富士尾山     1296.1m         


   2016.6.25(土)    


  雨のちくもり   単独     アートヒルズ側より     行動時間:2H59M 



@貯水施設5:56→(7M)→A温泉中継施設(登山口)6:03→(28M)→B温泉山6:31〜32→(11M)→C1058高点6:43→(52M)→D富士尾山7:35〜46→(46M)→E温泉山帰り8:32〜34→(15M)→F温泉中継施設8:49→(6M)→G貯水施設8:55


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アートヒルズから西に細い林道を進むと、この場所に出合う。右折側はチェーンゲート。左も以前はゲートが在った様。撮影側には貯水施設。 チェーンゲート側に進むと、5分ほどで分岐となる。ここは左折が正解。 左の写真の又の場所に、古い道標が落ちていた。マジック書きで進路を示していた。 A左折した先にある温泉中継施設。施設周囲を触ると暖かさが伝わってくる場所。見える山道に入って行く。
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A入口の道標。四駆やバイクであればここまで入って来れる。 登山道が切られている斜面は見通しよく伐木されている。 管理された道。地中には導水(温泉)管が埋められている。 860m付近の温泉設備。ここは施錠されておらず扉が開く。換気扇が常時動き内部の熱気を逃がしているよう。ポンプ小屋だろう。周囲に熱気が漂う。
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860mの施設上。ガス抜きだろう三連のパイプ。 870m付近。ザレ地形。 920m。赤ザレに見えるのは雨のせい。北側は崩落地。 970m付近にある中継枡。時折この中から大音量がするので驚く。
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温泉山東の分岐 B温泉山 980m峰 B標識 B温泉山南のリッジ
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B温泉山から東(安曇野平)側 温泉山の北側にも源泉地あり。この周囲も少し暖かい。ここには北ノ沢からの道が上がってきている。 北ノ沢からの道 源泉施設。
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C1058高点 C1058高点北にエゴノキ?富士尾山頂にも白く見られた。 途中の石仏。腕の組み方が、大きなザックを背負ったハイカーのように見える。 1130m付近。ルートを膝丈のササが覆う。
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1169高点東で南からの道形のような掘れた地形に合流する。 1150m付近。明瞭な道形。 1250m付近からササの植生が旺盛になる。雨の日はもちろん、早朝登山でも濡れる場所。 背丈以上のササの場所もある。若干分けるように進む。
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D富士尾山到着 D標識 D三等点 D東側のみ開ける。
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D緩やかな道が多くヤキソバパンも型崩れなし。 D東尾根には下山道なしと表示されているが、無い方向を導いているようで、実際には道形は在るのだろう。 D河内晩柑で水分補給 D一輪のみササユリが咲いていた。
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途中の細尾根 岩と根と・・・。 温泉山北の分岐には、古い道標も残る。北ノ沢側を示していたのか・・・。 E温泉山帰り
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Eリッジで少し遊んでから戻る。 F入山口の温泉中継設備。ここはしっかり施錠してある。 往路は左から登って来た。帰路は右に進んでみる。この先、分岐点は2箇所出てくる。 最後の分岐を振り返る。右側から降りてきた。往路に使った場合、右に進まねばならないが道標は無い。
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Gスタート地点に戻る。貯水施設の脇に1台分の余地がある。




 梅雨に入り、やっと雨を楽しめる週末になった。白い雪山も美しいと思うが、緑を楽しむには梅雨の時期が最高で、濡れるのを好んで歩きたいほど。ただし雨具を着ての歩行は蒸れるのは必須で、雨に濡れるというより、雨に蒸れると言うのが正解だと思っている。

 
 前日、有明の国際展示場でのイベントが終わったのが17:00。それから展示品を引き揚げ家に戻ったのが22:30だった。帰路関越道を走りながら、雨の中での疲労の嵩んだ中でも歩けそうな場所を思い浮かばせるが、思考も疲れているようでなかなかいいアイデアが出てこない。そんなときに、有明(東京)から有明(長野)に行こうと思いついた。

