赤沢山 1540.0m
2016.1.23(土)
晴れ 単独 閑野地区 湯元よしの山荘前より 行動時間:5H30M
@よしの山荘前(氏神様前)6:37→(54M)→A1060m付近分岐点(橋)7:31→(28M)→B道形終点地(65た)7:59→(79M)→C1422高点9:18→(46M)→D巡視路出合10:04→(5M)→E160番鉄塔下10:09→(40M)→F赤沢山10:49〜11:11→(10M)→G鉄塔帰り11:21→(6M)→H巡視路出合(下降点)11:27→(34M)→I只見線分岐12:01→(6M)→Jよしの山荘前(氏神様前)12:07
@よしの山荘前までは除雪してあり、その路片側に停めてスタート。左に見えるのは氏神様。 | 林道を少し進むと、大きな社が在り、中に立派な社が祀られていた。これは山の神。 | 社前の雪の様子。 | 既にここで、巡視路への道から逸れている。1010m付近から道を塞ぐ倒木が多くなる。 |
A1060m付近。右岸側から左岸側へ行く道が分かれていた。 | 左の橋の先の右岸。雪が無い状態だと、かなり荒れているのだろう。 | 1130m付近。道形が在るように見えないが、まだ何となく続く。 | B「65た」の赤ペンキのある場所で、道形は途絶える。ここから右俣側へ入って行く。 |
B「65た」からの右俣の様子。 | 1270m付近で尾根上に乗る。 | 笠ヶ岳や三ッ峰などがよく見える。 | 1390m峰通過 |
C1422高点。顕著なピークらしい山頂部。木々の間からの展望あり。 | C1422高点から赤沢山側。 | 1410m峰上から赤沢山 | 1410m峰南斜面には植林帯が現れる。 |
1410m峰東鞍部で、北側に林道が現れる。 | 1440m峰から赤沢山 | D1440m峰東で巡視路の道形に出合。帰路の下降点。 | E160番鉄塔下を通過。 |
1470m付近。最後の登り。 | F赤沢山山頂 | FTK氏のリボンのみ残る。 | F今日はフリーランドーを履く。 |
F1555高点(北東)側の様子。 | Fヤキソバパンと、その向こうに尾瀬岩鞍スキー場。 | G鉄塔帰り。微妙に登り返しで、スキーだと難儀する。 | H巡視路出合帰り。道形は160番側とは別に、西側にも続いてゆく。 |
1350m付近の林道。上部は緩斜面が多く、ワックスを塗ったもののあまり滑れず・・・。何箇所か登り勾配もある。 | 1330m付近の分岐。植林帯側へ登って行く道もあった。 | 流れは4箇所横切っており、うち3個所は辛うじてブリッジで通過する。1箇所はスキーを脱いで通過。 | 1190m付近。緩斜面だが、陽が入らない滑りのいい雪が続く。 |
I問題の分岐点。往路に見落とした場所。「只見線 No160」側へ折れて行けば赤沢山へは容易。 | I左に進んでいる往路のトレールが見える。地形図に見える真っ直ぐ進む方が左の道に見えてしまう。実際の現地は90度曲がって進むような場所。麓側より撮影。 | 右岸が拓かれた場所まで戻る。往路、この広い地形が見えたら、その途切れた僅か先に分岐が在る。 | 社に旅の無事と遊ばせて貰った事を山の神に感謝する。 |
Jこちらにも挨拶を忘れない。筋肉疲労を伴うほどに遊ばせて貰った。特に名前の無い、この集落全体に対しての氏神様とのこと。※1 | J駐車の様子。右に見える住宅が自家用の除雪車を持っており周囲の雪かきをされていた。左の車はおそらく湯宿の従業員の車。 |
日本列島を覆い尽くすような寒波の来襲。だからって逃げる事は無く、そんな中でも行けそうな場所選びをする。幸いかな上州はぽっかりとオアシスのような天気予報で、週中の降雪を少し楽しめそう。あまり負荷が多くても遊びが苦痛になってしまうので、身の丈に合った場所を選び出す。
