五宋山 1633.8m 三石山 1173m
2016.5.21(土)
晴れ 単独 椿草里地区より時計回りに周回 行動時間:8H4M
@林道三石山線分岐5:01→(1M)→A椿草里南尾根入口5:02〜04→(25M)→B送電線鉄塔5:29→(52M)→C1024高点6:21→(26M)→D1120m(東尾根)に乗る6:47→(27M)→E水場7:14→(59M)→F五宋山8:13〜22→(2M)→G五宋山南下降点8:24→(31M)→H1432高点8:55→(25M)→I1377高点9:20→(32M)→J1152高点9:52→(7M)→K登山道に出合う9:59 →(6M)→L1100.6三角点10:05→(24M)→M三石山10:29〜56→(16M)→N登山道出合帰り11:12→(33M)→O登山道を離れる11:45→(30M)→P725高点12:15→(33M)→Q椿川右俣の小滝12:48→(13M)→R天満宮13:01→(4M)→S林道分岐13:05
@林道三石山線の椿草里交差点に駐車。住まいしている方が居り煙が上がっている。 | @道標 | A一般住宅への通路のようだが、ここを入りすぐに右にある小路に入る。青いトタン屋根の家が目印。 | A小路脇には流れがある。 |
民家脇を過ぎると、巡視路の標柱が立っている。 | 山道に入り最初の分岐。左上に上がって行く。右の道は椿川左俣側へ進むよう。 | 二つ目の分岐。ここは西側からの道形が合流する。標柱には11番とふられている。 | 三つ目の分岐。本道が右に進む感じで少し伝うが、尾根側へ進む左の道を最終的に選ぶ。 |
B送電線鉄塔のある防火帯の場所に入って行く。 | 710m付近。西側に道形が見える。 | 750m付近の斜面。下草が無く伝いやすい。 | 780m付近 |
C1024高点に乗る。 | 1024高点の北東側尾根は、やや角の立った石がゴロゴロとしている。 | ナツツバキか、奇形の木が楽しませてくれる。山側から撮影。 | D1120m。五宋山からの西尾根に乗る。 |
D取り込まれた見出し標がある。 | D御料局の標柱が埋まる。 | 1190m峰 | 1190m峰東側に赤ペンキが続く。 |
1190高点東側の峠的な場所。 | E1240m付近。椿川左俣源頭付近の流れ。水を得るのに十分量流れている。 | 1420m付近の急登。 | 尾根上に大ぶりな岩が現れ出す。 |
大岩の間を縫うように進む。 | 五宋山西側の様子。 | F五宋山到着 | F標柱 |
F三角点は北西側にひっそりと埋まる。 | Fいい風合いの三等点 | Fヤキソバパンが朝日に映える | G五宋山南側の下降点 |
G169番 | 1470m付近の痩せ尾根 | H1432高点 | 伐採痕が広く残る場所。 |
送電線鉄塔の場所に出る。 | 鉄塔の場所が七面山側を見る展望地。 | I1377高点 | 1377高点から西に下ると、途中に巡視路が横切り、南へ降りて行っていた。 |
巡視路は1377高点からの尾根の北側に切られ、鉄塔の場所からここに繋がっていると思われる。 | 1152高点への急登 | J1152高点 | 1152高点西側の崩落地から覗き込む。 |
K三石山の登山道に出合う | L1100.6三角点ポイント通過。 | タイガーロープが流してある場所。 | やさしい鎖場 |
M三石山のお堂 | Mお堂前の奇岩。 | M山梨百名山の標柱の場所。ここは最高所であらず。 | M南側の高み。ここにはピンクのリボンがされていた。 |
M三石山最高所となる東側の場所。 | M奇岩側より鳥居とお堂。 | 展望台で東側を望む。 | 展望台からは、長者ヶ岳と天子ヶ岳が見えているのか・・・。 |
N登山道出合の場所に戻る。 | 植林帯の中に一級の道が続く。 | 緩やかで快適 | O780m付近で登山道を離れる。 |
ワイヤーや滑車が残置してある場所を通過。 | 道形を伝っているが、かなり藪化が進んでいる。 | 819.3三角点の南東の820m峰東側で道形は北に進むような感じで続く。 | 819.3三角点峰からは北に尾根を選ぶ。 |