 
 日頃のぞき見しているサイトがある。若くして鬼籍に入ったJJ氏(のサイト)繋がりでもあるのだが、雪平鍋を持たせたら山岳界一番ではなかろうかと思うほどに料理に長けた登山家が居る。工場長氏が「いまさん」と呼んでいたので、私も勝手にいまさんと呼んでいる(笑)。面識もないのに・・・(大笑)。料理が上手と言うことは登山計画や行動にも通じ、登山におけるアイデアとセンスも光っている。その後に紡ぎ出されるレポートの一字一句が楽しく愛読している。その氏が4月に富士尾山に登っており頭に残っていた。私においての安曇野平付近での最後の落穂の場所でもあり、そうだ丁度いい決行しようと思った。

 
 いつものように1時出立の予定で居たが、体が重く仮眠を入れて3時に出立する。出掛けから雨、覚悟も何も願っていた雨なので何も迷いはない。三才山トンネルに潜って松本に出て、
R147号に乗って現地へ向かう。アートヒルズが目印となるが、その看板が見えたので、北アルプス牧場北の十字路から西に入る。別荘地内の狭いダート道を進んで行ったが、これは不正解。道は網の目のように縦横に走っているが、最小回転半径5.8mの車には折れるのが酷な道が多く、一度大通りに出てから、しっかりとアートヒルズを背にして西進した。

 
 経路一切の道標はない。先ほどと同じようなダート道を行くと、別荘地の貯水施設だろうコンクリート構造の建物が見え、その先から道が二手に分岐していた。右の道を選ぶと、すぐにまた分岐があり、これまた難しい場所と思えた。この先は道が悪そうなので、施設脇の1台分の余地に突っ込み準備をする。既にここで蚋が多く、ドアを開けているとみるみる中に入っていった。出している時間がもったいないのでそのまま出発する。

 
 チェーンゲートがされている北側の道に入ってゆく。道を間違えたかと思いつつ進むと、修正するかのように西に曲がってゆく。途中で左からの道が合流し、恐らくチェンゲートを越えた先で分岐した道が合流したのだろう。そしてさらに先でもう一度左から合流する。これが恐らくゲートしてない方の道であろう。沢を右下に見ながら樹林帯の中を道を進むと、左折する分岐がありまたまた迷わせる。迷いつつ分岐するまたの場所まで行くと、地面に割れた道標があり、黒マジックで進むべき方向が書かれていた。直進でなく左折で正解。
ここで初めて富士尾山の記述を目にする。
 

 左折した先にはコンクリートブロック構造の施設があった。その外壁を手で触れると暖気を感じ、これが温泉の中継施設と理解した。扉はあるがしっかりと施錠してあった。この施設の北側にはっきりと判る富士尾山と記した道標があり明瞭な山道が切られていた。ここまで入ってこないとそれと判る道標に出会えない。ようは知らないと難しい登山口であった。そして一般乗用車はここまで入るのは酷で、経路は四駆等が相応しい道の状態と思えた。

 
 山道を伝ってゆく。広葉樹と針葉樹がミックスした植生で、登ってゆく九十九折一帯を綺麗に伐木してあった。プラスチックの青い杭や等辺山形鋼が埋められている様子からして、道の下に何か埋まっているのが判った。電気や水ではなく温泉が通っているのであった。860m付近でルートから脇道に入ると、そこにポンプ小屋のような設備があり、こちらは施錠してなかった。常時換気扇が回り、内部の熱気を外に逃がしていた。施設上部にも塩ビ管が3本でておりガスを逃がしているように見えた。ここからは少しだけ下界の展望がある。

 
 920m付近まで上がるとザレた尾根となり北側斜面が崩落して無毛の場所となっていた。少しやせた尾根で周囲の展望がある通過点で、足を進めると970m付近で尾根に乗り上げた格好になる。ここに枡のようなものが地中に埋められ、触ってみると暖かく温泉の中継枡だろうと判る。ルートが曲がる場所なので枡を設けたのであろう。嫌なことに時折破裂音とも形容できる大音量が中から聞こえてくる。最初の一発目を聞いたときは本当に驚いた。それほどに自然の中での大音量だった。ガスを孕んだ温泉が管を通って来ているのだろう。