2.5万図の「丸沼」で、最後に残っていた赤沢山に行く事にした。ここは重鎮氏が2006年11月に車沢から、SK氏は2014年7月にサク沢からアプローチしている。スキーで遊びたいので、今回は距離は長くなるがなだらかに見えるサク沢コースで入山とした。スキーで登るような場所でもないように見えるが、なんとなくスキーで遊べそうな場所に思えた。いつもなら不安な時は、登山靴にスノーシューやワカンを持つのだが、今回はスキーのみを持ち挑む。1月の記録が見られない場所であり、実施すればちょっと面白いかとも思えた。
3:00家を出て、地走りしてR17を伝って沼田に入る。経路のコンビニで一度空振り、椎坂トンネルの先のセブンでやっとヤキソバパンを手に入れた。鎌田でR120と分かれてR401に入ってゆく。片品温泉郷に入り、村落内でやっと圧雪路になった。北側から入り、戻るように南に進み閑野地区の温泉街を進む。「湯元よしの山荘」手前にやや勾配の強い坂道があり、ここで四駆に入れて路面を確かめるように登って行く。40mほど進んだ先で道がカーブしており、その左に朱色の氏神様が見える。除雪したブルドーザーが右折した先に置かれ、この日も周辺で除雪がされるようで、ここでの車の置き場を悩んだ。特等席には、既に湯宿の従業員所有のものらしき車が停まっている。それがためにより自由度が無くなり停めずらい事になっている。周囲をよく見て、一番邪魔にならないだろう氏神様下の路上に停めてエンジンを切る。時計は5:15、少し仮眠を入れる。
周囲が明るくなりだすと、よしの山荘の泊り客か、一晩中点いていたと思える窓を開けて周囲の雪の様子を確認していた。西上州では降らなかったが、ここでは20センチほど降ったように見えた。久しぶりにスキー靴に足を入れる。もう何年履いているだろうか、インナーのクッションがほとんど無いに等しい。そして粘ついた管理の悪いシールを貼り、パカーンと乾いた音をさせながらビンディングに靴を滑り込ます。いざ出発。
氏神様にお参りしてから通過してゆく。沈み込み量は200mm程。帰りの滑りの事をも考慮して、一本に繋がる乱れのない足運びで登って行く。すぐ上にも塗装されていない社があり、その中に年代物と思しき山の神のようなものが見えた。サク沢の右岸を伝う道は、300mも進むと、左側が開けた地形になった。昔はなにか作物が作られていただろう場所に見える。地形図にもそう記してあるので間違いない。ここを抜けた先で、再び樹林に入った場所に分岐があり、右に90度曲がった道が在る。分かれめには巡視路の道標があり160番を示していた。ここまでの経路に対し、90度進路が変わる方向を選ぶのは100パーセントない。そう思い真っ直ぐ進む道を選んだ。
林道を標高1010m付近まで登ると、いやに倒木が増えた。酷い荒れようではないが、道を塞ぐ高木が連続して4か所あった。ここで少しおかしいと思った。今年はさほど大量に降ってはいない。ここに倒木が残るのは今の時季での事ではないと思え、やや長らく塞がれているように思えた。ここで先ほどの場所で曲がるのが本当と思えればよかったが、やはり90度曲がってゆく道にそのような思考にはならなかった。
1060m付近で、左岸側に橋で分岐していた。その先を見ると、自然に戻りつつある道形に見えた。その為そのまま右岸を詰めてゆく。ここからは、雪が無ければ荒れているだろうと予想できる地形で続いていた。途中、その道幅が無くなり、左岸側に移って巻き上げる。するとまた右岸側にそれらしい跡が上流側へ続いていた。