725高点の南峰 | P725高点 | 725高点から少しは道形があるように見えるが、途中で見失う。 | Q酷い急峻の上に出てしまい四苦八苦しながらクライムダウンする。ここは30mほどザイルが欲しかった。降りてから見上げている。 |
Q滝の落ち口を左に渡り、そこからさらに横ズレするのだが、ここもヒヤヒヤものだった。 | Q椿川右俣の小滝の前に降り立つ。 | Q降り立った場所から下流側。この先大小3つの堰堤を越える。 | 一番大きな堰堤の上。向こうに見えるは集落。堰堤下まで25mほどある場所。 |
大きな堰堤の右岸には取水しているタンクがあり、下にパイプが伸びていた。 | タンク管理の為だろう、堰堤の右岸側にはタイガーロープが流され、道が出来ていた。 | R天満宮の場所に出てくる。出てから降りてきた尾根を振り返る。 | S駐車場所に戻る。 |
天子山塊を縦走したのは2002年の1月。藪山愛子さんにお世話になり、下山場所から入山口まで北欧の高級車で送り届けていただいた事が強く印象に残っている。その主稜線からわずかに逸れる場所に五宋山があり、当日も気になりつつも同行者が居たので横目に通過した場所であった。
五宋山のみなら、アプローチは難しく考えずに最短路の湯之奥猪之頭トンネルから狙ったであろう。しかし、付近を見ると南に三石山も未踏になっていた。こうなると、二座を絡めた面白そうな周回にしないとならないと思えた。また三石山のみなら、間違いなく大崩地区からの入山。その場合は五宋山はピストンするような形になり、なんとも不格好。悩んだ挙句、椿草里より周回すれば、より円形なルート構成になる事を見出す。そして使えそうな尾根の場所は、ストリートビューを駆使して取りつき個所を確認し、また衛星画像により付近の巡視路の在り処も確認する。
1時家を出る。ここ最近の気温を思い薄着であったが、外に出ると12℃だった。一枚余計に着込んで出発する。これは正解で、野辺山では5℃まで冷え込んでいた。常々の5月ならさもありなんな事例だが、今年はここまで暑いまま推移していたので、急激な低温が身に応えた。まあその分、日中は暑くなるだろうとは思っていた。韮崎に下り、いつものように52号で静岡側へ向かってゆく。野辺山でのセブンから数え、3店舗目でやっとヤキソバパンが手に入る。
身延線の塩之沢駅へは波高島駅がある9号線を伝ってゆく。ここは、中部縦貫道の工事で恐ろしいほどの高低差のある櫓が組まれ、そこを登ってゆく道路が新設されていた。塩之沢駅のところから椿側に沿って登ってゆく。集落が終わると交差ができる場所がない林道が続く。ちなみにとスマホを出すと、普通につながるので驚いた。4時を過ぎ既に夜が明け、椿草里に到着したころには仮眠を許さないほどに明るくなっていた。一度集落奥の行き止まりまで行き、そこから椿川右岸に続く道形にも徒歩で入ってみる。沢道が上がっているようだが、どこに行くのかは分からない。次に、林道三石山線を大岱側に進んでみる。地形図に破線が入っている谷の場所まで結構に長かった。一応下見を終え判断材料に加え、当初の予定通り送電線鉄塔のある南尾根を登ることに決定した。
車は林道分岐点に停めた。この時、偵察の印象では無人に思えた場所から煙が上がっていた。急いで登山靴を履いてスタートしてゆく。警戒心が強い人が居ると困るが、人が見えた時点からにこやかに近づいて行ったら、相手も興味深そうに寄ってきて会話ができた。「沢沿いに道がありましたが、あれはどこに行きますか」と聞くと、「あれはこっちのほう」と手振りで左俣側を示しつつ説明してくれた。「それはそうと、この南尾根には道はありますよね」と予想したことを聞くと、「そこの青い屋根の家の手前に道が入っている」と教えてくれた。「あと、三石山から椿草里に来るルートはどのあたりですか?」と尋ねると、「ほらそこの尾根」と、椿川を挟んだ向か側の尾根を指示して「そこにあったけど、歩いている人が居ないから、いま通れるか判らないよ」と言った。「じゃ今日伝ってみます」と伝えると、「車はどこに置いた。気を付けて」と心配してくださった。車が残っていれば事故に遭った可能性があるとの判断となろう。機転の利く方と判断できた。男性と別れる。
