前黒山 1678.4m 明神岳 1643m 富士山(新湯富士) 1184.2m
2016.8.6(土)
晴れ 単独 ヨシ沼から時計回りに周回 行動時間:7H6M
@林道入口(ヨシ沼散策路入口)5:00→(9M)→A前黒山登山口5:09→(17M)→B1200mフェンス5:26→(70M)→C前黒山6:36〜42→(26M)→D林道道形終点7:08→(18M)→E1627高点7:26→(29M)→F明神岳東峰7:55〜56→(8M)→G明神岳西峰8:04→(12M)→Hハンターマウンテンスキー場トップ8:16→(44M)→Iスキー場麓9:00→(44M)→J日塩もみじライン料金所9:44→(21M)→K温泉神社登り口(新湯)10:05 →(58M)→L富士山1180m峰11:03〜11→(30M)→M大沼側登山口11:41→(25M)→Nヨシ沼入り口12:06
@ヨシ沼への、散策路入口の対面に林道がある。 | @ヨシ沼側の入口の様子。 | @道標 | 途中の分岐。右へ。 |
A登山口の様子。道標があって進路が判る場所。 | スギの植林帯の中。進路右に小沢。左には踏み跡がある。 | 1150m付近。沢に絶縁テープが続くが、フェンスを越えるようにして尾根側を進む。 | 1170m付近。作業道のような道を登って行く。登山道なのかは不明。 |
B1200m付近の広見に出る。植林帯のある西側に作業道が上がっている。見えるフェンスを乗り越えると、斜面に刈り払いされた道形が登っている。後者を登る。 | B道形に入ってすぐの場所。 | B1200m付近の広見を見下ろす。下山に使った場合、進路が見えてくるのか・・・。 | 1240m付近。急峻。 |
1320m付近。広葉樹林帯。なだらかで心地いい場所。 | 1480m付近。尾根に乗り上げる。 | 1550m付近。道形が薄い場所。 | 1620m付近。ダケカンバ林。 |
C前黒山 | C山部氏の3D標識を久しぶりに拝む。このピークではこの一つしか標識は無く山頂の雰囲気がいい。 | C三等点 | C西側の様子。日光の主峰群。 |
Cヤキソバパンを掲げる。 | C東側ピークから南東へと下って行く。最初は薄く踏み跡がある。 | 途中のヌタ場 | 深いところでも肩丈、概ね胸丈のササが続く。鹿道も多い感じ。 |
途中の1570m峰山頂。 | D地形図に見える林道終点地。地形図どおりに道形が上がってきていた。 | D林道終点地から見る1627高点。 | 1627高点に続く尾根の南側に廃林道が在ったようで、その形跡を見つけ尾根の南を進んでゆく。 |
1580m付近。間違いなく林道幅が残っている。しかしすぐに大崩落で有耶無耶になる。 | 崩落地のがけの様子。少しここを横ズレして行ってみる。 | 途中から上を見上げる。ガケが進めなくなり、右の見える緑の場所を登る。 | 1610m付近。1627高点の南東側はガケ以外の斜面は登り易い感じ。 |
E1627高点 | 明神岳東峰の展望台を下から見上げる。最後が特に濃いササ藪。 | F明神岳東峰。最高点。 | F展望台から西峰 |
F高原山側 | G明神岳西峰と明神神社。 | 日光連山展望台 | よく管理された散策路の木道。 |
Hハンターマウンテンスキー場のトップ。 | Hトップからのゲレンデの様子。終始なだらか。 | 1280m付近。変わらずの緩斜面。 | I百合園の補助用の栽培地が途中に在った。 |
J日塩もみじラインの料金所。水道を使わさせてもらう。 | K温泉神社参道入口。 | 急登階段 | 温泉神社 |
新湯の噴気を見下ろしながら。 | 1100m付近。山腹の巻き道の連続? | L地形図とエアリアから、登山道は最高所を通るのかと思っていたが、東の1180m峰側を通している。 | Lこの時、三角点が無い事を不思議に思っていたが、最高所でない場所に居ることに気付いていなかった。 |
大沼側に降りて、途中にある散策路の分岐。地図に無く判りづらい。 | M大沼側の富士山の登山口 | 大沼園地を掠めるように・・・。 | 下塩原矢板線に乗る。 |
