大明神岳 1360m 斑尾山 1381.5m 大平山 1174.4m
2016.9.10(土)
晴れ 単独 釜石山南林道入山口より 行動時間:3H38M
@林道途中入山口5:41→(12M)→A釜石山5:53→(44M)→B大明神岳6:37〜39→(10M)→C斑尾山6:49〜51→(19M)→D1310m登山道を離れる7:10→(36M)→E1252高点7:46→(27M)→F大平山8:13〜19→(36M)→G林道に降り立つ8:55→(16M)→H戻る9:11
@登山道が林道を跨ぐ場所。撮影側に大きな案内板が立つ。 | A釜石山 | A釜石山標識。山頂と言うより肩。 | B大明神岳 |
B山名板は古いものは後に置かれていた。 | B黒姫側 | B野尻湖 | B妙高側 |
B大明神から斑尾 | C斑尾山 | C無残に割られ、修復された一等点。 | C薬師様の13体目が飛び出している。 |
南へと進む | ブナの美しい尾根筋 | D1310mの肩で登山道を離れる。 | D4/5とふられている。 |
1310mからの最初が強い笹薮。 | 抜けてきた場所を振り返る。 | 尾根上にはワイヤーが残る。 | 密尾根で、尾根の東側斜面が歩き易い。 |
E1252高点で南西に屈曲。 | 少しオアシス的な空間が現れる。 | 林業作業がされていた当時の残置品。 | F大平山。平らな広い場所で方位は見ておきたい。ウサギは居ないよう。 |
F三角点は見つけ辛い。広い大地の、南東からの尾根が突き上げた場所に在る。 | F三等点 | Fかの山deヤキソバパン | F西側の様子だが、全方位同じ景色。 |
西斜面の様子 | 中腹から滑りやすい土壌となる。 | 途中で杣道に乗り西に向かう。 | Gカーブミラーの場所で林道に降り立つ。 |
麓からの道の合流点分岐 | 林道実線路分岐 | H入山口に戻る |
金曜日の早朝、草むしりをしていたら、腰痛が発症してしまった。草むしりは知られた腰痛の原因とされているが、自分は大丈夫だと思っていた。あばらの骨折による背筋の低下、腹筋とのバランスの不具合、あとはここ数週で無理している歪みが出てきたのだろう。なったものはしょうがなく、またこれも山に登って治そうと思うのだった。
当初予定では、八海山の後ぐらいには本来の山歩きに戻そうと思っていた矢先であった。藪山に入ろうと思っていたのだが、ちょっと思惑が狂う。それでも少しは入れこもうと思い、斑尾山の未踏座である大明神岳と大平山を狙ってみることにした。後者の大平山は唱歌である「ふるさと」に謡われる「かの山」の本当の場所との事でもある。兎を追うには足跡が見えない時期であるが、ちょこっと藪漕ぎを楽しんでみることにした。
1:00家を出る。しっとりと降り続く中、18号で碓氷峠を越えて信州に入ってゆく。降っていたのは上州までで信州では路面は乾いていた。上田のセブンでヤキソバパンを仕入れ信濃町へと向かってゆく。乗り降りにひどく腰が痛む、こんなことを何回続けているのだろうかと自分でも思う。膝は筋肉でカバーできているようだが、腰の筋肉とは聞いた事がない。自助努力で保護できないものか・・・。
上荒瀬地区の目指す林道入り口に着き、少し突っ込むもモシャモシャしていたので入り口で夜明けを待ってから中に突っ込んでゆく。モシャモシャしていたのは入り口付近のみで、中に入ってしまえば状態のいいダート林道が続いていた。途中には北信トレイルの矢印看板も見える。それを追うようにしつつ現在地をスマホで確認しながらソロソロと進んでゆく。大平山を先にしようか、後回しにしようかと悩んだが、先にしてハードルが高かったら1座しか登らないような気もしたので、最初に登山道に伝って、後から藪に入ろうと考えた。
実線路が分岐している場所から取りつこうと思った最初だが、少し先に進むと大きな看板のある林道と登山道の交差点があり、登路が上がっていたのでこの場所からスタートすることにした。駐車余地は2台ほど。停めると一気に蚋が車を取り巻き周囲が黒く見えるほどになった。秋の入り口は、まだ手荒いお出迎えのようであった。外に出てすぐさまザックを漁り防虫スプレーを一帯に噴霧し準備する場所が設けられた。付近ではサルなのか獣が動いている音がする。臭いがクマでもなくシカでもなくサルのようなのでそう思った。
5:41登山道に踏み入れる。クネクネと九十九を切りながら登り、すぐに緩斜面の登山道となる。そして歩き出して10分ほどで主尾根に乗り上げた格好となり、そこが釜石山で、古風な判りやすい表示の山名板が縛られていた。なだらかな尾根を進んでゆくと少しづつ急峻になってゆく。周囲が明るくなり振り返ると下界の景色が見えるようにもなってくる。なだらかな場所より、ここのような幾分急峻を登って行たほうが腰痛が和らぐ不思議さ・・・。