1160mまで進むと、そこに「65た」と赤ペンキで書かれたものが見える。ここで道形は終点のように見えた。雪が解けたら、右俣か左俣に在るのかもしれないが、この時は無いように思えた。ここからは右俣に入ってゆく。付近には二重線のようにマーキングされた赤ペンキが散見できた。しばらく谷の中央部を登っていたが、鹿がトレースを付けてくれていたので、途中から東側に進路を変えてゆく。それが良かったのか苦労になったのかは判らないのだが、ふかふかの雪に苦労しながらヒールサポートを何度も調整しながら上がってゆく。
1270m付近で尾根に乗り上げた。尾根上は歩き易く、こんなことなら最初から尾根を伝えばよかったかと、地形図で尾根末端部のサク沢沿いを見直したりした。展望のいい場所で進路右手には笠ヶ岳らしき円錐形の高みが見える。そこから三ッ峰までの連なりが、たおやかなと言う言葉が似合う感じで続いていた。やや左に目を移すと、まだ遠い位置に赤沢山だろうピークが見えている。「65た」に到着した時点で、巡視路はこっちじゃない事を理解し、半ばあきらめ、半ば“それなら1422高点経由で楽しんでやろう”と思った。
1390m峰に到着。この東側に1422高点があり、僅かに下って地形図の等高線よりやや勾配の強い印象を受けながら、九十九を切りながら斜面を登って行く。ここに至るまでは、1422高点を含めた西に続く尾根が北風を塞いでいるのかと思ったが、そこに乗っても負担になるほどには吹いていなかった。ある程度の強風を思い、防寒具を整え構えてきたがやや拍子抜けな好天に恵まれていた。
1422高点到着。山頂部は雪の堆積のために2畳ほどの最高所となっており、登頂感のある場所となっていた。尾瀬方面が木々の間からよく見える。この頃になると尾瀬岩鞍スキー場の放送が連続して聞こえてきていた。東側に赤沢山が見える。こちらのコースからは、終始見えているような感じであった。シールのまま東に滑り降りて登り返す。1410峰の南側には植林帯が広がっていた。動物の足跡のみ見てきたが、ここに来て人の気配が出てくる(実際には居ないのですが)。この1410m峰から東は、滑りにならない感じでずり落ちてゆく。樹木間隔が狭くスラロームは困難だった。しかし、東側の鞍部まで降りると、その北側斜面には林道幅で道形が通っているのが見られた。尾根を乗越しているような道ではなく車沢側から上がってきていると判断できる道形であった。
鞍部から1440m峰へは、やや北側を登って行く。この西側斜面の南寄りは密に樹木がありスキーで進むには北寄りの方が都合が良かった。やや時間をかけ登り上げ、その分を取り戻すように東に直滑降をしてゆく。すると、やっとのことで巡視路に出合えた。ここにも、麓側で見たのと同じ黄色い巡視路道標が立っていた。帰りは間違いなくここから下ろう。下降してゆく道形を右に見送りながら東に緩やかに登って行く。少し前から送電線が見えており、もう赤沢山も近い事も判った。
160番鉄塔下を通過する。ちょっと判断がよろしくないだが、冬季は鉄塔下を通過しない方がいい。付着した雪が氷になり、凶器となって落下する事がある。通過しながらそこの事をハッと思い上を見上げた。幸いにも付着している雪は無かった。いや無かったように見えた。鉄塔の北東側は野草が茂り雪が乗っていてもやや邪魔をする状態であった。尾根に取付き最後の登り。この西斜面には、園芸用の緑のポールに、赤い見出し標が取り付けられ続いていた。木に付けないでわざわざ人工物に付けている事は何を意味しているのか。事前に準備してくれば、設置速度はこっちの方が速いことになるか・・・。
高度を上げたら雪が締まると思っていたが、なかなかそうにはならずにフカフカしている。時折1畳ほどがズドンと落ちる。その大きな音にビックリするのだが、そんな斜面であった。それでも、ここを登りきれば山頂であり、最後の頑張りどころであった。時計は既に4時間以上経過している。3時間ほどを予想していたが、ミスもあって1時間余計に楽しませてもらっていた。
