゲレンデ麓10:19→(7M)→Iもみじ通り入口10:26


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@もみじ通り入口のトイレ舎前に駐車。 @トイレ舎 筍山と月 Aマンション前まで除雪あり。ただし路面が凍っており、登れない車も見られた。
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旧白樺平ゲレンデ内を行く。 途中で西側にズレる。 B地形図に見られない西端のリフト頂上駅。この尾根上を登る。 兎追いしかの山
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暫くは快適尾根。 前日の降雪により綺麗な景色に。 引っ張るトレール。 来光
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C尾根直下には5mほどの雪庇が出来ており立ちはだかる。ここを越えるのに強かかかった(東にズレた)。 C雪庇の場所から登ってきた下側。 C雪庇の下。 C暫く東にズレたが、延々と続いた。
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やっと登れそうな場所を見つけ、崩しつつ登る。ここでも3mほど這い上がった。 やっと尾根の上に乗る。 西へ進む。起伏の少ない快適尾根。 D天丸木山冬季最高所。標高点の場所より20mほど東側が現在の最高点。
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D天丸木山標高点の場所。 DSK氏の絶縁が残る。 D本日の板と、後は筍山。 Dヤキソバパンと苗場山。
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往路を東に戻る。 E1346高点 途中の浅貝ゲレンデ側からの尾根。この尾根を登ってくれば雪庇の難関はない。 F毛無山。ゲレンデ側からきた二人分のトレースがあった。
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F毛無山から三角山側へ続く尾根。トレースのパーティーが進んでいっていた。 途中から三国峠側の展望。 南西尾根の様子。 今季初シュプール。快適な広さがある。
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左に雪庇があるが、それのみ注意すれば快適そのもの。 途中に在った慶応WVの標識。 G浅貝ゲレンデトップに到着。 圧雪車で均してあったが、リフトは動いておらず上部ゲレンデを一人滑り降りる。
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H麓から見上げる。 Iもみじ通りに戻る。     




 2013年4月6日の長見山を最後にスキーを履いていない。2014年は一度も履かずに2015年を迎え、今年は少し挟んで楽しもうと思っていた。大きくブランクをあけ、いきなり難度の高い場所では結果が伴わないし怪我の要因とも思い、少し馴らしつつ徐々に高度を上げていこうと考えた。

 
 こんな時に、スキー場跡地は都合がいい。湯沢の白樺平スキー場も閉じてから数年経つ、その上には天丸木山があり、尾根の東側には毛無山もあり2座狙える場所となっていた。やや物足りない距離でもあるが、この日も降雪後のシチュエーションであり、あまり高望みはしない方がいい。身の丈に合った行動にしないと・・・。

 
 3:30家を出る。17号を月夜野経由で三国トンネルに潜って降りる。外気温はマイナス9℃まで下がっており。時折ツルッとハンドルを取られる場面もあった。片貝地区まで降りると、まだ除雪車も動いておらず、降ったままの姿で辺りを白くしていた。まず入山口の調査と、苗場スキー場前交差点から旧白樺平スキー場へと上がってゆく。この道は上にあるマンション施設のための融雪がされ、この時期でも登ってゆけるようになっていた。それでも凍っている場所があるのだが、四駆に入れて除雪最終箇所まで車を上げる事が出来た。途中には除雪スペースがあるが、駐車していいものか迷う場所がほとんど。一度国道まで降りて片貝地区側に戻ってゆく。すると、郵便局の西側にトイレがあり、そこにスペースを見つけた。本当はこの公的な場所には置きたくなかったが、除雪されていない場所には停められず、やむなくこことした。もっと三国峠側に戻るとあるにはあるのだが、今日の周回ルートにおいて、やや外れた位置にあるので、そこは最悪の場合としておいた。

 
 6:00白みだしたので準備をし出す。一応2式の板を持ってきたが、新雪なので長い板の選択とした。シールを貼る感覚・・・懐かしくもあり、今日の雪に団子にならないか、ならないで欲しいと願うのだった。少し後ろめたいが、トイレの前に車を残しスタートする。この頃になると除雪車も賑やかしく動き出していた。歩道が歩けないので車道を進んでゆく。そして苗場スキー場前から、沢の中のようになった舗装路を水没しないかと気にしながら上がってゆく。

 かなりの水量がある。ここまで流さないと除雪状態が保てないのだろうが、歩いて通過するには酷な場所となっていた。歩きだけでなく車にも酷のようで、登れない若者グループの車が、タイヤから悲鳴を上げながら立ち往生している風景もあった。相模ナンバー。慣れていないのだろう、闇雲にアクセルを踏み込んでいる。少し下がったり、トラクションを考慮しないと上がらないのに・・・。まあ沢山経験して上達するだろう。少しアドバイスしつつ横を通過してゆく。そしてマンション前の除雪終点地に到着。マンションと言ってはいるが、中にはスキー靴がたくさん見える。そして停まっている車はほぼ県外。そういう使われ方をする建物のよう。

 
 階段状になった場所を登ると、トレールがゲレンデを横に横断するように切られていた。これは建物どうしの連絡通路のようでもあった。すぐに板を履いて上を目指す。沈み込み量は150mm程か。降った分沈む感じだった。天気は申し分ない。後に見える苗場スキー場側は、文句のつけようがない見事な景色。注視するとリフトが動き出したのが見える。少し進むと、東側のゲレンデに対し西側にも斜面が広がっているのが見えた。そこにズレて行く。どんなコース取りをしようかと悩みつつ上がってゆくと、意外にも林道の道形のような幅が見えてきた。これを伝えばうまく尾根に乗れる。そう思って伝って行くと、西側のリフト頂上駅に行きついた。そういう事か・・・。この場所から容易に尾根を伝って行くことができた。