青い屋根の家の手前は、民家の敷地のような場所で入ってゆくには忍びないような場所だった。わずかに踏み入れると、右側の青い家の方から沢水が引かれており、それに沿うように一本の小道が存在した。これを伝うので違いないよう。踏まれていないからだろう少し野草が多い感じがあるが、民家の横を抜けると「田代幹線」と書かれた標柱が立っていた。これによりここから巡視路が登っていることにもなった。先ほどの方が言った昔の道なのだろう。広く緩やかで伝いやすい。
入山して4分ほどで最初の分岐点が現れる。上側に向かう左側の道を選択する。二つ目の分岐はこの場所から7分ほどで現れる。ここは西側から道が合流している形となり、そうなると林道三石山線のどこかに入り口があったはずだが、下見では分からなかった。ここが570m付近で、三つ目の分岐が590m付近にあり、ここを迷った。沢側へ向かう道の方が太く立派に見え伝ってゆく。でもよくよく考えて、尾根を伝った方が後々ミスが少ない。進んだものの戻って上側へ行く道へと入ってゆく。
送電線鉄塔のある防火帯の切り開きの場所に出る。鉄塔は尾根よりやや東側に立っている。どこを歩いても同じような斜面だが、鉄塔下経由で東側から巻き上げてゆく。道が在ったここまでに対し、この先はその筋さえも見えない。ただし下草がなく伝いやすい尾根であった。やや勾配は強く、視界もないような場所でありながら、新緑が美しく心地よく伝うことができた。途中レミントンの散弾の薬きょうが落ちていた。猟期には銃を持った人が入るようだ。温度計を見ると、まだ11℃付近を示していた。
最初のウエイポイントである1024高点に到達する。この先は北側に谷沿いの道が上がってきている場所で、尾根左側を気にしつつ歩いてゆく。と言っても樹林帯で見通しは良くない。やや広い尾根が続き、伝える場所が広いのも困りもので、ふらふらと南北にふらつきながら登ってゆく。そんな中、ヤマドリのきれいな成鳥が目の前から飛び立ったりした。ヤマドリのオスの良し悪しは、尾羽の羽紋で見分ける。ここには一升瓶や鋸刃などが落ちており、林業作業が盛んだった頃が伺える。飲料缶なども落ちており、すべてが半世紀近く経過しているようなものばかりであった。
1120m付近で五宋山から西に延びる主尾根に乗る。ここには御料局の境界標柱が埋まり、見出し標は木に取り込まれているのが見られる場所であった。これらがあるから少しは分かるが、何もなかったら逆行する場合はかなり難しい下降点に思えた。進路を東に変えて1190m峰に乗る。このピークの東側から赤ペンキのマーキングを見る。境界標柱はかなりこまめに埋まられており、ここまで多い場所も珍しいと思えた。
西に下りきると峠のようになっており、北側には山道があるように一筋見えていた。この先、変な場所で1213と標高を拾っている場所がある。そこを過ぎると、水音が南側からしだす。獣か人か、その方向へ踏み跡も続いており伝ってゆくと、ガレてはいるが汲むには十分量の流れがあった。椿川左俣の源頭となろう。尾根に戻りさらに高みを目指してゆく。
境界標柱は相変わらず続き、1420m付近からは急登斜面に喘ぐ事になる。次第に大岩が現れだし、それらの間を縫うように進んでゆく。そして山頂大地の西端に乗り上げると、下草が多くなり、花期であれば歓迎してくれる材料になろうと思えた。トリカブトかニリンソウか…単一植物での群落なので咲けば綺麗であろう。その中を突っ切るように進み北端に到着する。
五宋山到着。プラカード仕様の標識と杭形状のものが埋められていた。三等点側にはスマイルマークのペットボトルのキャップが付けられ、お馴染みの猛者も登っているようであった。樹林帯の中ではあるが日差しの入る場所で、倒木に腰を下ろしてこの先のルートを再確認する。人工物はあれど、自然風味満載な場所で居心地が良かった。10分ほど休んで行動開始。スタートからここまで休憩なしのワンピッチだった。
