赤沢山 1328.0m
2016.3.19(土)
雨のちくもり 単独 湯檜曽公園より南尾根を伝う 行動時間:4H4M
@湯檜曽公園6:24→(3M)→A林道入口6:27→(10M)→B枝道(取付き)6:37→(13M)→C送電線鉄塔6:50→(32M)→D900高点7:22→(56M)→E南西尾根に乗る8:18→(35M)→F赤沢山8:53〜9:09→(52M)→G土合駅10:01→(27M)→H湯檜曽公園に戻る10:28
土合のドライブイン前より見上げる赤沢山。雪が無くこの場所からの入山を諦める。 | @湯檜曽公園北端より南尾根末端側を見る。 | A国道291号から右に林道へと入って行く。 | 地形図に描かれている実線路分岐。左へ。 |
B上越線が真下にこのように見える場所付近から実線路を離れる。 | B巡視路標柱があるが道形の存在が不明だった。 | 鉄塔下で東からのハッキリした道形に出合う。 | C送電線鉄塔下を潜ってゆく。 |
800m付近。鉄塔付近から900m高点までは写真のような藪化した尾根。 | D900高点を通過すると下草の無い歩き易い場所が続く。 | 1000m付近で雪に乗るようになる。 | 1160m付近。見える針葉樹が南西尾根の自然木の連なり。やや急峻で、小さな雪庇が待っている。 |
E南西尾根に乗った場所にはリボンが縛られていた。 | 1200m付近。尾根頂部より北側斜面のほうが伝い易い。 | 1260m付近。進む先に目標の高みが見え出す。 | 赤沢山への最後の登り。ここも雪が緩かった。 |
F赤沢山山頂 | F西側の少し下がった場所にG標が木に取り込まれた状態で残っていた。 | Fもう一つ、北側の高い位置に付けられた標識。雪面より2.7mほどの高さ。 | F山頂より北側 |
F山頂より東。 | F山頂より南側 | Fヤキソバパンを掲げる | F西側斜面を降りて行く。 |
1010m付近の大倒木 | 1010m付近より下側の様子。 | 940m峰の上。中央の木が独特。 | 下り側用につけられた赤ペンキ。 |
880m付近。雪が途切れだし尾根が広くなってゆく。 | 上越線のよう壁の上に出て降りられなくなってしまった。北にズレるのだが、足場が悪い。早いタイミングで北側にズレていたほうがいい。 | G下に降り立ち降りたきた場所を見上げる。 | G土合駅のプラットホームの南端で線路を渡る。渡ったらしばらくは線路沿いを歩く。 |
スノーシェッドの場所から車道歩き。 | ここで周回完了。往路の林道入口。 | H湯檜曽公園の様子 |
前週に幕掛山に登った時から、次週は赤沢山と決まっていた。三連休であり、上手に利用して羽を伸ばしたいところではあるが、この時季はどうしてもやることが多くなっていて、使えて1日。その土曜日は生憎の雨で、違う場所にとも思ったのだが、前週の様子からして十分雪と遊べると踏んで初志貫徹とした。
3:45家を出る。予報通りの雨の日で、出発5分ほどでスパッツを忘れたことに気付いた。忘れたことは情けないが、その事に早くに気づいたことは褒めてあげたい。しかし、戻ればいいものを振り返らないのも私。強情なのである。水上まで降られっぱなしであった。それでも途中のセブンではヤキソバパンが手に入った。これが手に入って登頂できなかったことは稀。17号から291号に入って行き、水上温泉から湯檜曽温泉と経て、この時季の終点地と言える土合駅に到着する。暗い中に駅舎に行くと、8名ほどの猛者パーティーが食事を作っているところであった。女性を含めた顔つきは精悍で、3連休を雪に挑む気概が感じられた。
駅前に停め夜明けを待っていた。そこに、白み始めた上越線東側の景色がだんだんと見えてくる。何かの見間違えかと思うほどに赤沢山西斜面に雪が無い。雨であり少しガスがかかっている為に見えてこないのかとも思い、場所をドライブイン側に移動しそこでもう一度確認する。がしかし状況は一緒で、そこに見える斜面にはほとんど白い場所が見えなかった。線路際に残る残雪はあるのだが斜面に無い事実。スキーでも楽しめるかと思ってもいたが、持って来ずに良かった。それよりこの融雪の速さは何だろうか。三月中旬でここまでになるとは異常ではないのか・・・。幕掛山を経て少し気持ちに胡坐をかいていたが、頭の中は超速で次の判断を考えていた。