N駐車余地に戻る。この時期は、ヨシ沼側でなく南側に停めた方が日陰。 |
アメダスランキングを覗き見していたら、国内において奥日光が意外と涼しい事が判り、付近での未踏座を探してみる。少し場所がズレるが、高原山の北側に前黒山と明神岳があり、ここに新湯富士を抱き合わせるといい感じに周回ルートが出来上がった。もっともこれには、前黒山の登山道を利用させてもらえるからで、以前のように西から林道を詰めて狙うようであったならば、できて2座のみであろう。
1:00家を出る。高速を伊勢崎ICまで飛ばし、R122で日光に入り、R121を経由して日塩もみじラインに入ってゆく。塩原側の料金所を出たら、600mほど進んだ先で右側に矢板へと抜ける道が分岐している。ここを入ってゆく。ヨシ沼を巻き込むように南に進むと、そのヨシ沼への散策路入り口の対面に「前黒山登山口」と書かれた林道入り口がある。そこからの道はダート道で、少し突っ込んでみたがリスクが大きそうなのですぐに戻り、林道入口近くの路側帯に駐車した。20分ほど仮眠を入れてから準備に入る。
5:00歩き出す。普通乗用車でも入れないことは無いが、不安を抱きながら突っ込むより、割り切って林道に入らない選択をした方が正解のような林道状態であった。7分ほどで分岐箇所が現れる。道標は無いが道形の濃い右(山手)側の道を選んでゆく。通行量は少ないのであろう、踏まれている様子より流れにより路面が削られている量の方が多いと見える。
林道に入り9分で広見に到着し、ここが登山口となっていた。置けて5台ほどであろうか、野草が茂っているのでそう思うのだが、刈り払われればもう少し多いかも。植林地の中を進んでゆく。進路左側には、古い道形なのか踏み跡が見える。右には小沢のような掘れた場所があり、そこも伝えそう。このあたりはどこを伝っても上を目指せばいいようだ。
標高1150m付近で、左側の沢(谷)に導いているようでマーキングがその方向へと続いていた。天邪鬼なので現状のまま植林地地形の上を伝ってゆく。道形は続くが、それが登山道なのか杣道なのかは判らない。左に見える谷を見下ろしながら、その中に散見できるマーキングを見ながら本道?を見つつ植林地の中を登ってゆく。
1200m付近。向かう先がフェンスで囲まれ通せんぼしているような広見に出る。西側の植林地内に林道幅が登って行っているが、そこを伝うのは違うような感じがした。ここで谷に入るのが正解なのかとも思ったが、山手側をよく見ると道形を現すように黄色いリボンが縛られた場所が見上げられた。フェンスも一部破られており、そこから取りついてみる。強い急峻地形を刈り払いしてあるので、ササが伸びてきており登り辛い。ここは擦り足をするようにして這い上がってゆく。登って行く右側にもフェンスが作られていた。
はたして伝っている場所が登山道として合っているのかどうか・・・。道標は無いのでが合否が判らない。でもこんな感じは嫌いでなく、自分の判断で進む場所は好みであった。標高差100m程を我慢すると、広葉樹の美しい緩斜面と変わる。食害なのか周囲に見えるササは膝丈くらいしかなく見通しがいい。植林帯が終わると、一変した自然の景色が待っていた。
1480m付近で主尾根に乗った形となり進路が90度変わる。刈り払われた道形を伝ってきたが1500m付近からの尾根は、道形がやや不明瞭になる。シカ道が在るせいかもしれないし、根の張った場所が多く開削した場所を分断しているようにも思えた。適当に藪の中を進むような格好で上を目指して行く。ありがたいのは、この暑い時期にしてほぼ樹林帯の中での歩行で涼やかに歩ける夏向きなルートであった。
1620m付近でダケカンバ林があり、ライムグリーンの心地いい木漏れ日のシャワーを浴びる。進路左側の展望が開ける場所もある。樹林帯の中ではあるが閉所感は無い。少しアップダウンしながら進むと東峰的高みがあり、少し東側にも刈り払いがされた場所がある。そこを左に見ながら先に進むと、最初の目的地に到着する。