五宋山の南に行くと見出し標に「169」とふられ、ここが南尾根への下降点の起点となる。降りてゆくとサイゴクミツバツツジの紫色が目に飛び込んでくる場所がある。1470m付近は痩せ尾根となり、残置されたワイヤーなどを目にする。1432高点峰はピークと言うより通過点のような感じで長く細い場所だった。南西に向かっていた尾根が南に向き出した先の平坦地は、理由は不明だが伐採痕がやや広く残っていた。この先で送電線鉄塔の防火帯となり開けた場所となる。展望で言うと、今回のルートでここが一番であった。あいにく春霞な感じで七面山側はうっすらとしか見えなかった。この送電線の巡視路の下降点があるのだが、もしかしたらその巡視路を伝った方が楽ができ、1377高点に乗らずとも巻けてしまうのかもしれない。
巡視路下降点を右に見て、道形を追って登ってゆく。朝方は11℃だった気温が、この頃には完全に夏の気温となっていた。1377高点の最高所にも境界標柱が埋められ、立木には赤ペンキも目立つようにされていた。ここで90度進路が西へ向く。気にして方向を変えたが、地形に誘われ南側へと進んでしまった。コンパスで確認しながら降りてもこんなざまで、大きく横ずれして西尾根に乗る。
西尾根を降りてゆくと、1240m付近で右から巡視路が合流し、尾根を跨いで南側に降りて行っていた。南の実線で描かれる林道に降り立つようだ。このことからして、巡視路を伝えばこの場所に出られたようで、1377峰に登る負荷も、迷うこともなくすんなり歩けるだろうと思えた。西に進むとアップダウンが繰り返される。1152高点へは特に急登でよちよちと足を運んでいた。この1152高点西側は、踏み跡付近が崩落が進み足場が危うくなっていた。そこそこ切り立っている谷が北に入っており、落ちればケガでは済まされないような場所にも見えた。もうひとピークを越えて降りてゆくと、三石山の登山道と合流する。
合流点で少し呼吸を整えていたら、下から2名の男性が上がってきた。挨拶をしても無言だったので、背にして先を急ぐ。なだらかな尾根筋を進み1100.6三角点を通過する。この先でタイガーロープが流してあり、その上には鎖場にもなっていた。1139高点はわずかに巻くように進み、付近は道標が導いてくれる。掲示されている残り距離表示を見ながら次の1座への距離を詰めてゆく。
目の前に人工物が現れる。お堂のような場所で、そこには勧進帳の解説がされていた。その西側に大岩が折り重なっているのが見える。これが名前の由来になっている石なのだろう。休憩適地ではあるが、まずは山頂と高みの方へ進んでゆく。わずかに登ると山梨百名山の標柱の立つ場所がある。他の標識もあり山頂としたいところだが、どう見ても最高所ではなく、まだ奥に高い場所がある。躊躇せずに先に進む。最初は南側の高みに登ったが、そこから見る東の高みの方が高いように見え、そちらに進む。するとそこには赤いテープが太く巻かれていた。中央が窪んでいるような山頂で、その淵をぐるっと回ったような格好で先ほどの山梨百名山の場所まで戻り下に降りてゆく。
お堂の前で休憩しながら、大岩の探訪もする。五丈岩やオベリスク同様に登りたくなってしまうのが性。しかしここのご神体のような位置取りであり、登ることは憚った。根のような蔓のような一本を掴んで登下行すれば叶うだろうと見ていた。それにしても、先ほどの二人がいっこうに到着しない。帰路で行き会うのか、そんな遅いはずは・・・。往路を戻ってゆく。
三角点ポイントまでにも合わず、結局登山道出合いの場所まで戻っても二人に合わなかった。五宋山側に向かったので間違いなく、この先の椿草里への道(分岐)の様子を聞こうとしたのだが当てが外れてしまった。まあ単独行動において他力本願ではいけないのだが・・・。登山道を降りてゆくと、予想外にも尾根を外れて南側にルートが切られていた。1027高点経由で降りてゆこうとも思っており、そのきっかけをつかめないまま気持ちよく登山道に従い高度を下げていた。植林帯の中の道は緩やかでかつ広く快適。ここまで快適な登山道が切られているとは予想しなかった。