 
 枡から1分もしない場所で、道が分岐する。左の明るい高み側へと道を選ぶと、そのピークには温泉山と書かれた標識が出ていた。南にザレたリッジが降りており、安曇野平を見下ろす展望台的場所であった。そしてこここそ温泉山のネーミングがぴたりと嵌る。北側に僅かに降りると源泉地らしい場所があり、ここも周囲が暖気を帯びていた。そして北ノ沢からの道が上がってきており尾根道と合流していた。

 
 温泉山から10分ほど北に進むと1058高点に達する。このわずかに北に古よりの石像が立っており、その彫られた様子が、ハイカーが重量ザックを背負っているときの手の構えに似ており愛嬌があった。この先にもこれらが続くのかと思ったが、この一体だけであった。1130m付近は尾根の西側に道が切られ、やや周囲は平たんな地形となる。進む先で左からの道と合流した形の場所となる。ここは1169高点の東で、南からの道が上がってきているように見えた。実際は道はなく、そんな自然地形だっただかけも知れない。ここからは少し掘れた中を進むが、よく見ていると東側の小尾根に移る道形があり、そこへとズレた方が歩きやすい。

 
 1250m付近からチシマザサの植生が濃くなり少しだが分けつつ進まねばならない。晴れの日の早朝でも、ここの通過で濡らされる場所となろう。雨の日であり、ここでよりべっとりと濡らされる。水平道的場所が続き、今か今かと山頂を待ちわびるが、西に起立する1512高点がしっかり後ろになったころに山頂に到達した。

 
 富士尾山は南北に長く、東側のみ開けたピークとなっていた。三角点もあり標識もあり、それにより登頂達成感のある場所であった。北に進むと東尾根の下降点に、道標が二つ設置され道無しと書かれている。無ければ書かねばいいと思うが、裏読みする性質なので道が在るように見えてしまう。ヤキソバパンで朝食として、水代わりの河内晩柑を貪る。登頂にササユリが一輪のみ花を添えてくれていた。冬季なら西側が見上げられるのだろうが、この時期は新緑が遮っていた。

 
 往路を戻る。雨は小康状態になり蒸し暑さが倍増した感じになる。最高所の源泉地まで戻ると、北ノ沢への分岐点に朽ちた道標が設置されているのに気づく。なんとか文字を拾い出そうと思ったが、朽ちており全く判読できなかった。温泉山を示していたのか、北ノ沢を示していたのかどちらかだろう。もう一度、温泉山に立ち寄ってゆく。そしてガレたリッジを少し下ってみる。流れやすい地形で、日々崩れているような印象を受けた。

 
 音のしていた枡の場所からは、復路では音は聞こえなかった。音がするタイミングがあるようだ。降りて行きポンプ小屋にも再度立ち寄る。サウナの中に入ったような湿度感で、すぐに逃げて出る。雨具を着ながらサウナに入るなど、あり得ない(笑)。ゆっくりと九十九折に足を添わせ高度を下げて行き、入山口の施設前に降り立つ。

 
 ダート林道を戻ってゆく。直角に右折した先の
Y字分岐は、往路の道を左に見て右に入ってゆく。轍の強い本道らしき跡を追ってゆくのだが、枝道がある場所には道標はなく、道標代わりになるのは、濃い轍だろうと思えた。最後は少し藪化した道を右に見ながら左にカーブするように進み貯水施設のスタート地点に戻る。

 
 振り返る。源泉地がなかったら味気ない場所に思うが、在ることでアクセントになり面白く歩くことができた。湯気や温度がより感じられる寒い時期に入山した方が、より楽しめるであろう。全体的に緩やかなコースなので疲労度は少ない。ただし道標も少ない。


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