場所を変えようと付近の地図を見ても、もう未踏の場所が無くなっていた。だからとて、見える西斜面を登るのは雪が無ければ苦行だろう。悩んだ挙句、雪が無いのなら顕著な南尾根が使えるだろうと考えた。逆にここは、残雪期前とか早い残雪期では突き上げる1132高点付近で、南に雪庇が張りだしているだろうから、今年の融雪を思うとそのおかげで容易に乗り越えられそうに考えた。尾根の麓側には送電線の鉄塔が立っており、巡視路も少し伝えて省力出来ると考えた。常々の臨機応変とはこのこと。
車を南に降ろしてゆく。国道291からの実線路分岐はすぐに判り林道幅で上にあがっていた。しかし周辺に駐車余地が無く、さらに下って湯檜曽公園の北端の広場に停める。赤沢川の北に見える斜面は雪らしいものは一切ない。谷川岳と言う場所柄の雪と遊ぶつもりで来たが、頭を藪漕ぎモードに変更する。雨具を着こみザックにアルミワカンを結わえていざ。
赤沢橋を渡って260mほど進むと、右手に林道幅の道が上がっている。そこを登りきると分岐のようになっており、鋭角に東側に曲がって進む。ここは少し雪が乗っていたが20mほどツボ足で進むと無くなり、鋭角に曲がってから6分ほどで地形図に見える分岐の場所となり北側の道を選ぶ。この分岐から3分ほどで山手側に枝道が切られていた。無視して先に進むと、山手側に巡視路の標柱が立っていた。ただしそこに道形が見えない。なんとなく直登するのかと筋は見えたが急過ぎておかしいので、先ほどの枝道で上に行く事にして戻る。枝道の入り口は土が盛られ入れないようにしてあった。乗り越えて進むも、その先で道は消滅していた。そういうことかと納得し、ここからは斜面を適当に上がってゆく。
前に鉄塔が見えてくるが、植生が濃くなり進み辛くなる。何とか鉄塔下まで進むと、東側から明瞭な道があがって来ていた。と言うことは、取付き点をもう少し東側にすれば、巡視路に在りつけたか、もしくは標柱の場所からの直登がそれだったのかと言うことになる。鉄塔下に行くと、最近鉄塔を塗ったのだろう灰色のペンキがかなり落ちていた。でもこれだけの面積でこの少量の液ダレほどで済んでいるのだからプロの作業と見えた。鉄塔下からは地形図の破線路通りの道が東へ進んでいた。
鉄塔からはしばし煩いと思える藪漕ぎとなる。濃くはないが進路を邪魔しなぜか引っかかる木が多かった。焦らず弛まず怠らず、自然に倣って漕ぎつつ進んでゆく。ここはしばしの我慢で、900高点まで上がるとその状態から解放されて一転して歩き易い尾根に変わる。帰りの事も考慮して振り返りつつ注意点を頭に入れながら登っていた。
1000m付近から雪に乗るようになる。どうせまだ先に藪が出てくるだろうと、ワカンを着けずにツボ足で進んで行く。そして南西尾根との合流点に差し掛かると、想定していた雪の状況になり、前方の尾根に小さい雪庇が見えた。溶けたからこの状態だが、しっかり育っていたら厄介な場所であったろう。それでも、もがく様にして這い上がり、南西尾根の上に乗る。そこにはやや長めの赤いリボンが縛られていた。1132高点の尾根も伝う人が居るのだろう、そう思えるのは本日の尾根にはそのリボンは続いていなかったから。ここからの上部には散見出来ていた。
雪に繋がり快適に登って行く。一方、降雨のために雨具を着こんでいるために、衣服が蒸れて濡れて不快な時間が続く。衣服も古いものを使い続けず最新のものを使った方がいいとは思っているのだが、人間が古いもので、古い人間は古い衣服でも我慢ができる。雪に乗ったものの、上に行くほどに締まり具合が悪く、ツボ足度が高まっていた。もう僅かな距離で山頂と判っているので我慢の時間でもあった。結局ワカンはお守りか・・・と自分に言いたくもなる。雪庇の出来た稜線を登って行くも、至極驚いたことに至仏山側と言ったらいいか、尾瀬方面の雪が極端に少なく見えた。どうした事なのか今年は・・・。