快適に下って行く中で、進路左側には大崩地区が近くなっていた。そろそろ北を意識しないとと思っていたところ、780m付近に尾根側に藪道が分かれていた。半信半疑で進み、現在の登山道に対する旧道かと思っていたが、結果として登山道が合流することは無かった。尾根側に入ってすぐに鋭角に谷側へ下って行く道があった。椿川の右俣に向かうようだが、地形図の急峻地形の方へ向かうようで避けた。そのまま尾根を行くが、かなり藪化して分けつつ進む。
途中、林業作業の支点が残っており沢山のワイヤーと滑車が残置されていた。峠のようになっておりここからも北側に降りて行けるように見えたが、ここも避ける。819.3三角点に向かうように続く尾根上に居り、その手前の820m峰の東で、続いていた道形が緩やかに北に向き出す。そしてやや広い地形の中を進み、三角点ポイントを巻くように進んで西側に出る。このまま進むと椿草里に向かうと言うより大崩に近い西側に降りてしまう。ここで進路を90度変えて北側の尾根にスイッチする。これが朝に出会った男性が言っていた尾根となる(おそらく)。
やや下草の蔓延る斜面を斜行して北尾根に乗る。するとそこには、何となく道形が在るようだった。獣道かもしれない。そして725高点南に小ピークがあり、グレーの杭が打たれていた。北の725高点にはピンクのリボンも見えたので、林業関係者が入っているようでもあった。ここから進路を考える。地形に従えば北西側に進むのが自然。しかし、725高点からの全方向は、何処を見ても最後が急峻になる。そんな中で東に下ると神社があるのか、地形図には鳥居のマークが見える。その尾根が幾分緩やかに見える。
725高点から東に下って行く。しかしここからが急峻であった。木に掴まりながら、足元が流れないように注意しながら岩角や木の根を足場に降りて行く。もう少し北側に進めばよかったのだろうが、南側に寄り過ぎて崖の上に出てしまった。下には椿川右俣の流れがあり、もう僅かだが命を賭けるような場所となってしまった。ザックにはザイルは無い。登り返してルートを変える選択肢もあったが、見える地形の何処かに伝える場所が在る筈と周囲を見てルートを探す。最終的には小滝前に降りて行くには、その前にもう一つ小滝があり、その落ち口を南に渡り、そこからの崖を横にズレて最後は根を地中に入れたままの支点がしっかりした倒木があり、幹を掴み握力に任せて降りて行く。10年ほど前は上の方で青くなっていただろうが、今では降りられる技量が備わった。やや緊張で喉が渇いたので、小滝下の水で喉を潤す。これで安全地帯に降り立った。
何度か渡渉を繰り返しながら行くと最初の堰堤がルートを塞ぐ。ここは右岸側を巻いて進む。特に危なくは無いが足場が流れやすいので注意。この下流で大きな堰堤の場所となり、幅30mほどの堰堤の上に出る。ここからは椿草里の山村が見下ろせる。巨大な両岸はよう壁工事がされ、巻けないかとも思ったが、右岸側に行くと、飲料水にしているのか、黄色い取水しているポリタンクが見られ、そこから黒いホースが下流側へ伸びていた。そのメンテ用の道なのか、右岸を巻く道が在り、流れやすい場所にはタイガーロープが施してあった。この道形を追って進むと、天満宮の場所に出る。結局、神社マークの場所は通過していないのだが、神社が現存していたのかは不明。
天満宮の境内はこの場所にしては広く、そこから降りてきた尾根がよく見えた。そこからの舗装路を降りて行くが、周囲に見える畑はほとんどが管理されず荒地になっていた。椿橋のたもとに降り立ち、右折して登りあげてゆく。夏のような日差しを受けながら、足元もアスファルトの臭いが上がってくるほどに熱い。車に到着し無事周回終了。
振り返る。里山なので幾重にも山道や杣道が切られているだろう場所。その一つ一つを具に歩くと、適切なルートが見えてくるのだろうが、今回は自分なりの点数は70点くらい。もう少しすんなり楽に歩けると思っていたことに対し、負荷が多くなってしまった。ザイルなど持ち込む場所ではないが、椿草里側へ降りたい場合、的確な場所が見出されない中では、持ったほうが無難であろうと思う。