大明神山登頂。風向計の化け物のような塔が立ち、その横のアンテナ塔も目立っていた。野尻湖を眼下に、戸隠から妙高までの飯縄を除いた北信五岳の秀峰が望むことができる。たぶん、以前はもっと見えたのだろう。木々の成長により少し展望が狭められているようにも見えた。それでも斑尾山ではここが展望地とされている最良の場所であった。その斑尾山山頂を望むと、ボッテリとした高みが見えていた。向かってゆく。
大明神から斑尾山までは、かなり蜘蛛の巣が張っていた。この日1番の通過者と言う事なのだが、季節がらってこともあろう。アップダウンしながら進んでゆくと10分ほどで薬師様の祠が見えてくる。そこに13体目のお地蔵さまが入りきれずに見えている。ここに読める謂れは面白い。一段上がって一等点の待つ山頂に到達する。前回は深い雪をラッセルして到達したので点を拝んでいない。この時は拝んだのだが、せっかくの一等点であるが見ない方が良かったようにも思えた。無残にも割られ修復痕が痛々しいのであった。
ブナの尾根を南に進んでゆく。左前方から朝日を受ける格好で、それによる陰影の自然美と差し込む朝日の明るさが心地いい。1310mの所で登山道は東に下りだす。考え事をしておりそのまま伝ってしまい、100mほど下がってから間違えに気付き登り返す。下降点の場所には4/5と書かれた薄れた標識が落ちていた。さあここから登山道を離れる。
いきなり濃い笹薮となった。これには少し怯んだ。もう少し薄い予想をしていたからで、地形図に見える広葉樹マークと衛星画像を見ての判断であったが、いきなりの濃い出迎えで驚いた。僅か数mかと思ったが、数mで笹薮は終わったが、それ以降も密生帯は続いていた。すぐにスパッツを装備に入れなかったことを悔いた。そして残雪期に来るべきと思えた。戻ろうかと思ったのだが、そんなつまらない選択はない。腰痛も幾分癒えたのに・・・。
密で進路がよく見えない中を分けて進む。林業作業の名残か、ワイヤーが残置されているのも見える。この密生度では遠い過去の物であろう。どちらかに振れば進みやすいのかと探ると、東側が幾分植生が薄く、獣も同じことを考えるのだろう踏み跡が出来ていた。ただし獣の道なので高さを考えておらず、伝うには木々が邪魔するところも多かった。尾根上に戻ったり東を伝ったり、反対の西側を伝ってみたりし密な部分を避けつつ進む。
1252高点に到達する。それと判る顕著な場所でこんもりとした山頂部を通過して南西に屈曲してゆく。付近に人工物はないか探したが目に入るものは無かった。この1252高点からの尾根は、幾分植生が弱まり、これまでより歩きやすくなる。こちらにもワイヤーが残置されている場所があり、2箇所ほど確認できた。オアシス的な場所も出だし鬱陶しさから解放される場所も出てきて、当初予想していたのはこんな場所の連続なのにと思うのだった。1310から1252高点までの尾根に対し3割減な感じの植生が続き楽になる。そして大きく平らな高みに到達する。
大平山に到達したことは判るが、どの方向を向いても同じ景色で、コンパスが無かったら迷いそうな場所でもあった。ここも人工物は見られず、這いずるように三角点探しに入る。どこも変化のない地形で探し辛い。幾分東側が高いので寄ってゆくと、倒木の横に三等点が顔を出していた。ここは南東からの尾根が突き上げた場所であり、この尾根を意識して探すとすぐに見つかるだろう場所ではあった。一応これで予定していた2座は踏めた。全く腹は減っていないが、お約束のヤキソバパンを出して無理やり腹に詰める。食べ物と言うより撮るものとなっている食材なのだった。
下山は南西尾根を下れば伝いやすいと思っていたが、これまでの様子からは尾根だからとて伝いやすい植生とはなっていなかったので、ここは西北西の尾根側へ進んでみることにした。山頂の西側に行くと古いトマトジュースの缶が落ちていた。山でトマトジュース、飲んだことがない。下りだすとさほど濃くない笹原が続き、谷地形の中に入ってしまった。ここは地面が滑りやすくなり南側に逃げて行く。
1020m付近で、かなり古い杣道が現れる。植林帯のようだが、管理されずに推移しているようで人が踏み入った形跡が薄い。すぐに見失いそうな道形を北に進むと行き止まりになり、南に進む長い道形を伝って行くも、これも有耶無耶になった。そのまま西に向かうが、後半は一番顕著な尾根に乗った形で林道に到達した。ちょうどカーブミラーのある場所で降り立った。
林道を北に登ってゆく。荒瀬原からの道の合流点を通過し、次に小橋を渡る。この右岸側から破線路が上にあがっているようだが、現地ではよく判らなかった。その先で1192高点の南に入ってゆく実線路の分岐がある。右に見送るとすぐにスタート地点が見えてきた。付近では相変わらず木々がバリバリと折れる音がしていた。
振り返る。間違いなく残雪期に入った方がいいだろう場所だった。広葉樹が多いので、葉が落ちてからと言った方がいいかもしれない。先が見えない場所が続くと、ちょっと悶々としたりする。でもいろんな場所にいろんな表情があり、多彩だから楽しいってこともある。藪山復帰。ここを経て骨折から完治と言えよう。