赤沢山到着。のっぺりとした場所かと思って来たが、意外や樹林に西側は塞がれ、東側展望が180度ほど開けた場所であった。G標が少し下がった場所に取り付けられ、その北側の雪面から2.5mほどの場所に、判読不能となっている木片が取り付けられていた。Gさんは雪の少ない時期かもしくは無積雪期での登頂なのだろう。そして判読不能の方は、通常の積雪状態での登頂で、今年がいかに少ないかを示している位置関係に思えた。何とか山頂に届き土合で諦めないで良かったと思えた。ザックに腰を下ろしながら、いつものようにヤキソバパンを貪り白湯を飲む。往路の往復を思って登ったが、そう時間かからずに登れたので、往路を戻っては芸がないので西に下ってみることとした。
下りながら、それでも早朝の土合からの絵面が記憶にあり、足が南西尾根側へと向いてしまう。そこを押し殺すようにし気持ちと体を西に向けてゆく。雪に繋がりながら斜面を降りてゆくと、途中でこの尾根にワカンのトレースが見えることに気づく。少し前の季節にここを登った人が居るよう。それを拾いつつ、伝い易い斜面を選びながら高度を下げてゆく。2パーティーほど伝ったのか2筋ほどのパーティー行動の跡が見られた。
1010m付近には、目立つ大倒木があった。印象深い通過点となる。この下側から雪が途切れ途切れとなってくる。往路の尾根とほぼ同等の状態と判る。そして940mは小ピークとなっており、その中央に天に対しての指を広げたような大木の植生が見られた。ここから西に降りると、赤ペンキで丸がされている場所が見られ、数ヶ所見たが途中で目に入らなくなってしまった。どうせ降りるだけと思っていたので、探して追わなかったのだが、結果として追ったほうが良かったのだろうと思えることとなった。
残雪も無くなりササ斜面を降りてゆくと、上越線のよう壁の上に出てザイルでもないと降りられない場所となってしまった。下を覗き込むと線路に入るにもフェンスがあり渡れそうもない。ここで土合駅側に進めばフェンスも無くなるようで、急斜面を木々に掴まりながら恐々トラバースしてゆく。するとその北側には早朝に見上げた小滝の場所があり、その南側の小尾根をずり落ちるようにして下ってゆく。ここには登る為か、鉄道関係の敷地の為かピンクのリボンが散見できた。
小滝下をコンクリートのよう壁の上を伝い右岸側へ跨ぐ。そこから山手側を見ると、朽ちた鉄製の階段が見えた。上に見えた赤丸は、ここと関連付けられているのだろうと予想した。土合駅のプラットホームの南端で線路を渡る。最近、女子高生が線路を渡っている動画で問題になったが、この場合はどうなのだろうと思ったりもした。線路沿いには管理用道路なのだろう道が在り、南に進んで行くとこちらにも古いプラットホームが残っていた。進む先にトンネルが見え、車道側にはスノーシェッドが見えてきた。このまま進んでスノーシェッドが越えられればいいが、そうはならないような気がし、スノーシェッド前の飯場に降り立ち、車道歩きに切り替える。冬季は交通量が少ないので幸いだが、路肩はあるものの安全が確保された場所ではないので、往来する車を気にしつつ歩かねばならなかった。
雨は上がり曇り空になっていた。枝葉で汚れた雨具のそれらを拭いながら公園へと戻ってゆく。その横を女の子を4名乗せたバンが通り越して行く。その先の工事個所の信号で追い抜くのだが、誰一人こっちを見ない。後で判ったのだが、ザックカバーがドロドロに汚れ、雪山登山者には到底見えないような後姿なのだった。不審過ぎて目を合わせたくないから見なかったのだろうと判る。往路の実線路入口が見えてくる。何とか今日も周回形態がとれたよう。
湯檜曽公園に戻ると、カメラを持った方が湯檜曽川と谷川岳本峰側にレンズを向けていた。横目で見ながら濡れた衣服を着替えする。
振り返る。南尾根を使えば無積雪期の登頂も十分出来るだろう。赤沢山の最後こそ判らないが、南尾根を経て南西尾根を伝っての1250m付近までは、尾根の足許の植生は意外と薄い印象を受けた。