茗荷山    1764m         高鉢山   1649.1m   


                                            
  
                                        

   2016.9.24(土)


  くもり    単独     高鉢山駐車場(上側)より    行動時間:2H8M


@高鉢山駐車場5:51→(7M)→A高鉢山バス停5:58→(13M)→B溶岩流のナメ沢出合6:11→(26M)→C茗荷山6:37〜46→(29M)→D車道に出る(九十九折最初)7:15→(9M)→E駐車場通過7:24→(3M)→F9.4kポスト7:27→(11M)→G高鉢山7:38〜45→(12M)→H9.4kポスト(車道)帰り7:57→(2M)→I高鉢山駐車場7:59


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@高鉢山上側駐車場よりスタート A高鉢山バス停の場所から廃林道が入っている。入口は土が盛り上げられ入れないようになっている。 Aバス停の看板 最初の沢を跨ぐ場所
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廃林道の様子。シカの踏み痕なのか、人のなのか・・・。 太い涸れ沢の左岸を進む。 廃林道が南にカーブする場所で道形から離れる。 離れても左岸側に道形のような掘れた筋が在った。
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掘れた筋から一段下にさがってもまた、別の道形が存在した。帰りはこれを伝って戻る。 赤い壁面が見えたらナメ沢の出合いは近い。 Bナメ沢出合には倒木が横たわる。 ナメ沢の最初。溶岩流の一枚板が延々と続く。滑りやすい。
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途中の大岩。 大岩の先もゴロゴロしている。 滑りやすい場所の連続 途中でこんな場所を這い上がる。
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進む先に勾配の強いところが現れたので右岸に取付く。 取り付いた右岸斜面 小沢を跨ぐ 二つ目の小沢を跨ぐ。ここも溶岩流での底。
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北側から見る茗荷山 C茗荷山山頂は倒木が多い C一升瓶も見られた Cヤキソバパン
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C山頂の少し下がった北側に青いリボンが残る。 帰りは笹枯れの東斜面を下る。 沢を跨ぐ もう一つ跨ぐ
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往路の太い涸れ沢に降り立つ。左岸側を伝って進む。 D富士山スカイラインの九十九折の入口に出る。 往路、廃林道に入るなら、この錆びた看板の先から入ったほうが楽。 E高鉢山駐車場を横目に通過。
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F9.4kmポストから南に下る。 赤いリボンが下がる。 西側のヌタ場。東側にもある。 こちらにも茗荷山にあったのと同じリボンが下がる。
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G高鉢山到着 G高鉢神社の祠 G「高鉢神社」と彫られている G文字の消えた標識
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G三角点は祠から10mほど南に下った場所にある。 Gコンクリートのような風合いの三等点。コケのようなものでコーティングされていた。 G南から見る高鉢山 西側より東側を伝ったほうが断然歩き易い。往路は西寄り、復路は東寄りを伝った。
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車道下に出る。往路は9.4kmポストから入り、少し東側にズレてから尾根を下ったほうが楽。 H9.4kmポストの場所に戻る。 この日の富士山。6合目以上はガスの中。 I高鉢山駐車場に戻る。





 富士山の寄生火山の登山情報は、SK氏の記録が国内で一番の情報量であろうかと思う。ほぼ完登しているはずである。しかし、その前にMLQ氏も登っており、秀逸な記録があった。過去形にしてあるのは本人が居なくなったからである。WEB上では、消息を絶ったことに対する嘆きが書かれているのが読める。あのヤマレコに一時現れたとの噂もあるが、おそらく影武者であろう。そのMLQ氏の記録を頭に叩き込んであり、行くチャンスを窺っていたのが富士山スカイライン周辺の山であった。

 

 昨年は遅い時期に狙っていたら、降雪によりスカイラインが早々に封鎖となってしまった。今年になり春先でも予定していたら、気付いたらハイシーズンの規制がかかってしまった。世の中の動き、気象や気候、天変地異などを見聞き体験していると、「山は動かじ」などと言っていられなくなってきている。一瞬一瞬、その時を大事に行動しないと、この先は登れなくなる場所も増えていくだろうと思えるのだった。長居する秋雨前線、土曜日もまた怪しい天気になってきていた。梅雨は好むものの秋雨と遊ぶのには慣れていない。通常はそう長く続かないものだから・・・。