前黒山には、唯一の標識として3D標識が待っていた。その背を向ける側の西尾根には踏み跡らしき筋が降りており、過去はここを伝って登頂した人が多いのであろうと思えた。角Rの強い三等点が埋められ、そこを中心とするように山頂大地が刈り払われていた。西側には日光の主峰群が望める。次に向かう明神岳は、邪魔をされてほとんど見えない。早々だが、ヤキソバパンの形が崩れていない状態で撮影する。4週ぶりに入手できたヤキソバパンであった。
明神岳へは三角点の場所からでなく東の高みに戻ってから降りて行く。笹の中に明瞭な道形が見える。このまま伝えればと思ったものの、コルまでも続かず消滅していた。適当に方向を定めササの海を泳いでゆく。胸丈なのでちょうどよく、ほどよく朝露で濡れているので冷たく心地よかった。その途中にはヌタ場などもあり、小鹿がササの中に潜んでいた場面もあった。斜行するように進み、高度を落とし過ぎないよう気遣いつつ1627高点へと続く尾根を目指して行く。
林道に降りてしまってもそれまでと思っていたが、意識して東に向かい進んでいたら、上手く尾根を繋ぐことができた。1550mのコルの場所からは左に大入道山だろう円錐形が顕著に見えていた。このあたりは尾根の東側に薄い踏み跡があり、伝ってゆくと容易に1570m峰を越えて、その先の林道終点地に出た。ここは地形図通りの現地で、右(北)側から廃林道が上がってきていた。向かう先に1627高点がある。どう進むのがいいかと現地を品定めしていると、尾根の南側に道形を発見した。上手く伝うと1627高点を南から巻けるのではないかと考えた。
道形のような場所を進むと、すぐにザレ斜面になり進めなくなった。目を凝らすと護岸工事がされた場所があり、道形が在ったろう場所が先の方に見えてくる。大きな鹿が逃げて行くのだが、恐らく向かう場所が道形の場所なのだろうと思い足跡を追いかけて行く。それにしてもザレていてちょっと危険を伴う。シカが逃げ込んだ樹林帯に入ると、間違いなくそこに林道幅の地形が先に続いていた。脈ありと気をよくしたが、2分と持たず崖に出てしまった。それも柔らかい地形でグリップしないような場所。ここで滑れば命に関わるような場所ではあったが、面白そうな地形に見えてしまい、少し横ズレしてゆく。掴まるものは今にも抜けそうな細い根だったり、辛うじてくっついている石だったり・・・。ドキドキハラハラしながら進むも、小尾根を跨いだ先でカール上になっており、無理と判断した。そこから樹林帯に戻るまでがちょっと大変だった。先にアイゼンでも付けて行動すればよかったと思えた。
1627高点の南東斜面を這い上がってゆくのだが、意外と下草の無い場所で、急ではあるが登り易かった。ギャンブルせずに普通に尾根を進んでいたら、既にこのピークを通り過ぎていただろうとも思えた。1627高点を越えて向かう先に明神岳が見えてくる。このあたりは尾根の北側にシカ道が付いている。明神への登りになると踏み跡は薄くなり、展望台が見上げられるようになった最後あたりでかなり密藪となっていた。
明神岳山頂。ここを東峰として、南にあるピークが西峰と呼ばれているよう。普通に北峰と南峰の名称の方が正しいと思うが、塩原側から見ると西と東であり、北側の地区の人が付けた名前と解釈できる。展望台に登ると高原山がきれいに見えていた。ここだけでも良かったが遊歩道があるようであり、せっかくなので楽しんでから降りて行くことにした。
南に進んでゆくと遊歩道が右に見える場所も出てくる。石の祠が見えたら、そこが西峰であった。石の祠には明神岳神社で、参拝してからさらに南へと進む。今度は大ぶりな展望台が現れ、日光連山展望台と言うらしかった。確かに素晴らしい展望。日光側のいい絵を拝まさせていただく。この場所が高原山へのルートの分岐点で、その道を左に見ながら遊歩道に乗り北に戻ってゆく。木道の遊歩道が終始続き、滑り止めが延々と続くような施工がされ、かなりお金を注ぎ込んだ様子がうかがえる。でも今は、あまり歩かれていない雰囲気があり、もったいないと思えた。