 
 うさぎの足跡を追いつつ上がってゆく。筍山はモルゲンロートなっているが、こちらはなかなか日が差さない。周囲の山が少し恨めしく思ったりする。そして7:30をまわってやっと来光を迎えた。雪を纏い幻想的な風景の中を登ってゆく。快適すぎるくらい快適に苦労することなく主尾根直下に行きついた。楽に来た分、ここからが試練だった。

 
 大波のようにオーバーハングして襲いかからんとするかのような雪庇。高さは下からだと5mほどある。これは如何せん直登では越えられない。どちらにズレれば乗り越えられるか・・・。ここは東にズレてゆく。ハングした下を、場所によってはデブリを乗り越えて進んでゆく。がしかし、なかなか登れそうな場所が出てこない。ここまで強固な壁となっているとは・・・。さすがの豪雪地帯と言う事か、少し楽に考えていたし、想定してこなかった。こうなったらわずかなチャンスも見逃さずに這い上がらないと、いつまで経っても上がれない事になる。

 向かう方向に逆行しているのが一番の残念な部分。東の高みが見え、鞍部を目の前にした辺りでブナの幼木が見えた。これに捕まって這い上がれば・・・。それでも3m位はある。足場を固めながら、一方で上部を切り崩しながら体を持ち上げてゆく。ピッケルが欲しい・・・。非力なストックでの作業だった。途中まで上がって先に板を放り上げる。上げた先が崩落してはと、かなり神経を使いながらの行動でもあった。それこそ雪まみれになりながら・・・。

 
 上にあがった時の達成感たるや。今日の全てがここにあったような気もする。ご褒美とばかりの気持ちいい尾根筋が続き、苗場側の素晴らしい展望が広がる。苗場側を見る展望台と言って過言ではない。朝日を背にしながらスカイラインを行く。ここでは筍山が目立つが、その右側には百名山である苗場山が特異な姿で見えていた。

 天丸木山到着。現在の最高点は、標高点をとっている場所から20mほど東に位置している。全ては雪の堆積のせい。そして標高点の場所まで行くと、SK氏の絶縁が残っていた。2年前にして黄色。これは退色して黄色になったのか、それほどに陽射しの照り返しが強いとも言えるのかも。2012年の設置で、ここまで退色している場所も珍しい。素晴らしい展望台。西側ばかり見ているが、反対の平標山側も木々の間から見えている。そそり立つような位置にあり、山心をそそられる。ヤキソバパンを齧ったら、次の毛無山へと東進して行く。

 トレールに添うように滑らしてゆく。どこかこちらでも雪庇を登れた所は在ったのだろうか。探しつつ進んだが、ここと言った場所は見当たらなかった。と言うより、崖下のような場所を見下ろす事は出来ないので、しっかりとは見られなかったと言うのが本当の所。往路のトレースが終わると登りとなり、1346高点を通過して行く。この先は、明るい南側は雪庇の状態が危うそうなので、少し北側を添うように進んで行った。途中浅貝ゲレンデ側となり、一本の顕著な尾根が上がってきていた。ここは雪庇がなく容易。同じ南面でも場所に寄って、雪庇のない場所もある。全ては風邪の悪戯とも言えよう。

 大きな鉄塔が左に見える。碍子からの氷だろう、鉄骨に当たってかん高い音が頻繁にしていた。進んで行くとさらにもう一つ左側に見えてくる。進んだ先の高みには、本日のトレールが浅貝スキー場側から上がってきていた。スキーとワカンのトレール。面白い足の揃え方だが、進む先は三角山側のようで、細く長くその方角へ延びていっていた。毛無山山頂なのだが、なんとも山頂らしくない場所。少し南に行くと展望も良く休憩適地がある。ここは三国峠側が開けている。

 尾根が南西に変わる辺りでシールを剥がし滑降に入る。尾根筋はちょうどいい幅がありターンして降りて行くのに手ごろであった。時折硬いバーンもあったがご愛嬌。ゆっくり今季初シュプールを楽しみながら降りて行くと、途中にKWVの標識が見えた。三国山荘が麓にあり、完全なる慶応のホームグランド、在って然りなのだろうと思えた。尾根筋はまだ下まで伸びているが、この標識を合図に西側へ下って行く。そして浅貝ゲレンデの最上部に出る。リフト頂上駅前まで圧雪車が入ったようで均してあった。ただし上部リフトは動いてはいなかった。最近は雪崩れや遭難のニュースが多く、スキー場周辺部では注意が必要。そそられる新雪のバーンもあったが、ここは均した上を滑り降りて行く。

 スキー場の利用者は40名ほどか、その中をちょっと場違いな大きなザックを背負った者が一気に滑り降りて行く。気持ちよく滑り降り麓駅前に降りる。下に居た女性がカメラを構えていた。撮られたのか・・・。昨今は何処でどう撮られているかわからない世界。慌てて垂れた鼻水を拭った。

 17号に出て三国地区側へ車道を進む。あちこちで除雪をしている姿がある。これが雪国の降雪後の風景。面白いもので太っている人は少ない。雪は大変だが、健康維持になっている。各バス停では、到着した若者グループが、陽射しに目を細めて歓声を上げていた。一時期苗場も廃れたと思っていたが、また賑やかになってきているような雰囲気があった。もみじ通りに戻る。

 振り返る。CWでの周回でよかったが、CCWだったら、雪庇から飛び降りねばならなかった。登りで苦労したものの、そう思うと運がありツイていると思えた。


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