 

 1:00家を出る。上州は雨であった。野辺山越えでは濃霧に巻かれノロノロ運転で通過し、須玉に降りたら嘘のように星空が見える夜空になっていた。20号を経て朝霧高原を通って富士宮に入る。5座予定した中で、一番簡単な天母山を先に踏んでしまおうと園地側へ行ってみるが、ゲートが閉まり簡単には踏めないようになっていた。日中に再チャレンジとして五合目側へと登って行く。

 

 富士山スカイラインに入ると、標識の上にミミズクが乗っているのが見えたり、タヌキが子連れで横切ったり、夜ならではの出迎えがあった。茗荷山を狙うに際し、廃林道の入り口を確認したいと思い、九十九折手前の場所を探ったが、暗い中では見えてくるような林道ではなかった。高鉢山上側駐車場に停め夜明けを待つ。周囲はガスが薄く垂れこめていた。夜明けになっても薄暗い中を歩かねばならないと覚悟する。

 

 5合目に向けてだろう車道を登ってゆく車は多い。ハイシーズンを避けた玄人なんだろうとは思うが、今日の天気は上では酷であろうと思えた。5:51駐車場を出発して車道を登ってゆく。先ほど探せなかった廃林道はどんな状態なのかと興味を抱きながら西側を気にしながら進んでゆく。すると、高鉢山バス停の標識の立つ裏手に道形はあった。入り口は土盛りしてあり入れないようになっている。この感じは新島の丹後山下の廃林道入り口の状態にそっくりと思えた。

 

 廃林道に入ってゆくと、すぐに小谷を跨ぐ。車道側に戻るような踏み跡もあり、バス停より15mほど西側から入った方がスムーズに伝えるような現地であった。意外なほどに状態がいい林道で、その中央部にしっかりとした踏み跡が残っている。まるで歩道のような・・・。しばらく伝ってゆくと、地形図に見えるように道形は南側へと曲がっている。ここで林道を離れて北にある太い枯れ沢に沿うように左岸を伝う。峠道のように深く掘れた道形のような窪みが存在した。5分ほど伝い少し枯れ沢側に降りたら、一段下にも幅の広い道形が上流側から降りてきていた。帰路はこれを伝って戻った。

 

 右岸側の地形を気にしていると、そこに赤い地質の壁が見え印象的であった。このあたりで左岸歩行から枯れ沢の中に入る。そこは岩がごつごつしており、流れることがあまりないのか、ほとんどの岩が鋭利な角であった。進む先にトウヒだろうか大ぶりな倒木があり、そこが今回伝うナメ沢の出合いであった。

 

 ナメ沢に入りすぐに富士山らしく感じられ嬉しくなる。溶岩流で出来たことがよく判る沢底で、途切れる場所がなく一枚板の状態で延々と続くのだった。ただしここは、日ごろから流れがあるのだろう、コケも乗っていてかなり滑りやすい。登りはいいとして下りは使えない場所と体感した。グリップを確かめるようにしてソロソロと冷えた溶岩の上を伝ってゆく。

 

 出合いから3分ほどで、600kgほどに思える大岩がナメ沢の中央で出迎える。大水でもあれば動くだろうと思ったが、ナメとの接点をよく見ると、ずっとここにいる大岩とも思えた。この先も2〜3個の岩が沢の中に見られた。緩やかな勾配のまま登ってこれたが、出合いから10分ほどの場所で少し高低差のある場所が出てくる。滑りやすいこと以外はさして難しい場所ではなかった。乗り越え上流に行くと、その先50mあたりで40度くらいの勾配になっているのが見えた。大した斜度ではないが、滑りやすい状態の中では伝いたくない。右岸を見るとちょうどいい斜面があったので、その勾配の場所を前にしてナメ沢を離れる。

 

 尾根に乗ったわけではなく、向かう先に対しても斜面を横ずれしてゆく格好となる。地図から小谷が読めるが、現地と表記がほぼ合致しており、東から枯れ沢、次に少し流れのある沢を跨いで1754高点の北側の尾根に乗る。しかしポツンとここに置かれたら、周囲を見ても現在地を把握するに足りる材料はなく、コンパスは大事な場所と思えた。経路の谷の数と下(南西)に伸びている尾根筋の様子から、下に進むものと判断できる。一帯は笹枯れであった。見えるシカ道はだいぶ過去のものであろう。鞍部から登ってゆくと山頂部手前に青いビニール紐がマーキングとして打たれていた。