ハンターマウンテン塩原スキー場の頂上駅に到着する。状態がよく今でも営業しているかのようにも見えるが、オフシーズン。散策路があることから、以前は無積雪期でも動いていたのだろう。そうでないと本当にあの散策路が宙に吹いた存在になってしまう。ここからのゲレンデが素晴らしい。密に植生がありノシバがびっちりと生えそろっているような場所で、背丈がまばらな野草が茂って居たり、そこに山野草が出ていたりとかがなく均一に生えそろっており、下ってゆくのに本当に気持ちのいい場所であった。リオオリンピックの開会式放送を聞きながら降りて行く。視界の中をシカが横切ることが多い。何頭見たろうか、ここの下山だけで10頭以上は見ていた。
麓駅側は東側から降りて行き、現在は通行止めにしてある東の舗装路を伝って日塩もみじラインに出た。多くの観光客の車が行き来する中を、テクテクと麓側へと降りて行く。じつは、この有料道路を歩いていいのかどうかは調べていなかった。白山スーパー林道のように歩き禁止の場所もあり、気になりつつ咎められることも想定しつつ歩いていた。そしてゲートの場所で、徴収員のおじさんの顔に向け愛想笑いを浮かべながら、「水道を貸してください」と申し出ると、二つ返事で「いいよ、どこから歩いてきたの」と好意的に受け入れてくれた。歩いてもよかったようだ。水道で汗を拭いつついると、別の山好きな職員が現れちょっとした山談義が始まる。ここは逆に好意的に受け入れ休憩がてらに会話を弾ます。
この付近の売店には、名物なのか大根ばかりを売っていた。新湯の温泉地まで降り、共同浴場の場所から鋭角に舗装路を登ってゆく。ただでさえじりじりと暑い中、ここの温泉地はさらに暑い感じがした。舗装路の終点地が新湯富士の遊歩道入り口でもあり、また温泉神社の参道入り口も兼ねていた。北側では、この暑さにしても白く噴気が高く上がっている。周囲は硫黄の香りに包まれる。
急勾配の階段を上がっていった先に温泉神社があり、由緒ある石塔も本殿と相対するように立っていた。少し降りたところから富士への散策路が判れている。この新湯富士も夏向きな場所で、登山道のほとんどを樹林が覆う場所となり日陰のまま歩けるのであった。散策路とあったのでさして気にしていなかったのだが、いやに巻道が多い。地形図に見えるようには進んでいないし、エアリアの道の場所にも反している。それでも途中で、20名近い大パーティーとすれ違い、ここでは何も疑うことは無かった。
1147高点を巻いている時は“巻いてるなー”と気づきつつ進み、その先のシダ類の茂る鞍部からの登りで山頂へと直登するのだと思っていたが、北を巻くように進みだしたので“オヤッ”と思った。そして連れていかれたピークには、「新湯富士山頂 1180m」として大きな標識が掲げられていた。中央に大岩が割れたような、トーチカがあったような形状の場所があり、それを挟むように二つの高みで形成されていた。この時、この場所で三角点を探し始めるが、当然出てこない。まさか最高点ではない場所に連れてこられているとは思っていなかった。少しの休憩の後に大沼側へと下山してゆく。
登山道の多くで石が苔むしており注意が必要な場所が続く。九十九折を経て下に行くと、地形図に載らない遊歩道らしき存在が進路を惑わす。そのまま大沼を目指し遊歩道を右に見送り、さらに下へと進む。すると麓側にしっかりと登山口表示があった。舗装路に乗って南へと進んでゆく。大沼園地のトイレに寄るも、カランが設置されていないトイレで汗を落とすことが出来なかった。何もせず出てきてまた舗装路を伝ってゆく。大沼西の湿地を見下ろしながら進んで行き、登り勾配を経て下塩原矢板線に乗る。ここからはさらにまた登り。
ヨシ沼への入り口に戻る。車を取り囲むようにすごい数のアブが居た。どうしようかと迷ったが、日差しと温度の関係を知り得ているので、着替えをもって日陰に移動して着替える。結果、全くアブの被害は無かった。そしてまた日向に戻って、取り囲むアブを気にしつつ70℃近い車内へと急いで入ってゆく。“あっちぃ〜”、言葉にしたからって涼しくなるものではないが、声に出さずにはおれない温度となっていた。帰路に元湯温泉は大出館で黒い湯を楽しんでから戻る。
新湯富士にはもう一度登らねばならない。