赤沢山到着。SK氏のいたずら書きを見ようと楽しみにしていたが、G標は何処にも見当たらなかった。その代りに色あせたフジオカTK氏のリボンが縛られていた。ペンチマンにやられてしまったか、もしくは雪の下か、よくよく探したが見えてこなかった。三角点を掘る努力もしたが、その深さからすぐに諦める。木々の間から白い白い日光白根が見えている。スッキリとは見えないものの、なんとなく360度の展望が得られる場所であった。だらりと広がる尾瀬側の景色も特徴的であった。雪を踏み固めてベンチを作りしばし休憩とする。
復路は巡視路を伝うと決めていたので迷いはなかった。西に滑り降り、送電線下からは少しの登り上げがある。野草があるのと雪が緩いとで、わずかな距離だが苦痛を感じる。シールを貼り直す程でもなく、貼れば楽であろうとも思いつつ、カニ歩きでちょこちょこと登っていた。最高所まで上がり、鉄塔の続く尾根側を見ると、意外に荒々しい表情をしている。送電線尾根を滑ってもサク沢に戻れるように思ったが、スキーには適していないように見えた。さあ巡視路の滑走に入る。
下降点まで一気に滑り降りるが、そこからの道形は緩斜面が続きあまりスピードが乗らなかった。もう少し雪が締まった頃ならいいとは思うが、降雪後はそのフカフカさが抵抗になってしまっていた。ヒールを固定していたが、すぐに開放してスケーテンングしながら降りてゆく。3カ所ほど登り返すような場所があった。それでも、高度を下げるほどに道形の斜度が上ってゆく印象があり、だんだんと滑るようになってきた。
1330m付近で分岐となる。西側に登って行く道を右に見つつ下降してゆく。進む先にカモシカが現れ、一目散に逃げてゆく様子もあった。スピードが上がるようになったら、今度は道幅が狭いのとブラインドカーブが多いので、獣でも居たらどう対処しようかと悩ませる。でも風を切りながら滑るのは心地いい。滑りの気持ちよさに委ね、獣は出てこないものと勝手に判断していた。大型のものは居なかったが、ヤマドリなどが驚いて飛び立つ場面はあった。滑るスピードを殺さねばならないのが、道形を流れが跨ぐ場所で、上から3つ目ほどはブリッジで渡ったが、最後の1カ所は幅が1mほどあり、板を外して通過した。
付近は日の入らない場所で、緩斜面なものの板が良く滑ってくれた。そして往路のトレールに出合う。“この分岐か”、往路に曲がらねばならない場所を曲がらなかった。雪の有無は関係なく、地形図の図示の仕方と現地の分岐する様子とにやや違いがあるように思えた。現地地形がそう思わせる錯覚をしやすい場所なのかもしれない。これもいい勉強。前週も苗敷山で参道を伝えなかった。どうも道のある場所に向いていないのではないかと思えた。
我がトレールに乗って滑り降りてゆく。やはり踏まれていると滑りが格段に違う。計画段階では、上部からこの快適状態を予想していたが、速度が乗りシュプールを刻めたのはここから下くらいであった。山の神に御礼の頭を上げ、さらに氏神様に頭を下げ駐車場所に到着する。
振り返る。時間を十二分に使う場合は1422高点経由は面白いが、普通はサク沢から実線路で示していいほどの道が、送電線鉄塔まで上がっているのを使わない手はないだろう。残雪期などスノーシューを履いて登るのも面白いと思えた。鉄塔の所が開けており休憩をするにも心地いい場所であった。巡視路の道は林業用の道のようであった。スキー場の林道コースのように滑ることが出来る。本当は、起点が片品温泉郷なので日帰り入浴が出来ればいいが、麓のよしの山荘は、泊り客に対してのみ帰りに立ち寄れるよう。泊まればいいって事だが、赤沢山に対して泊まるのは、ちと・・・。
※1:この山行記録作成には、施設名称同定に「よしの山荘」さんに協力をいただきました。