 

 茗荷山山頂。赤い絶縁テープがあるかと思って探したが見えてこなかった。人工物は先ほどの青い荷紐と、倒木の脇に一升瓶が落ちていた。展望はなく、いつの大風なのか、根をむき出しにしてひっくり返っている木も見られた。富士山でも仰げればいいが、こんな場合は灯台下暗しの逆で、灯台上見えずな状況であった。ヤキソバパンを出して記念撮影が済んだら東へ下ってゆく。

 

 山頂からの東斜面も笹枯れで歩きやすい場所であった。二つの小谷を跨いだら、少し南側に降りて行く。往路のナメ沢に入ったら歩き辛いので、その場所を避ける方向修正であった。そして再び太い枯れ沢に入る。赤壁の場所まで沢の中を通過し、その少し上流から左岸側を伝う。すぐに明瞭な道形に乗れ伝って進む。やや野草が茂る場所はあるが、進路に困るほどの障害ではなかった。

 

 飛び出した場所は、スカイラインのちょうど九十九折の最初の場所であった。ここから枯れ沢に入るのも、狙い方の一手とも思えた。スカイラインを南に戻って行きながら、廃林道の場所を再度よく見る。バス停の北側に赤錆が覆った四角い看板がある。そのすぐ北側から入ると、最初の小谷を跨ぐ場所が楽に通過できるのだった。

 

 高鉢山上部駐車場を横目に通過し高鉢山の下降点の場所を目指す。目印は9.4kmポストの場所との事であり、位置が正確に限定されるので判りやすい。下降点となるその場所には赤布とピンクのリボンが縛られていた。細い獣道のような筋を伝って降りて行く。

 

 広い尾根の西側寄りを伝ってみる。膝丈くらいの野草が生え、夜露を纏って進行の邪魔をする感じであった。これだとMLQ氏が地図に書き込んだ様子と違う。どうも違う場所を伝っているようだ。途中にはヌタ場もあった。コンパスを見ていないとあらぬ方向へ行きそうなほどに広く平らであった。こんな時に太陽が見えないのは損で、太陽一つ見えていれば大きくは方向を違えない。この時は見えていない。

 

 コンパスを見ながら進んでゆくと、茗荷山にあったのと同じ青い荷紐が打たれている場所があった。そこから僅かで高鉢山の山頂となった。山名表示はないが、祠と「高鉢神社」と彫られた石柱が立っていた。白い大きな板が地面から生えているが、山名表示は消えていた。三角点があるはずであり、探索を開始する。神社の祠を中心にして半径10mあたりを探してみたが出てこなかった。もう一度地形図を見ると、肩の場所より下がった場所に設置してあるように読み取れる。

 

南側に降りて行くと、もとより人工物なのだが、より人工的なコンクリートで作られたような三角点が顔を出していた。不思議な表情なので触ってみると、薄く特異な苔でコーティングされているのだった。なにか蝋で覆ったような、それがためにコンクリート質に見えたのだった。目的達成で北に戻ってゆく。

 

復路は高鉢山から続く道形を忠実に追ってみた。西側を伝った往路に対し東側を伝っており、ほぼ全く下草を気にせず通過できるのだった。MLQ氏の記述と合致するのは東側であった。こちらにもまたヌタ場が見られた。進んでゆくと苔むした壁が現れ上から車の通過する音がしていた。そうか、9.4kmポストからは、最初東に進めば良かったのかと判った。わずかな距離で結構違う植生となるのがこの尾根であった。朝露に雨具を履かなければ濡れる西側、雨具不要な東側であった。

 

スカイラインを北に戻って高鉢山駐車場に戻る。神社があった事から麓側の地形を眺めて復習したりする。どこかに参道がないとならないと思うが、現地では三角点下での道形は判らなかった。MLQ氏が登った時には神社は見ていない。登頂して何かが解決したと言うよりは、登頂して謎が深まった。


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